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「や…めろっ…!」
男は口の端から唾液を垂らし、顔を手で押さえながら誰に言うでもなく言葉を発する。
ふらふらとした足取り。
はぁ、はぁと言う息にグルルル、と獣のような唸り声が混じる。
頭の中で野生の声が響く。
己の望むままに。
「お…れは…」
体が熱い。
煌々と照らす満月。
男は目を見開き、天を仰いだ。
満月をその瞳に映し。
「う…ウォォォォン!!」
それは狼の遠吠え。
男の体が変貌を始める。
ゴキゴキ、と全身の骨が異音を起て始め。
マズルがせり出した。
鋭い牙が生え揃う。
小さな耳がずずず、と大きな三角形の耳へと生え変わる。
ブチブチ、と全身の筋肉が千切れ直ぐさま、修復を行い。
どんどん強靭なものに変わっていく。
証拠に体がどんどん膨らみ、身に付けていた衣服が破け、上半身が晒された。
膨らみきった筋肉。
そこから皮膚を破るように、艶やかな獣毛。
ズボンを突き破り、長くしなやかな尻尾が月光に照らされる。
ものの数分の出来事。
男は人であって、人ではない者に変貌をとげていた。
「フゥゥゥ…ゥゥゥ!」
上げる唸り声は悦びに充ちている。
男―人狼は頬を吊り上げ、鼻を数度動かすと軽やかに、跳んだ。
今宵は…
「ちょっと贅沢しちゃったかな。」
同時刻。人気の無い夜の住宅街を歩きながら線が細く、どこかのんぽりとした男が上機嫌に呟く。
その手にはコンビニの袋。
普段はちょっと手を出しにくい高価なスイーツが中には入っている。
明日は休みだ。たまには悪くないだろう。
早く帰って食べたいな。
そんなことを考えながら早足で公園の横を通りすぎようとした時。
街灯とは違う光が横目に写った。
「…ん?」
何かの気配を感じて。
顔を横に向けた。
眼前に。
鋭い爪を光らせた、狼の頭をした、何かが迫っていた。
「うわっ?!」
声をあげ、尻餅をつく彼。
人狼の腕が、彼に迫る。
[newpage]
「かーずきー♪きちゃったぁぁ♪」
人狼はとてもにこやかな笑顔を浮かべながら千切れかねない勢いで尻尾を振る。
ぎゅぅぅ、と抱き締められ、彼―和喜は人狼の背中を平手で叩いた。
「えへへぇ、あったかい♪かずきぃ、すきぃ♪おれのにおい、つけるぅ♪」
だがそんなこと構わず人狼はやはり楽しそうに、嬉しそうに和喜に頬擦りしたり、ペロペロと舐め回したりとやりたい放題。
「わかっ、分かったから!く、苦しいっ!輝人!一旦離して!」
しかしこのまま人狼―輝人に好き放題されたら全身の骨が折れかねない。
何とか声をあげる和喜。
クゥゥン、と鳴きながら名残惜しそうに輝人は和喜を離した。
「ごめん…でも、どうしても、我慢出来なくってぇ…」
耳を畳み、申し訳なさそうに輝人は上目遣いに和喜を見つめた。
「…大丈夫だよ、気にしてないから。ちょっとびっくりしただけ。」
和喜は優しく微笑み、輝人の喉元をくすぐる。
輝人はグルグル、と嬉しそうに喉を鳴らし、尻尾をまたしても振りたくる。
「ほんとっ?!」
「うん。ほんとだよ。」
「やさしいかずきぃ、すきっ、だいすきっ♪」
耳をピコピコ動かし、満面の笑み。
見た目の恐ろしさや威圧感と正反対の、まるで愛玩動物のような愛らしさである。
真っ直ぐな笑みに和喜も笑った。
「じゃあ帰ろっか。…送ってってくれる?」
「うん!いいよぉ!」
輝人は何度も頷き和喜を軽々と持ち上げた。
所謂お姫様抱っこである。
「しっかり捕まってね!」
「んっ…!」
ぎゅっ、と強く抱き締められ、嬉しそうに笑うと輝人は脚に力を込め、跳躍した。
空高く。町が見下ろせるぐらいに。
風を切り、和喜の家へ。
「だいじょうぶ?寒くない?」
「ちょっと寒いけど、輝人が暖かいから大丈夫だよ。」
「えへへ、俺もあったかい♪」
幸せそうに笑い合って。
[newpage]
和喜の家に着くなり、輝人はクンクンと鼻を動かし、そして和喜の布団に寝転がった。
「えへへ、和喜のにおい♪すきっ、しゅきぃ♪」
尻尾をブンブンと振り、何度もゴロゴロと体を転がす。
自分の臭いをつけているのだろう。
やはり厳つい見た目からは想像もつかない。
とろん、とした表情で輝人はマーキングを続ける。
「ちょっとシャワー浴びるから、待ってて?」
と、洋服を脱ぎながら和喜。
輝人は…即座に、それこそ常人には目にも止まらぬ速さで、和喜に飛び付いた。
「やだっ、まてない!する、すぐするの!」
尻尾を振り、そして股間を膨らませながら輝人は上目遣いに和喜を見つめる。
和喜はというと、困ったように笑いながら頬を掻いた。
「いや、でも、僕、結構汗…うわっ?!」
言葉を遮り、輝人は和喜を持ち上げ、布団にかるーく投げた。
目を白黒させる和喜に、輝人は獲物を捕えるときの獣に似た眼光を向ける。
「いいのぉ、かずきぃ。するっ、がまんできないのぉ♪」
そして和喜にすりより…和喜のズボンと下着を降ろした。
ボロン、と和喜の肉棒が晒される。
平均的なサイズのモノだ。既に膨らみ、準備は出来ていたようだ。
本人が言う通り、汗の臭いがつん、と輝人の鼻を突く。
じゅるり、と涎を垂らし。
「和喜のおちんちん、いたらきまぁす♪」
大きな口を広げる。そして和喜の肉棒を旨そうに頬張った。
暖かくねっとりと湿った粘膜。そして竿全体絡みながらもなお余りある長さの舌。
和喜は腰をびくつかせながら布団を握り締めた。
肉棒だけでは飽き足らず。
輝人は和喜の少々大振りな睾丸までくわえ込んだ。
こつん、と亀頭が喉の奥に当たっても。
「んぶっ、あむっ…んふっ…んまっ…んいひぃ…」
ズルズル、ジュボジュボと音を大きくたてながら、輝人は夢中で和喜の肉棒を味わう。
溢れ出す先走りが、喉を通り過ぎて。
和喜は余裕の無い表情で、射精に至らぬよう歯を食い縛る。
そして輝人の耳の裏を優しく撫でた。
時折姿を見せる和喜の肉棒は輝人の涎を纏い、淫らに妖しく光る。
血管が浮かび上がり、先程よりも僅かに大きくなっているだろうか。
口の中で充分堅くなったことを確認すると輝人はぷぁ、と唾液を垂らしながら口を離した。
天を突き、ビクビクと脈動する肉棒は行為をするのに丁度良いだろう。
僅かに残っていたズボンを切り捨て、輝人は和喜の体に跨がる。
その股間にぶら下がる肉棒も睾丸も。共に和喜のモノより一回りも二回りも巨大だ。
だが、使うのはこちらではない。
尻を掴み、がっぷりと拡げると、とろり、と透明な粘液が零れ、和喜の肉棒に振りかかる。
和喜からは見えないが、おそらくそこにはひくつき蠢き、塞ぐものを求める雄穴があるだろう。
腰を少しずつ落とし。
そびえ立つ肉棒を、雄穴でがっちりとくわえた。
「んっ…!」
「あぁっ、かずきのっ、きたぁ♪」
ぐにぐにと蠢く輝人の中の感触に和喜は眉をしかめた。
しかしそれは決して苦痛から来るものではない。
莫大な快楽、幸福感だ。
輝人は歓喜に吼え、体を痙攣させた。
当然それだけで行為は終わらない。輝人は和喜の肉棒を奥まで迎え入れると腰をくねらせた。
きゅうきゅうと切なそうに、そして貪欲に。
輝人の体内は和喜を吸い上げ、活発に動き回る。
和喜は輝人の太股を、そして尻尾を撫で回しながらゆっくりと腰を動かす。
動きが噛み合い、激しく体を動かさずとも痺れるような快感が腰から全身を駆け抜けていく。
輝人は口の端から舌をだらしなくはみ出させ目尻を下げた。
和喜も快楽から、汗を浮かべ、頬を緩ませている。
「すきっ、すきっ♪かずきっ、すきっ♪」
和喜に跨がっていた輝人は耳を畳み、これ以上無いほど幸せそうに尻尾を振りたくりながら和喜にのし掛かった。
ぐぇ、と重たさに思わず声を上げる和喜だが…愛しそうに微笑み、輝人の背中に手を回す。
「ん、僕も好きだよ。大好き。」
耳元で優しく囁き。輝人はにっこりと笑った。
腰を動かす度にずちゅ、ずちゅと水の音が大きくなり始める。
輝人の嬌声と和喜の呻くような声。
互いの体温が混ざる。溶け合って、昇りつめていく。
がむしゃらに互いの唇を貪りあい、互いの瞳に互いだけを写しあう。
緩やかなのに、とても激しく。
輝人の中で、和喜の肉棒が跳ねた。どぷり、と先走りを溢す。
「あっ…かずき、イっちゃうの?」
「う…んっ…はぁっ…!」
「いいよっ、いっぱいっ、かずきの種、ちょうだいっ♪ぜんぶっ、ぜんぶほしいっ♪」
甘えるように、だが獲物を捕らえる前の獣のように。
輝人は舌なめずりをする。
そして雄穴を締め付けると、腰をうねらせた。
腸壁が捻れ、和喜の肉竿を擦り上げる。
極上の絹で撫でられたような。だがそれよりもずっと激しく、搾り取るような。
和喜は耐えきることが出来ない。
「んぐっ…!」
歯を食い縛ると輝人の背中を強く抱き寄せながら腰を震わせた。
輝人の体内を、熱い粘液が駆け巡る。
「あっ、きたっ♪和喜のたねっ♪あつっ、あっ、めすいきっ、きちゃうっ、あっ、んぁぁ♪」
腸内を満たす熱とビタビタと狭い腸壁を叩き付ける肉の感触に輝人は全身を痙攣させながら大量の唾液と先走りを溢した。
それらは下にいる和喜の胸や腹を汚し、淫靡な臭いをたてていた。
やがて射精が終わると、和喜の萎えた肉棒がでろり、と輝人の雄穴から零れる。
ぱっくりと空いた雄穴はひくひくと蠢きながら白濁の涙を流す。
「かずきのたね、こぼれちゃう…ごめんねぇ…」
息を荒く吐きながらも、和喜は優しく輝人の頭を撫でた。
「仕方無いよ。…気持ち良かった?」
「うん!でも、もっとめすいきしたいのぉ…♪オスイキもしたいしぃ…もっといっぱいしよぉ…?」
上目遣いに喉を鳴らしながら輝人は和喜におねだりをする。
困ったように笑いながらも、和喜は頷いた。
「いいよ。…でも、休みながらでもいい?」
「うんっ!!」
少年のように煌めく瞳で。
輝人は頷く。
それがまた可愛らしく和喜に写り…むくむくと萎えたばかりの肉棒に血が集まり始めた。
満月の夜は、始まったばかり。
で。
輝人は目を覚ました。
人狼の姿ではなくなっているが…全裸にタオルケット。そして腹の中で波打つ感触。
昨晩の事を思いだし…輝人はぼんっ、と顔から火を吹いた。
「あ、起きた?おはよう。気分はどう?」
「…最高に最悪だ…またやらかした…和喜には見せたくないんだよ!俺は!」
「僕は可愛いから好きだけどなぁ。」
のんぽりと返しながら、和喜は水を入れたコップを輝人の前に置く。
輝人はそれを一気に飲み干し、ぶはっ、と息を吐いた。
「だからっ!あれは俺じゃねぇ!大体俺はタチなんだよ!」
輝人の言うこと。実は最もなことなのだ。普段は和喜が輝人を受け止めている。
が、満月の夜。その時だけは輝人が和喜を受け止めるのだ。
彼曰く別人格らしいが…ばっちり覚えているらしく。
和喜は何となく普段隠してる一面が表に出てるだけなんじゃないかなーと予想しているが。
「まぁ、どっちでもいいんじゃない?」
「良くねぇ!…あー、クソッ!なんか納得いかねぇ!ヤる!ヤらせろ!」
言いながら輝人は和喜を押し倒した。
「あっ、ちょっ…んっ…」
遮ろうとした言葉は唇と、雄穴に侵入しようと試みる肉棒に遮られ。
二人の日々は続いていく。
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