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【169】だってもう絆されちゃってますから、ねぇ?

  [[rb:美人さん > お姉さま]]の事情を知ってすっげぇ根本的な疑問が・・

  旦那さんが竜人との事だけど・・異種族間で子どもって出来るん?

  で、訊ねたところ普通に出来るそうな。

  というか、人種?の女性は他種族の魔力が馴染みやすいそうで、殆どの場合授かれるとの事。

  生まれてくる子は父、母のどちらかの種族か、両親の特徴を引き継いだ所謂ハーフになるかの3パターンになるそうだ。

  もし美人さんに子どもが出来たら、父の竜人か母の人種。そして見た目の混じったハーフのいずれか、という事だね!

  先に聞いたどちらかが子を望まない場合は勿論だが、他の理由により子が授かれない事も普通にあるそうで・・

  余程魔力の相性が悪いか、はたまた体の方に何らかの機能不全のような異常があるか・・

  体に「紋」が現れているのになかなか妊娠しない場合は、それら不妊の原因になりそうな理由を一つ一つ潰して行くしかないと・・

  で、美人さんはしっかり紋も現れ、妊活もしてるのにどうしてか妊娠しないのだそうだ。

  体の機能不全や何らかの病気が原因なのかもしれないが、それらは細かく調べようがない上に、解ったとしても治す術がない。

  という訳で。一先ず一番不妊の原因になり得そうな魔力量の差を補うべく増やす努力をしているところだそうだが・・

  今現在まで妊娠の兆候はないと話す美人さん・・・

  苦しい胸の内を語ってくれた美人さんは、涙こそ零さないものの辛そうに顔を歪めて目を伏せる。

  「・・子を授かれる事ができる年齢にも限界がございますし・・何より、夫の両親から期待されてもおりますので出来うる限り手を尽くしております・・しかし結果が伴わず、近頃は心苦しさが増すばかり・・」

  「それは・・すみません。なんとお慰めしたら良いか・・」

  旦那どころか彼氏もいた事ない喪女の私は子どもが望める状況でもないので、美人さんの気持ちに寄り添うには役不足もいいところだ。

  どんなに親身になって想像したって、思い悩む彼女の気持ちのひと欠片すら本当の意味では理解出来ないだろう。

  何を言っても上辺だけの言葉になりそうで二の句が告げられずにいると、淡く微笑んだ美人さんは小さく首を振って続けた。

  「いえ、こちらこそ魔女さまに気を遣わせるような話をしてしまい、誠に申し訳なく・・お許しくださいませ」

  「許すも何も、クリスさんは何も悪い事をしていないじゃないですか。謝罪される理由がありませんのでお気になさらず。あの、それより、ですね・・」

  他人の人生・・それも、命に係わる話だ。

  首を突っ込まないのが賢い生き方だとは分かっている。

  解ってはいるけど、それでも、「友だち」になった美人さんが苦しんでいるのを知ってしまったからには、自分に出来る範囲で手を差し伸べるのは、絶対に間違いなんかじゃない。

  『きっと。多分。やっぱり自信なんか無いし、後悔だってするだろうけれど・・』

  どうにか決意をして『何だろう?』と小首を傾げた美人さんに、とうとうその言葉を伝えた。

  「何か、お手伝い出来る事があるかもしれませんので・・もう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?」

  「・・そのお言葉に、甘えることが許されるのでしょうか・・」

  開いた唇が微かに震える様が藁にも縋る気持ちを表してるようで、彼女に似合わない痛ましさにこちらの胸の内もツキンと痛む。

  「勿論です。私たちは友人ではありませんか・・友だちが悩み辛い思いをしているのなら、その理由の解消に手を貸すのが友だと、私は思っています」

  「魔女さま・・」

  「勿論、何の役にも立たない場合もあるかと思いますが・・こうしてお話を聞くくらいなら、幾らでも出来ますから・・」

  「・・・誠に、誠にありがとう存じます・・魔女さま・・」

  とうとう堪えきれずにひと筋の涙が頬を流れ伝い、ぎこちなくも確かに微笑んだ美人さんは深く頭を下げて謝意を示すのだった。

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