展開編 第三十三話 レブナン島への導き手

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  ダインが王都ククージアへ訪れて三日の時が過ぎていた、未だダインはククージアに滞在しており、今は高級住宅街の邸宅の屋根裏に潜んでいた。

  ククージアに存在する諜報ネットワークを駆使した遊魔は、遂にレブナン島からやって来た人物の特定に成功し、クガト魔術士の偵察と強制魔進化を行う為にダイン自らが乗り込んでいた。

  実際、レブナン島に乗り込むダインが気付かれる事が無ければ遊魔の潜伏能力は有効で有る事の証明ともなり、例え発覚したとしても屋敷周辺に待機している遊魔達が動いてダインだけは確実に護る準備が整っている。

  ダイン思考 『先ずは尻尾を切って偵察ですね、ヤモリに擬態させるのが一番自然でしょう、蜘蛛の方がありふれてますが、尻尾を変換させるのが手間ですからね』

  遊魔形態のダインの尻尾の先端が切れると、変化が起きてアーグルでありふれたヤモリの姿を擬態する、そしてそのまま標的の部屋の上の灯りが漏れる隙間へと移動すると中へと潜り込んで行く。

  再現された能力で天井に張り付いて移動するヤモリは、机に向かって光る球体の魔導具に手をかざす若い女性を視界に収めてダインに情報を送る。

  ダイン思考 『情報に間違いは無かった様です、あれが目標のラフォリアですね、極力魔力を抑えた為に尻尾ヤモリには気付いていない様です』

  ラフォリアは球体魔導具に集中している様で、ダインの存在など微塵も感じていない様だ、そこでダインはよりヤモリを近付けて球体魔導具の用途を探る事にする、もし通信魔導具の類なら、ラフォリアの異変が伝わってしまう可能性があるのだ。

  ラフォリア直上に移動したヤモリは、より近い位置から球体魔導具を覗き込むが表面に文字が浮かび上がる以外に大した変化も無く、ラフォリアも通信を行なっている様子も無い。

  ダイン思考 『謎の魔導ですが暫く様子を見ましょう、ラフォリアが離れれば停止するでしょう』

  そして約15分後、ラフォリアは机から離れてベッドに潜り込む、時間的には既に深夜と言っていい時間なのでこのまま眠りに着くのであろう、そして、ラフォリアが離れた球体魔導具は光を失って沈黙し、次なる行動の実行の時は近い。

  ラフォリアの目が閉じた事を確認すると、ヤモリは壁を伝って床に降りると、そのまま進んでベッドへと侵入する、そしてラフォリアの顔の近くに移動して寝顔に睡眠剤を噴射する、魔力の状態からラフォリアが寝ている事は確かだが、この睡眠剤の効果で確実に意識を失った筈だ。

  ダイン思考 『これで大丈夫でしょう、では始めましょうか』

  ヤモリはベッドからバッタの様に飛んで窓に張り付くと、そのまま移動して窓枠の施錠を外す。

  そして周囲の音から安全を確認したダインは屋根裏の通気口から一旦外に出ると、浮遊しながらラフェリオの窓まで移動して、窓を開いて中に入る、この際消音の魔術を唱えて、音を消すと部屋内にも遮断結界を張って魔力、音、匂いなどが一切漏れない様にする。

  ダイン思考 『先ずはもう一度魔力感知で何か無いから確認しておきましょう、侵入者対策が有るかも知れませんから、上策は相手にこの娘が堕ちている事を悟らせない事ですからね、その為にDコアでの魔力制御技術も確立しましたから』

  ダインの魔進化は常に進歩している、耳長の魔力制御用に考案されたDコアは、余剰魔力を蓄積する為の蓄魔器官として発展し、魔進化の副産物で有った魔力の増大を隠匿する事に成功したのだった。

  これにより、ダインとの接触を疑われない遊魔の誕生が可能になり、遊魔の諜報能力は格段に向上したといえる。

  結界内に球体魔導具以外の魔力を探知出来なかったダインは、球体魔導具を詳しく観察すると大体の仕組みを理解していた、どうやらこの魔導具は日記帳の様な物で、ラフォリアの記憶を記録している様だ、そう、形こそ違うが同種の魔導具は既に遊魔でも実用化しており、映像盤に記憶を映す事で活用されているのだ。

  ダイン思考 『この魔導具は危険視しなくても良いでしょう、となるとラフォリアを調べてみましょう、顔は合格ですね』

  次にダインを布団を捲って横向きに丸まるラフォリアを仰向けにする、四肢はダインのなすがままに解かされ、ついでに衣服も剥ぎ取られた上に大の字状態で寝かされて、その裸体はダインに吟味される。

  ダイン思考 『肉付きは良く有りませんが締まった身体付きですね、かなり鍛錬を積んでいる様です、毛は濃いめですが臭いは余りしませんね、処女で有る事は間違い有りませんが年齢は見た目よりも上な様です』

  ラフォリアの立場はクガト領に本拠を構える大規模商会の取次ぎ役だ、職業柄色々な人物の顔を見る為に記憶を記録出来る魔導具が与えられたのだろう。

  ダイン思考 『さて、先ず用心の為に拘束ですね、私は睡眠剤に自信を持っていますが、念には念を入れておきましょう』

  用心深いダインはラフォリアを完全拘束する為に脚を並べると尻尾をその先に移動させる、そして尻尾穴を大きくすると穴の中から細い触手を伸ばしてラフォリアの身体に絡ませると、触手を縮めてラフォリアの身体を尻尾穴に呑み込ませて行く。

  ダイン思考 『順調ですね、ですが上手く行っている時ほど警戒すべきです』

  一応ヤモリは窓枠に張り付いて、外を監視しているがそもそもダインはカーテンを下ろした為に外から中を伺う事は不可能でもある。

  尻尾はラフォリアを首まで呑み込むと、ここでダインは新しい行動を起こす、顔と顔を近付けてると、観察してから両手で口を開かせると舌を捩じ込ませね行く、ラフォリアは意識も無くダインに蹂躙されて行くが、ダインとしても反応の無い相手は面白味に欠けるので、直ぐに次に移る。

  長い舌を喉奥から鼻腔に侵入させると、脳に向かって堕液を注入する為のダインチューブを送り込む、その行為に痛みが生じている筈だが、睡眠剤の効果はまだ有効の様でラフォリアが目覚める気配も無い。

  ダイン思考 『このままラフォリアの魔進化を続けたとして、少し手持ち無沙汰ですね、ですがここに他の牝を誘うわけにも行きませんからね』

  ラフォリアさえ堕としてしまえば、その知識はもう遊魔のモノである、だからこそこの部屋を物色する意味も余り無く、全てを解析していない以上球体魔導具を弄るのも危険を伴う可能性が有る、ならばどうするかと考えたダインはこの敵地で寝る事を選択する、ここまで来た魔進化は後は自動的に完了する為に、本当にやる事が無いのだ。

  ダイン思考 『私の尻尾をお貸ししますので、代わりにベッドをお借りしますね』

  堕液の注入を終えたダインチューブはラフォリアの脳から引き抜かれ、今度は尻尾がその身体を完全に呑み込んでしまう。

  その後、ダインは尻尾を床に落として変形させると、尻尾はカプセル形態に変化してラフォリアの現状を曝け出す。

  ダイン思考 『映像記録は残してますので、後で早送りで楽しみましょう、触れ合える牝もいませんし、ここには想像を掻き立てる物が存在しませんしね』

  ダインはそのままベッドで目を閉じると直ぐに寝息を立て始める、基本多忙なダインでは有るが、時間を進めるには寝る事も多い。

  その後数時間、ラフォリアの部屋には静寂が訪れていた、だが、その様相は邪教の祭壇の様でも有り、尻尾カプセル内のラフォリアが御神体で、ベッドで休むダインがその供物の様に見える。

  カプセル内のラフォリアは徐々に変化を続けており、今では完全な魔族の姿へと変貌している、レブナン島潜入の道案内を期待されるラフォリアには空を飛ぶ為の翼が必須で有り、その魔進化後の姿は淫魔型が採用されている。

  だが、今までの淫魔型に比べて胸に特別な紋様が施されており、ラフォリアはその両胸にDコア精製器官を備えている、ラフォリアの双丘は余剰魔力を収縮して凝縮し小型のDコアを産み出す為に改造されているのだ、また、母乳の精製能力も当然加えられており、乳を吸い取りながらDコアを摘出出来るという、変態的な肉体へと生まれ変わりつつあった。

  三対の角に、背中から生える巨大で鉤爪を持つ翼、遊魔椅子に持ち上げられたお尻からは太い尻尾が垂れ下がり、既にラフォリアの身体は人間時の倍近いボリュームへと肥大化している、その姿は歴史絵巻に記された魔王ザキトスの姿にも似て圧倒的な存在感を放っているが、それを感じ取る者はいない、ラフォリアをこの姿にしたダインさえも未だに寝入っており、新たな遊魔は誰からの祝福を受ける事無く目覚めの時を迎えた。

  それまでとは全く違う目覚めであったが、ラフォリアの頭は直ぐに状況を理解して、この世で一番愛おしいダインの寝姿に安堵する、そう、ラフォリアが絶大な信頼を得ているからこそ最愛の主人は無防備な姿で居られるのだ。

  遊魔として再誕ともいえる変化を遂げたラフォリアは既に一人前の遊魔の一員でも有り、ダインの忠実な従僕でも有る、姿こそ何度か直接見る機会は有ったが、疑念と脅威を感じていた相手に対して、愛情と畏敬を懐く今の心情にラフォリアは全くの疑問も抱かない、むしろ以前に自身に対しての嫌悪が増してダインに対する謝意が満ちてくる。

  そんなラフォリアに好機が訪れる、口に延ばされた触手は肺内部の水分を吸収する為の物で、再誕の子宮とも言えたこの尻尾カプセルから産み落とされる時を告げているのだ。

  愛おしい口付けで触手に触れるとそれを一気に吸い込む、触手は口内で拡がってラフォリアを蹂躙して行くが、ダインの一部でも有る触手が体内を這い回る感触は今のラフォリアにとって幸福でしか無い。

  ラフォリア思考 『ああ、早くダイン様に触れたいです、この触手もダイン様なんでしょうけど、本来のダイン様こそもっとも尊き存在です』

  そう、遊魔はダインの本体部分を特に特別に感じている、実際作り変えられた自身の身体はダインの分身とも言える存在でも有る為に、遊魔を産み出した源泉たるダインの身体はもっとも貴重なのだ。

  既に手慣れたダインの尻尾はダイン本人の意思を介在しなくても、ラフォリアを産み出す準備を粛々と進めて、遂にそこから産み落とされる。

  初めて使う翼の手は意志通りに動いて、尻尾カプセルの中央皮膜を両断する、そこから飛び出したラフォリアはダインの眠るベッドに正座の姿勢で降り立つと、眠るダインの頭を抱え上げて、左の乳房に唇を当てる。

  その行為にラフォリアは特に疑念も抱かずに、眠るダインに母乳を与え様とする。

  手を当て搾り出す乳房からは、ラフォリアの命の雫が溢れてダインの口元へと注がれて行く、そこでダインもようやく目を覚ました様で与えられた乳房に吸い付くと一気に吸い上げて行く。

  ラフォリア 「再誕の証に初乳を召し上がり下さい」

  ダインはその言葉に更に吸引を強めて、初乳の奥に有るモノを吸い出そうとする。

  そして、ラフォリアは多幸感と肉体的快楽に絶頂の声を上げ、女性遊魔初の体内蓄積したDコアをダインの口内へと産み落とす。

  ラフォリア 「凄いの出ちゃいました、これがダイン様お望みの魔力蓄積したDコアです、次に右も吸い出して下さい」

  その言葉にダインは乳房から口を離すと中のDコアを手に取って、誕生した遊魔に声を掛ける。

  ダイン 「美味なる乳質でした、目覚めの母乳とはなかなか粋な事をしてくれますね」

  ラフォリア 「ラフォリアの出来を確認して貰う為にはこれが一番だと思いました、遊魔へと魔進化する機会を与えて下さり、最上の悦びです」

  ダイン 「ラフォリアは私の計画に有用ですからね、ですが私が美を見出した事でこその魔進化です、自分を褒めて上げて下さい」

  ラフォリア 「いえ、遊魔の諜報能力の高さに感銘を受けます、まさかラフォリアの正体を見抜いてしまうとは」

  ダイン 「そこはおいおい伺いましょう、今は両方を味合わないと勿体無いですから」

  ダインはそのままラフォリアの左乳房にしゃぶり付くと吸引を開始する、ラフォリアは歓喜に身体を震わせて、全身で幸福を表現してみせる、また声は段々と甲高くなり両手が左乳房のシコリを搾り出した時に大きな絶頂の声を上げる、どうやら左胸もDコアの摘出に成功した様だ。

  そしてダインは飴玉を舐める様に口で転がしてから、手に出すとラフォリアの力作二つを見比べている、ラフォリアが産み出したDコアは紅と青の二種類有り、初めが紅だったので左から出た物が青色をしている様だ。

  ダイン 「同じラフォリアの魔力が蓄積されているのに左右で色が違いますね、魔力量にほぼ違いは無い様ですが」

  ラフォリア 「本当ですね、心臓の位置が関係しているんでしょうか?」

  ダイン 「動脈は赤、静脈は青で表されていますから、その関係でしょうか、まぁ色は違っても想定通りの魔力量が確保出来ていますので問題無いでしょう」

  ダインはこの魔力が蓄積されたDコアを使って何かを考えている様だが、それが披露される迄にはまだ時を必要とするだろう、ラフォリアの魔進化はダインの想定通りの結果を出せた様でこの事は、近々予想されるレブナン島への潜入作戦の大きな一歩となる事だろう。

  おまけ

  ダインの情報能力 現代知識を持つダインは異世界アーグルで勢力を拡大するに当たって特に諜報能力に力を入れている。

  その殆どは遊魔化による寝返り工作であるが、ダインを含む遊魔自らが情報を集める事も有る、特にダインは尻尾を変形させ遠隔で操作する事により、より安全な状態での情報収集を可能にしている、これは切断した尻尾を操れるダイン独自の能力で、切断した尻尾は捕食した事の有る生物へと擬態する事が可能でもある。

  擬態した尻尾はダイン本体と視覚など感覚を共有する事が出来て最高の偵察ツールでもあるが、高度な能力を持つ為に複数を展開する事は不可能で有る、また遠隔での運用距離もそれ程長距離では無く、最長で100メートルぐらいしか無い、だが、元生物の再現度が高い為に偽物だと気付ける者は存在しないだろう。

  遊魔に至っては同族の見た映像を完全に共有する事が可能で有り、例え本人が気付けない情報でも、他者が補う事も可能である、特にダインは魔進化させた者達の記憶の統合なども行っている為に些細な情報から秘められた本質を見極める事に長けている。