大魔王の逆襲

  「寒くなってきちゃったな、早く帰って温まろう」

  ある日、一人の青年が歩いていた。彼の名は天馬今吉、ペガサス獣人に姿を変えることができる者だ。外は寒いため家へと向かっていた。しかし。

  「ククク、貴様だな、あの魔王の仲間である人間は」

  「え?」

  振り向いた後彼は姿を消してしまった。

  「これで奴をおびき出し我の魔力を取り戻す!あの下等な魔王に復讐してやる!」

  そこには黒い竜…大魔王ダルクェースの姿だった、彼が天馬を誘拐したらしい。

  「さてあの哀れな人間にはククク」

  ニヤリと笑いながら姿を消した、だが彼はまだ知らなかった…天馬を誘拐したことが後にフォックなどに余計なことになるということを彼は知る由もなかった。

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  「おら!」

  青い体色の太っちょの竜人、蒼剣は何やら両手に込めて風を作り出す。

  「うん、慣れてきたな、魔力が戻ってからうまくできるようになってきたぜ」

  どうやら魔力で風を作っていたようだ、前に大魔王の魔力をフォックが吸収してしまいその有り余った魔力をフォックが能力で蒼剣に魔力を与えた、その結果、勇者だった頃の魔力ほどではないが風属性の魔法などを使えるようになった。

  「俺の能力で魔力は戻ったんだし勇者時代の悪い感じのしないように」

  「へいへい、それは俺もよ~く実感しましたよ~」

  と、フォックに言われ不貞腐れるが内心では言われたことに間違いはないのだから。

  「フォックいるか!」

  誰かがフォックを呼ぶ。

  「あら、この声、いますよ~!」

  声の主はそのままフォックいるところに駆け付ける。

  「智月さんじゃないですか、どうしたんです?」

  来たのは智月龍狼、フォック達の親友とその横にはパートナーである風狐がいた。何やら龍狼は慌てた様子で焦りも見えている。

  「大変だ!天馬がいなくなったんだ!」

  「天馬さんが!?一体何があったんだろう、とりあえず俺が魔力探知で天馬さんの居場所を探してみますね」

  そう言うとフォックは魔法陣を展開して天馬がどこにいるのか探す。

  「あの天馬が?いなくなるなんて可笑しいな」

  蒼剣は天馬がいなくなったことに不信に思っていた。本人自体がいなくなるのは余程でない限り難しい。

  「これは!?」

  フォックが何やら反応する。

  「見つけたのか!?」

  「はい、だが場所が…」

  何やら深刻そうな顔をフォックはしていた。

  「場所?」

  「あぁ…どうやら天馬さんは魔王城、つまりあの大魔王のいるとこにいるそうよ」

  「なんだって!?」

  天馬は魔王城にいるようだ。

  「大方考えると俺への復讐か何かで天馬さんなどの知り合いの人達を人質にとって何かしようとしてるということね」

  「あの大魔王、卑劣な手段をとりやがったな…!」

  「くっ!まさか天馬を!?」

  大魔王の目的がフォックへの復讐、そのため天馬を人質にとり復讐しようと考えているとフォックは推測した。大魔王自体魔力をフォックによって奪われたのだから奪い返すために手段を選ばないだろう。

  「ちょいとこれはあの大魔王にはお灸を吸う必要ね、ちょいとばかし作戦考えるわ」

  「作戦?」

  「天馬救出のだな」

  フォックは龍狼の言葉に頷いた。

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  一方。

  「ん~!!?」

  捕まった天馬の方は何やら口を防がれていて防いだところにはなにやらチューブで繋がっているようだ。

  「ククク、貴様はここで我の餌となるために肥えるといい、恨むならあの下等な魔王を恨むんだな」

  ダルクェースはそのまま部屋を出た。部屋は鉄格子があり煉瓦の壁となっている。ここは牢屋のようだった。

  「んんん!!!?んぐっ!?」

  するとチューブから何かが流れていき天馬の口へと運ばれる。どんどん天馬の口に入れられていく。

  「んんん!!!!!?」

  天馬の腹が段々と膨れていく。

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  「さてまた来るとはね、まだ懲りないのかしら」

  フォックは一人魔王城にやってきた。

  「ククク、来たか下等な魔王よ」

  そこにダルクェースがやってくる。

  「やはり天馬さんをさらったのは君だったようね」

  「ご名答!哀れな人間を人質にとって正解のようだな~!どうだ~?人質にとれば手も足も出まい!」

  と、ドヤ顔でフォックを見るダルクェース。

  「天馬さんを返して」

  「ふん!なら我の魔力を我に返せば返してやる」

  ダルクェースは天馬を返す条件を魔力を返すのと引き換えにするようだ。

  「いいわ」

  「ククク、これで我の魔力が戻る、さあこちらに来るのだ」

  フォックは言う通りにダルクェースの前に。

  「さあ、我に魔力を返してもらおう、妙なマネをすればあの哀れな人間を消すことになるからな」

  「……」

  クククと笑うダルクェースにフォックは無言でダルクェースに触る。

  「さあ!我の魔力全部返すのだ!」

  フォックが能力を発動しようとしたその時。

  ドカーン!!

  「なんだ!?」

  「あら、見つけたようね」

  するとフォックがダルクェースの頭に拳骨をくらわす。

  「ぐげばっ!?」

  くらったダルクェースはそのまま気絶してしまった。

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  フォックがダルクェースの方に向いてる一方。

  「(さて、天馬さんはどこに…)」

  透明でわからないがレイリュウが天馬を探している。元々幽霊である彼は見えないようになっていたりも多く実体化することも多いがこういう相手に見えないようにすることも可能である。

  「大魔王様もあの人間を人質にしないで消せばいいものを」

  「あの魔王を倒すためだもの、まあ地下の牢屋に閉じ込めて太らせている。でも牢屋が埋もれるんじゃないのか?」

  「まあ大丈夫だろ、少しずつ肥えらせてそれから移動するつもりだ」

  「(場所は特定したがこれはあまり時間がないようだ、マスターに任されたのだからやらなければ!)」

  急いでレイリュウは天馬のいる地下へと向かった。

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  「んんっ!!?」

  天馬は苦しみながらも太っていっていた。段々と腹が膨れていき大分大きくなっている。

  「(いた!とりあえず見張りはいないが連絡してと)」

  レイリュウは天馬を発見して見張りがいないのを確認して連絡する。

  「(さて、こっちも動くとしますか)」

  そのまま実体を現して天馬の元へ。

  「天馬さん!今助けます!」

  「んんっ!?」

  牢屋を鍵で開けて急いで天馬の方に向かう。

  「さて問題はこれをどうするか」

  「レイリュウはチューブをどうするのか考えていると。

  「ん?」

  ふとチューブを辿った先にタンクがあり、そのタンクにスイッチがあった。

  「これだな」

  スイッチを押すとチューブから供給がストップされた。

  「これで何とかなったか、さて」

  レイリュウはそのままチューブを取り外す。

  「げふっ…助かったよ」

  「大丈夫のようですね、後で他の皆も駆け付けます」

  二人が話していると。

  「無事か?」

  そこにライエイが駆け付け次々と他の皆も駆け付ける。

  「大丈夫か天馬!?」

  「僕は大丈夫だけどこのお腹じゃ流石に動くのも」

  何とか立てるがかなり腹が出てしまって動きにくい。

  「俺がおぶっておくからお前らは城内の敵を」

  「わかった、頼んだ蒼剣」

  「では私達は城内を片付けましょう」

  蒼剣に天馬を任せて他の皆は城内の敵を片付けることに。

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  「よっと、脱出、フォックのとこに行くぞしっかり捕まってろよ」

  「うん!」

  蒼剣は天馬をおぶってフォックの元へ。

  「来たわね」

  フォックは待っていた。横には気絶してタンコブができて両腕と両足を縛られているダルクェースがいた。

  「天馬を救出したぜ、他は城内の敵を任せている」

  「ごくろうさん蒼剣、天馬さんとりあえずモフモフでお腹周りを元に戻しますね」

  「うんお願いするね」

  モフモフで天馬を元に戻す作業に入る。

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  「う…んんっ!?」

  目が覚めたダルクェースは驚く、自分の口がチューブで繋がっていてしかもここは魔王城の入口だった。

  「目が覚めたようね」

  「んんっ!?」

  そこにはフォックもいて他の皆もいた。ただし蒼剣と龍狼はいなかった。天馬もモフモフにより元に戻っている。

  「復讐を企んでいたようだけど天馬さんに手を出すとはいい度胸してるよね?」

  「んっ!?」

  ダルクェースはフォックの威圧感にビクッとする。大魔王と魔王という差があるのにも関わらず。

  「言っとくけど天馬さんに手を出すということは他の者達、特に天馬さんを慕う人達を敵に回すということをね、まあ俺もその一人、ということでちょいとばかし卑劣な大魔王にはお仕置きが必要ね」

  と、ニヤリとする先にはスイッチがある。

  「んーーーーー!!!!?」

  ダルクェースは理解していた。まさか自分が今度は肥やされる側になるということを。

  「スイッチオン♪」

  スイッチを入れるとチューブが動き出す。

  「んんんんっ!!!!!?」

  ダルクェースの口から何かが入ってくる。すると腹が段々膨れていく。

  「わお、いい感じに膨れていくね~」

  と、風狐が捕まってる敵を見ながら話していく。

  「まだまだ♪さてそろそろかな」

  上空を見るとそこには何やら大きな気球が二つもあった。

  「(ここだな)」

  「(無人島に魔王城を降ろさせる、まあそこならしばらく手を出せないだろうな)」

  魔王城は空中に浮いていたのだ、二つの気球、蒼剣と龍狼によって。

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  「さてこれで何とかなったけど魔王城をこのままここに置いてもまた復讐とかで何か企みそうだし、ここを全て移動させないとね」

  「んじゃ俺と龍狼を気球にすれば何とかなるか、俺の能力で何とかできるぜ」

  数時間前、フォック達は集まってこのまま魔王城を置けばまた何か企む可能性もあるため移動させることに、そこで蒼剣の能力の出番となる。

  「ふん!」

  力を入れると蒼剣の手に風の塊が生成される。

  「お~蒼剣に風の力が」

  「まあ風狐君のおかげもあるからね、魔力も戻ってこれを使って膨張できるわ」

  「なるほどな~」

  どうやら風の力を使って膨張できるようになったのだ。

  「よっと、そんじゃ行くぜ龍狼!」

  「おう!」

  二人は風の塊を飲み込む。

  「そんじゃこっちは準備とその前に」

  準備する前にフォックは二人の口を魔法でふさぐ。

  「(口が!あ、でも)」

  「安心して、ちゃんと膨張してもテレパシーで意思疎通できるようにしてるから」

  そう言うと二人は段々と身体が膨らんでいく。腹も段々と膨れて太っている蒼剣も空気で腹が膨らんでいく。

  「俺達は二人を魔王城を縄で結んで魔王城を移動させる準備を」

  「そうだね」

  「お任せを」

  「敵と大魔王の見張りは任せて」

  残りの皆でそれぞれ膨張する二人の両手両足を縄で結び魔王城も縄で結んでいく。風狐は大魔王と捕まえた敵達の見張りを頼むことに。

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  「到着っと」

  魔王城は無人島の真ん中に降ろされた。

  「解除」

  フォックがそう言うと二人の口が開いて口から空気が抜いて段々と二人は縮んで元に戻った。

  「んんんんっ!!!?」

  一方でダルクェースは段々と膨らんで腹がたるんでいく。

  「さて帰りますか、天馬さん救出したし」

  「あぁ」

  「行こうぜ」

  フォックは魔法陣を展開する。

  「そんじゃあね大魔王」

  と、全員魔法陣でワープした。

  「んんん!!!!?(おのれえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!?)」

  ダルクェースは何もできないまま太っていくのだった。ぶくぶくと腹が膨らみ余分な物がついていく。

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  ワープしてフォックの家へと戻ってきた。

  「助けてくれてありがとう」

  「いえいえ、まああいつまた企むのでこちらも対策しますので」

  「そうだな、またなんかやりそうだなあの大魔王」

  「何度もやるまでだ」

  「そうならないようにしないとな」

  こうして天馬を救出したのだった。