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着ぐるみ噺11

  世の中は、様々な制約が生じて、女性による風俗さえも否定された。

  婚前のセックスは、ことに男子に関しては不道徳と言われる。そうなると、男は男に走るしかないのだが、そうも割り切れない人間は多い。

  身体を売ることでしか生計を立てられなかった人間が、その後どうなったのか、そして、今後どうするのか、余程道徳的な人間ほど、盲目的になれるようだ。

  ベーシックインカムとは聞こえがいいが、労働不可階級と言うカーストに永遠に閉じ込められているだけなのだ。

  そんな時に登場したのが、女装風俗だ。しかし、女性の姿を消費していると言う理由で、これさえも否定されつつある。

  そして、男は着ぐるみに走った。

  着ぐるみならば、「実際にこんな人間はいない」と言う理屈が通るようである。そして、中の人間は男に限定されているから、法的な問題にも引っかからないのだ。

  着ぐるみ風俗が生き残っている理由は、色々とあるが、監視カメラだらけのこの世の中で、うっかりとした犯罪は、即逮捕となり、自動車は自動運転ともなると、警察の存在価値はもっと険呑な連中に向けられる事となる。

  それで、庶民が安全に生活できてハッピーハッピーとなれば、こんなディストピアも暮らしいいものだが、だぶついたポストの天下り先を用意しなければならない。

  その中で生き残ったものの一つが、生活安全協会なのである。

  風俗は愚か、出版や放送、その他、享楽的なモノは全て管理され、アガリを上納しなければならない。

  尤も、金払いさえ悪くなければ、警察も悪くしない。そんな微妙な関係がこの世の中を覆っている。

  「風俗経験は初めて?」

  「着ぐるみスーツを着れば、相手の肌と接触することもないし、息はフィルターを通るから、口臭とか体臭とか匂う心配もないよ」

  「ああ、大丈夫、生活安全協会に加入して、定期的に検査を受けているから、突然逮捕されるとかないよ」

  「何かあったら、逆に警察が守ってくれるぐらいだから大丈夫。その為の協会だからね」

  面接してくれた店長は、実に人の良さそうな人だった。尤も、こんな商売をしているのだから、普通の人の人生とは違った生き方をしているのだろうが。

  尤も、自分も、こんな所に来るのでなければ、労働不可階級に留め置かれたクチである。これほど、男に生まれて良かったと思う事はない。

  男女平等という言葉が、結果的に一部の女性を苦しめているのは、可愛そうではあるが、また、愉快にも見える。

  何はともあれ、身体を計測して、暫くしたらまたおいでと言われた。

  聞く話によると、ここでバックレると警察に目をつけられるらしい。要するに、警察は警察で、支配下の連中の仕事をサポートすると言う訳だ。

  もう、僕は後戻りが出来なくなった訳だ。

  後日訪れると、全ての準備が整っている。

  着替えるところを見られたくないのは、他の従業員も同じらしく、更衣室は個室になっている。もし、一人で無理になったら、人を呼べるが、どんなに身体が硬くても、一人で着替えられるように出来ていると言う。

  先ずは、体型補正用のスーツを着る。質感はスベスベとしていて、滑らかな繊維のようだが、伸ばすと絶妙にテンションが掛かる代物だ。

  両腕を通すパーツを着て、その後、上半身を隠すパーツ、そして、下半身。最後に頭と首回りのパーツとなる。

  コレを着ると、肩だの腰だのが、もの凄く身体を縮められた感じになる。実際に、喉仏やおちんちんが消えてなくなっているように見える。どういう仕組みか変わらないが、身体の肉が、一度無になる感覚である。

  その次に、シリコンゴムのようなよく伸びるボディスーツを着る。これは完全一体成形になっていて、顔の部分から身体を滑り込ませる。

  尤も、この素材、予想以上に伸び、それでいて、身体にぴったりくる。このスーツが胸や尻などの肉質を与えるのだ。

  そうすると、顔さえ見なければ、女性の裸体が見えてくる。

  否、そんなものは実は今まで見たことがない。女性の裸体とは、結婚する相手でも見つけない限り、漫画やCGで見せられる(現実の模倣は罪になるため)超理想化された、非現実の存在でしかない。写真などはかつて、インターネットに沢山あったようだが、非合法な接続でもしない限り、一般人はお目に掛かれない。

  それが、今、目の前に現れて、自分の事ながら勃起してしまう。

  流石に勃起すると、股間の辺りが少し硬く感じられる。触ると、地味に感度が良い。

  このボディスーツで充分と言えば充分なのだが、その次に、女性器を模したらしいパンツを履く。

  このパンツ、素材は先のボディスーツと同じようなものだが、思ったよりも薄い。この中にちんこを突っ込んでも大丈夫かと思って、指を入れてみると、自分の股間を貫通して、奥に入っていくような感覚がある。

  「コレはマズイ」と思って、指を引っ込めたが、これは、どういう構造になっているのだろう?

  何はともあれ、次は肌色タイツだ。

  ボディスーツは余りにも過激らしく、その上に肌色の全身タイツを着る決まりになっている。これは、警察の指導によるモノらしいのだが、実際、こう言うパーツ一つ一つが、利権になっているようである。

  下着を着て、"今日のコスチューム"に着替える。今日、僕が着る衣装はフリフリのドレスだ。

  これも、見た目は複雑に見えて、着替えるのは楽であった。

  尤も、アレを着て、コレを着てと言う風で、着替えるのには時間が掛かったのだけど。

  最後にお面を被って終了だ。

  顔並びに前頭部を被り、後頭部のパーツを填め合わせれば完了だ。

  口の周りは、防毒マスクのように、覆われていて、その先にスキューバダイビングのマウスピースがくっついているような構造だ。

  面同士がパチンと噛み合うと、もはやそこにいるのは、漫画やアニメに出て来る美少女である。

  着ぐるみは、客が無理矢理脱がさないように鍵が掛かる仕組みになっている。鍵は、更衣室に戻って、更衣室でスイッチを入れない限り空かないようになっているのだ。

  さて、完成したところで、店長に姿を見せる。

  すると、色々と絶賛して貰った。

  「いきなりお客さんをとるのは、色々と心配だし、君もショックだと思うからね」

  と言われて、引き合わされたのは、別の着ぐるみだった。

  向こうがペコリと頭を下げたのを見て、僕も慌てて頭を下げる。

  そこからは、仕草のレッスンが始まる。

  店長が指導して、先輩着ぐるみが例を見せる。

  鏡を見ながら動く美少女見ると、これが自分である事を忘れてしまう。

  そして、興奮もしてしまう。

  時間はあっという間に過ぎていった。

  「今日はここまでだから、少し遊んで行きなさい」

  そう言って、店長は姿を消した。

  相手の着ぐるみが僕を抱きしめてくる。

  僕もたまらず抱きしめ返す。

  そうして、身体を弄り合いながら興奮の度は増していく。

  腰手を回して、尻を揉み、或いは胸を揉み、表情の変わらぬキャラクターが身体をくねらしている。

  思い切って、相手の股間に手をやってやると、ビクビクと身体を震わせているのが分かる。

  楽しくなって、ズボズボと指を出し入れすると、どういう仕組みか、粘液というかローションというか、だらりと垂れてくる液体がある。

  この中にちんこをブチ込んだら、さぞかし気持ちよかろう。

  そう思いながら、遊んでいると、遂に相手の子はイってしまった。

  興奮冷めやらぬ頃、今度は、別の着ぐるみが登場した。

  ブギーボードに、「接客の実践をしてみる?」と書いてある。戸惑いつつも、ついつい頷いてしまう自分がいる。

  先ほどと同じように、さわさわする所から始めて、充分に各部をもみほぐした所から、手は股間の方へ移っていく。

  すると異な事か、巨根の感触がする。

  僕が、その驚きを、可愛いジェスチャーで表現すると、相手は恥ずかしがりながら、スカートを捲った。

  そうして現れたおちんちんは、実に大きく太かった。これも、作り物ではあるのだろう。妙に綺麗ですっきりしていた。

  穴と竿があれば当然入れるだろう。

  お互いを視認してから、おちんちん周りの前戯を進める。

  相手は相手で、僕の穴の方をいじってくる。

  最初、自分がいじったときよりも、ずっと快感が腹の奥まで響いてくる。

  この中に、アレが入れられたら? もう、それを考えるだけで、イッてしまいそうになる。

  そして、遂に念願叶って挿入を受け容れることになる。

  相手が仰向けに横たわり、手を伸ばして「来て」と合図する。

  僕はおちんちんを掴み、そして、自分の穴の中に宛がい、腰を沈める。

  ちょっと入れるだけで、快感が全身を駆け抜ける。

  身体が震えて、なかなか奥まで入れられない。

  そうやって四苦八苦しているのを見て、相手は魔が差したのだろう。こちらと呼吸を合わせて、一気に攻め立てた。

  瞬間、奥までおちんちんが挿入された。

  一瞬のことで、脳みそが反応するよりも身体が反応した。ゴムのように弾んだと思えば、身体の力が抜け、そのまま一気に倒れ込んでしまう。

  それでイってしまい、それでも、快感は着ぐるみの中を駆け巡り続けていた。

  そんな状態で、僕は相手の着ぐるみにしがみついたまま、身体を痙攣させるしかなかった。

  相手は、僕が落ち着き始めた所を見計らって、ピストンし始めた。まだ、相手は満足していないのだ。

  腰を振られる度に、快感は蘇り、強くなっていく。

  そして、僕の頭が完全に真っ白になった刹那、怒濤の勢いで、熱いモノが身体の中に解き放たれたのだ。

  それからどれぐらい時間が経っただろうか。

  相手は、僕がすっかり落ち着くまで、ずっと一緒に眠り続けてくれた。

  さて、今度は、身体を洗う必要があるらしい。

  着ぐるみスーツは、脱ぎ着の時に消耗が激しく、一度着ると、暫く脱がないで欲しいというのが、店の要望であった。

  水分や栄養は、面の後ろの穴から、マウスピース越しに摂取できるし、小便はあの穴から出す事が出来るらしい。

  だが、接客した後、そのままでいるのは気持悪いし、第一、次の客の前に出るときは、身体を清めなくてはならない。

  そんなわけで、シャワーを浴びる。

  面は、つけたままでもシャワーを浴びる事が出来るようで、専用の洗剤を使って身体を洗うのだ。

  顔や身体を洗うと、疑似おまんこを洗う事を促される。

  これも専用の道具があって、洗車用の水が出るブラシのパイプブラシのような形をしているそれである。

  さっきのアレを思い出すと、とても、自分で入れるのは怖い。

  そこで、先の着ぐるみが現れ、洗浄を手伝ってくれた。

  さて、問題の洗浄だが……もう、これは壊れるほどの快感を味わったとだけ帰しておこう。

  僕が余りにも怯えるものだから、両手両足を縛って、一気にズボズボと洗った。もう、僕は震えるを通り越して、失神してしまった。

  タイツは、速乾性があり、また、乾燥させる部屋もあるために、暫くゆっくりしていれば、休憩がてら、次の客を待てるのだ。

  ああ、接客が楽しみだ。

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