Ad
時は500万年後のニューヨークー
かつてマンハッタンと呼ばれた都市の傍にケセドレンという都市がある。
サイバーパンクな未来技術が発達し、様々な獣人で構成されたギャングや、マフィアが蔓延る時代の中で、
都市の中央にほど近いゲルナード地区と言われる地区は、ハイエナ族のギャング“ギラーズ”
が治めていた。
ブチハイエナ族、シマハイエナ族、カッショクハイエナ族、アードウルフ族
4 種のハイエナ族が結束して生まれたギャングは今日も明日も生きるために武器や義手義
足のメンテナンスをしていた。ホッケースティックや銃火器などを使用して本拠地に近寄
ったり、ケンカを売った他ギャングを制圧したりするがそろそろ弾薬が切れそうだ。
4 種のハイエナ族は種ごとに特徴的な装備をしている。
自室でパソコンと睨めっこしているのはシマハイエナ族のボスを務めるイザベラ。
シマハイエナ族は派手な色合いの衣装が特徴で主に金銭管理をしている。
この前武器オンラインショップで良い卸をしたので、売り手がギラーズの本拠地であるマーティンモールの入り
口までわざわざ来てくれるとのことだ。
「みんな、話があるの。ちょっといいかしら?」
呼びかけを受け、男女含めたブチハイエナ族 9 人がイザベラの元へと集まる。
その中にはギラーズに加入したての青年、アイオライトがいた。彼は元々1 人で放浪してい
たところを拾われて今に至る。
「インターネットで良い売り手が見つかったの?」
「そうよ、主にライフル銃に使う弾薬をメインに取引をしたから、車で来るはず。あと15
分で到着するから入口での出迎え、頼めるかしら?」
ブチハイエナ族は好戦的で、よく見かけるのは男性は銃撃や槍をメインに
女性はホッケースティックなどの武器やホッケーで使う防具を装備して敵のギャングを叩
くのだ。
指示された彼女らは手際よく装備を身に着け普段使っているお気に入りの武器を携え入口
に向かう。
マーティンモールの駐車場に車の発進音が響く。しばらくして入口の扉から出てきたのは
移動販売をしている武器商人だ。女性のハイエナ族7人とジョナとアイオライトの男性2
人が出迎え手早く運転手の身元を確認する。
「イザベラの姉さんから武器の発注を受けたのはお前だな?品物をみせて」
「言われた通りライフル銃に使う弾薬を用意しました」
「みんな、こっちに来て確認してもらえる」
1人の女性のハイエナ族が皆を集めててきぱきと注文票を片手に検品作業を始めた。
弾薬や銃火器、近接用のナイフまで様々な品物がある。
きっとイザベラさんが注文をした時に
色々とやってくれたのだとアイオライトは驚いていた。
「よし、おかしなものは入っていないようだな。これを1人ずつ持って武器庫へ」
「ジョナさん、いきましょうか」
「落としたらマーサさんに怒られるから慎重にな…」
ジョナとアイオライトは慎重に、しかし遅すぎない歩みで荷物を抱えて武器庫に向かう。
4 種のハイエナ族にも得意不得意の武器もあるわけで今回の武器は主にブチハイエナ族が
使うのだろう。
ゲルナード地区には 4 種のハイエナ族それぞれの拠点が存在するが大きな知らせがある時はモールに集まることにしている。
大勢のハイエナ族を統治しているのは女性のハイエナ族、それも体格の大きいブチハイエナ族だ。
「運び終わったわね、在庫また切れたらその時はよろしく頼むわ」
「御贔屓に。ありがとうございました」
武器商人が乗った移動販売車は足早にモールを走り去る。
武器と弾薬無事に武器庫に収まった。夕陽が沈み夜になる頃――
モールは広く、中は酒を飲めるスペースもあるため、朝まで飲み明かしたり、男女が仲良く
する場としてよく使われている。
夜,一緒に仕事をした7人の女性のブチハイエナ族に挟まれて緊張しているブチハイエナ族の男性ジョナとアイオライトはとても緊張していた。
「凄い光景ですね。女性のハイエナ族たちに挟まれるだなんて生まれて初めてです」
「アイオライト君慣れてきたころだと思うけどここにいて楽しい?」
「そうですね。色々と勉強できて僕は嬉しいですよ。ジョナさんも丁寧に教えてくれるので」
「俺もそう言ってくれて嬉しいよ。
武器の搬入も何事もなくてさ。今後もいろいろとあると
思うけど、まずは今日も生きる喜びに乾杯」
「乾杯」
グラスを合わせて乾杯するブチハイエナ族の男女たちはいつしか緊張もほぐれお互いのことを話し合う。
明日も生き残れるのかどうかは己次第だ。
Ad