バイオレンス・ラブ・ビースト《番外》

  プルル・・・・プルルルル・・・・・・ガチャ。

  もしもし!こちら誰でも手を差し伸べる幸福会です!!

  どうされましたか?不安ですか?悩みですか?それとも生きるのが辛いですか?

  ・・・・・・・・違う?取材?

  お断りしてますので!では!

  ガチャ。ツーツーツー

  ・・・ピロピロリン。ピロピロリン。・・・ガチャ

  もしもし、取材の方ですか?

  僕、先ほどの幸福会のものです。すみません。事務所の電話だったので私用携帯でかけ直しました。

  ・・・・・・・・もう耐えられません。

  全てお話します。

  幸福会は心に悩みを持つみんなを助けるところ・・・は表の顔です。

  裏の顔は相談者を騙し、心を安定させる為としてゲーム会社からテスター依頼を受けたゲームをプレイさせていました。

  そしてゲーム障害者となった相談者を治験実験の患者として病院に提供し、両方から報酬を得る。

  つまり、闇営業をしています。

  ある一例をお話します。

  ある日、3人の相談者が訪ねてきました。

  名前は伏せます。

  まずAさん、彼女は33歳の主婦。

  旦那さんに騙され、娘さんを連れて行かれたことで不信感、喪失感を感じていました。

  次にBさん、彼女は28歳の会社員。上司のパワハラ、セクハラでパニック症や鬱を患っていました。

  最後にCさん、16歳の高校生。

  彼は女性になりたい願望がありましたが誰にも受け入れてもらえないと相談してきました。

  会長は3人に【バイオレンス・ラブ・ビースト】というゲームのテスターとして選び、プレイさせました。もちろん、心を安定させる為のレクレーションと説明して。

  ところが【バイオレンス・ラブ・ビースト】の隠しキャラクターの【藤城愛】の存在が現れ、それが3人を変えるきっかけを与えました。

  3人はプレイ中、笑顔になったり嬉しそうな表情をするようになりました。そこまでは良かったのですが・・・・会長は何故か【藤城愛】を攻略不可、どうやっても【バットエンド】しか出ないように設定を変えたんです。

  そこから【藤城愛】に執着を見せた3人はゲームキャラクターであるはずの彼女を助けようと長時間プレイするようになり、精神も体も限界を迎えて倒れてしまったんです。

  後から分かったんですが、会長は取引先に対し額を釣り上げるために行ったようです。

  結果はテスターたちの体調不良でその案件は無くなったようですが。

  初めてその場面を目の当たりにした僕はこの会に不信感が芽生えました。

  その後、3人は病院に運ばれ治験患者として入院しました。

  ただ、ゲーム障害を患ってしまった3人は【藤城愛】を助けるために何度も脱走を繰り返し、ベットに固定されるほどでした。

  不快に感じた会長は病院に危険な薬の治験を勧め、程なくして3人は亡くなりました。

  そしてその3人の遺体は・・・山奥に捨てられました。

  ニュースでは、オーバードーズとか、自殺とか言ってますが、これは幸福会が殺したと言えます。

  ・・・もう僕は耐えられません。

  これ以上、被害者を増やしたくない。

  警察はすでに幸福会と繋がってます。だから、あなた自身でこのことを記事にして発表してください。

  私のことは気にしないで。成功をお祈りします。

  ガチャ。ツーツーツーツー

  ピッ。

  速報です。

  警察は、相談者を病院やゲーム会社に違法に斡旋した疑いで【幸福会】を家宅捜索しました。

  以前山奥で発見された3人の遺体とも関係があるようです。

  現在、会長である人物に事情聴取を行っています。

  事件発覚は、会の職員による記者へのリークのによるものです。

  同じくリークした職員についても話を聞くとのことです。

  続いてのニュースで・・・ピッ。

  END