「おっ、届いてる!」
家に帰ると、待ちに待っていたものを入れた箱に出迎えられる。ラベルに書かれた商品名を見てそれは確信に変わり、心が躍る気持ちだ。なんせ、一週間も待っていたものだからだ。
――[[rb:魔導輸送機> マジカル・トランスポーター]]。なんの捻りもない名前のそれは、すっかりこの世界の生活に溶け込み、なくてはならない物になっている。これのおかげで、様々な問題が解決して、人々の生活はより一層便利になった。
これが導入されてから既に35年以上経過しているらしく、経年劣化によるナントカで別のものが届くこともあるらしいが、そんなのは関係なし。
物心ついた頃からこれと共に過ごし、特に異常なこともなかったために俺はすっかりこいつを信頼し、あらゆるものを買ってはこうして家に帰った時の楽しみにしている。
「うおお………!きたっ!『ハードコールDX』!」
数量限定商品、『ハードコールDX』。使用者のレビューもない変なアイテムだが、噂ではかなりのモノらしい。
俺が手に持っている筒状のそれは、いわゆる「そういうやつ」だ。俺にだって恋人が居ればこんなもの買わなくてもいいのに…。
とまあ、我に返るのはまだ早い。お楽しみはこれからというものだ。一週間も我慢するのは正直いってかなり辛かった。三日前に子持ちの先輩から言い寄られた時はあわや大爆発といったところだった。もちろん、そんなことしたら俺の立場が一瞬で終わってしまうのは言うまでもないが...。
―まあ何はともあれ、物は試しだ。早速裸になってお楽しみタイムと行こうじゃないか。
ごくり。
こういうのを使うのは初めてだから、どうも緊張する。大きく伸びたそれに向かっておろしていく。
心臓が高鳴り、どくどくと脈打つ。もう一息に入れてしまえ...!
「っ!」
ぬるりとした感触が肉棒を包み込み、確かな快楽が俺の中に流れ込んでくる。このままいってしまいそうだ...
「うっ」
ぶるぶると体が震える。一瞬でいってしまった...。そのまま中に出してしまった後悔と、かなりの疲労感に襲われながら、引き抜いて体を起こすと同時に、ゴンッと何か硬いものにぶつかった。
「痛て...」
頭をさすりながら顔を上げると、そこには獣人の形をした石像が立っていた。こんなもの頼んだ覚えないけどな、と思っていると――
「お、おおおお??」
ぐい、と石像の顔が近くなる。夢か錯覚か、石像が動いて抱き寄せられたようだ。
「いや、石像が動くなんてそんなまさか、な」
―と思い、苦笑いしながら足元に視線を落とすとちょうど股間に目が行った。石像がもつ灰色のそれが少しずつ大きくなっていき、興奮しているみたいだった。
―あれ?俺の想像しているモテる男とは少し違うみたいだ。
「うわっ!?」
思考が衝撃によってかき消される。気がつけば、俺は石像に押し倒されていた。しっかりと主張するそれは、まさか...。
「お、おれ!?うぉぁっ」
目の前の光景を受け入れられないまま、体が震える。下から突き上げられて、これじゃあまるで俺がそうみたいじゃないか。やめろ、やめろ...
「ぁっ、うっ!うぁ...!」
ビュルルル...という音とともに、下腹部から生暖かいものが流れ込んでくる。俺がこんなことをされるなんて...
呆然としていると、石像は二回戦を始めようといわんばかりに、俺に突っ込んだまま、体を動かし始める。もうやめろ...おれ...!
「あっああ...!」
俺の股間から溢れ出してはいけないものが飛び出していく。視界がよくわからないことになり、体が動かなくなった。それよりも、ああっ、ずっと、ずっととまらない。イく、イく...あっ。もういしで、いいああっ...。あ―...
石像の振動が終わり、沈黙が部屋を支配する。襲撃者はまだ体温の残る、灰色の新参者を抱きかかえながら、魔導輸送機にむかって歩き始めた。
それから少しした後、石像は暗い部屋の中で、魔導輸送機の前で呼び出される時を待っていた。
――『ハードコールDX』の注文が入り、仲間を増やすその時を。