愛妻家ノンケ虎おじさんがゲイ向けAVに出演し、初めて知った男同士の味に知らず知らずのうちにはまってしまう話
☆
「これ、もう始まってるんだべ?」
自らに向けられたレンズを見つめながら、柔和な表情をしたその壮年の虎獣人は、口を開いた。
「あ、はい。そうですね。もう始まってます」
ホテルの一室でカメラをかまえた若い犬獣人の青年は、そんな虎獣人に慌てて頷いてみせた。
「すいません。つい親父さんにみとれちゃってたもんで」
それは少し顔を赤らめている犬獣人にとって、本音なのだろう。
彼を街角で見かけて、撮影に誘ったのは、この犬獣人なのだから。
ふくよかで優しそうな顔をした、見るからに包容力のありそうな虎親父。
だが、そんな犬青年の言葉を聞いてノンケの虎獣人は笑い飛ばす。
「んなことよく言うだ。こんなデブのおっさん捕まえてよぉ」
彼には、未だに理解できないのだろう。
自分のような容姿のおっさんに、AVの需要があるだなんて。
田舎町で、しかもノンケ一筋で生きてきた彼にとって、ゲイという存在はよく理解できていない。
……そら、俳優みてえに若くて格好いい兄ちゃんなら、わからんでもねえけんどよ。
着古して色褪せしている茶色のスーツを着た、冴えない虎獣人。
しかもその中身は、でっぷりと肥えた中年親父なのだ。
毎日の野良作業で黄色と黒の体毛はくすみ、腹なんてわしづかみで摘めるほどに飛び出している。
さいわい重たい荷物を抱えているため筋肉はそれなりにあると自負しているが、どんぐり眼に鼻ペチャの田舎臭い顔立ちと相まって、格好いいだのステキだの、賞賛の声などかけられたことは未だかつてなかった。
せいぜい誉め言葉は、優しそうと言われるぐらいか。
……こんなもん撮影したところで、誰が見るもんかい。
そう高を括っているからこそ、分別のついたいい大人がこんなエロビデオの、しかも男同士の絡みの撮影なんてものに参加したのだ。
まあ、参加した理由はそれだけではないのだが。
……交尾出来るんなら、もう誰でもいいだべよぉ。
「ええと……。それじゃ、お名前と年齢を聞かせてもらってもいいですか?」
青年とのあらかじめの打ち合わせ通り、虎獣人はその名前を口にする。
「ええと……雄二だべ。歳は今年で52だな」
「雄二さん。身長と体重を教えてください」
「170センチに110kgだ。……ちょっと肥えすぎだなぁ」
そのでっぷり超えた体格に、聞いてるだけで興奮する犬青年。
「そんなことないです! すごくいいと思います」
青年の言葉をお世辞だと思いながらも、まんざらでもない表情の虎獣人。
「今日は撮影に参加していただきありがとうございます。実は街を歩いてて、魅力的な雄二さんが風俗街の入口でうろうろしてるのを見かけて、つい声をかけさせてもらったんですよ」
カメラの向こうの視聴者に対して、青年は語る。
「ああ、おら今日は仕事で都会に出てきてよぉ。せっかくだから風俗で遊ぼうか悩んでる時に犬の兄ちゃんに声かけられちまって……」
照れ臭そうに笑う虎獣人。
「ということは、普段はあんまり風俗とか行かないんですか?」
犬青年にとっては、イケオジの性生活は気になるのだろう。
つい突っ込んだ質問をする。
「昔はよく行ってたんだがよぉ。ここ数年はこれが出来ちまったから……」
恥ずかしそうに笑いながら、だが誇らしげに小指を立てて見せる雄二。
「彼女さんですか?」
「いんや、嫁さんだべ。これがめんこい奴でよぉ。……なあ、写真見るかぁ?」
ごそごそと財布を取り出すと、そこに入ってる写真を犬青年に見せる虎親父。
「どれどれ……」
写真がカメラに映らないように覗き込むと、そこには中年親父に似つかわしくないような若くかわいらしい、小柄なウサギ獣人の女性が写っていた。
「……なんか、意外ですね」
こっち界隈にはモテ筋の親父さんだが、女の子受けはしなさそうなのに。
そんな感想が思わず浮かんでしまった犬青年の言葉に、にやにや笑って答える虎獣人。
「そうだべ。おら、こんなんだから雌にモテたことなんてほとんどなくてよ。その癖、性欲は強いもんだからこの歳まで結婚もできねえで風俗通いばっかりだったんだべ。それがスナックでこいつと出会ってよ……」
その表情は幸せでとろけてしまいそうに見える。
「知り合いに初めて連れて来られてたらしいんだけんども、おらが1人で飲んでるの見て声かけてくれたんだぁ。かわいいし優しいし気立てもいいし。歳だってまだ30だで。そんな子がおらのこと気に入ってくれたみたいでよ。初めは美人局かなんかかと思っただ」
優しそうな笑顔を浮かべて、写真を大事に財布にしまう虎親父。
「なんでも年上好きみたいでよぉ。おらも年甲斐もなくはしゃいじまって……そらこんなめんこい雌がわざわざおらと飲んでくれるんだべ? おら舞い上がって『2人だけで飲みたいなあ』なんて言ったら、ついてきてくれてよ。そのまま酔った勢いでホテルに連れ込んじまったんだ」
「……」
ノンケ親父の赤裸々な話に思わず撮影を忘れて聞き入ってしまう犬獣人。
「やっぱり風俗嬢とは違うべなあ。裸に剥いちまったら経験少なそうなきれいな身体しててよ、おら感動しちまったなあ。思わず乳にむしゃぶりついちまった」
……ごくり。
子供と見紛うような小柄なウサギ獣人の女性に、でっぷりと肥えた虎親父が襲いかかる姿を想像して唾を飲み込む犬青年。
「おまんこもそんなに使ってねぇきれいなもんだったからよ、じっくり口でふやかして、こうやって指で十分拡げてやってから、突っ込んでやったんだ」
その時の事を思い出しているのだろう。
当たり前のようにカメラの前でわきわきと指を動かすその様子は、たまらなくエロい。
言葉通り、嫁だけではなく幾多の風俗嬢をその指で泣かせてきたのだろう。
「……」
「相性も良かったみてぇでよ、小せぇ体を震わせて、『イッちゃうっ!』って何度もメスイキしやがって……。もう、朝までやっちまったなあ」
「……」
「そんで、おらメロメロになっちまってよ、拝み倒して嫁になってもらったんだぁ」
幸せそうな顔を見せる虎親父。
「よく気がつくし、飯も美味いし、嫌がらずにおらと寝てくれるし……最近はあそこがちゃんとおらのちんぽの形を覚えてくれてるみたいでよぉ。恥ずかしそうにする癖に、するするとおらのデカマラ飲み込んじまうんだ。でもちゃんと絞まりもええし……」
「……そうなんですね。今は週何回ぐらいセックスするんですか?」
「そら、毎日に決まってるだ。嫁のいいとこ全部覚えちまったからよ、そこをこいつで突いてやったら、『お父さんお父さん』って泣きながら、おらの身体にしがみついてよ。そのまま体震わせてイッちまうんだ。たまんねぇべ」
嫁さんとの交尾を思い出したのか、好色そうな笑みを浮かべて己の股間をまさぐる虎親父。
デカマラと言うだけあって、ズボン越しにもその巨大な盛り上がりが見てとれた。
「……でも、そんな大事な奥さんがいるのに、風俗なんて行っちゃいけないんじゃないですか?」
撮影に誘った身だと言うのに、ついそんな事を言ってしまう犬青年。
「それなんだべなあ」
困ったような顔の虎親父は、告白する。
「おらも嫁以外としたいわけじゃねえんだけんど……。年甲斐もなく励んじまったせいで、嫁がこないだ孕んじまったんだ」
50代の親父が照れたような顔を見せた。
「それは……おめでとうございます」
「ああ、ありがとよ。だけんどもよお、ガキが出来たら嫁と子作りできねえだろ? 嫁の口と手で我慢してたんだけども、だんだんそれもつらくなって……」
「……」
「いや、嫁はよく出来ててな、おらの性欲知ってっから、相手がプロなら外で遊んできてもいいって言ってくれるんだべ。だから仕事で都会に来たついでに、風俗に寄っちまおうと思ったんだけんども……」
「……」
「やっぱりかわいい嫁がいるのに、別の女に手を出すのはどうかと思って、迷ってたんだべ」
「そこを俺が声かけちゃったんですね」
「んだ。ムラムラも我慢出来なかったし、雄相手だったら浮気になんねえかと思って、ついてきたんだ」
その辺はノンケ親父の感覚なのか、あっけらかんとした表情で笑う虎親父。
「そ、そうですか。でも、雄相手に勃ちそうですか?」
「ああ。今だったら穴さえありゃなんでもいいべ」
鼻息荒く、ぎらぎらした目のその顔はまさに発情した雄の顔だった。
「……期待してますね。じゃあ、撮影よろしくお願いします」
☆
「まずは服を脱いでいただいていいですか?」
「おうっ」
軽く頷くと、身につけたスーツとシャツをするすると脱ぎ捨てる虎獣人。
さすがノンケと言うべきか、まるで銭湯で服を脱ぐようにあっさりとした動作。
カメラの向こうに、その身体に欲情した雄達がいるなんてことは想像できないのだろう。
「こんなもんでいいだべ?」
下穿き1枚になった虎親父は、腰に手を当ててカメラマンの犬青年に聞く。
脂肪と筋肉の入り混じったぶっといガタイ。
背丈がそれほど高くない分、その身体自体の分厚さが強調されてしまうのだ。
ノンケだけあって触られた事もないのだろう。
体毛からピンク色の乳首がうっすら透けて見えている。
そしてその股間にあるのは……。
「越中ふんどしですか……」
「ああ、これが一番楽なんだべ。小便するときもさっと脇からちんぽ取り出せるしよ」
どっかりとベッドの上であぐらをかきながら、ニカッと笑う虎親父。
「無茶苦茶エロいですね」
思わず犬獣人は呟いてしまう。
「そうかぁ? おっさん臭いって、嫁には不評なんだけどもよぉ」
虎親父はポリポリと頬を掻く。
「そんで、おらは誰と交尾すりゃええんだ」
もう待ちきれないのだろう。
ふんどしの中央は盛り上がり、じわじわと先走りで湿っていた。
「兄ちゃんが相手してくれるんか?」
「いや、お願いしたいのはやまやまなんですけど……。俺は撮影係なんで、別のモデルさんと。……じゃあ耕太さん、よろしくお願いします」
犬獣人が奥の部屋に声をかけると、そこから現れたのはふくよかな体型の狸獣人だった。
30代ぐらいだろうか。
雄二と似たような背丈だったが、普段野良仕事で鍛えられた彼とは違い、筋肉よりも脂肪の比率がかなり高そうな身体をしていた。
「うおっ、かなりイケてる親父さんじゃないですか! 俺、耕太と言います、よろしくお願いします!」
「おお、よろしくな。……なかなかめんこい顔してるでねえか」
その愛嬌のある顔は、虎親父のお気に召したらしい。
「あんまり厳つい顔だとちんぽも萎えちまうかなって思ってたんだけどよ、そんなに悪くなさそうだべ。ぽちゃぽちゃの身体も抱き心地良さそうだしよ」
そう言いながらも、自らの濡れたふんどしの中央を撫でさする虎親父。
先走りが布に拡がって、うっすらと肉棒の輪郭がレンズに映し出される。
「……」
突き破らん勢いでそそり勃つ逸物は窮屈そうで。
我慢汁で濡れた白いふんどしから、飴色に変色してしまっている様子が透けて見えた。
そのごつい掌であっても握りきれないほどに太い竿は、よほど使い込まれているのだろう。
ごくり。
狸獣人の耕太は思わず喉を鳴らしてしまう。
「親父さん……それ、舐めさせてもらってもいいっすか?」
「ん? なんだ、尺八してくれるんだべ?」
笑いながら言う雄二。
雄がフェラをしてくれるという図が未だに想像できないのだ。
だが、ゲイの狸獣人にとって、それはご馳走でしかない。
「は、はい! お願いします!」
「そうかい。そんなら……」
朗らかだったはずの声が急に低い声に変わる。
「……気持ちよぐしてみろよ」
驚いた狸獣人が虎親父の顔を見ると、そこにあった柔和な雰囲気がいっぺんに厳つい雄に変わってしまっていた。
そこにいるのは雌を求める発情した雄で。
「……はい」
狸獣人はその姿にぞくぞくしながら、四つん這いになり、ふんどしに顔を近づける。
そこからは濃い雄の匂いが漂っていた。
ねろっ。
ふんどし越しに舌を這わせ、その塩辛い先走りをねぶる耕太。
ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ……。
愛おしむように舌を動かすその顔は恍惚としていた。
だが、その程度の刺激では海千山千の虎親父には大した刺激ではないのだろう。
茶色い狸獣人の頭を掴むと、ぐぐっとふんどしに押し付ける。
「んんっ」
より濃厚な匂いに包まれ呻く耕太に、虎獣人は囁いた。
「なあ、直接舐めてくんろ」
「は、はい……」
慌てて手を伸ばしてふんどしの紐を掴もうとする狸獣人だったが、その腕を虎おっさんは止める。
「……兄ちゃん、手なんか使わねえで、口で外してみな」
交尾に手慣れた雄の指示。
その言葉に狸獣人は夢中になって口を使う。
顔中を先走りでべとべとにしながら、必死に紐を引き、解けたふんどしを除けると、中からごつい逸物が顔を現す。
まさにそびえ勃つという表現が相応しい、天を衝く極太の肉竿だった。
長さは普通程度だが、虎親父の体格に似つかわしい太い竿。
亀頭は雁が張りだし、淫水焼けしているせいか、全体的にこげ茶色に変わっている。
とろとろと流れる我慢汁が、画面の向こうの視聴者を誘っているようにさえ見えた。
使い込まれた、ノンケの逸物。
「……すげぇ」
我慢できなくなった狸獣人は、小さく呟くと、その逸物にむしゃぶりつく。
ぬちゅっぐちゅっじゅるっむちゅっ……。
口を大きく開け、その太い逸物に食らいつくと、口の粘膜と舌、そして喉を使って必死に雄棒を愛撫する。
じゅるっぬちょっぐちゅっ……。
唇でやわやわと竿を締めたり、喉の粘膜に雁首を密着させて吸い付いたり、舌先で裏筋をなめ回したり。
ぐちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっ……。
「おお、いいべ。たまんねえよ」
恍惚とした表情で天を仰ぐ虎親父。
「よ……いや、風俗嬢よりも気持ちええでねえか」
つい、嫁よりもという言葉が出そうになった雄二は慌てて言い換える。
嫁の存在は虎獣人にとっては特別なのだから。
……さすがに嫁と比較するのはまずいべ。
だが、事実その丁寧な舌遣いは嫁の行為とは雲泥の差で。
その快感に浸りながら、雄に舐められているというのに、雄二の胸にふと後ろめたさが湧きあがってくる。
……違う、こいつは雄だべ。雄だから大丈夫なんだべ。
そう気持ちを反らすように、そのまま狸獣人の頭を撫でてやると、耕太は嬉しそうに短いしっぽを犬のように振った。
「嬉しいっす。ここも気持ちいいでしょ?」
ぐぽっ……くちゅくちゅくちゅ。
一度口を離すと、今度は金玉にむしゃぶりつき、口の中で舌を使って転がし、弄ぶ。
「おお、気持ちええ。そんなとこ舐められたことねえべ」
くちゅくちゅと口の中で遊ばれる感触に思わず呻く虎獣人。
「同じ雄だから、気持ちいいとこわかるんす」
そのまま舌先で竿を舐め上がると、また口に含んだ逸物を舐めしゃぶるのだ。
「雄の尺八ってのも悪くねえべ」
そんな言葉を漏らしながら、我慢できなくなったのだろう。
もっと刺激を求めるように頭を抑え、自ら腰を振り出す虎親父。
ごちゅっごちゅっごちゅっごちゅっ……。
いっそう激しい交接音が、カメラのマイクに届いてしまう。
狸獣人もオナホのように口を使われながらも、必死に雄二を気持ち良くする事に専念する。
唾液を溢れさせ、とろとろにした粘膜をこすりつけながら、舌先を鈴口に捩込み、雄汁を誘うように動かすのだ。
ぬちゅっじゅるっぐちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっ…
「あ、だめだべ……これ以上は出ちまうだ……」
金玉がせりあがってきたのがわかったのだろう。
慌てて狸獣人を引きはがそうとした虎親父だったが、耕太は離そうとはしなかった。
それどころか、すっぽんのように吸い付いたまま、首を前後させ、雁首を唇で刺激するのだ。
「うおおおっ!」
獣の叫びが部屋中に広がる。
それと同時に狸獣人の口に撃ち出される濃厚な雄汁。
びゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっ……。
ヨーグルトのような固形物の入り混じった黄ばんだザーメンが何度も何度も狸獣人の喉を通る。
この濃さ、この量なら若い女を孕ませても当たり前だと思いながら、狸獣人は必死に子種汁を飲み下すのだった。
☆
「なんだ、兄ちゃん。おらの雄汁、飲んじまったのかよ……」
大量の子種をすべて腹におさめた狸獣人を見て、雄二は驚いたように言う。
「おらの種汁ねばっこくて喉に引っかかるって、風俗嬢でも飲むの嫌がるのによぉ」
「そんなことないっす。親父さんのザーメン、うまかったっす」
そうにこりと笑う耕太を見て、虎親父は感動したようだった。
「おめぇ、かわいいな」
そう言って雄二は耕太の頭を撫でる。
かわいい嫁でさえ飲んでくれないザーメンを、こいつは嬉しそうに飲み干したのだ。
愛おしい気持ちが湧き上がっても仕方ない。
「そ、そうですか」
照れる狸獣人は、ふと思いついたように言う。
「あの……雄二さんのこと、お父さんって呼んでもいいですか?」
「え……」
「俺、雄二さんみたいな大人の雄に憧れてて。こんなお父さんがいればいいなって」
「そうか。……まあ、ええぞ」
ふと、嫁が自分の事を『お父さん』と呼んでいることを思い出し躊躇する雄二だったが、気に入ってしまった耕太に言われると、拒むこともできない。
「……それにしても、気持ち良かっただぁ」
すっきりした顔でにこりと笑ってみせる虎親父。
「あの雄二さん。……まだ大丈夫そうですか?」
カメラを構えながら、一度イッてしまったことで雄との交尾に対する嫌悪感が出てきてないか心配になる犬青年。
だが、雄二は笑いながら首を振る。
「こんなもんはただの上澄みだべ。いつも交尾のときは抜か3抜か4でやってるからよぉ」
事実、その通り絶倫なのだろう。
先走りと雄汁を滲ませたまま、その肉棒は股間の中央でいきり勃ったまま。
「そうですか、安心しました。じゃあ、耕太さん、引き続きお願いします」
「わかりました。お父さん、お願いします」
「ああ。んだども、雄と交尾ってどうすりゃええんだ?」
そんな事を聞いてしまう虎獣人に、狸獣人は笑いかける。
「ここに……俺のケツマンコに入れて欲しいっす」
ベッドに仰向けに寝転び、両足をあげると、ケツを見せつける狸獣人。
そこは使い込まれているのか、少し土手が盛り上がっていた。
狸獣人はそこを2本の指でぱくぱくと開いてみせる。
「……」
薄ピンク色の粘膜が、ぐちゃりと音を立てて顔を覗かせた。
中でうねうねと蠢く肉襞。
それは虎親父を誘うように見えた。
……ごくり。
唾を飲み込んでしまう雄二。
すでにいきり勃っていたはずの肉棒が、さらに膨らんだ。
「……こんなの、雌穴でねえか」
虎獣人は目をぎらつかせる。
彼の目に、それは雌穴にしか見えなかった。
もう、雄だからと躊躇することもない。
種付けのスイッチが入った雄二にはもう、雄雌の区別などなくなってしまっていた。
「……かわいがってやるからよお」
じりじりとにじり寄ると、虎親父は、その肉穴に舌をつける。
じゅるんっ。
「ひっ!」
敏感な肉穴に感じる、生暖かい感触。
思いも寄らない刺激を受けて、悲鳴を上げてしまう耕太。
「お、お父さん。そこ、汚い……」
思わず呟く耕太。
もちろんAV撮影なのだ。
きちんと洗って準備しているが、それはそれ。
まさかノンケ親父がケツを舐めてくれるなんて想像もしていなかった。
だが、発情した虎親父はそんなことかまわないとばかりに、そのずんぐりむっくりの身体を押さえ込み、ケツに舌を這わす。
「ここはおめえのおまんこなんだろ? じゃあ汚くねぇべ」
雄二にとって、己の逸物を突っ込む雄穴は、すべからく舌でかわいがってほぐしてやる場所なのだ。
……気持ち良くしてやんねえと。
じゅるっ、くちゅっ。
唾液をまぶしつけながら、太い舌を奥まで突っ込んで掻き回す。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ……。
「あっ♡、あっ♡、あっ♡、あっ♡」
耕太の甘い泣き声が虎親父の昂ぶりを助長する。
「気持ちええんか? ああ? 気持ちええんか?」
悶える狸を抑えつけて、舌先でじっくりと肉襞をかわいがってやるのだ。
その様はまるで雌をかわいがる雄のようで。
犬青年は、カメラを構えながら片手で自分の股間を抑えてしまう。
ぬちゃんっ。
濡れた音を立てて、舌を離す虎親父。
……舌では埒が明かねぇ。
己の唾液で十分ふやかしてやったのだ。
虎獣人は次に、その芋虫のような指を雌穴にねじ込んだ。
ずぶずぶずぶ……。
「ああっ♡♡!」
舌とは違う、太く硬い感触に、身体を震わせる狸獣人。
「兄ちゃん、感じやすい身体しとるんだな」
ニヤニヤと笑いながら囁いてくる虎獣人は、まさにエロ親父そのものだった。
……雄もなかなかかわいいもんでねえか。
そんなことを考えながら、ゆっくりじっくり指を動かしながら、耕太の感じるところをまさぐっていく。
くちゅんこちゅんこりっこりっ……。
「んんっ♡、んんっ♡」
雄と雌の違いはあれど、交尾に慣れた雄の手管に、耕太は泣かされる事しかできない。
やがてその指先は、壁を隔てて硬くしこる前立腺に触れてしまう。
「あっ……」
思わず声を漏らす耕太。
「ふうん、ここが泣きどころだべな」
びくりと震えた損身体に、快感の源泉だと察した雄二は、その胡桃大の前立腺を優しく優しく撫でる。
さわさわさわ……。
「あ、あ……」
気持ちいい。
でも、物足りないその刺激にせつない顔をする狸獣人。
「お父さん♡……もっと♡……」
思わずせがむ耕太の声に、雄二は思い切り指を動かした。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ!
「ひぎいいいいいっ♡♡!」
突然の強刺激に嬌声を上げながら、まるで陸に吊り上げられた魚のようにバタバタと身体を踊らせる狸獣人。
相当の快感が襲っているのだろう。
その勃起した逸物から、じわりじわりと白濁液が滴る。
だが、虎親父はその手を止めようとはしない。
一度泣かした雌は徹底的にイカせてやるのが、彼のモットーだったから。
ぐにゅっぐにゅっぐにゅっぐにゅっ……。
指先を掻き回しながら変幻自在の刺激を加える虎親父。
強弱をつけ、耕太の弱いところを攻め続けるのだ。
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡……」
よがり狂う狸獣人の身体を抑えつけ、ケツに指を突っ込んだまま、その乳首に舌を這わす。
「ひぃぃぃぃっ♡♡!」
ピンク色の乳首に生暖かい感触を受け、呻く狸獣人。
明らかにそこは性感帯だった。
雄二は嬉しそうに笑う。
「なんだ。ここもえらい使い込まれとるんだべな。木苺みてえな色して、ぷっくり膨れとる」
そう囁いた虎親父は、まるで果実を搾り取るように容赦なく乳首に吸い付いた。
そして激しく刺激するのだ。
じゅるぐちゅぬちょぶちゅぐちょぐちょぐちゅぬるじゅぶぬちゃじゅるぬちゃずぞぞぞぞぞぞぞ……!
おぞましいほどの舌遣いと、もげてしまいそうな吸引力。
だが、それが耕太にとってたまらなく気持ちいい。
「ぴぎぃぃぃぃぃっ♡♡!」
ブタのような鳴き声を上げ、、身体をのけ反らせる耕太。
初めて雄を攻めるというのに、それを感じさせないテクニシャンぶりに、狸獣人は身悶えすることしかできない。
激しい乳首への刺激にあわせて、くちゅくちゅとリズムよくケツ穴を掻き回されているのだ。
しかも感じる前立腺を執拗に弄ばれて。
その快感は尋常ではなかった。
「イグっ♡、イグっ♡、イグぅぅぅぅっ♡!」
身体を震わせて、何度も何度も吐精を続ける狸獣人。
そんな耕太の姿を見て、舌なめずりをする虎親父。
「こんな感じやすい身体しとるくせに、よく雄みてえな顔してられるべ」
「い、言わないでください……」
泣きながら懇願するその姿は、雄二にとってはもう雌そのものだった。
……雄も雌とおんなじでねえか。
そう考えると、ふといけないことをしているような背徳感が虎獣人の心を襲う。
一瞬よぎる嫁の顔。
だが、ここまで昂った心と体を、抑えつける事なんてできるはずがなかった。
「もう、我慢できねえべ……」
ずるっ……。
顔をしかめながら、指を引き抜く。
そして先走りでずるずるになった逸物をしごくと、虎親父は肉穴に押し当てた。
ぐじゅっ。
焼きごてでも押し付けられたような熱く硬い感触に、耕太は呻く。
「お父さん♡……ください♡。俺の中にお父さんのちんこ♡……ください♡」
「おおおおおっ!」
耕太の懇願に、耳を塞ぎたくなるような咆哮が部屋に響いた。
ごちゅんっ!
肉杭が狸獣人の肉穴を穿つ音が、カメラのマイクに届いた。
「んああああああっ♡♡!!」
「ぐうう……」
その感触に、顔を歪める雄二。
……こら、すげえべ。
もう何百人もの雌穴を貫いてきた雄が、尻穴の感触に呻いてしまう。
それほどまでに狸獣人の雄膣は名器だった。
雌のものとは違う、きつい締め付け。
それもただきついだけではないのだ。
数の子のようにぷつぷつとした肉襞が、亀頭に竿にまとわりつき、ねっとりと絡み付く。
微細なこりこりとした触感とともに、ぬめる肉壁が、すべてを包み込み、ぎゅっぎゅっと絞り込むのだ。
「おお……」
雄が動かずとも、肉穴は勝手にうねうねと蠕動し、子種を搾り取ろうとする。
それどころか、勝手に奥へ奥へと竿を運ぼうと動いているのだ。
雌穴にはない、極上の快感。
「……たまんねえだ」
そう呟いた虎親父は、ごちゅりと腰を動かす。
ずちゅんっ。
「んぎぃっ♡!」
その動きに泣き声をあげる狸獣人。
気持ちいいのだろう。
どぷっ。
また逸物からザーメンが漏れた。
その腹はすでに吐き出した白濁液で沼のようになっていた。
他の雄のザーメンなど、本来ノンケの虎親父にしてみれば、嫌悪感しか感じさせない。
だが、今は……。
……かわいいでねえか。
自分が感じさせた挙げ句、イカせた結果と受け取れば、簡単にそれを受け入れることが出来た。
「お父さん♡……お父さん♡……」
譫言のように虎親父を呼ぶ耕太。
その姿は毎晩の営みで喘ぎ狂う嫁の姿を思い起こさせる。
そう、嫁はいつだって、逸物をくわえ込むと、『お父さん』と呼びながら、雄二にしがみついて快楽をねだるのだから。
「……」
ぶんぶんと首を振ると、虎は耕太の肩に手を伸ばす。
そしてがっちりと掴むと、現実を忘れるように腰を動かし始めたのだ。
ごちゅっごちゅっごちゅっごちゅっ……。
「ん”お”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”っ!」
カメラに撮られているというのに、狸獣人はあられもない姿を見せる。
それは動画を見るものにとって、本気で感じているとわからせる事ができる交尾だった。
どんっ、どんっ、どんっ、どんっ……。
その太い腰がたたき付けられる度に、耕太の身体が激しく揺れる。
その太い肉棒にえぐられるのがどれだけ気持ちいいのか、すでに縮み上がってしまった逸物から、びしゃびしゃと小便のように潮が噴き出した。
「くっ……」
一方の虎親父も歯を食いしばって快感に呻いていた。
雌のものとは違う、極上の穴加減。
きつく締め付けた肉襞が、腰を動かす度にこすれてしまう。
特に敏感な雁首への刺激は、悶えてしまいそうなほどの快楽を雄二に与える。
ぶじゅっ……。
思わず漏れてしまった少量のザーメン。
それを潤滑液がわりに、また腰を振りつづけるのだ。
……気持ちええ。こんなおまんこ、初めてだ。
雄二はその快楽に溺れてしまう。
今まで何十年も犯し続けてきた雌よりも、そして最愛の嫁よりも、この雄のケツ穴はたまらなく心地いいのだ。
……ケツマンコ、最高だべ。
がちゅんっごちゅんっがちゅんっごちゅんっ……。
これが風俗嬢や嫁相手なら余裕を持って抜き差しすることが出来ただろう。
だが、この雄穴相手ではそれができない。
この狸獣人は感じれば感じるほど、その肉穴の締め付けをきつくする。
握りつぶされるような強い締まり。
それがたまらなく気持ちいい。
雄の筋肉がそれを可能にするのか。
雌とはまた違う、肉の歓待に、虎親父は雄叫びをあげた。
「イクっ、イッちまうだ!」
「お父さんきてぇっ♡、中に出してぇぇぇっ♡♡!」
奇しくも閨の嫁と同じ台詞を吐いて、種をねだる耕太。
脳裏に嫁の姿が浮かび、一瞬、ブレーキがかかりそうになるが……。
どぷどぷどぷどぷどぷどぷ……。
雄の種付けの本能が、理性を振り払ってしまっていた。
☆
ごちゅんっ、ごりっ、ごちゅごちゅごちゅごちゅっ、ぐちゅりっ、がちゅがちゅがちゅん!
『いつも交尾のときは抜か3抜か4でやってるからよぉ』
その言葉通り、目を血走らせた虎親父は、狸獣人の身体を抱き抱えたまま腰をたたき付ける。
がつんがつんがつんがつんっ!
もう、嫁への罪悪感など感じる余裕などなかった。
溜まりに溜まった性欲をこの雄に吐き出す事しか考えられない。
「お父さん♡……もっともっと♡……」
狸獣人もその激しい攻めに応えてしまう。
元々、華奢な雌相手に本気で腰を振ることなど、このごつい身体をした虎親父には無理な事だった。
どれだけ夢中になろうとも、心のどこかで手加減してしまっていた。
だが、今は違う。
雌とは違う骨格のしっかりしたその身体は、どれだけ力強く腰をたたき付けてもへしゃげることはないのだ。
それどころか、それに応えるように雄穴で肉棒を締め付ける。
ぎゅるるるるっ!
餅をつけばつくほど粘り気が出るように、抜き差しすればするほど、その締まりは強くなる。
その数の子のような肉襞も興奮したように硬さを増し、より虎親父の肉竿を刺激するのだ。
それが頭がおかしくなるほど気持ちいい。
「あーいい。たまんねえべ」
呆けたように呟きながら、親父は抽挿を繰り返す。
がつっがつっがつっがつっがつんっっ!
「お父さんっ♡、すごいっすごいいいっ♡!」
泣きわめく耕太にたまらなくなったのか、虎親父はその身体をがっしりと掴むと、抱きしめたまま持ち上げる。
駅弁だ。
農作業で鍛えられた身体は、決して小さくはない狸獣人の身体を抱え上げたのだ。
ずぶずぶずぶ……。
「ひぎいいい♡♡!」
重力に従い、肉穴にめり込む虎親父の逸物。
今まで以上に雄穴を押し広げられる感覚に、耕太は喘いだ。
「すごいっ♡……すごいっす♡!」
思わずしがみつくようにその黄色と黒の身体を抱きしめたが、雄二は頓着しない。
血走らせた目でひたすら腰を突き上げる。
どごっどごっどごっどごっ……。
全力の雄交尾。
雌相手ではできない、激しい交尾の快楽は虎親父の脳を焼いた。
決して忘れることのできない悦楽として。
「おおおおおっ!」
普段は温厚で優しいと言われる虎親父の面影はそこにはなかった。
ただ快楽を貪る猛々しい雄の姿。
それは嫁であっても知らない、雄二の本性だった。
「くそっ、もう一発イクべ、中に出しちまうべ!」
激しく腰を振りながら、虎親父は宣告する。
それに応えるように耕太は強く雄二を抱きしめた。
「お父さん♡、奥に♡……奥に種をください♡。孕ませてくださいぃぃ♡♡!」
『孕ませてくださいぃぃ♡』
その言葉は、虎親父の本能を刺激する。
もう頭の片隅にも嫁の存在は残っていなかった。
あるのは、目の前の雄に種をつけなければならないという使命感だけ。
「イクぞッ。イッちまうぞおおぉぉぉっ! 耕太、孕んじまえぇぇぇぇっ!!」
めりめりめりっ!
限界以上にめり込ませた逸物の先端から、孕ませるためだけの濃厚な子種汁が大量に放たれる。
びゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっびゅるっ……。
もう何度も出したというのに、まるで初めて射精するような大量で濃厚なザーメンが、狸獣人の腹を膨らませていくのだ。
「しゅごい♡……俺、孕んじゃったよ♡……」
耕太の漏らした声を聞きながら、虎親父は快感と後ろめたさに浸るのだった。
☆
「今日はありがとうございます!」
「いや、こっちも楽しかっただ」
頭を下げる犬の青年に軽く手を挙げると、ホテルを後にする虎親父。
撮影が終わり、彼はこれから編集作業に移るのだろう。
ちなみに狸獣人はホテルの部屋で寝込んだまま。
さすがに雄二の交尾が激しすぎたのだろう。
あれから2発、雄膣に種を吐き出したのだから。
「……」
腰はすっきりしたのだが、もやもやとしたものが虎親父の心の中に溜まっていた。
「……気持ち、えがったな」
それでも、ぽつりと呟く雄二。
こんなにも気持ちのいい交尾は生まれて初めてだったのだ。
……初めはちょっと、オナホ使うぐれぇのつもりだったのによお。
雄との交尾など、せんずり程度にしか考えてなかったのに。
この数時間で、虎親父の思考はすっかり変わってしまっていた。
道行く雄の姿も、美味しそうに見えるほどに。
「……またやりてえなあ」
幸いなことに、犬の青年と耕太からは連絡先はもらっていた。
頼めば、再びこういう場をセッティングしてくれるだろう。
……また出演するのも悪くないべ。
そんな事をぼんやりと考えていた虎親父の耳に、スマホの着信音が聞こえる。
トゥルルルル……。
「……あ、ああ。雄二だ」
何も考えずにボタンを押し、それを耳に押し当てる。
「あっ、お父さん?」
その声にぎくりとする雄二。
聞き慣れた『お父さん』、というそれは、さっきまで散々泣かせた耕太のものではない。
最愛の嫁の声だった。
「お、おう。おめえか。なんだべ?」
声が裏返りそうになるのを必死にごまかし、平静を装う虎獣人。
だが、電話の向こうの嫁は、そんな旦那の姿などお見通しなのだろう。
「お父さん、またなんか悪いことしたんでしょ?」
「へ? ば、馬鹿言うでねえ。おら、そんな悪いことなんて……」
慌てて否定する旦那の声に嫁はくすくす笑う。
「わかってるわ。どうせ風俗行ったんでしょ。もう、遊んでもいいって言ってるのに……」
「ち、違う! おら、おめえがいるのに、他の女に手を出したりなんてしねえだ!」
「わかったわかった。わかりました」
何かを見透かしたような声を出すウサギ獣人。
「風俗なんて行ってないのね」
「そ、そうだ!」
だからと言って、代わりに雄と交尾をしてきたなんて言えるわけもないのだが……。
「そうだ。お医者さんに行ってきたけど、お腹の子供順調だって。来月の終わりには顔が見られるみたい」
「ほ、ほんとか!」
大きな声を出す虎親父。
待望の子供が、ついに生まれるのだ。
「うん。これであなたも正真正銘のお父さんになるのね」
「……」
その時に耕太の顔が浮かんでしまい、思わず黙り込んでしまう虎獣人。
だが、その沈黙に気づかないまま、嫁は言葉を続ける。
「じゃあ、早く帰ってきてね」
「わ、わかっただ」
そそくさと電話を切っても、雄二は立ち止まったままだった。
……おら、あの交尾忘れられるんだろうか。
嫁のため子供のために、よその女と遊ばないと誓ったのに。
気まぐれで足を踏み入れた場所が、自分にとって底なしの沼だったなんて。
「おらは嫁さん一筋なんだ……」
そう呟きながらも、いずれ再び自分が雄に手を出してしまうであろうことを、雄二は本能で確信してしまっていた。