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特殊メイクカフェ2~牛/トカゲ/カワウソ/カラス

  私がこの仕事に応募したのは、単に体で商売するなら、男の人よりも、女の人にお乳を揉まれたかったと言うだけの理由だった。

  それにしても、巨乳だからといって、牛になれと言われるとは思わなかった。

  細目は省略するけど、兎に角、型どりしたものから、全身スーツとマスクが完成したと言うので、呼び出されたのだ。

  完成イメージを見せられると、なんとも可愛らしい牛さんだった。なんだ牛かと馬鹿にしていたけど、悪くないかもと、前のめりな気持ちに漸くなれたのだ。

  気持ちが乗ってきたところで、お乳が出るようにする薬を注射される。

  副作用は、殆ど無いらしいが、ちょっと怖い。しかし、毒を食らわば皿までと言うし、もう、考えないことにした。向こう半月のお仕事だし、何かあれば、対処してくれるだろう。

  さて、全裸になって、お着替えだ。

  もう、型どりで充分に見られたので、気にしないぞ?

  スーツはタイツ状で、毛の沢山生えたものである。手先と足先は蹄になっており、コレを着ると、もはや、何も出来なくなる。

  首の部分から着るのだけど、思いの外伸びるので着やすかった。

  おっぱいの部分だけが完全に空いていて、妙に恥ずかしい。

  おまんこと、お尻の穴の周辺も空いていて、この辺は、メイクで上手い事誤魔化していく。

  おっぱいは、ピンク色に塗られるのだけど、血管の浮き出ている様子などが、シリコンで再現されていて、ちょっとグロい印象がある。

  マスクと言うか、シリコンのパーツを顔に取り付けていく。リアル寄りというより、デフォルメに近い。マズルはそんなに長くなくて、口が開くように出来ている。

  口を開くと、偽物の舌とかがでろんとあるが、よくよく見れば、私自身の口も見えてしまう。あまり口はあけられないなと思った。

  尤も、口の開閉はスムーズなので、反芻している風を装うことは出来るようだ。

  完成してみると、可愛い子牛に見える。いや、おっぱいがおっぱいなのだけど。

  それにしても、二足歩行が辛い。と言うか、四足歩行しかするなと言われているから仕方ないか。

  暫く、人間の姿とはオサラバだ。

  消えろ、人間としての人格!

  動物は何が好きかと言われて、奇をてらって爬虫類系が好きだと言ったら、トカゲになってしまった。

  アルマジロトカゲだ。まるまると可愛い、トゲトゲのアレだ。

  聞く話によると、今回は気合いが入っているというか、普通に作るのがメンドイ構造になるらしい。

  細かい部分はさておき、大きめの鱗は、一つずつ接着していかなくちゃいけないらしい。

  身体の動きを見ながら、調整して接着していく。細かい部分は、シート状になっているのを張り付け、乳房や腹、局部はラテックスを縫ってそれらしい形にしていく。

  この日のために、色んな部分を永久脱毛してきたぐらいだ。

  パイパンは恥ずかしいけど、脇の永久脱毛がタダでやれるのだからめっけもんだ。

  いや、しかし、それにしても恥ずかしい。

  顔も表情が見えるように、一枚ずつ鱗を取り付けていく。目の周りも塗り分け、トカゲのコンタクトレンズを入れる。

  目が奧に引っ込んでいる都合上、人間らしさがそこに残っているようにも見えた。

  鱗は硬い素材に見えるが、ウレタンにラテックスをコーティングしたモノだというので、思いの外柔らかい。

  とは言え、全身がトゲトゲしていて、動きにくいのは確かだ。ラップしている部分が、ジャラジャラしているイメージだ。

  爪は硬いが、先は丸めてある。しかし、これでは何も掴めない。

  哺乳類だらけの中で、馴染めるだろうか? まぁ、トカゲはそんなこと気にしないか。半月間楽しめればいいかな?

  面接で、「君はカワウソ顔だから、カワウソね」と言われて、それがそのまま実現するとは思わなかった。

  カワウソ顔と言われるのは、別に悪く言われているとは思った事がなかったけど、こうも決めつけられると、気分が悪いと言わないまでも、心に触れるものはある。

  とは言え、契約をしてしまった以上、自分の心に隙はあったと見るべきだろう。否、そんな些細な私情を殺す事が飯を食うと言う事で、大人になると言うことではないか!?

  と、言う事で、話はみるみる進んで、もう、初出勤の日となった。

  先ずは全裸になり、細かい毛で覆われたタイツを着る。

  これが、思いの外ぴったりしているし、暫くすると、皮膚に吸い付いてくる感じになる。少なくとも、毛だけ引っ張っても、タイツだけが浮くことがないのだ。

  後で知る事だが、私の手は割とモノが掴める方だった。尤も、あんまり人間らしい行動は慎むように言われているから、道具を使ってなんだらと言う事はないだろう。

  カワウソは、鼻先があまり飛び出ていないので、軽くシリコンで口の周りを盛られただけで、そんなに大変なメイクではなかった。

  少なくとも、あとで見る他の動物たちに比べれば、かなり楽な方だったのだ。

  尤も、楽という事は、楽させて貰えない事を意味するだろうから、その辺を肝に銘じておこう。

  履歴書はどっちでもいいと言われたけど、履歴書なんて不要な仕事と思いたくない気持ちがいくらかあったので、履歴書を持って言った。

  「結構良い学校出ているのね」が心に突き刺さった。

  とは言え、紆余曲折あって、頼るモノがない、そしてお金がない私は、この仕事を選ばざるを得なかったのだ。

  そして、頭がいいからと言う理由で、私の動物はカラスと言う事になった。

  どこどなく、馬鹿にされた気がしたが、まぁ、ここよりも下になると、もっとモノ扱いされるだろうと思って、我慢する事にした。どうせ、顔に自信がなく選んだ仕事なのだし。

  しかし、色々とネガティブに考えていたが、いざメイクとなると、なかなか凝っていて、生半可な気持ちではいられなくなったのだ。

  足先の鱗のような皮膚は、リアルに再現されているし、爪もしっかりくっついている。

  全身を覆う羽毛は、単純な黒ではなく、青みがかった光沢のある美しい色だった。

  両腕もかなりのボリュームのある羽毛に覆われる。しかし、思ったほど重たくはない。

  尻尾も綺麗に広がっている。

  大きなくちばしは精巧なつくりになっているし、顔も目の際までキッチリメイクされている。

  目に全眼コンタクトを入れて終了だ。

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