不気味な蛍光灯の光が、悪の組織の地下アジトへと続く無機質なコンクリートの通路を照らし出していた――が、突如その静寂を切り裂いて、激しい衝突による粗暴な音が響き渡る。
「ウキィーーーッ!」
「ウキッ、ウキィッ!」
黒いタイツのような衣装に身を包んだ敵戦闘員たちが、奇怪な猿のような鳴き声を上げながら、次々と宙を舞っては床や壁に激突していく。
彼らを紙屑のように蹴散らしているのは、一人のヒーローだった。
獅子獣人の少年ながら、第一線で活躍するヒーロー。名をブレイズレオ。
襲いかかってくる戦闘員たちが振るうナイフを最小限の動きで紙一重でかわすと、抜け目なくカウンターのローキックを叩き込む。鍛え上げられた脚から放たれた一撃は、戦闘員を容赦なくなぎ倒した。さらに背後から組み付こうとした別の戦闘員の腕を掴み、背負い投げの要領で前方の壁へと叩きつける。
彼の戦い方は洗練された格闘技というよりも、圧倒的なフィジカルで敵をねじ伏せる野性そのものだった。
「へへっ、なんだよ。警備のザコどもはこれで全員か? 歯応えがねぇなぁ!」
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十数人の戦闘員を一瞬で沈め、レオは不敵な笑みを浮かべてその場に堂々と立ち塞がった。
鮮やかな赤髪をたてがみのように逆立たせた姿は野性的。しかし頭頂部からは丸っこい耳がぴこぴこと周囲の音を拾うように動いている。腰元から伸びる細長い尻尾は、動きたがりな性分のせいか左右へと激しく、自信に満ちた軌跡を描いて振られている。そのアンバランスな振る舞いは、彼が未だ年若い少年であることを如実に示していた。
年齢はまだ十代前半の、少年ヒーローと呼ぶにふさわしいあどけなさを残した顔立ち。だが容姿に反して、密着性の高いヒーロースーツの下に隠された肉体は並の大人を遥かに凌駕する、超一流スポーツ選手さながらのしなやかな筋肉肢体であった。
白と赤を基調にしたピチピチのヒーロースーツは、彼の身体のラインを強調している。大きく盛り上がった大胸筋は、少年特有の発達途上な肩幅に対して異常なまでの厚みを誇り、スーツの生地を内側から限界まで押し広げて今にも弾け飛びそうだ。激しい運動によって呼吸が繰り返されるたび、分厚い胸板が頼もしく健康的に上下する。
そこから視線を下げれば、腹部には陰影がくっきりと浮き出るほどバキバキに割れたシックスパックが自己主張しており、一切の無駄な脂肪を削ぎ落とした彫刻のような美しさを見せていた。腰に巻かれたベルトを境に、さらに下半身へと目を向ければ、格闘戦の主軸となる腿は太く引き締まっており、一歩踏み出すごとに強靭な筋肉の筋が浮き出ている。
そして、その太腿に挟まれた股間の膨らみもまた、彼の若々しく溢れんばかりの生命力を誇示するように、スーツの上からでもしっかりと主張の激しい質量を感じさせていた。
まさに、強さと若き肉体美の象徴。ブレイズレオは腰に両手を当て、勝ち誇ったように胸を張った。
ガガッ……ピピ……
ザコ戦闘員たちの惨状を自慢気に眺めていた彼の耳に、ギアに装着された通信インカムからノイズ混じりの硬い音が響く。本部のオペレーターからの通信だ。
『ブレイズレオ、聞こえているか! 本部からの待機命令を無視して、単身で敵の重要拠点に突入するとはどういうつもりだ。独断専行は服務規程違反だぞ』
「あー……はいはい。またお説教かよ」
レオは面倒くさそうに片手で耳をかきむしると、無線の向こうの警告を鼻で笑った。
『笑い事ではない。そこは敵の幹部クラスが潜伏している可能性が高い、極めて危険なエリアだ。すぐに撤退し、後続の部隊と合流しろ。これは命令だ』
「やだね。せっかく俺一人でここまで制圧したんだ、手柄を譲る気はねぇよ。っつーか心配しすぎだっての。悪の組織のザコどもが何百人集まろうが、この俺の敵じゃねぇよ!」
『またお前は調子に乗って……!』
「俺が負けるわけねぇだろ! 通信、切るぜ」
そう言い放つと同時に、レオはインカムのスイッチを容赦なく押し込み、説教とも心配ともとれる声を完全に断ち切った。
そうして、ふんと短く鼻を鳴らし、再び腰に手を当てる。彼にとって、己の強靭な肉体と、そこから生み出される圧倒的な熱エネルギーは絶対の真実だった。今回もいつも通りの簡単なワンサイドゲームになる――そう信じて疑っていない。
そんな傲慢を塗りつぶすように、通路の奥、そして曲がり角の影から、先ほどとは比較にならない数の黒い影が飛び出してきた。
「ウホォーーッ!!」
ぞろぞろと現れたのは、敵戦闘員たちの本隊だ。
通路を埋め尽くすほどの数が、奇怪な鳴き声を上げながら、各々がナイフや特殊警棒を手に押し寄せてくる。
「湧いて出てきやがったな。その間抜けな鳴き声、うぜぇんだよ!」
レオは顔をしかめ、獰猛な若獅子そのものの様態で牙を剥いた。
戦闘員たちは見下されていることなど歯牙にもかけず、一斉にブレイズレオ目掛けて飛びかかる。しかし、その肉体はすでに彼独自の特殊能力によって戦闘形態へと移行していた。
「束になっても意味ねぇよ! ザコどもが!」
彼の能力――それは、体内の一細胞にいたるまで超高熱のエネルギーを発生させ、肉体を爆発的に強化する能力だった。
拳を強く握り締めると、腕の筋肉がドクンと音を立てるように一段と膨れ上がる。スーツの上からでも、血管が不気味に脈打つのが視認できるほどだ。同時に、彼の肌から立ち上る熱気が陽炎となって周囲の空気を歪め、通路の温度が一気に急上昇する。コンクリートの壁がチリチリと熱で爆ぜる音が響く。
「おらぁッ!」
踏み込んだレオの太腿が、熱エネルギーの爆発によって弾丸のような推進力を生み出した。
最前列の戦闘員に向けて放たれたストレート。直撃した瞬間、殴られた戦闘員だけでなく、後ろにいた数人までもが肉体の衝撃波だけでまとめて吹き飛び、壁に激しく叩きつけられた。
「ウキ、ウキィーッ!?」
仲間が一撃で肉片になりかねない勢いで沈んだことに怯む戦闘員たち。だが、数の暴力でレオを押し潰そうと、死角から容赦なく刃物を突き立てようとする。
「無駄だっての!」
レオの体内から発せられる熱波は、接近するだけで敵の皮膚を焦がす。ナイフがスーツをかすめても、柔軟性と超硬度筋肉の相乗効果で生み出された装甲を傷つけることすらできない。
引き締まった腹筋を極限まで捻り、凄まじい遠心力を伴った回し蹴りが宙を舞う。ドカァッ、という重苦しい破壊音と共に、またしても戦闘員たちの情けない悲鳴が通路に木霊した。
熱エネルギーを限界まで充填されたレオの肉体は、まさに無敵の重戦車だった。少年らしい可愛げを残した顔つきは、戦闘の高揚によって獰猛な笑みを浮かべてさえいる。
「へへっ、どうした? 悪の組織ってのは数だけが自慢なのかよ!」
挑発しながら、ブレイズレオは両拳を胸の前で打ち合わせた。瞬間、肉体から溢れ出た熱エネルギーが視覚的な光となって弾ける。
「まとめて吹き飛んじまえ!」
レオは大きく跳躍すると、空中から床に向けて、体内の全熱エネルギーを拳の一点に集中させ、叩きつけた。
「これで、終わりだぁぁッ!」
ドガァァァンッ!!
凄まじい爆発音が響き渡り、通路の照明が一斉に弾け飛ぶ。熱エネルギーが文字通り爆発し、激しい爆炎の渦が残りの戦闘員たちを完全に呑み込み、通路の奥へと消し去っていった。
やがて爆煙が収まると、そこには立っている戦闘員の姿は一人もいなかった。全員が床に転がり、煙を上げながら気絶している。
「ふぅ……。だから言っただろ、俺一人で十分だって」
レオは体内の熱を落ち着かせると、ふい、と額の汗を拭った。
これほどの破壊を引き起こしてもなお、彼の呼吸はさほど乱れていない。スーツに包まれた胸板が頼もしく波打ち、丸い耳が満足げに前を向いている。
自身の力によってもたらされた完全なる勝利。力と肉体の絶対性を戦闘員たちに、この場所自体にも刻みつけ、彼は静かに通路の奥へ向かった。
突き当たりにある、重厚な鋼鉄製の扉。事前のブリーフィングによれば、この拠点の最深部――幹部の部屋へと続く入り口のはずだった。
扉には鍵すら掛かっておらず、レオが手をかければギィと簡単に開いた。
「へえ、大歓迎ってわけか。いい度胸じゃん」
レオは一切の躊躇なく、何が待ち受けているかも知れない部屋へと足を滑り込ませた。
中に入ると同時に、背後でドンッ!!と、凄まじい音を立てて鋼鉄の扉が閉まる。同時に、自動のロックが何重にも掛かる機械音が響いた。
暗転する部屋。閉じ込められたことに気づいたレオだったが、その生意気な笑みが消えることはなかった。
これまでも、彼は幾度となく絶望的な苦境や悪の罠を経験してきた。その度に、強靭な肉体と全てを凌駕する熱の力でねじ伏せ、勝利を掴み取ってきたのだ。
今回もまた、その実績が一つ増えるだけに過ぎない。この俺が、悪の小細工ごときに敗北するなど、天地がひっくり返ってもあり得ない――。
若きヒーローは絶対的な自負と確信を胸に抱き、暗闇の中で静かに身構えた。
[newpage]
完全に光が遮断された暗闇の中、ブレイズレオは全身の神経を極限まで研ぎ澄ませていた。
たてがみのように鮮やかな赤髪の間から覗く丸っこい耳をせわしなく動かし、周囲のわずかな足音や駆動音を聞き逃すまいと集中する。細長い尻尾はピンと上を向き、暗闇に紛れて襲いかかってくるであろう敵戦闘員たちの奇襲や、床から突き出す槍の罠を今か今かと警戒していた。いつでも次の行動へ跳躍できるよう、強靭な筋肉にはあらかじめ微弱な熱が蓄えられている。
若きヒーローはあらゆる事態を想定し、獰猛な笑みを浮かべたまま、闇の中で静かに身構え続けた。
しかし、数十秒が経過しても静寂が破られる気配は一向になかった。
ふいに、天井のどこかでカチリ、と硬質な機械音が鳴り響く。それを合図にするかのように、部屋全体を淡いピンク色の照明がじんわりと満たしていった。
不気味に明転した室内を見回したレオは、わずかに眉をひそめる。そこは先ほどまでの古びたコンクリートの通路とは一変し、まるでどこかの最先端科学を思わせる、照明のせいでピンクがかっているものの白一色で統一された清潔な実験室のような空間だった。
不自然なほどに綺麗な部屋には机も椅子も、実験器具の類すら一切置かれていない。ガランとした空間にあるのは、自分が潜り込んで閉ざされた頑強な鋼鉄の扉に、無機質な四方の壁と床だけだった。視線を上方へと這わせれば、天井の隅にいくつかの通気口らしきスリットがあり、部屋の真上からは一挙一動を冷徹に見下ろす監視カメラのレンズが赤く鈍い光を放っている。
「……なんだよ、閉じ込めておいて何もしねぇのか? 時間稼ぎかよ」
張り詰めていた警戒を少しだけ緩め、レオは自嘲気味に鼻で笑った。強力な罠が牙を剥くわけでもなく、ただ自分を密室に拘束しただけの状況。彼はそれを、敵本隊が態勢を立て直すための稚拙な足止めだと判断したのだ。
やれやれと首を振り、自身のスーツの腕部分に組み込まれたギアへと視線を落とす。先ほど独断で遮断した通信を再接続するため、彼は指先でギアのスイッチを叩いた。
「おい、聞こえるか。ちょっと部屋に閉じ込められちまった。外からハッキングしてこの扉を開けられるか?」
――だが、内蔵されたスピーカーから返ってきたのは、オペレーターの声ではなかった。
ザザ……ザザザザ……
鼓膜を不快に震わせる、激しい砂嵐のノイズだけが室内に虚しく響き渡る。
「ちっ、電波まで遮断してやがんのかよ」
どれだけスイッチを入れ直してもノイズが収まる気配はなく、レオは忌々しげに舌を打って再びギアの通信を切った。完全に外部の助けは期待できない孤立無援の状態。だが、己の肉体と力に絶対的な自信を持つ若獅子のプライドは、これしきのことで揺らぐことはなかった。
そんな傲慢を、冷徹な機械音が容赦なく破る。
プシューーーーッ……
天井の通気口から、かすかな排気音が聞こえ始めた。同時に、淡いピンク色の照明に照らされながら、うっすらと色づいた霧のようなガスが噴き出してくる。
それは意志を持っているわけでもなく、ただ室内の空気の対流に従って無機質に、しかしどこか生々しくいやらしい軌跡を描きながら、ガランとした空間を確実に満たしていった。
「毒ガスか……っ!」
レオは瞬時に危機を察知すると、即座に口を真一文字に結び、肺の動きを完全に停止させた。
息を吸い込まないよう胸元に強い力を込めながら、レオは即座に行動を開始した。常人離れした心肺機能を持つ彼にとって、数分間の無呼吸など造作もない。だが、この狭い部屋が完全にガスで埋め尽くされれば、いずれ限界が来ることは目に見えている。一刻も早くここを脱出しなければならない。
彼はすぐさま、先ほど入ってきた鋼鉄の扉へと駆け寄った。
扉のわずかな隙間に指をかけ、己の強靭な指の力でこじ開けようと試みる。太ももと背中の筋肉を限界まで怒張させ、スーツの生地が引き裂かれそうなほどの負荷をかけながら引き剥がそうとするが、扉はミリ単位すら動かない。
ここに来るまでの、あの杜撰なコンクリート打ちっぱなしの安っぽい通路や、簡単に蹴散らせたザコ戦闘員どもの群れは、すべて油断させてこの部屋へ誘い込むための罠だったというのか。
レオは自身の力への自負が、足元からガラガラと崩れ落ちていくような錯覚に襲われる。
その間も密室内へと充満するガスは待ってくれない。焦燥感が鎌首をもたげる中、今度は壁に目を向けた。滑らかな実験室の隔壁は、叩いても鈍い金属音が返ってくるだけで、どこにも継ぎ目が見当たらない。天井の通気口は遥か高く、跳躍して破壊しようにも、息を止めた状態では自慢の熱エネルギーによる肉体強化を十全に発揮することが難しかった。
(クソっ、どこを調べてもビクともしねぇ……! なんなんだよこの部屋は!)
時間が経つにつれ、肺の中の酸素が徐々に薄れていく。心臓が警鐘を鳴らすようにドクドクと拍動を早め、バキバキに割れた腹筋が、空気を欲してピクピクと不随意に痙攣し始めた。耳が焦燥感を体現するように激しく前後に揺れ、尻尾が床をパタパタと叩く。
頭に血が上り、視界の端がチカチカと明滅し始める。いくら強靭なヒーローの肉体を持っていようとも、生物としての呼吸という絶対的な欲求には抗えない。
(だめだ……、これ以上、は……もた、ねぇ……っ)
ついに耐えきれなくなったレオの口から、せき止めていた空気ががはっと漏れ出してしまった。
「――ッ、は、あぐっ……!」
反射的に、大きく口を開けて周囲のピンク色の空気を、胸いっぱいに深く吸い込んでしまう。
最悪の事態を覚悟して目を瞑ったレオだったが、喉を通り抜けたガスは驚くほど滑らかに体内へと滑り込んでいった。かすかに甘い、熟しきった果実か花の蜜のような芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。
想像していた苦痛はない。しかし、その直後から彼の肉体に劇的な変化が訪れた。
ドクン、ドクン……
心臓の鼓動が不自然なほど激しさを増していく。それは戦闘時の高揚によるものとは明らかに異なり、まるで全身の血液が沸騰したかのように脈拍が跳ね上がっていた。
ハァ、ハァと、意図しない荒い吐息が口から漏れ、あどけない面影を残す少年の両頬が、瞬く間に熟しきった果実のように真っ赤に染まっていく。猛烈な赤面は顔だけに留まらず、赤髪の隙間から覗く丸っこい耳の裏や、スーツの襟元から覗く首筋までもを淫らに紅潮させていた。
熱い血液が全身を駆け巡るたびに、少年特有の若々しい毛皮という毛皮がじわじわと締まりを失うように赤みを増していく。それだけには留まらず、代謝が急速に上昇し、全身から大粒の熱い汗が噴き出してスーツの襟元へと吸い込まれていく。
特に、その熱と血液は、太腿の間に挟まれた股間へと容赦なく一極集中していった。
ドクドクと、下腹部に強烈な脈動が走るたびに、股間の中心にある質量が異常なまでの自己主張を始める。白と赤のヒーロースーツの股間部分が、内側から突き上げるような異様な圧力によって急速に突っ張り、パツパツに張り詰めていく。太腿の筋肉を締め付けるほどに質量が膨張し、下着のなかで逃げ場を失った熱い塊が、窮屈な悲鳴を上げるように生地を限界まで押し広げていった。
「あ、つ……なんだ、これ……ッ」
レオは股間の異様な緊満感と全身の熱さに耐えかね、自身の胸元を掻きむしるように手を這わせた。
ここで、彼は決定的な違和感に気づき、愕然とする。
この熱さは、彼がこれまで幾度となく自らの意志で操り、肉体を爆発的に強化してきた誇り高き熱エネルギーとは、根本的に違う種類の熱だった。
自らの力である熱は芯から身体を研ぎ澄まし、敵を圧倒するための闘志を呼び起こすものだ。しかし、いま彼を支配しているのはもっとドロドロとした、脂っこいような、理性の防壁を内側からじわじわと焼き溶かしていくような淫らな熱。戦うための力ではなく、ただ本能に身を任せて快楽を貪りたくなるような、おぞましい発情の熱。
若いオスの性が呼び起こす発情すらも鍛錬によって消費してきた彼にとって、この熱の高まりは内側から誇りを食い破られるに等しいものだった。
呼吸を重ねるたびに、甘いガスが脳へと回り、フワフワとした奇妙な浮遊感が思考を白く染めていく。
「俺は、ヒーロー、だぞ……こんな、ことで……」
あんなに確固たるものだったはずの自負や脱出への意志が、頭のなかでピンク色の霧に包まれ、溶けて、形を失っていく。
強靭だったはずの太腿の筋肉から力が抜け、レオはその場にゆっくりと胡坐をかくように崩れ落ちた。まともな思考のピントが急激にボヤけ、ただ股間の狂おしいほどの疼きだけが、彼の意識の全てを乗っ取ろうとしている。
胡坐をかいた姿勢のまましばらくの間、レオは激しい眩暈に耐えるように頭を低く垂れていた。
呼吸を重ねるたびに、甘く淫らなガスが肺腑から全身の血管へと送り込まれ、彼の頑強な肉体を内側からじわじわと作り変えていく。皮膚の裏側を、熱せられたドロドロの鉛が這い回っているかのような、おぞましい発情の熱。
絵に描いたような熱血漢であり、正義の味方としての道を真っ直ぐに突き進んできた彼にとって、これほどまでに生々しく、凶暴な性衝動に襲われるのは初めての経験だった。
普段の彼であれば、若いオスとして有り余るエネルギーや、不意に沸き起こる身体のモヤモヤとした昂りは、すべて日々の過酷な鍛錬や激しい戦闘によって健全に消費し、爆発的な熱エネルギーへと昇華させてきた。欲を覚える暇もないほどに自身を追い込み、肉体をいじめることによって、彼はその純潔とヒーローとしての誇りを保ち続けてきたのだ。
しかし、このガスがもたらす熱は、どれだけ体内でエネルギーを循環させようとしても一向に消費される気配がない。それどころか、抗おうと身をよじればよじるほど、熱は身体の芯へと深く、より確実に染み渡り、彼をただのオスとしての本能へと引きずり下ろそうとする。
「く、そっ……あちぃっ……、なんなんだよ、これ……っ」
体感温度の上昇はもはや限界に達していた。
頭のなかはフワフワとした締まりのない快感で白く濁り始め、正常な判断能力が砂の城のように脆く崩れ去っていく。汗を大量に含んだヒーロースーツが肌にベッタリと張り付いて、猛烈な不快感とさらなる熱を体内に閉じ込めていた。
耐えかねたレオは、まるで熱病に浮かされたかのように、震える手で自身の胸元――スーツの密着状態を強制解除するリリース・パーツへと手を伸ばした。
すでに指先の感覚もおぼつかないまま、エンブレムの裏側に隠されたロック機構を荒々しく押し込む。プシュッ、と圧縮されていた空気が抜ける短い排気音が鳴り、パツパツに張り詰めていた白と赤のスーツが左右へと勢いよく弾け開いた。強烈な締め付けから解放された生地が、少年の肩幅からズルリと脱ぎ捨てられていく。
ピンク色の妖しい照明の下に、汗で濡れそぼった彼の上半身が露わになる。
熱を逃がそうと身をよじるたび、鍛え抜かれていながらも少年らしいなだらかな鎖骨のラインから、逞しく発達した胸の谷間へと、大粒の汗が幾筋も艶かしく滑り落ちていく。これ以上自分を見失うまいと、彼は自身の両腕で硬く引き締まった脇腹をきつく抱きしめた。だが、必死に震えを抑え込もうとする背中のしなやかな筋肉は情けなく弓なりに反り、自分の肌に爪を立てるほどの力強さとは裏腹に、強く噛み締めた唇からは切実な熱い吐息が漏れ続けている。
スーツを完全に引きずり下ろし、最後の鎧である下着を除いて毛皮を完全に晒してもなお、身体の芯を焼く熱が引くことはない。
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レオは熱い吐息を口から溢れさせながら、残された僅かな理性を振り絞って再び太腿をがっちりと組み直した。
これ以上の破廉恥な行為に及ぶことだけは、何としてでも阻止しなければならない。今の彼にできる抵抗は、ガスの満ちた密室内で、ただ胡坐をかいてジッと耐え続けることだけだった。
もはや頭はまともに働いておらず、自分がなぜここにいるのか、敵の目的は何なのかといった思考は完全に消失している。ただ、ヒーローとしての意地とプライドのみが、彼の肉体を辛うじてその場にロックさせていた。
なぜなら、この狂おしいほどの熱を逃がす方法が、彼の本能にはすでに一つしか残されていないと分かっていたからだ。
――――オナニー
しかし、生真面目で愚直なまでに格闘の鍛錬に全てを捧げてきたレオにとって、それは人生において片手で数えるほどしか経験したことがない、未知の領域に近い行為だった。初心な少年ヒーローにとって、ましてや天井の監視カメラが冷徹にこちらを見下ろしている異様な状況下で、己のみっともない性器を弄るなど、天地がひっくり返っても許されることではなかった。
(だめだ……、触ったら、俺は……終わる……っ)
そこまで分かっていながらも、膨れ上がる熱を逃がす術が他にないという絶望的な葛藤が、レオの小さな胸を締め付ける。歯を食いしばり、ケモ耳をきつく伏せて耐えるが、その固い意志すらも、無機質に満ちるピンク色のガスは容赦なく蕩かしていった。
ドクンッ、と、下腹部が大きく跳ねる。
股間の緊満感は、すでに下着の上からでも視認できるほど破裂寸前にまで膨れ上がっていた。逃げ場を失った熱い質量が、薄い生地の中でドクドクと激しくのたうち回る。
生地にきつく押し付けられた敏感な先端が、呼吸でわずかに身をよじる摩擦すらも過剰に拾い上げ、その度に脳髄を痺れさせるような火花を散らした。限界まで充血しきった肉の塊は、自分を縛り付ける布地を疎ましく思い、外の空気と直接の慰めを乞うようにズキズキと熱く脈打っている。さらに、先端から滲み出した粘つく先走りが、窮屈な下着の中をジュクジュクと生々しく濡らし始めていた。
いっそこのまま布の上から力強く握り込んでしまえば、あるいはこの窮屈な檻から解き放ってやれば、どれほどの甘い痺れが全身を突き抜けるのか――。
直接的な言葉を持たない切実な疼きが、無言のまま少年の理性を責め立てる。その圧倒的な快感の予兆を前に、レオの意地はついに限界を迎えた。
「あ、う……あ、あぁっ……!」
喉から情けない喘ぎ声が漏れると同時に、ロックされていたはずの彼の右手が、吸い寄せられるようにして自らの股間へと伸びてしまった。
もはや、下着の締め付けにすら耐えられない。レオは震える指先を下着の裾へと引っかけると、そこから、パツパツに張り詰めて猛り狂った自身のペニスを、強引に外へと引きずり出した。
ブルンッ!!
[uploadedimage:24588872]
裾のゴムから解放された質量が、横へと勢いよくしなって露出する。
「ひ、あうっ……!?」
密室のわずかに冷えた空気に触れた瞬間、先端から脳を直接突き刺すような強烈な電気信号が走り、レオは背筋を激しく反らせて声を上げた。
下着から飛び出したそれは、十代前半の少年のものとは思えないほどにドクドクと太く脈打ち、いまや自身の腹筋を打ち叩かんばかりにガチガチに反り返っている。
何かヤバい。
これに触れて、自ら求めてしまえば、自分はもう二度とヒーローには戻れなくなる。脳の片隅に残った理性が、必死に警鐘を鳴らしていた。
レオは自身のペニスの前に右手を翳したまま、指先を激しく震わせ、掴むべきか否か激しく躊躇う。
しかし、そうやって頭のなかで僅かな抵抗を試みるだけで、全身を支配するドロドロとした熱に対する根本的な解決には至らない。下腹部から突き上げる切実な疼きは、初心な少年の躊躇いを嘲笑うかのように、さらにその熱度を増していく。
ズキリ、ズキリと、露出した肉棒が空気を求めて熱く脈打つ。
レオは震える右手をペニスの前に翳したまま、必死に指先を引っこめようと葛藤していた。これに触れてはいけない。自分の手で快楽を与えてしまえば、築き上げてきたヒーローとしての自分が崩壊してしまう。
だが、崇高なプライドも限界まで張り詰めた股間の前では無力だった。
先端からツツーッと一筋の先走りが垂れ落ち、彼の太腿へと生温かい飛沫を散らした瞬間、レオの脳内で張り詰めていた理性の糸が、プツリと音を立てて切れ果てた。
「あ……ぅ、もう、むり……っ!」
堰を切ったように漏れた悲鳴と共に、レオの右手は自らのペニスを乱暴に鷲掴みにした。
「ひ、あッ!? あ、あぁぁっ……!」
直接触れた瞬間に炸裂した快感は、彼の想像を遥かに超えていた。
素手から伝わる自身のペニスの異常な熱さと硬さ。そして、元気に膨れ上がった亀頭をなぞる指先のわずかな動きだけで、脳髄が真っ白にショートするほどの強烈な電気信号が全身を駆け巡る。それは、これまで過酷な鍛錬で肉体をいじめ抜いてきた彼が、初めて知る強烈な性感という名の麻薬だ。
もはや、下着すら邪魔だった。
レオは腰元に引っかかっていた生地を無造作に引きちぎるように脱ぎ捨てると、全裸となった状態で、再び太腿を深く交差させてがっちりと胡坐を組み直した。無防備に晒された自身の股間へと両手を添え、太く反り返った肉棒を握り込む。指の腹で敏感な裏筋を擦り上げながら、すでにカリ首の裏にまで滴っていた大量の先走りを天然の潤滑液として絡め取り、根元から先端へ向けて勢いよく扱き上げ始めた。
シコシコシコシコシコシコシコシコシコッ……!
ぐっちゅぐっちゅずっちゅぬっちゅにゅちゅちゅちゅっ!
密室のなかに、少年の肉体を打つ卑猥で粘着質な水音が響き始めた。
初心な少年が恐る恐る始めたはずの自慰は、ピンク色のガスの影響と、今まで抑圧されてきた熱エネルギーの暴走によって、瞬く間に狂気じみた速度へと加速していく。
[uploadedimage:24588875]
「あ……っ、く、ぅあ……っ! ヤベェ、すげぇきもちい……っ」
ガシガシと、鍛え上げられた太い腕の筋肉が躍動し、自らの肉棒を乱暴なまでに扱きまくる。そのストロークは普段敵を殴り倒す時と同じように全力で、引き締まった腹筋に熱い摩擦熱が伝わり、大胸筋が荒い呼吸に合わせて激しく揺れ動いていた。
熱血でやんちゃな彼らしい、荒々しい力任せの自慰。だが、チンポを強く扱き、脳に快感の物質が分泌されるたびに、彼の中で何かが確実に変質し始めていた。
「はぁっ、俺の……すげぇ、ちんこ、熱っ、きもちいい……っ」
右手が激しく上下するたびに、彼の思考のピントが急速にボヤけていく。最初は己の行為を恥じ、葛藤していたはずの感情が快楽の波に洗い流され、それと同時に彼が紡ぐ言葉から徐々に複雑な語彙が抜け落ちていくのだ。
自分が誰なのか、なぜここにいるのか。そうした理知的な疑問は水に溶けるように消え去り、いま彼の脳を満たしているのは、股間からこみ上げる強烈な気持ちよさと、ただちんこを扱くという極めて単純な欲求だけになっていた。
「あ、あぁっ! もっと、もっとシコる、すげぇ……ちんこ、最高だ……っ!」
シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコッ!!
にゅちゅちゅぬちゅぐっちゅ、ぐちゅずちゅずちゅずちゅっ!!
激しい水音は止まらない。レオはだらしなく口を開けて熱い呼気を吐き出しながら、一心不乱に腕を上下させ続ける。ガスの効能が脳の奥深くまで浸透し、彼の思考回路を快楽受信専用のツルツル脳みそに作り変えていく。
「あッ、きもち、い、ウキッ……!」
レオは自らの口から洩れた意図しない声に驚いた。が、扱く手を止めないまま、わずかに目を見開き、今の変な声はなんだ、と瞬きをしただけだった。疑問が脳内で形を成すよりも早く、ズンッと下腹部を突き上げるような圧倒的な快感が脳を支配した。間抜けな鳴き声を発した瞬間、なぜかチンポへの刺激が何倍にも跳ね上がったのだ。
「ウ、ウキッ……? あ、すげ、これ、ウホッ、きもちい……ウキィッ」
もはや違和感などどうでもよかった。声を出すたびに脳の奥がジンジンと痺れ、さらに気持ちよくなる。単純な事実と報酬だけが、彼の単純な思考を完全に塗りつぶしていく。
シコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッシコッ!!
「ウホォッ! ヤベェ、ちんこ、すげぇ! ウキィーーッ❤」
ガランとしたピンク色の実験室の中央で、全裸のまま胡坐をかき、自慢の筋肉をアピールするように胸を張りながら、ひたすらに自分の股間を扱き続ける一匹の発情した猿。
監視カメラの赤いレンズが冷徹に見下ろす中、レオはだらしなく舌を垂らし、ヒーローの面影をわずかに残した顔をアホみたいな快楽に歪ませて、みっともないオナニーを止められない。
ずちゅ、ずっちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ!!
「ウキッ! ウホホッ! シコるのすげぇ、きもちい、ウキキィッ!!❤」
言葉の形を失いかけたアホ猿声と、ぐちゅぐちゅという激しい水音が、密室に響きまくる。
シコシコシコシコシコシコシコシコッ……!
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシッ……!
ぐっちゅん、ぐっちゅ、ぶちゅぶちゅじゅぶじゅぶじゅぶっ!
じゅくじゅくずっちゅぐっちゅちゅっ、ぶちゅぶちゅぶちゅっ!!
ピンクのガスが立ち込める密室のなか、凄まじい勢いで肉を擦り上げる下劣な破壊音と、粘着質な水音が響き渡り、鳴り止む気配すら見せない。
全裸で胡坐をかいたレオの身体は、すでに己の理性では制御不能に陥っていた。
限界まで猛り狂ったちんこに対し、彼は本能のままに両手を重ね合わせ、実物すら知識に無いにもかかわらず手で作った即席のまんこのようにして極太の肉棒をきつく締め付けていた。
チンポ全体にまんべんなく先走りを絡め、猛烈なピストンで白く濁った泡となって彼の下腹部へと飛び散る。鍛え上げられた両腕の筋肉がガシガシと凶暴に躍動し、狂ったようなガサツな速度で上下運動を繰り返していた。
「ウ、ウキッ! ア、あぁぁッ! ちんこ、熱っ、すげぇッ……! シコんの、ウホォッ! やめらんねぇ、やめらんねぇよぉッ!!」
だらしなく開いた口の端からは涎が絶え間なく溢れ、バキバキに割れたシックスパックの腹筋へと何筋も糸を引いて垂れ落ちている。
やんちゃな面影を残した可愛い顔は、完全に快楽だけで脳ミソを殴られ続けた快感アヘ顔で変ちくりんになっていた。目は完全に焦点を失って泳ぎ、耳はビクンビクンと痙攣するように激しく震え、尻尾は床をペチペチと狂ったように叩き続けている。
部屋に満ちるピンク色のガスはレオが呼吸を狂わせるたびに、その肺腑の奥深くへと容赦なく吸い込まれていく。
このガスが脳細胞へと届くたびに、レオの頭の中の配線はジュワジュワと物理的に焼き切られていくのだ。難しいことを考えるための領域がドロドロの液体になって鼻から溶け出し、代わりに『ちんこ』『シコる』『きもちいい』という、野生の猿以下の最低限の快楽回路だけが強制的に上書きされていくのだ。
「あ、はぁっ、おれ、ヒーロー、なのに……ちん、こ、しこしこ、するの、やめられ、ねぇよぉっ! ちんこ、最高ッ! ウキッ、ウキィーッ❤」
最初は僅かに残っていたヒーローとしての羞恥のためらいも、両腕が往復するたびにガタガタに崩壊していく。
熱血でやんちゃだった俺様口調のまま、言葉の形そのものが野性的にアホへと退行していく。自分がなぜここにいるのか、誰に監視されているのか、そんなことはもうどうでもいい。
ただ、自分の両手が作った肉の割れ目が、股間の熱いちんこをめちゃくちゃに締め上げて、極上の痺れを与えてくれる。その圧倒的な事実だけが、レオのツルツル脳みそを満たしていた。
「ウキキィッ! ウホォッ! しこしこ、すげぇ、ちんこ、熱くて、頭、ドロドロに、なっちまうウホォッ!!❤」
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシッ! ズコズコズコズコッ!
じゅくじゅくずっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!!
激しすぎるストロークによって、肉棒の皮膚が真っ赤に擦り剥けそうになるほどの摩擦が起きている。だが、ガスによって鋭い痺れすらも全てが極上の快感へと変換されていた。
先走りと手汗が混ざり合った少年にあるまじき性臭を放つ粘液が、レオの両手の中でぐちゅ、ぐちゅと泡の潰れる生々しい音を立て、太腿の付け根へとボタボタと滴り落ちる。
シコればシコるほど脳のシワが消えてアホになる。
アホになればなるほど羞恥心のブレーキが完全にぶっ壊れて、快感の伝導率が何十倍にも跳ね上がる。
そして、跳ね上がった快感がさらにレオの両腕のピストン速度を狂わせていく。
「ウホッ! ウキッ! ちんこ、サイコー! ヒーロー、もういらねぇ、ウキィーーッ❤」
かつて彼が命を懸けて守ろうとしていた正義も、強さへの誇りも、全てが股間のちんこを擦り上げる快楽の前に敗北した。
全裸で胡坐をかいたまま、自慢の大胸筋をだらしなく揺らし、白目を剥いてアホ面で自分のモノをシコりまくる姿は、完全に悪の組織に飼い慣らされるための野生オナ猿そのものだった。
じゅくじゅくじゅくっ! ぶちゅぶちゅぶちゅっ! じゅぷ、ぐちゅぐちゅっぐちゅっ!!
限界突破した快感の濁流が、ついにレオの下腹部へと恐ろしい密度で集束し始めた。
キンタマ袋がギリギリと硬く収縮し、太腿の強靭な筋肉が石のようにガチガチに硬直する。足の指先がピーンと不自然な角度に反り返り、背中のしなやかな筋肉が綺麗な弓なりを描いて跳ね上がった。
「あ、あガッ、ひ、あぁぁッ! でる、でちまうッ! なんか、ちんこから、ヤベェの、でるぅぅッッ!!❤」
既にヒーロー失格のオナ猿となったブレイズレオだが、その野性的直感はこの期に及んでも的中していた。
ガスと絶頂がもたらす恐ろしい仕組み――それは、このまま射精すると同時に、脳の知能までが精液と共に体外へとすべて排出されてしまい、二度と元の姿に戻れなくなってしまうというものだった。
この一撃を放てば、永遠に知能が戻らないオナ猿化が決定づけられてしまう。自我が消滅し、永遠にオナニーの快楽だけを貪る発情オナ猿戦闘員に成り果ててしまうのだと、彼の理性の残骸が叫んでいた。
だが――脳が完全に溶けきったレオにとっては、その破滅へのカウントダウンこそが、たまらなくドスケベで、最高に気持ちよかった。
正義を捨てるのが気持ちいい。アホになるのが気持ちいい。みっともなくオナニーを見せつけながら、自分の知能も誇りも全部真っ白なザーメンに変えてぶちまけてしまうことが、狂おしいほどにエグい快感となって少年の全身を震わせる。
「ウキィィィーーッ!! スゲェッ、頭、とろとろに、なっちまうぅぅッ! イク、ウホォッ! ザーメン、でる、イクゥゥウウウーーッ!!❤」
野性的な咆哮に近い最後の絶叫が、密室に虚しく響き渡る。
レオの両手が、肉棒がちぎれんばかりの超スピードで最後の数回を激しく扱き上げた。
ドクンッ!! ドクンッ!! ズチュンッ!!
限界まで膨張しきった肉の杭の先端から、ついに、極太の白濁液が爆発的にブチちぎれるように噴出した。
「ウキィィィィィイイイイイイイイイイイーーーーッッ!!!!❤❤❤❤」
ビュッ、ドピュッ、ドピュルルルルルッ!!!
ビュルルルルルルルッ!!!!
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それは、若く屈強な少年のエネルギーとなけなしの知性のすべてがザーメンへと変換されたかのような、恐ろしい量の大量射精だった。
凄まじい勢いで放たれた濃密な精液は、天井の監視カメラに届くほどの放物線を描き、彼自身の腹筋に、分厚い大胸筋に、そしてアホみたいに口を開けた顔面にまで、べちゃり、べちゃりと容赦なく叩きつけられていく。
「ア、あガッ、ウ、ウキィッ、ウホ、ウホォォッ……!!❤」
ドピュッ! ドピュッ! ビュルルルッ!!
一度では止まるはずもない。脈打つたびに、ドロドロとした熱いザーメンが、レオのチンポから何度も何度も噴き出し続ける。
絶頂の瞬間、レオの脳内で、パチパチと何かが完全に焼き切れる音がした。
予感通り、完全なる知能低下の固定が完了したのだ。
体内のザーメンが外へと勢いよく排泄されるのと同時に、彼の中に残っていたブレイズレオとしての記憶、正義の味方としての自覚、人間としての知性の全てが、文字通り体外へとドロドロに流れ出て、床の白い汚れへと変わっていった。
脳みその細胞が、絶頂の快楽によって完全にツルツルの真っ白に上書きされ、永遠にオナ猿のまま元に戻らない状態へと固定されてしまった。
ビュクッ……ビュルッ、……とろぉっ……
最後の一滴まで絞り尽くされ、精液まみれになったちんこが、ピクピクと哀れに跳ねる。
「…………う、き……?」
激しい水音が止んだ部屋。
そこには、全身を己の放った大量のザーメンで白く汚し、放心したまま胡坐をかいている一匹の哀れなスケベ駄獣がいた。
目は完全に宙を舞って焦点が合わず、口の端からは涎とザーメンが混ざった液体がだらだらと垂れている。自分が何のためにここにいて、何をしていたのか、そんなことは彼の頭のなかから完全に消滅していた。
あるのは、ただ、ちんこを擦ったら、言葉にできないほど凄い気持ちよさが弾けたという、原始的な快楽の記憶だけ。
「……ウホッ、ウキィ❤」
自分の胸や手にべっとりと付いた精液の匂いをクンクンと嗅ぐと、元ヒーローの少年は、パァァッと底抜けにアホらしい笑顔を浮かべた。
恥ずかしいという感情も、敗北したという絶望も、今の彼には一ミリも理解できない。ただ、オナニーが最高だったことへの多幸感だけで、丸い耳を嬉しそうにパタパタと動かしている。
そして、彼は無意識のうちに、まだ微かに硬さを残している自分のちんこへと、再びザーメンまみれの両手を伸ばした。
何の疑問も持たず、ただもっと気持ちよくなりたいという本能のままに、手で作った肉の割れ目で、ぐちゅり、と二回めの自慰を開始する。
「ウキッ❤ しこしこ、ウキキィッ❤」
監視カメラの向こうで悪の組織の幹部たちが、無様に堕ちきったかつての最強ヒーローを見て大爆笑していることなど、今の彼にはどうでもよかった。
誇り高い赤き若獅子は、完全に死んだ。ここにいるのは、命令されれば喜んでちんこを擦り、どんな過酷な仕事でも笑顔で従う、悪の組織の新しいおもちゃ――野生化オナ猿戦闘員であった。
[newpage]
何重にもロックされていた鋼鉄の扉が救援部隊の手によって激しく爆破され、通路へと吹き飛んだ。
「レオッ! 無事か、ブレイズレオ――ッ!!」
特殊な防護服に身を包んだ、屈強なヒーローたちが一斉に室内に突入する。彼らは独断専行した生意気ながらも可愛げある若き獅子を救い出すため、文字通り死に物狂いでアジトの防衛網を突破してきたのだ。
しかし、眩いフラッシュライトの光が照らし出した室内に、彼らが捜すレオの姿はおろか、敵の姿さえ見当たらない。
完全に、もぬけの殻だった。
「……な、んだ、これは……」
隊員の一人が、異様な光景に思わず声を漏らした。
レオが閉じ込められた白一色だったはずの清潔な実験室は、今や鼻を突くような生々しいオスの性臭と、怪しいピンクのガスの残滓で酷く淀んでいた。そして、ガランとした部屋の中央の床や壁には、常軌を逸した量の白濁液が、ドロドロと飛び散ったまま無残に乾き果てていた。
そのすぐ傍らには、見る影もなく無造作に引きちぎられた、白と赤のヒーロースーツの残骸が寂しく転がっている。
「インカムの反応はありません! レオの生命サイン、及び固有の熱エネルギー反応……完全にロストしました!」
「クソッ、一歩遅かった……! 連れ去られたというのか!」
床に広がる、彼が自ら知能と共に排泄し尽くした真っ白な汚れを見つめながら、救援部隊はただ悔しさに歯噛みするしかなかった。
彼らがどれだけ捜索を続けようとも、誇り高き少年ヒーロー・ブレイズレオの行方が掴めることは二度とない。
正義の味方ブレイズレオは、この日を境に、世界から完全に消えた。
――――それから、数ヶ月の月日が流れる。
世界中どこにあるかも分からない、悪の組織のまた別の近代的アジト。
そこには他の戦闘員たちと全く同じ、ピチピチとした黒いタイツ衣装に身を包んだ、一人の戦闘員が直立不動で立っていた。
衣装の隙間からは、かつての面影を残す鮮やかな赤髪と、丸っこい耳がぴこぴこと覗き、腰元からは細長い尻尾がだらりと垂れ下がっている。
最下層のザコ戦闘員の衣装を着せられているというのに、その肉体はあまりにも雄々しく、若々しく、精力が漲っていた。
黒い生地を内側から破らんばかりに押し広げる分厚い大胸筋、浮き出るシックスパック、成長途上ながらに堅強な腕と脚。太腿に挟まれた股間部分は、常に猛り狂った巨大な質量でパツパツに張り詰めていた。
デスクに腰掛けた悪の組織の幹部が、冷徹な目で報告書に目を通しながら、目の前の肉厚な戦闘員を見上げる。
「よし、今回の敵ヒーロー迎撃任務、お前の圧倒的な怪力と熱肉体のおかげで完璧に片付いたぞ。……よくやったな、元ブレイズレオ。いや、今は戦闘員35号だったか」
「……ウキッ」
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レオは常に装着させられているバイザー越しに、虚ろで焦点を失ったアホ面のまま、短く鳴いて敬礼を返した。
かつての「俺が負けるわけねぇだろ」などという生意気な自信は、今の彼には一ミリも残っていない。脳のシワをツルツルに溶かされ、完全にオナ猿戦闘員として固定された彼にとって上司の命令は絶対――というのはオマケで、実際はほぼオナニーのことしか考えていないただのエロ獅子と化していた。
悪の幹部は、哀れなほどに調教されきったかつてのヒーローの姿に、ニヤリと下劣な笑みを浮かべた。
「お前は本当に有能な戦闘員だ。どんな過酷な命令も、文句一つ言わずに笑顔でこなすからな。……よし、約束通り、任務達成のご褒美をやる。そこでシコっていいぞ」
褒美の言葉がレオの耳に届いた瞬間。
「ウホッ!? ウキキィィィーーッッ!!!!❤❤」
人形のようだったアホ面が、パァァッと底抜けに破廉恥な笑顔へと一変した。
耳を狂ったようにバタつかせ、尻尾を千切れんばかりの勢いで激しく左右に振り回す。
ズコズコズコズコズコズコズコズコッ……!
ぐっちゅん、ぐっちゅ、ぶちゅぶちゅじゅぶじゅぶじゅぶっ!
レオは衆人環視のなかも全く気にせず、その場にドサリと胡坐をかいて座り込むと、シコり態勢万全の戦闘員衣装から、すでに先走りでジュクジュクに濡れそぼった極太チンポをブルンッと力強く引きずり出した。
そして、何の躊躇もなく、本能のままに両手を重ね合わせて作った肉の割れ目で、猛烈なスピードで己のモノをシコり始めたのだ。
「ウキッ❤ ウキッ❤ ちんこ、サイコー❤ ウホォッ! きもちい、きもちいウホォッ!!❤」
だらしなく舌を突き出し、白目を剥きかけた完全な野生オナ猿アヘ顔を晒しながら、自慢の筋肉をガシガシと波狂わせてちんこを扱きまくる。
元ヒーローは今やシコり許可という最高のエサを貰うためだけに、悪の手先として戦い、喜んで肉体を汚す本物の戦闘員へと完全に堕ちきっていた。
「よし、35号。他のザコどもに元ヒーローのドスケベオナニーをお手本として見せてやれ」
「ウキキィーッ!❤」
アジトの冷たい床に、じゅくじゅくという下劣な水音と、アホらしい野生の猿声が、いつまでも、いつまでも響き渡り続ける。
だが、床の冷気すらも、今のレオにとっては熱いちんこを際立たせる最高のスパイスに過ぎなかった。
かつて彼の小さな肩に重くのしかかっていた、何かを守るという正義も、ヒーローとしての義務も、ここには何一つ存在しない。難しいことは何も考えなくていい。ただ上司の命令をこなし、大好きなちんこを心の底からシコり倒せる――それだけで、彼の脳みそは、これ以上ないほどの極上の多幸感で満たされていた。