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堕天使

  クリスマスの夜更け、インターホンが鳴った。

  ドアを開けると、マフラーをずらしたウサギが立っていた。

  「彼が酷いの!」

  そう言って靴も揃えずに上がり込む。

  近づいた瞬間、

  アルコールの匂いが強く鼻を刺した。

  ラマの僕は何も言わず、電気ストーブを入れる。

  彼女はカーペットに座り込み、耳をだらりと垂らした。

  僕は冷蔵庫から缶を二本出す。

  彼女はそれを当然みたいに受け取り、プルタブを鳴らした。

  「ケーキあるけど、食べる?」

  「……食べたからいらない」

  彼女は少し男勝りな性格だけど、

  今日のその目には少し涙が浮かんでいた。

  僕はそれ以上、何も聞かなかった。

  窓の外では、

  向かいの家のイルミネーションが静かに瞬いている。

  僕は自分の缶を開け、何も言わずに隣に座る。

  酒は進み、愚痴も途切れなかった。

  言葉はだんだん乱れて、同じ話を何度も繰り返す。

  「足りないな」

  そう言って、僕は上着を羽織る。

  コンビニから戻ると、部屋は静かだった。

  カーペットの上で、彼女は丸くなって眠っている。

  寝息と、まだ残るアルコールの匂い。

  僕はただ、静かに見つめていた。

  窓の外では、

  向かいの家のイルミネーションが変わらず瞬いていた。

  僕は袋を置き、起こさないように缶を冷蔵庫へ入れる。

  なんも予定がなかったけど、無くてよかった。

  この夜は、ここで止まっていてほしかった。

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