接着魔力騒動

  魔王城にある研究室、そこでは色んな研究をしていて平和になってもなお課題はまだまだある、それでもなおこの世界は平和であるそんな中。

  「トタチ君の能力はこれで全部かな?」

  「現時点ではそうなるね…?」

  資料を受け取っていたフォックの呟きに答えるように風狐がそう言った。

  「うんっ、それ以上のことはまだ謎なんだよね‥‥」

  「色々と調べていくしかないわ」

  と、トタチの事が書かれた資料を見てフォックは呟く。

  「これが、トタチから出た魔力…」

  「エェ、これから魔力の状態について調べてゆくです。」

  タンクに溜まりきったトタチの魔力に触れながら呟いた龍狼に答えるように他の魔物がそう伝える。

  「おお~」

  「これがどういう魔力なのかなのよね」

  「透明度がこうも高いからね…どんな感じなのかな?」

  黄緑色の透明な魔力で満たされたタンクを見てトタチが声を上げる中でフォックと龍狼各々がそう疑問を出してくる。

  「ってか逆に嫌な予感しかしねぇ」

  と、不安になってる蒼剣

  「その予感払拭出来るように調べあげてかないとね?」

  「うん、お願いしますっ」

  [newpage]

  「始めて頂戴」

  「了解しました魔王様」

  一匹の魔物が頷いて魔力の実験を開始する。タンクの中の魔力の量を見るとトタチの魔力はどうやら隠れた魔力の才があるようだ。

  「うむ、彼自体魔力は隠しているみたいね、気づかないのも無理ないかも智月のインクでそれが発動していた感じのようね」

  「とすると、元の姿に戻った際に彼に何かしらの術を学ばせれば…」

  トタチの魔力についてをそう評したフォックに続くように龍狼がそう言ってゆく。

  「いや流石にそれはトタチ君自体そこまでやりたい自信があるかにもよる」

  「あー、そっか…因みにトタチの魔力の属性は?」

  「どうやら火属性みたいね、ガスとかのも考えるとそれだよ」

  「成る程ね…」

  「まあ扱いが悪いと爆発するから気をつけるべきだよ魔力でもね」

  「刺激しては駄目、火気厳禁…て事だね?」

  トタチの魔力についてフォックと龍狼で話し合うことで理解して言ってゆく。

  「そういうこと、爆発が前にあったと言っていただろ?そうなることがなったらこっちも大変なんだから、魔力はちゃんと使い方を考えることだからな?」

  魔力に関してはフォックは詳しいため魔力でも危険なレベルなのもあるため忠告もしないとまた再び事件や事故などを起こしかねないのである。

  「そ、そうだね…了解」

  [newpage]

  「とりあえず変なことしないように扱い注意だね、これでトタチ君の魔力はわかったっと」

  魔物達は色々と調べた結果を書いていく。

  「ご苦労様、とりあえずはこれでトタチ君のことがわかってよかったわ」

  結果を見るフォック、トタチの魔力がわかって納得している。

  「それは良かった…んっ?」

  結果を見るフォックに頷いていた風狐であったが魔力の入ったタンク内に液体が膨らまれていることに気づく。

  「魔王様!?液体が!?」

  「これは!?すぐに収まるよう魔力を抑えて!」

  すぐに魔力を抑えるように魔物達が色々と機械を操作していくが魔力が抑えられてゆく度、液体が沸騰するように泡立ち増えていってゆく。

  「ちょ、ちょっと…これヤバくないかい!?」

  「みんな退避!バリアを張って!」

  魔物達やフォック達がバリアを張る。

  「と、トタチ失礼…ンガグッ!」

  嫌な予感を感じた龍狼はスライム状のトタチを咥え込むと急いで飲み込み溜める。

  「爆発します!」

  「うわっひいぃ!」

  蓋が吹っ飛ぶと共に爆発を起こし魔力と液体が混合した物が土砂降りのごとく降ってきた。

  「うわっ!?」

  「うわっぶっ!?」

  タンクから放出された火属性の魔力とトタチの液体の混合物が放出されたが大半はバリアによって防がれた。

  「うわかなり危険ね、これは気をつけないと」

  バリアを解除して液体を見る。

  「うえぇ…」

  「ベチョベチョ…」

  バリアを展開するのが遅れた者達が居り、モロにぶっかかって全身液体塗れになったのが風狐含めて何人か居た。

  「かなり浴びてる者達多いわね」

  「だ、大丈夫か皆?」

  「大丈夫じゃねぇ…ベタベタだ」

  蒼剣は液体まみれでベタベタになっていた。

  「あーもう最悪…」

  同じく風狐も液体塗れでベチャベチャになっている。

  「これは爆発しないような容器を開発しないといけないようね」

  トタチからとった液体がここまで爆発力が強いとは思わなかったフォックは爆発耐性ある容器を開発しようと決めたのだった。

  「はぁ、こっからどうしたら良いん…んぁ?」

  少しテーブルに触れて呟いた風狐であったが触れた所がピッタリとくっ付いているに気付く。

  「うおっ!?とれねぇ!?」

  蒼剣も同じくくっついてしまう。

  「やばい私達も!?」

  それは他の魔物達も同様になっていた。

  「だ、誰かタスケチクリー!」

  「まさか粘着性があるの!?これはやばいわね」

  「ゆ、ゆっくり…ゆっくりと剥がしてけば…」

  張り付いてしまった部分をゆっくりと上手く動かして剥がしてゆく風狐。

  「でもはがしてもまたくっつくんじゃないの?」

  フォックはゆっくりはがしても効果がないことを告げる。

  「こ、これ以上の被害無いようにって感じにすんだ…よっとおぉ!?」

  フォックに対しそう告げかけていた風狐であったが剥がした際の反動で蒼剣の方へとよろめいてしまう。

  「うおっ!?」

  ぶつかってしまい二人は地面に倒れる。

  「二人共大丈夫!?」

  「だ、大丈…あっ」

  「俺も…がっ!?」

  「あ、あれま~…」

  見事に風狐と蒼剣がくっ付いてしまっていた。

  「くそっ!マジでとれねぇ!?」

  「やばいわね、このままだと二人共くっついたままよ」

  フォックは危機感を感じていた。

  「マジでどうしたものか…!」

  龍狼は少し焦りを感じてきた。

  「そうなると粘着性を何とかすればはずれるけどどうするべきかなのよね」

  「っと、トタチ大丈夫か?」

  粘着性をどうするかをフォックが悩む中で龍狼は自身のお腹に入れたトタチを思い出してそう言ってきた。

  「大丈夫だよ……なんとか」

  「トタチ君は平気のようね、智月の中は平気みたいね」

  「あ、あはは…取り敢えずそこ大丈夫なんだね?」

  お腹から聞こえてくるトタチの言葉に少し安心をするフォックと龍狼。

  「う~ん、智月が平気となると接着しないってことも考えられる」

  「一応ぶっかけられないように魔物の一人にバリアを入れて貰ったんだよ…」

  「うむむ…ちょいとバリア展開したまんまだからかその形のままで液体が…」

  粘着性の液体が展開したバリアの形で固まっているのを見てそうぼやく魔物の一人。

  「智月、お前の中でトタチ君のが抑えられるのならさ、もしかしたらお前のインクなら何とかならないか?」

  「あー…どうなんだろ。トタチ、ちょっと僕のお腹の中にある液体を上の方に押し込めるかい?」

  フォックのその考察に同じ疑問を感じた龍狼はお腹の中にいるトタチにその様な指示を出す。

  「やってみるね」

  「ンゴッグ…グルグル鳴って押されてる感覚が…ンプッ、ゴポッ!」

  トタチが了承すると共に龍狼のお腹に不自然な動きが出てくると龍狼はそう言い出すと口の方から何かが出てくる感覚と共に彼はシャケの『バクダン』が使用しているボムを吐き出した。

  「あ、バクダンのボム!?爆発する!?」

  「ゲホッ、ゲホッ…んっ?」

  龍狼の口から出たバクダンのボムは落ち転がりつつも爆発寸前のサイズでありながらも爆発する様子を見せなかった。

  「爆発しない、不発かしら?」

  「ちょ、ちょっと失礼…お、おぉ~、これがバクダンのボム…結構良い色し」

  ボムが爆発しないのを見てフォックが呟くとアストルそう言いながらボムを持ち上げてからどの様な物なのか中のインクを揺らして見てゆこうとすると爆発音が研究室に響いた。

  [newpage]

  「うわっ!?」

  「…ゲポッ」

  ボムを至近距離で食らってしまい深緑色のインクを全身に染め上げられてしまったアストルが爆弾でやられた際のリアクションをとってから仰向けにぶっ倒れた。

  「アストル!?」

  「け、結構お強めの威力で…ガクッ!」

  フォックが慌ててアストルを抱き起こすと彼はその様な事に呟いてから気絶してしまった。

  「あ、あはは…ちょ、ちょっと気持ち抑え目の方が良いかな…?」

  その惨状に苦笑いをした龍狼はお腹の中のトタチをそう呟いた。

  「とりあえずインクで効果あるかよね」

  「また用意するか?」

  「してもいいけど爆発またするのは勘弁ね、数秒で爆発するのがバクダンの特徴だから」

  「僕の場合は少しの刺激での爆発みたいだったよ?」

  またボムを用意するかと龍狼が言ってくるとフォックは研究室でまた爆発するのは勘弁だと伝えると龍狼は先程見たアストルの行動によって爆発した事を踏まえてそう言ってきた。

  「つまり刺激を与えずに取り出すしかないわね」

  「どうするんだ?」

  と、智月はフォックにそう言ってくるが。

  「ちょいと思いつかないわ、どうしましょう」

  かなりの難易度であるためか流石のフォックもお手上げの状態である、いくら魔力に詳しいといえどトタチの魔力が想定外なもののため対処がわからない、下手にいじくれば被害が出てしまうのである。

  「ま、魔王様…少しあるアイデアがあるのですが宜しいでしょうか?」

  フォックが悩んでいた所にバリアの形で粘着性の液体が固まってしまっていた魔物からその様な発言を聞いた。

  「ふむ、意見を聞こうか」

  「では、少しお耳をば…」

  フォックの耳に近づいた魔物はある方法を皆に漏れない程度の声量で伝えてゆく。

  「ふむふむ」

  「…これなら、龍狼殿をいちいちシャケにする必要も無いですよ?」

  「トタチ、彼ら何話してんだろ?」

  一通りの説明をした魔物の一部がそう出てきたのを聴いて龍狼はお腹のトタチに対しそう聞く。

  「なるほど、それならなんとかなりそうね、危うく最終手段で二人のダメージ覚悟でやるとこだったわありがとう」

  「いえいえ、コレも研究室が緑色に染まることを防ぐ為…」

  「話し終わったのか?」

  魔物とフォックが話し終えた雰囲気を感じた龍狼がそう言ってくる。

  「ええ、とりあえずやりましょう、それじゃ頼むわ」

  「了解であります…龍狼様此方に…」

  「わ、分かった…」

  魔物に指示されてお腹にトタチを入れたまま龍狼は研究室の外に一旦出る。

  [newpage]

  「それで、ここで何をするんだ?」

  「よいしょっと…これですよっと!」

  「ングムッ!?」

  ある装置の準備をしてゆく魔物を見て龍狼がそう聞いてくると、準備を終えた魔物は太めのホースを彼の口に入れ始めた。

  ホースは龍狼の口を通ってトタチが入っている胃袋に直接行くように奥まで入れられる。

  「ン、ンアウゥ…?」

  「よしっ、こっから苦しくなるかと思いますが堪えてください!」

  龍狼の胃袋にホースが到達したのを確認した魔物は装置のスイッチを入れて起動させると、装置からジュースがホースを通って龍狼の方へと流れ込み始めた。

  「ンンッ…ングッ、ングッ、ングッ…!」

  「んぐぐぐっ....何かが中に入ってくる...!!」

  龍狼がジュースを飲んでゆく度、お腹の中にいるトタチの上から大量のジュースが降り注いできて仄かに薄暗さを見せるお腹の中ではそれが何なのか分からずにビショビショになってゆく。

  「ムグッ、ウグッ、ンプッ、ングッ…」

  「これくらい流し込めれば…良いかな?」

  最初は少しの抵抗を見せて何とか外そうとしていた龍狼であったが今や気持ち良さと苦しさを感じさせる表情を見せているのを見た魔物はジュースの供給を停止すると、龍狼のお腹はプールと言っても差し支えない広さにまで大きくなってしまっていた。

  「どうかしら?」

  そこに研究室の入口からフォックが出てきた。

  「あぁ、魔王様…ご覧の通り此処まで膨らませておきました」

  「ム、ムグウゥ…」

  「おっけ、智月を運ぶよ」

  「了解です!」

  「ム、ムグ…ムウゥプ…」

  フォックの指示により座り込んだままの龍狼を台に乗せて運び始めてゆくように指示を出してゆく魔物を他所に、龍狼のお腹の中で大量にあったジュースがインクへと変換されていっているのをトタチが感じとる。

  [newpage]

  「お待たせ」

  研究室の中に3人が入ってきた。

  「そんでなんとかなりそうか?」

  蒼剣が不安に思いながらも言ってくる。

  「なんとかできるよ、始めて頂戴」

  「アイアイサー…っと!」

  先程使用していた装置の別のボタンを魔物が押し込む。

  「…ム、ムゴッ!?」

  龍狼の中から何かが大量に出てゆく感覚を感じとる。

  「な、何やっているんだ…?」

  「ちょいと二人共濡れるから覚悟してね」

  「!?」

  「ぬ、濡れるってどういう…」

  吸い出されてゆくインクを見て嫌な予感を感じたトタチは龍狼の胃壁にしがみついてホースを風狐と蒼剣の方に向けたフォックがそう言ってくると共に龍狼の中で大量に出来たインクがホースから発射された。

  「うおおおおお!!?」

  「ごぼごぼごぼ...」

  「うわっぷっ!?」

  「ゴポロロロロロ…!」

  大量のインクが蒼剣と風狐、他にくっついてしまった魔物達に浴びせる。

  「ゲホッ!インクだらけ」

  数秒後には蒼剣と風狐達はインクだらけになってしまった。

  「うおっふ…」

  「うわインクだらけだ、あれ?なんかとれたぞ」

  「んおっ…せ、セロハンテープくらいの接着性になったみたいだ…」

  インク塗れに成りながらも剥がれることに成功した蒼剣は驚きつつも、風狐は接着性が低くなったのを物で例えた。

  「うおっ!とれました!」

  他の魔物達も剥がれて何とか動けるようになった。

  「智月のインク自体なんとかなったようだね」

  と、フォックはメモっていく。

  「けっふ…他の方々にもかかったようで良かった…こふ」

  口からかなりの量のインクを出してもお風呂程の大きさのお腹に成っておりホースが取れた龍狼が辺りを見渡してそう呟く。

  「だけど問題はトタチ君の魔力があまりにも爆発性があって接着力が強く、爆発しないようにしないとこれはダメだわ」

  しかしフォック自体今の現状を見てトタチの魔力がそれほど爆発力が強いと判断していて対策を練らないといけないようだ。

  「…多分だけど、爆発性はトタチの火属性の影響だよね…それを中和したらいけんじゃないかい?」

  インクを拭い取っていた風狐がその様な事を気付きそう言ってきた。

  「中和となると対となる水属性か氷属性なら中和は可能だよ」

  「成る程ねぇ…」

  中和に必要なのは水・氷の二つの属性が必要のようだ。

  「そうなると水・氷属性使えるといいんだけど俺は無理だし蒼剣は風狐君と同じ風属性だし」

  ただ問題が水・氷属性をフォックと蒼剣は使えないさらに水属性が使えるアストルは気絶していてできない状態である、レイリュウなら何とかなるがあいにくレイリュウは別の事があり不在となっている。

  「…一番いい適役がいるね」

  そう言って風狐はある人の方を見てゆく。

  「…ぼ、僕?」

  そう、龍狼であった。

  「智月が?あ、そういうこと?」

  フォックは風狐が言ったことに気づく。

  「そそ、元々液体による膨張も大丈夫だったし…今、龍狼が成れるバクダンは爆発性のあるボムを扱えるし…彼が今行っている事も踏まえるとね?」

  龍狼のこれまでやってきた仕事や彼の今の姿の能力、そして自身のお腹の中にトタチを収めている事を含めて風狐は頷いてゆく。

  「なるほどね、とりあえず爆発抑えられるように容器の改良もしないとこれはかなり大変になるからね?んじゃ片付けしてから作業開始だよ!」

  それぞれ片付けなどすることになった。

  [newpage]

  数時間後研究室をキレイにして容器の改良、そしてトタチの魔力を再度容器に入れる。

  「んじゃ智月、頼むわよ」

  「お、おぉ…この状態での魔力入れるのって初めてだからな…」

  罪を償うと決めてシャケの仕事をしていた都合上、魔力関係の事をやってなかった龍狼がそう言いながら容器の前で両手を開け閉じする。

  「お前しかできないのだからやる時はやれるだろ?」

  と、期待のまなざしを龍狼に向ける。

  「そりゃそうさね…トタチも見てる中で醜態晒す訳いかねぇって事だ、行くよー!」

  魔力を再度出し終えたばかりのトタチに見守られながら容器に両手を触れてから龍狼は自身の中にある魔力をイメージしてゆく。

  「そうそう集中して、気持ちを落ち着いてイメージしてみて」

  「はあぁ、ふうぅ…」

  フォックの言葉に応える様に深呼吸をして流れる水をイメージし始めてゆく。

  「流れるように…満たすように…」

  龍狼が呟くようにその言葉を出してゆく中で彼の体に付いている鱗から水滴が染み出し始めてゆくと容器に入っていたトタチの魔力が安定するように紫色に染まり始めてゆく。

  「そうそう、その調子だよ」

  「ふうぅ…うっぷ、何か煮立ってくる…」

  龍狼のお腹の方から粘り気のある液体の泡が鳴る音が聞こえると彼のお腹が膨らみ始める。

  「また変にならなきゃいいが」

  それを見た蒼剣は不安がる。

  「むぐっぷ…負けルカ…!」

  「まさか…トタチの魔力が逆流してるのか!?」

  お腹が膨らんでゆく龍狼を見て風狐はその様な考えに至る。

  「負けるなよ!ここで抑えないとまた被害が出る!」

  フォックは龍狼に抑え気味の一喝をして応援する

  「アッたり…前…ダ!」

  「りゅ、龍狼…!?」

  自身の中にトタチの魔力が入ってゆくのを感じて水属性の魔力をもっと入れてゆく龍狼の身体から水がどんどん出てきてゆき尻尾に鱗と鰭が出てきているのを見て風狐は驚く。

  「これは…智月の魔力によってシャケとかへの変化が出てる!?」

  龍狼の変化にフォックは驚きだす。

  「ハアァ…フンヌラバッっと!」

  自身の中で暴れているトタチの魔力を調伏し掛け声とともにトドメの魔力を一発、龍狼がブチかますと今まで出ていた水が霧散をし霧状になってから容器の魔力も完全に紫に染まった。

  [newpage]

  「ふぅ…ふぅ…はふうぅ…」

  「お疲れ、よかったぞ」

  息をつきながらの龍狼を前にフォックがそう言ってくる。

  「ありがと…何か煙ったくないか?」

  龍狼がそれに返事をすると…少し部屋が煙っぽい何かが出ている事に気付く。

  「えっ!?また爆発とかじゃないよね?」

  そう言いフォックは辺りを見渡す。

  「だ、ダイジョブ…只の霧が発生してるだけだよ?」

  「え、えぇ…なんで霧が!?」

  霧の中から風狐が現れてそう言ってきて驚く龍狼。

  「霧?一体?」

  なぜ急に霧が出てきたのかと息吹かしんでいたフォックであったが龍狼の姿を見てあることに気付く。

  「ん?智月、姿が」

  「ん、どうしたんだフォック…何も異常とかは…!?」

  フォックにその様に言われて身体を一見してその様に言っていった龍狼であるが尻尾の変化に驚愕して言葉を失った。

  「なっ!?尻尾が!?」

  それはいつも変身してるシャケのだった。

  「これは一体?」

  フォックがそう言うと段々と霧は晴れていくと同時に龍狼の尻尾も元に戻る。

  「元に戻った」

  「一時的のようね、まあこれで何とかなったようね」

  と、安堵しながら容器の魔力を確認する。

  「うん、この魔力のだけど使えるのが一つあるよ」

  「え?まさか変な使い方しないよな?」

  と、蒼剣は警戒するがフォックは首を横に振る。

  「いや変な使い方しないよ、実はね…」

  果たしてフォックが考えた案とは?

  [newpage]

  数日後。

  「魔王様、接着剤など売れ行きがいいようです」

  「うん、建物や壊れたのを修復するのに重宝してよかったよ」

  「そのようですねフォックさん、壊れた所も多かったりありますし流石です」

  魔王城の一室でフォックとアストルが魔物の一人と話す、実はフォックが考えた案とはトタチの魔力は接着力が高く、さらに龍狼の魔力で中和されたことにより接着剤として使えるようになり試行錯誤してようやく接着剤として販売、注文も多く火耐性と水耐性などもありかなり重宝しているようだ、色々と戦いもあるためか壊れた物も多く接着剤によって壊れた物の修復もできるようになった。

  「これで何とかなったし智月もそろそろ許せる感じにはなったかな、まああいつがいなかったらやばかったもの」

  と、龍狼とトタチがいたからこそできたものだ。

  「忙しくなりそうですね」

  「うん、んじゃ俺らは研究室に行くわ、そっちは任せるよ」

  フォックはアストルと共に研究室へと向かった。

  [newpage]

  「魔王様お待ちしておりました」

  「早速で悪いけど結果の資料をお願いね」

  「え?結果ってなんのですか?」

  研究室に来たフォックとアストルは一人の魔物から何やら資料を受け取る、アストルはなんなのかさっぱりわからずフォックに聞いてくる。

  「これは智月のだよ、だがちょいとまずいことになった」

  「どういうことですか?」

  何やら真剣な表情のフォックにアストルは気になり話しかける。

  「あいつのシャケ化はまだあれだがこのままいくとあいつはあいつじゃなくなる」

  「!?」

  それは龍狼のシャケ化に関することだった。

  「この前の魔力によって一部分がシャケになったりしていた、ちょいと調べさせてもらってあることがわかった、もしこのまま何とかしなければあいつは人や獣人じゃなくなりシャケ…いやオオモノシャケ『バクダン』としてとなり智月としての理性と存在がなくなる、シャケは元々誰かに食べられるためにサーモンランがある、だがあいつは人・獣人としての理性などもある、だがこのままいくとあいつは存在自体シャケに染まり俺らを敵と思い襲い掛かる可能性があるだろう」

  「なっ!?」

  それはかなり厄介な事になっていた。

  「そのため今あいつを元に戻すための薬を開発していてこの事は内密に頼む、そうなればあいつは自分の存在意義で葛藤してしまう…まだそこまでは大丈夫だが時間やシャケ化の時間が長引けばその分シャケ化を加速させるからな、他言無用にしておいてくれ」

  「わ、わかりました」

  龍狼によってそれは酷な事でもあるためなるべく負担をかけないようにしたフォックの配慮であった、アストルも察して頷いた。

  「トタチ君に関してはまあいずれ戻るだろうし大丈夫だが智月だけはな、それにシャドー智月が妨害する可能性もあるから警戒もしないとな、あ、蒼剣達にも言わないでおいてくれ」

  「わかりました言わないでおきますね」

  「とりあえず薬の開発の方はお任せください」

  と、一人の魔物は薬の開発へと機械を操作していった、シャケ騒動はここから終わりへと差し掛かる。