犬系男子がペンギン相手に発散するだけの話

  僕には昔とても仲良くしていた親戚の、弟のようにかわいがっていた新黒 春(しんぐろ はる)という男の子がいる

  中学と高校、さらに学年が一番下と上ほどに年が離れていた子のため、

  僕が一人暮らしを始めるようになっていてからはトンと遊ぶこともなくなっていた。

  そんな子が今年とうとう大学へ入学するという話がでたのが半年前のこと。

  思春期特有の、心の機敏による引きこもりとなってしまった話を聞いてからは、親族の集まりですら顔を見ることができない居た中で、

  心配が杞憂に終わった事に内心、その時は胸をなでおろした

  すでに社会人となっていた自分の家に居候させてあげられないか、という話が舞い込むまでは。

  多種多様な種族が暮らす中でもそれなりに珍しい、ペンギンとイルカの中間のような見た目の自分は、

  子供ができなかった犬族の両親に引き取られてもその親戚筋からはやや疎まれていた。

  口さがない大人の悪意を子供ながらに多少は感じていたが、そんな中でその子だけはまっすぐに尊敬と敬意のこもった目で眺め「ぺんぎん兄ちゃん」と慕ってくれていた。

  頑張れば社交的になれるが気疲れを強く感じてしまう、内向的で引っ込み思案な共通点。

  外で遊ぶよりもゲームが好きで、お互い少ないお小遣いで漫画を共有できる利点。

  いろんなものがかみ合って仲が良く、ともすると精神的にも、引き取ってもらえたという恩がある両親よりも安心感を覚えるほどだった。

  なので、いまだにあの子とゲームをしたり会話したり、昔のように仲良くする事自体は嫌ではない。

  むしろ望むところではあるのだが、しかし一人暮らしという環境、つまりは親戚や親元を離れた結果で得た自由という名のいかがわしいアレやソレの存在に頭を抱えてしまう。

  結局、仕送り金という魅力と親戚や親のゴリ押しに屈した上で、せっかく集めた破廉恥な物品の数々を捨てる勇気もなかった自分がこうなるのは必然だったのかもしれない。

  もしくは、あわよくば可愛い年下の男の子に、という欲望があったのかもしれない。

  一緒に住むことになって一か月、ただの一か月で、自分が同性愛者であることがバレた。

  最初こそ、僕に襲われるのではないかという誤解があってか多少ギクシャクした期間があったものの、

  そういう素養があったのか、もしくは昨今の世間では受け入れられることも多くなってきた認知の問題か、

  引きこもりの情報収集先のSNSのせいかもしれない、ただとにかく、疑心はすぐに興味へとうつっていってしまったのだ。

  やさしいが内向的で、高校は半分を通うことなく一般的な恋愛というものができなかった上に、SNSで色々な一般的ではない愛の形をみてきた若者である童貞の子が、

  何もしなくとも滾ってしまう性欲をぶつける対象として興味に流されるのも仕方がない流れだったのかもしれない。

  ……それを裏付けるように半年もたてば、それらは明確な形となって以前よりもずっと仲良く、やや歪んだ形となって育まれてしまっていた。

  「……今日も、いい?」

  僕の部屋をのぞき込む黒ベースの体毛をしたゴールデンレトリバーは、こちらの返事を待たずして部屋へと入室してくる。

  三日に一回。

  それが僕と彼との間に設けた暗黙の了解だった。

  その日は僕が色々と準備をしたうえで先にお風呂に入る。

  僕がお風呂を出た時点で自然と準備が整った事が彼に伝わり、彼がお風呂へ入る。

  そのサイクルをもうずっと繰り返している。

  お風呂あがりと一目でわかる腰にバスタオルを巻いた姿はしっかり拭いても尚残る水分で濡れそぼり、

  光を反射するほどに艶が出ている光沢のある体毛は、こだわりがあるらしい少しお高い犬獣人用のトリートメントのおかげだろう。

  単純に黒と表現するよりは、濡れ羽色と表現する方が正しく見えるその体は多少の脂肪と筋肉がついており、

  お腹から腰、お尻のラインは一見すると太ましく見えるものの、ふくよかというよりは、やや女性的なしなやかさと弾力を内包しているのを、僕は知っている。

  かわいらしい年下の、若々しい身体にドキリとしてしまうのは同性愛者としては普通の反応、だろう。

  あまりそういった相手を積極的に探しては来なかったのもあり、経験という意味ではほとんどないからというのもあるが。

  そしてそれをしっかり感じ取っているらしい彼は、ずいずいとこちらに近寄り、ベッドに座る僕を見下ろした。

  「……ハル君」

  ハル君、と呼ばれた彼を見上げると、天井の電気の逆行の中でむっとした表情を作る。

  「むう……その名前は嫌だから、僕のことはしんばるって呼んでってお願いしたよね? ひののにだって、僕には名前よりこっちで呼ばれたいっていってたでしょ」

  引きこもっていた時に何かあったのか、自分の名前はあまり好きじゃない、と呼び方を改めるように言われたお願いだったが、昔は名前で呼んでいたのでつい口をついて出てしまう。

  かくいう自分も、引き取られる前の昔の名前よりは自分でつけたハンドルネームのほうが気に入っている始末なので、何も言えない。

  「う、む……し、しんばる」

  「うん」

  改めて呼び方を改めると、ことさらにニコリとした笑顔を作って、年上であるはずの自分の頭に手が伸びてくる。

  日頃の生活をする上では家主である自分が立場が上だが、こういう状況、雰囲気の中ではしんばるの方が優位にたってしまう。

  撫でる手はやさしく、機嫌がよく、心地が良い。

  その手が頬へと降りてくると、もう片方の手も使って両頬を包むようにして、唐突に正面を向けられる。

  「うあ……」

  見上げていたはずの視線が下ろされると、当然のように飛び込んでくるのはしんばるの腰回りだ。

  「……ほら」

  バスタオルで包まれているがすでにその雰囲気だけでしっかりと大きくなって盛り上がったそこを目の前に、ただ一言だけ上から声が落とされる。

  それだけで何を求められているのかわかったが、言葉で出さなくても伝わる命令に反発心は全く浮かばず、むしろ自分の胸がドキリとしてしまう。

  嘴で緩く巻かれたバスタオルついばむと多少の引っ掛かるものの簡単に落ちてしまい、すぐに自分を毎晩悦ばせる性器があらわになった。

  ぶるりと大きく一度跳ねたソコは、多少の皮がかぶっているものの大きさは平均以上で、そこに垂れさがる二つの玉はしっかりと質量を感じさせる。

  雄として十分以上に立派に育ったモノを前にして、もう我慢することはできなかった。

  「ん、ぁ……」

  嘴のせいでくわえる事こそできないが、その裏筋に舌を当ててゆっくりと舐め上げると、しんばるの口から小さな喘ぎが漏れた。

  他の獣人のように口内に含むことで包み込むような柔らかい刺激を行うことができず、両手がヒレのようになっている自分ではしんばるの雄を支えることもできない。

  自分にできることといえば彼の太ももにしがみつくように抱き着いて拘束しつつ、舌を這わせて鈴口や裏筋など、腰を思わず捩ってしまいそうになるしっかりとした快感を断続的に与えることだが、

  ことのほか彼はそれを気に入っており、自分で性器を手にもち、皮をむいてなめやすいようにしてくれる。

  鈴口を掘るように舌先で刺激してびくびくと腰が跳ね、裏筋を舐め上げる。

  「う、ふぐっ……! んっ、ぅいっ!」

  言葉にならない喘ぎが頭上から聞こえて、体は拘束から逃れようと反射的に動いてしまっているが、

  手は自分の性器をしっかり支えて僕の頭を押さえつける。

  そんな相反する動作だけで僕自身も興奮してしまい、下着の中で大きく勃起したそこがひくつき、先走りがじわりと広がっていくのを感じてしまった。

  「あっ、ぁ、まって、出そう……!」

  しばらくの間、その刺激を続けていると、小さな声で口を離すようにぽんぽんと頭を撫でつけられる。

  その合図と言葉で絶頂が近いことを感じると、そっと口を離した。

  「は、ぁ……ひののに、本当に舐めるのうまいよね……」

  「うー、褒められてるのはわかるけど、あんまりこう、素直に受け取れないというか」

  「あはは、まぁ気持ちはわかるけど」

  軽い言葉とは裏腹に、かわいらしい顔立ちのまま劣情を垣間見せる表情で自分を見下ろすしんばるに、どきどきとしてしまう。

  最初よりもずっと固くなったそこが待てないとでもいうように跳ねているのを見て、僕はそっとベッドに寝転がった。

  「……」

  目の奥にギラついた発情の光をともしたまま、慣れたように下着を脱がす彼はそのまま足首をつかむと、すぐに大きく上に上げて股を広げさせられた。

  遮るものがなくなった自分の下半身が、年下の親戚の子供にすべて見られてしまっている。

  視線を感じるだけでお尻がひくつき、へそにつきそうなくらい勃起した性器が刺激を受けた彼の性器の比ではないほどになんども跳ねてしまう

  羞恥と興奮がないまぜになった感情が胸をどんどんと大きく高鳴らせ、血液をしっかり循環させて体温を急激にあげるのを感じる

  「じゃあ入れるね?」

  何か月と僕で経験を重ねた彼は、もはや指で性器を抑える事すら必要とせず、足首をしっかりつかんだまま腰の動きだけで僕の穴を探り出し、ゆっくりと押し込んでいく

  「う、ぁっ、や、ばぁ、ぁあああっ!!」

  内側にしっかり仕込んでおいたローションのおかげか、それとも何度となく調教されてしまったせいか、引っ掛かりもキツさもなく、侵入を許す。

  高揚した気分も相まって、とうとう腰が密着した時点でびくんと腰を跳ねさせてしまった。

  お尻全体が痛みも圧迫感もなく、くすぐったい敏感な箇所のようになってしまっているせいでただそれだけでぎゅう、っと締め付けてお尻だけで絶頂を迎えてしまった。

  「……気持ちいい? 僕のちんぽ」

  「……っ!」

  まるでメスのように全身に走る快感をしっかり感じてしまっている僕の様子に、雄としての優越感を興奮へと変えて楽しそうに声をかけてくる。

  それに返事をすることもできず、先走りが溢れていくのを感じながらもなんとか首を縦に振ることしかできない。

  「そっか、じゃあもう僕も我慢できないから、上澄み全部だすからねっ」

  「え!? ちょ、まって、まだ、ああああっ!?」

  絶頂感がまだ引き終わっていない中で、唐突に激しく腰を振り始めるしんばるに、情けない喘ぎを上げるしかない。

  敏感になったお尻が何度も擦られ、イイ所を通過するたびに我慢できない声が上がってしまう。

  ガッチリつかまれた足首で逃げることもできず、流し込まれる快感をただひたすら享受して耐えるしかできない

  「あっあぁあっっ!? ひぐ、ま、っで……またイっっ ?! ぐうううっ!!」

  「っっ……僕も、まず一発目、ぇ!!!」

  ガツン!っと奥に押し込まれた途端、おなかの中で熱い種が大量に吐き出され、

  びく、びくっ、と雄棒が跳ねるのを体の奥で感じながら、自分も先ほどとはくらべものにならないほどの絶頂を感じてしまった。

  掴まれた足首のせいで足を延ばすことができず、その力は腰に伝わり、浮き上がってびくびくと魚のように大きく跳ねてしまう。

  気が付けば、子種をねだるように締め付けるお尻と連動して、僕の性器が何度もしゃくりあげておなかを汚していた。

  白濁した液はシンバルのそれとは違ってまるで押し出されるようにマグマのようにどろどろと流れでて、白い羽毛をべたべたに汚していく。

  「はぁ……はぁ……もっと」

  「っっ、!? あぁぁっ ひっ、あっあっぁっ!!」

  そうして少しの間だけ二人で絶頂の余韻に浸って。もう一度しんばるが腰を振り始める。

  「柔らかい、あったかくてとろとろしてて、オナホより気持ちいいっ……!」

  まずは、の言葉通り、一度の射精で性欲が減退するどころか、完全に発情したらしい彼は犬歯を見せ、雄の顔で何度も何度も僕のお尻を蹂躙していく。

  ローションと精液とが混ざり合った粘液がぐぽぐぽと水音を大きく立て、足はどんどん真上から頭の側へと倒れてくる。

  完全にのしかかるような体制になったしんばると目が合っても、彼の瞳に理性の色はなく、若い雄犬の性欲のはけ口にされている事実にどうしようもなく心が疼いてしまう。

  「ふぐっ、! う゛ぁっ……イ゛ッ、く゛ゥっ……!!!」

  抑え込まれてしまうと本当に逃げ場はなく、身をよじることもできず、恥も外聞もなく喘ぎ散らすしかできない。

  打ち付けられる腰に、性器が前立腺を通るたびに、最奥にがつりとぶつかるたびに、

  頭が白く飛びそうな快感とともに壊れた蛇口のように先走りとも精液ともわからない液体が僕の性器から溢れていく。

  大きく脂肪が付いたおなかがそんな精でびしゃびしゃと水たまりができるほどになり、僕の声が枯れ始めた頃、ようやくそれは訪れた。

  「っっ!! でるっ……!!! イクイクイクっっ!!!」

  切羽詰まった声とともに本能的に腰を大きくグラインドさせてお尻に密着させると、強い勢いで射精が始まり、おなかの奥の壁にびしゃびしゃとマーキングされるかのような感触と先ほど以上の熱を感じる。

  少し控え目であまりはしゃいだりする事が少ないような内向的なしんばるが、メスを孕ませてやるという雄の本能にしたがって玉の中にため込んだ精を吐き出してくる。

  その熱が流し込まれるたびに、心が大きく揺れ動いてしまうのを感じてしまう。

  大きく勃起した、自分の精液で濡れた男性器を持っていても、雄に孕まされる悦びに身体が勝手に興奮し、頭はメスとしての安心感と幸福感で満たされて行ってしまって。

  「はぁーっ、はぁーっ……」

  「ふ、ぅっ……んぁあっ……」

  最後の最後まで一滴残らず流し込もうとするしんばるの腰使いに思わず体が反応し、絞るように締め付けてはそれを享受していく。

  まさしく獣の交尾のようなその行為の中で、明確に雄と雌をお互いに意識して。

  「んっ……!」

  「んむっ……」

  視線が合うと、どちらともなくキスをした。

  むさぼるように唾液を交換し、先ほどの交尾のように激しく舌を交わらせ、自分こそが相手を愛おしく思っていると伝えるような濃厚なキス。

  そうしてしばらく、本能に身を任せ終わるころに、ようやくお尻から雄棒が引き抜かれた。

  「は、ぁ……気持ち、よかった」

  「ぼ、くも……」

  ぐちゃぐちゃに乱れた獣毛と羽毛が重なるように、僕の身体にしんばるが崩れ落ちてくる。

  乱れた息はいまだ整うことなく、荒い息遣いだけがしばらく聞こえていた。