「今日はここで休もうか」
「…二人と一緒に旅を始めてから、どれくらい経ったっけ」
「どのくらいって言われてもな〜
あんま覚えてないや」
ここは僕が転移したchangedの世界。
僕らがあの研究所を出てから、約一ヶ月が経っていた。
「まぁ別に良いじゃんその辺は。
まだ食糧には余裕あるし、とりあえずなんか食べようよ」
バックパックからタッパーに入ったキノコを取り出し、それに研究所から持ってきたナイフで作った串を刺す。
道中見つけた火打石で焚き火を作り、火を通す。
「それ食べて大丈夫な奴だったっけ?」
「…大丈夫じゃなかったら採ってないよ。
…あの時、隣にあったキノコを食べたヒリュウが突然大きくなったのはびっくりしたけど…」
「突然2倍くらいのサイズになるんだもん。
そりゃあびっくりしちゃうよね」
「…というか多分二人とも忘れてると思うけど、曜獣って病気とか食中毒とかにはならないからね?
ウイルスは勝手に弾くし」
「…でも、あまり迂闊に触りすぎないでね。
…あの時はオボロが叩いた拍子に戻ったけど、もっと変な効果を持つものもあるかもしれないから…」
「分かった。
プーロ君がそこまで言うなら気をつけるよ」
「早く寝ようよ〜
僕すごく眠いんだけど〜」
「はいはい。
じゃあ、おやすみ」
「…おやすみ」
気がつくと、僕は白い空間に立っていた。
…また人間の姿に戻ってる。
「やぁやぁ久しぶりだね。
エンディング以来かな?」
振り向くと、獣化した時の僕と同じ姿の曜獣が立っていた。
「えーと…誰だっけ?」
「覚えてないの!?
君に「プーロ君ともっと旅がしたいかい?」って聞いたじゃん!」
「…あぁ!あの時の!
それで何か用?」
「実はケモナーである君に頼みがあるんだ」
「…ケモナーってことはバレてるのね」
「…逆にバレてないと思ったの?
あんだけ思考ケモノ一色に染めといて?」
だんだん話がずれてきている気がするので、なんとか軌道修正を試みる。
「で、結局何の用なのさ」
「あぁそうだ忘れるとこだった。
君をこれから異世界の研究所に送る。
もちろん外部の存在としてね。
そして、その世界でいくつかの選択をしつつ先に進んでほしいんだ。
無事に研究所を出ることができれば、君は元の世界に帰ることができるって感じ。
ちなみに拒否権はないよ」
「…理不尽」
無事に、ということは無事じゃなくなる可能性があるんだろう。
「三つ質問。
クリアした場合どの世界のどの時間に戻るの?
あと、もしかしてこの世界に僕を入り込ませたのって君?
そして失敗した場合どうなるの?」
「一つ目の質問に答えると、君が戻るのは君が現実と定義した世界…
つまり、さっきまで君がいた世界に戻るよ。
この出来事は無事研究所から出ることができればほぼ夢扱いだから、成功なら普通に目覚めるって感じかな。
二つ目の質問に関しては僕がミスって君をこの世界に連れてきちゃったの。
ちょっと曜獣たちの姿でも見て癒されようと思ったら、変なタイミングで転移が発生したんだよね。
しかもコリンくんの存在を上書きしちゃうし。
まぁ結果的にいい選択になったけどさ〜」
「それはそうだけど…」
「三つ目の質問に答えると、脱出に失敗した場合、君のコピーがchangedの世界で二人と旅をすることになる。
魂も思考回路も全部今の君をコピーするから、彼らが違和感を覚えることはないよ。
ちなみに君が脱出に成功した場合は、脱出した世界に君のコピーを配置する予定」
「、、、分かった。
転送、お願いできる?」
「いいよ。
じゃあ、いってらっしゃい♪」
次に進む→[jump:2]
[newpage]
突然視界が暗転したけど、すぐ普通に見えるようになった。
「痛っ、、、」
いわゆる転移酔いというやつなのか、ちょっとよろめいて転んだ。
周囲を見回すと、僕はchangedの研究エリアみたいな部屋に立っていた。
周囲を調べても開かない扉しかない。
そういえば服は、、、
黒いパーカーに濃い青のズボン。
足元を見ると、緑色のスニーカーを履いていた。
「、、、これ僕の私服じゃん」
あの子は僕のことを知ってるのかな?
「とりあえず先に進もう。
、、、どっちにしようかな」
<どの扉に進む?>
1、右の扉→[jump:3]
2、左の扉→[jump:20]
[newpage]
(「右の扉」を選択)
「よし、じゃあ右の部屋に進んでみよう」
扉を開くと、ザ、研究室って感じの部屋が広がっていた。
「初めまして、人間さん」
周囲を見回していたら、後ろから声をかけられた。
振り向くと、僕が入れられていた生命維持装置のようなものの中に誰かいた。
中は曇っていてよく見えないが、僕と同じくらいの身長で、壁に押し付けられた手には肉球らしきものがあり、背後で尻尾らしきもののシルエットが揺れている。
「僕をここから出してくれませんか?
あなたに危害は加えなー」
スイッチをすぐに見つけ出し、思いっきり押す。
生命維持装置のようなものの蓋が開き、中から狐のショタ獣人が現れた。
茶と橙と白のよく見かける狐の毛色の、黒い目をしたショタ獣人だ。
ちなみにケモセーフあり。
「、、、出してくれてありがとうございます。
僕はー」
僕は辛抱たまらず抱きついた!
「ちょっ何してるんですかいきなり!」
「はぁぁモフモフゥゥゥ!」
時々プーロ君の尻尾をモフらせてもらったりしてたけど、こういう同じくらいの身長の子に抱きついてモフモフするのもたまらない!
そうやって頬擦りしていたら、、、
「いい加減に、、、」
風が逆巻き始め、
「してください!」
突風が吹き、僕は吹き飛ばされた。
そして顔面で着地。
「いてて、、、」
「初対面なのにその態度はなんですか⁉︎
失礼にも程がありますよ!」
「、、、ごめん。
ついやっちゃった」
「はぁ、、、
改めて、自己紹介しますね。
僕はラウ。
この施設で研究されている実験体です」
「僕はヒリュウ。
見ての通り人間だよ。
、、、さっきはごめんね?
僕モフモフに目がないんだ、、、」
「はぁ、、、
いきなり抱きつくのはやめてください。
次やったら吹き飛ばすだけでは済みませんからね」
「はーい、、、」
その時、後ろから何か嫌な気配がした。
パァン!
「「障壁」!」
障壁で身を守ると、目の前には警備員らしき人が立っていた。
障壁の耐久値はすでに半分を切りそうになっている。
「何者だ!
ここで何をしている!」
「えーっと、、、」
「、、、「凍てつけ」」
後ろから声がして、警備員の動きが鈍り始めた。
「なんだ、、、?
急に寒く、、、」
「「凍りつけ」」
警備員の足元から氷塊が生え始め、そのまま警備員は氷塊に閉じ込められて動かなくなった。
「ふぅ、、、
久しぶりに使いましたけど、うまく発動したようですね」
「、、、なに今の!」
ラウに詰め寄る。
「今の何⁉︎
敵を凍らせれるの⁉︎」
ラウが僕から少しだけ距離を取り、説明を始めた。
「僕は属性を操れるんです。
使えるのは火、氷、雷、風の四つですが。
それで言うならヒリュウさんもそうですよ。
さっき半透明な壁を出して弾丸防いでたじゃないですか。
なんですか?あれ」
「あぁあれね。
「障壁を張る程度の能力」が僕にはあるんだ。
物理的な障壁も特定のものしか通さない障壁も張れるんだよ」
まぁ「二つ目の用途」は最近見つけたんだけどね。
「ところで、ヒリュウさんはなぜここにいるんです?
警備員も知らない存在のようですし」
「、、、」
どうしようかな?
<ラウに事情をそのまま話す?>
1、話す→[jump:4]
2、話さない→[jump:5]
一つ戻る→[jump:2]
[newpage](「話す」を選択)
「、、、つまり、ヒリュウさんは別の世界から来ていて、よく分からない存在にこの研究所からの脱出を命じられたと言うことですか?
なかなかに理不尽ですね」
「そうなんだよね。
まぁかわいいケモショタと一緒にいれるからそこまで苦じゃないけどさ」
「、、、もしかして僕のこと言ってます?」
次に進む→[jump:6]
一つ戻る→[jump:3]
[newpage](「話さない」を選択)
「僕もよく分かってないんだ。
気づいたらここにいて、とりあえず脱出しようと思ってる感じ」
「そうですか。
目的は同じようですし、外に出るまで協力しませんか?」
「じゃあ協力開始だね。
とりあえず先に進もう」
次に進む→[jump:6]
一つ戻る→[jump:3]
[newpage]次の部屋に進もうとしたら、プレゼントボックスが置いてあることに気づいた。
好奇心で近づき、蓋を開ける。
中には、手のひらサイズの球形の機械が入っていた。
手に取ると中に青い針と赤い針が現れ、青い針は扉の奥の方を、赤い針は目の前の扉を指していた。
箱の中には説明書があった。
それを手に取り、ラウと一緒に読む。
•望みし道のコンパス→特殊なガラスと魔法石で作られた、球状のコンパス。屋外では使用不可。3色に光る3本の針があり、青が目的地、赤が順路、黄色が隠し通路を示す。反応がない時は光らない。針が重なると色が混ざる。
説明書の裏には、
「僕からのささやかな贈り物だよ!
これを駆使して先に進んでね!」
と書かれていた。
次の部屋に進むと、部屋の中心に青いロボットが置いてあった。
「なにこれ」
一歩近づく。
<侵入者ト脱走シタ実験体ヲ感知
強制排除プログラムヲ開始シマス>
ロボットがこっちに走ってきたので、素早くかわす。
すると、ロボットは近くにあったコンクリートらしき壁を掴み、握りつぶした。
「うわっえぐ」
これは障壁張っても一発アウトかな。
腕はそこまで長くないから逃げてればなんとかなるけど、、、
「「凍てつけ」」
ラウが能力を発動させたが、ロボットは止まる気配がない。
それに僕の能力に大した攻撃性能はない。
せいぜいあいつの頭上に障壁を落とすぐらいだ。
でもオボロの障壁ほど硬くないから、多分ほぼダメージは入らないし、、、
でも進路を塞ぐくらいならできるかも!
「ラウ!
僕があいつの動きを止めるから、なんとかして!」
ロボットの注意を僕に向けさせ、僕に注目させる。
「喰らえ!」
障壁を蹴り飛ばし、ロボットの足を掬う。
「「燃えろ」。
そして「爆ぜろ」!」
転んだロボットが燃え始めたかと思ったら、内側から爆発して砕け散った。
「僕の能力って、使う前に準備がいるんですよね。
属性を乗せた弾とかは撃てるんですけど、それだとあまり効果がなさそうだったので詠唱の方を使いました」
次の部屋は、レーザーや飛び飛びの足場などがある広い部屋だった。
「なにこれアスレ?」
「まぁそんなところです。
落ちたり、レーザーに貫かれたりしたら一発アウトですが。
いつもなら下に足場があったり、レーザーがただの光だったりするんですが、今回は向こうも本気のようで」
とりあえず道なりに進んでみよう。
大小さまざまな隙間や段差が連続していたけど、普通に突破。
「余裕だね」
「、、、そう言ってられるのも今のうちだと思いますよ」
巨大な迷路が目の前に現れた。
「これ、ランダム生成の迷路なんです。
僕には空を飛ぶ能力も、塀の上に登れるほどの身体能力もないので、しらみつぶしに進んでいくしかなさそうですね、、、」
「、、、いや、多分ここも簡単だ」
コンパスを取り出し、赤い針を見る。
「これで正しい道がわかるから、ついてきて」
ボタンを押してレーザーのオンオフを切り替えて進むところもあったけど、ラウが解いてくれた。
レーザーを障壁で防いでズルできないかも試したけど、一瞬で耐久値がなくなって壊れてしまったので断念した。
迷路を抜けて先に進むと、一冊の本とパスワードを打てそうな画面があった。
「今度は謎解きですね。
本に書いてある内容を見て謎を解いて、その答えを入力するんです。
見た感じ簡単な謎解きのようなので、僕が解いてもいいですか?」
「いいよ」
2分くらい壁際で待っていたら、ラウに
「解き終わりましたよ」
と言われたので、そのまま先に進んだ。
ガシャン!
「えっ、、、?」
ラウと通路を歩いていたら、突然シャッターが閉まって分断されてしまった。
「ラウ!大丈夫⁉︎」
シャッターの向こう側から、小さいけどラウの声が聞こえる。
「大丈夫です。
ヒリュウさんは無事ですか?」
「僕は大丈夫。
でもこれじゃ進めないね、、、」
「僕の能力でも開けられそうにないです。
開けられる方法を探してみてください」
「分かった!」
「何か開けられそうなスイッチとかないかな、、、」
目の前には二つのボタンがあり、片方は明らかに危なそうな赤いボタンで、もう片方は上矢印のマークのついた青いボタンだった。
<どっちを押す?>
1、赤いボタン→[jump:7]
2、青いボタン→[jump:8]
3、押さずに周囲を調べる→[jump:9]
[newpage](「赤いボタン」を選択)
赤いボタンを押すと、突然警報が鳴り響き、周囲を警備員に囲まれた。
「何者だ!
ここは一般人が入ることのできるような場所ではないぞ!」
「えっと、、、その、、、」
「捕縛!」
僕は警備員に抑えられ、睡眠ガスを吸わされて眠ってしまった、、、
「あの子供はどうなりましたか?」
「調べてみたが、どうやら防壁を生成する能力を持っているようだ。
他の実験体と同じく、獣化させて記憶を曖昧にしておけ」
「承知しました」
リーダーが、ヒリュウの入っている変異装置を見てニヤリと笑う。
「、、、これで、また一歩世界征服へ近づくぞ」
「、、、あらら、失敗しちゃった」
スキマから様子を見ていたけど、まさか警報ボタンを押しちゃうとはね。
「これも一つの結末かな。
言うなれば、、、」
バッドエンド1 新たな実験体
一つ戻る→[jump:6]
[newpage](「青いボタン」を選択)
ぽちっ
、、、
、、、、、、
、、、、、、、、、なにも起きない?
、、、いや、僕の隣にある椅子がボタンを押すたびに高くなってる。
「なにこのギミック」
本当に必要かなぁこれ。
それらしいボタンはもう赤いボタンしかないし、一回このことを伝えに行こう。
次に進む→[jump:10]
一つ戻る→[jump:6]
[newpage](「押さずに周囲を調べる」を選択)
今気づいたけど、よくみたらこれ監視カメラ用のパネルじゃん。
となるとこの赤いボタンは警報装置とかかな。
青いボタンは、、、
試しに押してみたら、隣にあった椅子が高くなった。
連打してたら、画面の下面と同じくらいの高さになったタイミングで一番下まで下がった。
「、、、そのためだけにこのボタン用意したの?」
この辺りに開けられそうなボタンはなかったので、ラウに伝えてから先に進むことにした。
次に進む→[jump:10]
一つ戻る→[jump:6]
[newpage]
「ラウ?」
、、、返事がない。
「ラウは獣人だから耳もいいと思うんだけどな、、、」
<聞き耳を立ててみる?>
1、立ててみる→[jump:11]
2、そのまま先に進む→[jump:12]
[newpage](「立ててみる」を選択)
、、、かすかに声が聞こえる気がする。
「、、、、、、めて、、、さい、、、
、、、、、、がい、、、ます、、、」
でも全然聞こえないや。
「先で開けられそうなものが見つかるといいけど」
次に進む→[jump:12]
一つ戻る→[jump:10]
[newpage]
しばらく進んでいると、大きな部屋に出た。
部屋の中心にはラウが立っている。
「ラウ!
よかった!無事だったんだね!」
「無事、、、そうですね」
ラウがこっちに振り向き、目と目が合った。
「少し考え方と価値観が変わりましたが、それ以外は概ね同じですよ」
紫色に変わった目が、僕の目に映る。
「、、、ラウ?
大丈夫?」
「そうだヒリュウさん。
私と一緒にここで暮らしませんか?
研究員たちは全員私のことを「理解」してくれました。
次はヒリュウさんの番ですよ?
、、、「凍てつけ」」
冷たい空気が僕の足に触れた。
咄嗟に走って避けれたけど、これ相手の足元に自動で出るっぽいぞ?
厄介な、、、
「、、、なんで避けるんですか?
止まってくれないと説得ができないじゃないですか」
「別に説得くらい戦いながらできるでしょ!
それに、今のラウはなんだかおかしいし」
ラウの方を見ていたら、火球が頭のすぐそばを通り過ぎていった。
「、、、分かっていただけないのであれば、他の人間と同じように「理解」していただくまでです!」
予想できるラウの攻撃は、火、氷、雷、風属性の弾幕と詠唱による自機狙い攻撃の二つ。
今までの記憶からして、後者に関しては一発目を喰らったら次は確定で喰らうことになる。
「どうしよう、、、」
<どうする?>
1、降伏する→[jump:13]
2、障壁でなんとかできないか模索する→[jump:14]
3、何か使えるものがないか探す→[jump:15]
[newpage](「降伏する」を選択)
考えてみれば、身体能力の高くない僕が、獣人で火も氷も雷も風も操れるラウに勝てるわけない。
痛い思いをするくらいなら、降伏した方がいいのかもしれない。
足を止め、手を挙げてラウの方を向く。
「、、、なにをするおつもりで?」
「降伏。
僕じゃラウに勝てる気がしなくてさ。
僕はラウの言うことを聞く操り人形になることにしたんだ。
ここからはラウの好きにしていいよ」
「、、、そうですか。
では、ついてきていただけますか?」
連れてこられたのは、色々な薬剤が置かれている部屋だった。
ラウが研究員に指示すると、研究員は心酔した表情を浮かべながら走っていった。
「ヒリュウさん、こっちにきていただけますか?」
ラウに呼ばれたので、大人しくついていく。
連れて行かれた先にあったのは、ラウが入っていたような機械だった。
「これに着替えて、この中に入ってください」
「はーい」
物陰で着替えて、黒いスパッツだけ履いた懐かしい格好になる。
大人しく中に入ると機械が動き出し、僕は閉じ込められた。
少し緑色がかった半透明な液体が、僕を少しずつ沈めていく。
上から呼吸器のようなものが降りてきて、僕の顔に装着された。
、、、だんだんとしこうがにぶってきて、ぼくはそのままねむりについた。
今日も研究室で、「彼」の状態を観察する。
「進捗はどうです?」
「もう直ぐ完全な変異が完了します!
喜ばしいですね!」
「そうですね」
研究員たちは、私の便利な部下たち。
不思議な力が増大した私にとって、人間たちの精神を支配することは簡単なことだった。
疲れ切った精神なら尚更だ。
「変異完了しました!
いつでも解放できます!」
ボタンを押し、変異槽が開くと、中から小さな狐獣人の子供が出てきた。
「、、、ここどこ?」
ゆっくりと近づき、挨拶する。
「初めまして。
私の新しい弟」
「、、、モフモフだ〜!」
いきなり抱きつかれた。
「、、、全く、しょうがないですね」
立ち上がり、その子の手を引いて自室へ向かう。
「そうだ、あなたの名前を教えておきましょうか」
「名前?」
「あなたの名前はヒリュウです。
そして私の名前はラウ。
ちゃんと覚えるんですよ?」
バッドエンド2 生まれ変わり
一つ戻る→[jump:12]
最初に戻る→[jump:1]
[newpage](「障壁でなんとかできないか模索する」を選択)
「障壁で防げるといいけど、、、」
障壁を全面に展開し、攻撃に備える。
「「凍てつけ」」
障壁の表面が凍ったが、ダメージはない。
ラウの詠唱の効果も、この中には届かないようだ。
さーて、どうしようかな。
この中にいる限りラウは僕にダメージを与えられない。
かといって、このまま待っていてもなにも変わらない。
どうすれば、、、
バリン!
「、、、えっ?」
考え事をしている間に、障壁が破られてしまった。
「「凍てつけ」」
足元に冷気が走る。
早く出ないと次が来ちゃー
「「凍りつけ」」
足が凍り、僕は動けなくなった。
障壁もまだ回復していない。
なんとかしないといけないのに、足を動かそうとしてもびくともしない!
「こっちを見てください」
ラウが至近距離まで迫っていることに気づき、咄嗟にそっちを見る。
ラウの紫色の目と目が合い、僕の思考が書き換えられていく。
早く目を逸らさなきゃ!
なんでそらす必要があるの?
そのまま受け入れちゃえよ
僕はここから脱出して、二人と一緒に世界中を
そんなこと考えるより目先の利益を取ろう?
ほら、ご主人様も期待してるよ
ラウは、僕のご主人様じゃ、、、
、、、あれ?
僕のご主人様ってラウ様だったはず、、、
そうそう!
ラウ様と一緒にいれば、全てどうでも良くなる
ラウ様に仕えることこそが、僕の幸せ!
、、、そうだ、僕は、、、
「ラウ様の眷属だ」
「ヒリュウさん、報告できることはありますか?」
「今のところありません!
研究所内の設備はいつも通り稼働しています!」
「それはよかった」
「このままいけば、世界中を支配下に置くのも夢じゃないですね!」
「そうですね。
これからも、私の補助をお願いしますよ」
「はい!」
バッドエンド3 ツカエルシアワセ
一つ戻る→[jump:12]
最初に戻る→[jump:1]
[newpage](「何か使えるものがないか探す」を選択)
「何か使えそうなものは、、、」
周囲を見回しても、特に使えそうなものは見当たらない。
コンパスもこの状況じゃ役に立たないしー
、、、ん?
なんかコンパスに黒い針が出てる。
上?でも天井にはなにもないし、、、
そこで僕は、コンパスの上についている留め具も黒いことに気づいた。
「もしかして、、、」
留め具に触れると、コンパスは瞬く間にモノクルへと変化した。
装備してみたら、ラウの目の前に青い針が、ラウの方向に赤い針が見えた。
多分迷路の時と同じで、あの青い針がある場所を目指せばいいんだ!
「眼鏡をつけても状況は変わりませんよ?」
ラウが攻撃を再開した。
それと同時に黄色の矢印が現れて、黄色く光るエリアを指し示した。
「とりあえずそっちにいってみよう」
黄色いエリアに行こうとしたタイミングで、背後を電気の弾が通り過ぎていった。
黄色いエリアが点々と現れ始め、赤い矢印もそっちを指し示しだした。
でも、黄色いエリアは結構狭い。
ラウが本気で攻撃してきているということなんだろう。
、、、僕はそこまで身体能力は高くないけど、最近、獣化したことで早く走れる方法に気づいた。
きっと他の人も知っている手段だろうけど、つま先立ちの状態になって、足をバネにして走るんだ。
僕は知らなかったんだから別にいいよね?
プーロ君もこうやって速く走っていた。
「そこでぼーっとしていたら、攻撃に当たりますよ!」
深呼吸して、、、
一気に姿勢を下げ、つま先立ちの状態になる。
黄色いポイントを的確に踏みつつ、攻撃を躱してラウに近づく。
すると、すんなりとラウの元に辿り着くことができた。
でもさっきも言った通り、僕の能力には大した攻撃力はない。
だったら!
「喰らえ!」
ラウの頭を掴み、プーロ君と同じように思いっきり頭突きを喰らわせる。
「ぐっ、、、」
頭突きなんて攻撃手段初めてだ。
これで正気に戻ってくれるといいけど、、、
、、、あっやばいなんか意識g
「うーん、、、」
「ヒリュウさん大丈夫ですか?
ちゃんと起きてよかったです、、、」
ラウの膝の上で寝かされていたようで、後頭部辺りにモフモフを感じる。
「さっきはすみません。
なぜか気持ちが暴走してしまっていたようで、、、」
「、、、とりあえず、正気に戻ってくれてよかったよ。
原因とかわかる?」
「研究員に注射を打たれたんです。
そこから暴走が始まって、その時の僕はヒリュウさんのことがどうしようもなく欲しくなったんです。
手始めに研究員たちを全員洗脳して、あそこでヒリュウさんを待ち構えていました」
割とすごいことしてる、、、
「でも今も研究員たちは洗脳状態のようなので、今のうちに脱出してしまいましょう!」
次に進む→[jump:16]
一つ戻る→[jump:12]
[newpage]
、、、またここか。
「クリアおめでとう!
よくあそこでコンパスの秘密に気づいたね」
「結局何だったの?あのモノクル」
「コンパスの隠し機能だよ。
説明書あるから見せてあげる」
メモのようなものを手渡されたので、試しに読んでみた。
「「隠し機能として、特定の動作を行うことでコンパスがモノクルになる。
装備すると青が狙うべき場所、赤がそこまで行くための経路、黄色が隙のある場所を示す。」、、、ね」
「最初からこの効果に気づいてたら隠し機能じゃないからね。
まぁ、モノクルとして装備しても戦闘中以外はコンパスと同じ機能しかないけど。
とりあえず、君を元の世界に戻すね」
「、、、」
「、、、何か不満?」
<不満を言う?>
1、言う→[jump:17]
2、言わない→[jump:19]
[newpage](「言う」を選択)
「、、、せっかく性癖ドストライクのケモショタが仲間になったのに、ここでお別れは悲しいなって思ってさ」
「、、、なるほど。
じゃあ、「旅は道連れ」にしとくね」
「、、、どういうこと?」
「それじゃあ、またね!」
次に進む→[jump:18]
一つ戻る→[jump:16]
[newpage]朝の日差しで目が覚めた。
手を見ると、白いモフモフにピンクの肉球が浮かんでいる。
「…戻ってきたんだ」
二人はまだ寝ているようで、静かに寝息を立てている。
…二度寝でもしようかな。
そう思って振り向いた僕の目に、ラウの姿が映った。
見るからに戸惑っている。
「…えっ?」
もしかして、あの子が言ってた「旅は道連れ」ってこういうこと?
「…どうしたのヒリュウ。
何か見つけ…」
プーロ君がラウの方を見る。
「…だ、誰!?」
「、、、僕も気づいたらここにいたので、何が何だかわからないのですが、、、」
「…僕が説明するよ」
ラウが僕の方を向く。
「その声、、、もしかしてヒリュウさんですか?」
「そうだよ。
とりあえず僕の知ってることを話しておくね」
「…状況はだいたいわかった?」
「はい」
「意外と飲み込み早いね」
「あっちの世界でも、結構こういうこと自体は起きていたので、、、」
「…つまり…ラウもボクらの旅に同行するってことだよね?」
「そうですね。
この世界のことは全く知らないので」
「能力持ちがまた増えたね」
「能力があっても、結局プーロ君が一番力が強いんだけどね。
…それじゃあ、行こう!」
ハッピーエンド1 新しい仲間(狐)
選択肢まで戻る→[jump:16]
最初に戻る→[jump:1]
[newpage](「言わない」を選択)
「いいや。
何も言うことはないかな」
「もう話すこともないし、そろそろ君を元の世界に戻すよ。
それじゃあ、またね!」
朝の日差しで目が覚めた。
手を見ると、白いモフモフにピンクの肉球が浮かんでいる。
「…戻ってきたんだ」
二人はまだ寝ているようで、静かに寝息を立てている。
…二度寝でもしようかな。
周囲を見回しても、特に異変は見当たらない。
「、、、二度寝しよう」
あれはきっと夢として処理されるだろうし。
そう思いながら、僕は顔を自分の腕で隠して、また眠りについた。
トゥルーエンド 別世界の夢
最初に戻る→[jump:1]
[newpage](「左の扉」を選択)
「よし、じゃあ左の部屋に進んでみよう」
扉を開くと、ザ、研究室って感じの部屋が広がっていた。
「そこに誰かいるのか?」
周囲を見回していたら、後ろから声をかけられた。
振り向くと、僕が入れられていた生命維持装置のようなものの中に誰かいた。
中は曇っていてよく見えないが、僕より身長が高くて、頭と思しきところには二つの山があり、後ろで尻尾か何かが揺れている。
「俺をここから出してくれないか?
お前は研究員ではないようだしー」
スイッチをすぐに見つけ出し、思いっきり押す。
生命維持装置のようなものの蓋が開き、中から狼獣人のお兄さんが現れた。
黒とダークグレーが混ざった毛色の、僕と同じ金色の目をした狼獣人だ。
もちろんケモセーフあり。
「出してくれて助かったが、、、
お前悩んだりしないのか?
普通こういうのは色々質問して、怪しくないと判断してから解放するだろ?」
「かっこいい声した獣人のお兄さんに開けてくれって頼まれたら僕はノータイムで鍵を開けるね」
「、、、お前、色々と大丈夫か?」
「?
僕は健康そのものだよ?」
「、、、まぁいいか。
とりあえず自己紹介しとくぜ。
俺はグレン。
この施設で研究されている実験体のうちの一人だ」
「僕はヒリュウ。
見ての通り人間だよ」
グレンの全身をガン見する。
毛で隠れているけど、それでもわかる引き締まった筋肉。
僕よりも圧倒的に太い腕と足。
多分一部の人がグレンを見たら、金か黒の海パンを履かせようとするだろう。
「なにジロジロ見てんだよ」
「あっごめん。
つい見惚れちゃって」
その時、後ろから何か嫌な気配がした。
パァン!
「じっとしてろ」
グレンが僕の頭を掴み、無理やり屈ませる。
すぐそばで銃弾が通り過ぎていく音が聞こえ、その後に「ぐぁっ」という声がした。
グレンの方を向くと、そこには警備員らしき人が倒れていた。
「意外と殴るだけでも威力出せるな。
流石に装甲持ちを殴るのはきついが、、、」
「、、、すごい!
めちゃくちゃ強いじゃん!
あんな防護服みたいなのを着た人を一発でのしちゃうなんて!」
いいなぁパワータイプ。
僕どっちかっていうとスピードタイプだからなぁ、、、
「というか咄嗟に守ったがお前結局何者なんだ?
その格好からして研究者ではないだろ?」
「、、、」
どうしようかな?
<グレンに事情をそのまま話す?>
1、話す→[jump:21]
2、話さない→[jump:22]
一つ戻る→[jump:2]
[newpage](「話す」を選択)
「、、、要はよくわからん奴にこの研究所に送られて、ここからの脱出を命じられたと」
「そうなんだよね。
まぁかっこいいケモお兄さんを近くで見ていられるからそこまで苦じゃないけどさ」
「、、、もしかしてそれ俺のことか?」
次に進む→[jump:23]
一つ戻る→[jump:20]
[newpage](「話さない」を選択)
「僕もよく分かってないんだ。
気づいたらここにいて、とりあえず脱出しようと思ってる感じ」
「そうか。
とりあえず先に進んでみようぜ」
次に進む→[jump:23]
一つ戻る→[jump:20]
[newpage]
次の部屋に進もうとしたら、プレゼントボックスが置いてあることに気づいた。
好奇心で近づき、蓋を開ける。
中には、青い装飾がされた、一足のブーツが入っていた。
とりあえず今の靴と履き替えてみたけど、結構いい履き心地だ。
箱の中には説明書があった。
それを手に取り、グレンと一緒に読む。
•瞬発のブーツ→白い厚底の青いブーツ。常に速度と跳躍力を50%強化し、瞬間的に加速する「超加速」、空中で好きな方向に直線的に移動する「ダッシュ」が使えるようになる。「ダッシュ」は5回まで好きな方向に発動できる。
説明書の裏には、
「僕からのささやかな贈り物だよ!
これを駆使して先に進んでね!」
と書かれていた。
次の部屋に進むと、部屋の中心に青いロボットが置いてあった。
「なにこれ」
一歩近づく。
<侵入者ト脱走シタ実験体ヲ感知
強制排除プログラムヲ開始シマス>
ロボットがこっちに走ってきたので、素早くかわす。
すると、ロボットは近くにあったコンクリートらしき壁を掴み、握りつぶした。
「うわっえぐ」
これは障壁張っても一発アウトかな。
腕はそこまで長くないから逃げてればなんとかなるけど、、、
、、、ちょっと試してみよう。
このブーツ、見るからに固そうな見た目をしている。
そして空中でできるというダッシュを組み合わせれば、、、
ジャンプして空中で足に力を入れると、足場があるような感触を感じた。
その足場のようなものでジャンプすると、体は下に落ちずに直進した。
「喰らえっ!」
勢いを利用してロボットに回し蹴りを喰らわせる。
ロボットはバランスを崩して後ろ向きに倒れたが、すぐに立ち上がった。
「「超加速」!」
そう唱えると体が一気に軽くなり、見たことのない速度で攻撃を回避できた。
もう一度喰らわせようかと思っていたら、後ろでグレンが鉄パイプを振りかぶっていることに気づいた。
「フンッ!」
バキッと大きな音が鳴り、ロボットの頭は凹型にへこんで動かなくなった。
グレンが持っていた鉄パイプは、今の一発だけでL字に曲がってしまっている。
「やっぱ強度のある武器が要るな。
一発殴った程度で壊れるんじゃまともに使えねぇ」
、、、さすがパワータイプ。
次の部屋は、レーザーや飛び飛びの足場などが大量にある広い部屋だった。
「なにこれアスレ?」
「まぁそんなとこだ。
落ちたり、レーザーに貫かれたりしたら一発アウトだが。
いつもなら下に足場があったり、レーザーがただの光だったりするんだが、今回は殺意増しましみたいだな」
「じゃあ、とりあえず道なりに進んでー」
突然グレンに持ち上げられた。
「何してるの?」
「いつもはこのままおとなしく先に進むんだが、お前ならここから投げて対岸まで着地できるだろ。
そのブーツの能力もあるしな」
「つまりギミックを全部無視するの?」
「そうだ。
面倒事は飛ばしちまえばいいのさ」
先に進むと、一冊の本とパスワードを打てそうな画面があった。
「今度は謎解きだね。
本に書いてある内容を見て謎を解いて、その答えを入力する感じかな?」
「俺はそういうの苦手だから、お前に頼んでいいか?」
「いいよ」
本を開き、問題を読む。
「えーっと、880×125?」
なんだ単純な計算問題か。
謎解きでもなんでもないじゃん。
8×125は1000だから、実質的に1000×110になる。
だから答えは110000!
早速入力、、、
<回答が違います>
「ふぇ?」
計算は間違っていないはずなんだけど、、、
、、、もしかして、と思い、本のページをめくっていく。
最後のページに、「この部屋の部屋番号の合計は?」
と書かれていた。
「何このひっかけ、、、」
周囲を見回し、それらしき番号を探す。
扉の上にはそれぞれ526、524と書かれていた。
つまり、この部屋は525。
合計は12!
今度こそ!
入力し終わると、ロックが開いて先に進めるようになった。
ガシャン!
「えっ、、、?」
グレンと通路を歩いていたら、突然シャッターが閉まって分断されてしまった。
「グレン!大丈夫⁉︎」
シャッターの向こう側から、小さいけどグレンの声が聞こえる。
「大丈夫だ。
そっちは無事か?」
「僕は大丈夫。
でもこれじゃ進めないね、、、」
「このシャッターは俺でも壊せそうにない。
そっちで開けられそうな手段を探してくれ!」
「分かった!」
「何か開けられそうなスイッチとかないかな、、、」
目の前には二つのボタンがあり、片方は明らかに危なそうな赤いボタンで、もう片方は上矢印のマークのついた青いボタンだった。
<どっちを押す?>
1、赤いボタン→[jump:7]
2、青いボタン→[jump:24]
3、押さずに周囲を調べる→[jump:25]
[newpage](「青いボタン」を選択)
ぽちっ
、、、
、、、、、、
、、、、、、、、、なにも起きない?
、、、いや、僕の隣にある椅子がボタンを押すたびに高くなってる。
「なにこのギミック」
本当に必要かなぁこれ。
それらしいボタンはもう赤いボタンしかないし、一回このことを伝えに行こう。
次に進む→[jump:26]
一つ戻る→[jump:23]
[newpage](「押さずに周囲を調べる」を選択)
今気づいたけど、よくみたらこれ監視カメラ用のパネルじゃん。
となるとこの赤いボタンは警報装置とかかな。
青いボタンは、、、
試しに押してみたら、隣にあった椅子が高くなった。
連打してたら、画面の下面と同じくらいの高さになったタイミングで一番下まで下がった。
「、、、そのためだけにこのボタン用意したの?」
この辺りに開けられそうなボタンはなかったので、グレンに伝えてから先に進むことにした。
次に進む→[jump:26]
一つ戻る→[jump:23]
[newpage]
「グレン?」
、、、返事がない。
「グレンは獣人だから耳もいいと思うんだけどな、、、」
<聞き耳を立ててみる?>
1、立ててみる→[jump:27]
2、立てずに先に進む→[jump:28]
[newpage](「立ててみる」を選択)
、、、かすかに声が聞こえる気がする。
「や、、、ろ、、、
、、、たの、、、やめて、、、れ」
でも全然聞こえないや。
「先で開けられそうなものが見つかるといいけど」
次に進む→[jump:28]
一つ戻る→[jump:26]
[newpage]
しばらく進んでいると、大きな部屋に出た。
部屋の中心にはグレンが立っている。
なぜか反対側を向いているけど。
「グレン!
よかった!無事だったんだね!」
「まぁ、そうだな。
俺の体は無事だ」
グレンがこっちに振り向き、目と目が合った。
赤く輝く目が、僕の目に映る。
「、、グレン?
大丈夫?」
「ヒリュウ。
俺はたまらなくお前が欲しくなっちまった。
研究員は全員殺した。
もう邪魔する奴はいない。
ほら、俺の手を取れよ。
俺と一緒にいようぜ?」
血みどろの手が、僕に向かって差し出された。
なんとなく怖い感じがして、少し後ずさる。
「、、、なぜ後ずさるんだ?
悩む必要なんてないだろ?」
「今のグレンはなんだかおかしいし、ちょっと、、、怖いよ」
グレンが突然屈んだかと思ったら、僕の方に突進してきた。
咄嗟に障壁で防いだけど、障壁は一発で割られてしまった。
超加速で距離を取る。
「、、、いいだろう。
「狩りの時間」だ」
グレンがしてきそうな攻撃は突進、爪での斬撃、掴み、噛みつき。
多分どれを食らっても致命傷になるだろうし、掴みに関しては多分確定で殺られてしまう。
「どうしよう、、、」
<どうする?>
1、降伏する→[jump:29]
2、障壁でなんとかできないか模索する→[jump:30]
3、何か使えるものがないか探す→[jump:31]
[newpage](「降伏する」を選択)
、、、無理だ。
僕よりも圧倒的に強いグレンに勝てるわけがない。
障壁を張っても一撃で割られてしまう。
攻撃も全て致命傷になりかねない。
だったら、痛いことをされるよりもグレンの要求を聞いた方がいい気がした。
手を挙げて、無抵抗になる。
すると、グレンは僕の首を掴み、壁に押し当てて身動きを取れなくした。
「どういう風の吹き回しだ?」
「僕じゃグレンに勝てる気がしなくてさ。
痛い目を見るより、グレンに全てを任せてしまった方がいい気がしたんだ。
もうグレンの好きにしていいよ」
「、、、分かってくれたか。
じゃあ、今日からヒリュウは俺のものだ。
まずは研究所で物資を探すぞ」
研究所の中は地獄絵図で、四方八方に血や肉片がこびりついていた。
これどっかのタイミングで逃げられないかな、、、
こっそり逃げようと後ろに下がると、足元にあった血を踏んで転んでしまった。
グレンがこっちに振り向く。
「あ、、、
えっと、、、その、、、」
「俺のものだと言ったはずだぞ?
、、、忘れないように印をつけておくか」
グレンが僕の腕を掴み、鋭い牙で貫いた。
「〜ッ!」
言葉にならない叫びが漏れる。
「二度と、こういうことをするな。
次俺から逃れようとしたら、お前に首輪をつけて逃げれないようにするからな」
、、、そうして僕は逃げられなくなり、グレンの所有物になってしまった。
バッドエンド4 独占欲
一つ戻る→[jump:28]
最初に戻る→[jump:1]
[newpage](「障壁でなんとかできないか模索する」を選択)
「ダメ元だけど、、、」
障壁を全面に展開し、攻撃に備える。
今回は僕に合わせて動くようにしてるから、グレンの攻撃を3回は防げる。
「そんな脆い防壁、張ってなんの意味がある!」
そんなことは分かってる。
だから、少し特別な条件付けをした。
グレンの爪を受け止め、障壁が割れる。
その瞬間、グレンを電撃が襲った。
「なっ、、、なんだこれ、、、!」
今なら!
ロボットにしたのと同じように、グレンに攻撃する。
一つ違うのは、今回は回し蹴りではなく腹パンだということ。
僕にそこまでの攻撃力はないけど、ダッシュの勢いを乗せれば威力は出せる!
「グハッ、、、」
後方にダッシュを発動して、グレンと距離を取る。
さっき障壁に付与した条件は、「耐久値が低い代わりに、割れた時に相手を短時間麻痺させる」というものだ。
最近分かったんだけど、障壁はデメリットをつけたり耐久値を減らしたりすることで様々な効果を付与できるみたいだ。
「僕はグレンほど強くないけど、応用は得意なんだ。
グレンが正気に戻るまで、僕は攻撃をやめないよ!」
「、、、やれるもんなら、やってみろ!」
グレンがより一層速くなった。
でもやることは変わらない。
障壁の麻痺は必中だ。
周囲に投げれそうなものもないし、これなら大丈夫なはず!
障壁にグレンの攻撃が当たり、電撃が放たれる。
さっきと同様に腹パンを喰らわせたが、違和感に気づいた。
障壁が二枚割られていたんだ。
おそらく両手で同時に攻撃したんだろう。
でも、障壁の再生には一枚で20秒近くかかる。
麻痺の拘束時間はそこまで長くないし、追撃しても1秒伸ばせるかどうかだ。
一枚の障壁じゃ防げる気がしない。
、、、こうなったら、しばらく逃げ回るしかない!
正面から向かっていっても、多分普通に攻撃を受けてしまう。
超加速は一応5秒のクールタイムがあるし、基本的にダッシュを使って避ける必要がある。
でも僕はそこまで運動神経はないから、とにかく転ばないように、、、
、、、まずい!
ダッシュした方向にグレンがいた。
ダッシュは一定距離進むまで中断できない!
ぶつかー
グレンにぶつかる寸前で、僕の目の前に青いポータルのようなものが現れた。
中は真っ青な空間になっていて、グレンが後ろに見えた。
今度は白いポータルが現れて、僕は戻ってきた。
「姿が消えたから何か起きたのかと思ったが、そこにいたのか。
何をしたんだ?」
「僕にも分かんないけど、ブーツの能力であることと、便利なことは確かだよ」
発動条件は、おそらく攻撃や動いている存在がダッシュの進路上にあること。
ダッシュはそのままの慣性で動けるけど、さっきの行動、、、
「バニシュ」はその場で停止してしまうみたいだ。
障壁のクールタイムも明けていないけど、、、
次で決める!
、、、というかそうしないと僕の体力が持たない!
「いくよ!」
「正面から来るのか、、、受けて立つ!」
超加速とダッシュを併用して大きく加速して、グレンに突進する。
そして2回目のダッシュは少しだけ角度を変え、攻撃を回避しつつ渾身の一撃を放つ!
3発も腹パンを喰らわせたからか、グレンは気を失った。
「うっ、、、」
「あっ起きた」
グレンの頭が結構重くて、膝枕してる足が限界に近づいていたけど、このタイミングで起きてくれて助かった。
グレンが起き上がり、僕を見る。
グレンの目は金色に戻っていた。
「、、、!」
グレンが起き上がり、僕から距離を取る。
「、、、すまん」
恥ずかしそうな仕草をしながら、グレンが僕に謝罪した。
「、、、いいよ。
なんかさっきまでのグレンはおかしかったし。
傷もつけられてないから大丈夫だよ」
「、、、ならいいんだが、ここからどうする?
一応さっきまでの暴走状態の俺がヒリュウ以外の人間は殺したが、、、」
「とりあえずこのまま外に出ちゃおう」
次に進む→[jump:32]
[newpage](「何か使えるものがないか探す」を選択)
「何か使えそうなものは、、、」
周囲を見回しても、特に使えそうなものは見当たらない。
それどころか、僕は障壁を張るのを忘れていた。
グレンの大きな黒い手が僕の頭に伸び、僕を鷲掴みにした。
「離して!」
この状態じゃダッシュも発動できない!
「言っただろう?
「狩りの時間」だと。
狼は兎を逃さない。
お前は俺のものだ」
グレンが僕の首に口を近づける。
「何をするつもり、、、?」
「俺にお前の味を教えてくれ」
首に鋭い痛みが走り、何かを吸い取られる感覚と強い脱力感に襲われた。
、、、体に力が入らない。
、、、頭がふわふわする。
、、、少しずつ眠くなってきた。
「お前の血、うまかったぜ。
初めて味わった血が、お前の血でよかった」
僕は朦朧とした意識のまま、眠りについた、、、
「、、、普通こんな結末予想できないよ」
なんとあの後、グレンはただの狼の獣人ではなく、吸血鬼であることが判明した。
ヒリュウの血を吸い、ヒリュウを眷属にして、そこからパンデミックのようなことをして世界中を吸血鬼に変えてしまったのだ。
「ラウの時もそうだったけど、この世界のバッドエンド規模デカくない?」
バッドエンド5 紅く染まった世界
一つ戻る→[jump:28]
最初に戻る→[jump:1]
[newpage]、、、またここか。
「クリアおめでとう!
まさかあそこで奇跡的にバニシュを発動させるとはね!」
「結局何だったの?あのポータルみたいなの」
「ブーツの機能の一つだよ。
うまく転送できてなかったみたいでね、説明書の一部が消えてたの。
ちゃんとしたのあるから見せてあげる」
メモのようなものを手渡されたので、試しに読んでみた。
「「常に速度と跳躍力を50%強化し、瞬間的に加速する「超加速」、空中で好きな方向に直線的に移動する「ダッシュ」、「ダッシュ」発動中に別次元に移動して攻撃をかわす「バニシュ」が使えるようになる。「ダッシュ」は5回まで好きな方向に発動でき、「バニシュ」の出だしと終わりには無敵がない。」、、、ね」
「時々こういうことしちゃうんだよね〜
まぁ、実はあれ履いてるだけでトゲとか溶岩とか踏んでも平気だったりするけど。
とりあえず、君を元の世界に戻すね」
「、、、」
「、、、何か不満?」
<不満を言う?>
1、言う→[jump:33]
2、言わない→[jump:19]
[newpage](「言う」を選択)
「、、、せっかくかっこいい狼獣人のお兄さんが仲間になったのに、ここでお別れは悲しいなって思ってさ」
「、、、なるほど。
じゃあ、「旅は道連れ」にしとくね」
「、、、どういうこと?」
「それじゃあ、またね!」
次に進む→[jump:34]
[newpage]朝の日差しで目が覚めた。
手を見ると、白いモフモフにピンクの肉球が浮かんでいる。
「…戻ってきたんだ」
二人はまだ寝ているようで、静かに寝息を立てている。
…二度寝でもしようかな。
そう思って振り向いた僕の目に、グレンの姿が映った。
見るからに戸惑っている。
「…えっ?」
もしかして、あの子が言ってた「旅は道連れ」ってこういうこと?
「…どうしたのヒリュウ。
何か見つけ…」
プーロ君がグレンの方を見る。
「…だ、誰!?」
「、、、俺も気づいたらここにいたから、何が何だかわからないんだが、、、」
「…僕が説明するよ」
グレンが僕の方を向く。
「その声、、、もしかしてヒリュウか?」
「そうだよ。
とりあえず僕の知ってることを話しておくね」
「…状況はだいたいわかった?」
「あぁ。
一応な」
「意外と飲み込み早いね」
「あっちの世界でも、結構こういうこと自体は起きてたからな」
「…つまり…グレンもボクらの旅に同行するってことだよね?」
「ヒリュウがこの世界のことを知っているなら、ついていった方が賢明だと思ってな」
「いい体つきしてるね!」
「モフモフさはあんまりないけどね…
…それじゃあ、行こう!」
ハッピーエンド2 新しい仲間(狼)
最初に戻る→[jump:1]