プレゼント・オブ・トランスドラゴン

  「う~ん」

  ドラゴンアカデミー内の実験室にフォックは唸りながら考え込んでいた。

  「おっす、なんだどうした?」

  そこに蒼剣が部屋に入ってきた。

  「あ、蒼剣か…いやちょっとね今度天馬さんの誕生日どうしようか考えていてね中々思い浮かばなくて考えていたの」

  「珍しいないつもなら天馬の姿を変えて太らせるとかで最終的にモフモフするとかやると思っていたが」

  フォックにしては珍しく蒼剣は少し驚く。

  「なんでもかんでもやりすぎると天馬さんにも限度があり怒ることになるものやりすぎない程度にしないとうまくいかないものよ」

  と、ノートパソコンを使って作業をしながら考えていく。

  「と言ってもどうするかだよな~いっそ逆に天馬が一度痩せた体型にするとか?」

  少し蒼剣がフォックにアドバイスをする。

  「なるほど…それなら」

  ふと蒼剣のアドバイスが功を奏したのかノートパソコンを操作してうつ作業をしていく。

  「またドラゴン化にするのもありにして…あ、そういえばあいつの誕生日も祝っていなかたし丁度よかった」

  するとスマホを取り出して誰かに連絡していく。

  [newpage]

  「んっ、誰からだろ…フォックからだ?」

  スマホからの通信音を聞き、手に取った龍狼が出てきた相手の名前を見て何故いきなりと思いながらもスマホの電話をかける方へスライドする。

  『もしもし智月?明後日ドラゴンアカデミーに来てね、お前の誕生日の祝ってやれなかったからそれのでプレゼント考えたんだ、んじゃ』

  と、フォックは電話を切って次の相手へ電話する。

  「電話だ…フォックさんから?何だろう?」

  スマホの着信を聞いた天馬は相手の名を確かめて通話に出た。

  『もしもし天馬さん?フォックです。明後日天馬さんの誕生日なんですが明後日ドラゴンアカデミーに起こしください、プレゼントの考えましたのでそれではまた』

  天馬にも電話で伝えてフォックは電話を切った。

  [newpage]

  そして二日後。

  「いよっと…ここに来るのも元に戻れたあの時以来だな…おや、天馬さんも?」

  「あっ、龍狼君?」

  ドラゴンアカデミー前、少し懐かしんでいた龍狼は天馬の姿を見つけ声をかけてきた。

  「君がここにって事は…フォックさん絡み?」

  「うん何か考えたって…」

  「お二人共いらっしゃいです」

  そこにフォックが二人の元へ駆けつける。

  「あ…フォックさん!」

  「フォックさん…プレゼント考えたって言ってたけどどんなやつを?」

  天馬がフォックを見つけ声をかけ、龍狼がフォックに対してそのように言って聞いてくる。

  「うんそのことでとりあえず案内します」

  そう言いついてくるよう二人に言う。

  「おっ、ありがとね?」

  天馬と龍狼はフォックについていく。

  [newpage]

  三人はアカデミー内を歩いていき。

  「さてつきましたよ」

  着いた部屋は暗くなっていて見えなかった。

  「真っ暗だな」

  「今つけるよ」

  フォックが電気をつけると部屋が明るくなりそこにはでかいケーキやら料理やらが沢山置いてありさらに上にはこう書かれていた『天馬さんと智月ハッピーバーステー!!』と。

  「おおっ、これって…」

  「天馬さんと遅れたけど智月お誕生日おめでとうございます!」

  「お誕生日おめでとう~!」

  と、用意したクラッカーを鳴らし、龍狼も天馬さんに誕生日を祝う。

  「ありがとう!」

  天馬は感激して感謝の言葉を述べる。

  「まずはこれを、智月にはこっちを」

  フォックは天馬に黒と白、赤と白のカプセルを渡して龍狼には青と白、赤と白のカプセルを渡した。

  「…これは?」

  「これはですね以前ドラゴン化した時の改良版です」

  説明すると以前天馬と龍狼はドラゴン化をしていてまた暴走をしていてフォックにより暴走を抑えられたことがありそのドラゴン化できる薬の改良版らしい。

  「ああ、そんなことあったね~で、前のとどう変わったの?」

  「中の成分が変わってる…てな事かね?」

  それぞれ渡されたカプセルを見ながら天馬と龍狼はそう呟く。

  「中の成分はそれほど変わりないけど赤と白のカプセルの方は成分が違います」

  そうフォックは説明する、どうやら赤と白のカプセルだけは成分は違うようにしているようだ。

  「へぇ、そうなのか」

  カプセルを手で転がしながらどんな効果なのか考える龍狼。

  「…これ、今から飲んでもいいの?」

  「うん、飲んでも大丈夫」

  飲んでいいのか聞くとフォックは飲んでいいと頷いた。

  「天馬さん一緒に飲みますか?」

  「うん」

  龍狼は天馬にそう聞き天馬は頷いた。

  「ふふっ…んじゃいっせーのっせで飲みましょうか?」

  「そうだね、それじゃ…」

  『いっせーのっせ!』

  二人同時にカプセル錠を口に含めてから喉をならして飲み込んだ。

  ゴクンと二人がカプセル錠を飲んだ音が響く。

  「ふぅ、こっからどうなるのか…?」

  「そろそろ変化がくるよ」

  フォックがそう言うと。

  「ンォッグッ!?」

  急に身体から異音が聞こえ倒れかける龍狼。

  「う…うぐぐっ…」

  それは天馬も同じで天馬は青い龍へと段々姿を変え、一方龍狼は黒い龍へと変わっていく。

  しかし違うのは体型の方で天馬は元々ぽっちゃり体型だったのが段々お腹が引っ込んでいき体型もスッキリしていく。

  逆に龍狼の方は竜人であるものの段々と余分な肉がついてきていた。

  「ンムッ、ンンー…ンウイっ!」

  余分な肉がついて焦りが出る龍狼であったが強めの衝撃が自身の身体から出てきたのを身をもって感じていた…それは天馬の体型分が龍狼へと蓄積されたからである。

  一方の天馬は体型がスッキリしてお腹は完全に凹んでいて痩せていた。

  「これで変化は終わりましたけどお二方どうですか?」

  ドラゴンへと変化した二人にフォックは問いかける。

  「うおっ…なんか…変な感じだよ…?」

  結構太目の体型になった影響で違和感を感じる龍狼。

  「まあ今回は二人の体型を入れ替えてやったのよ、智月の誕生日含めて丁度よかった」

  と、二人の体型が入れ替わっていてこの前のドラゴン化とは一味違う形となった。

  「成る程な…っと、おっととぉ!」

  納得する龍狼であったがバランスを崩してしまい尻もちをつきながら足を投げ出し座ってしまう。

  「まあ今まで天馬さんの体型モフモフしたいのもあったけど智月の誕生日もやっていないのもありどうせなら二人の体型を逆にしてみたの、天馬さんも身体が軽くなって後ドラゴン化してる間は食べても太ることはないので天馬さんは安心して食べられますよ」

  と、そう説明する。

  天馬と龍狼の体型はそれぞれ違っていてそれならとドラゴン化で体型を逆にする別パターンとなった。

  「へぇー便利だね」

  身体が軽くなったのを見て天馬は関心する。

  「なので遠慮なく沢山食べちゃってください!」

  と、用意したグラスを二人に分けて飲み物を注ぐ。

  「それじゃあ天馬さんと智月の誕生日を祝って…乾杯!」

  「カンパーイ!」

  と、三人は乾杯するのであった。

  [newpage]

  「モムッ…んんっ、結構いけるなこれ…」

  「うん、美味しい♪」

  出されている料理に数々は二人の口にあっていたらしくドンドン載せていた料理が空となった皿を量産していく。

  しかしよく見ると龍狼の方はお腹が膨れていくのに対して天馬の方はお腹が膨れておらず体型も変わっていなかった。

  「結構食べたはずなのに体型は全然変わってない」

  「はい、先程も言いましたがドラゴン化が解けるまでは体型はそのままですので結構食べても大丈夫になっています」

  カプセルの効果により体型は変わっておらず大丈夫のようだ。

  「そっか~」

  「なので時間が許すかぎり大丈夫ですので」

  効果が切れるまで天馬の体型は何とかなりそうだが龍狼の方は。

  「なぁ…なんでこっちは太っていっちゃうんだ?」

  料理を頂きつつも何故自分の方は太っていくのか聞いてきた。

  「こっちは逆に太る感じにしたの、大丈夫効果が切れれば元に戻るから安心なさい」

  太っても効果が切れれば元に戻るらしい。

  「だといいんだが…」

  「(あれ?龍狼君の背中に毛が?)」

  少しカプセルの効果を不安がるも食べる手が止まらない龍狼であったが彼は何故か気づいていなかった自分の背中の毛がやけにワサワサしていることに天馬は気づいていた。

  「ちゃんと調整して他のメンバーに達には試して問題なく使えるよ」

  どうやら他のメンバーにも試しをしてもらい効果は問題ないようだ、そこに。

  「マスターこちらにいましたか…」

  若干大柄な体格に成って出てきたレイリュウが書類の束を持って来て現れた。

  「あ、レイリュウ、今天馬さんと智月のダブル誕生日をしてたとこよ」

  「あぁそうでしたか…お二人共お誕生日おめでとうございます」

  「おっ、ありがとなレイリュウ!」

  「ありがとう!」

  二人の誕生日にレイリュウは祝福のコメントをして天馬と龍狼は感謝を述べた。

  よくよくレイリュウを見てみると大柄な体格になっていて先程の姿の龍狼と同じぐらいにまで太っていて彼もカプセルを飲んだことを二人は感じ取れた。

  「マスター、こちらが例のカプセルによる研究成果です…」

  フォックに対して書類の束を提出する。

  「ありがとう…うん、まだまだ改良の予知もありそうだし今回はたまたま成功してよかったよ、ご苦労様書類の方は頼むわね」

  そう言うと懐からハンコを取り出して資料にハンコを押してレイリュウに渡した。

  「殆どの被験者は問題なしに過ごしておられます…が、少し」

  「何かあったの?」

  ふとレイリュウが何やら言葉を詰まらせフォックは違和感を感じ聞いてみる。

  「そのぉ…一部の方々に変な変化が…」

  小声でフォックに伝えてよく何やら一部の者達から変な変化が起きているようだ。

  「その変化って?」

  気になり小言で返していく。

  「成って安定した姿が途中で変化が起きるのですよ…」

  「途中から?」

  何やら安定しても途中から再び変化が起きる現象があるようだ。

  「えぇ…その変化が何なのかまで分かるのも時間経過だけなのです…」

  「んんっ…それにしてもちょっと痒いな…!」

  その変化は分かるには時間経過でしか分からないようだ、ふと龍狼は痒みを感じていた。

  「どうした智月?」

  「ちょっと…身体に、痒み…ンッン!」

  ふと龍狼は痒みが段々感じて変化が起きていた。

  「これってまさか!?」

  「ウゥー、痒、痒うぅ…!」

  気づいたころには遅く痒みでバリバリと身体を掻いてゆく龍狼の身体の一部から鱗がボロボロと落ちてゆく。

  「えっ!?鱗が!?」

  剥がれた鱗を見て驚くフォック。

  「マ、マスターあれ!」

  龍狼から剥がれ落ちた鱗の下には灰色の毛が生えだしてきており、その姿と大きさが変わりだしてゆき始めていた。

  「毛が生えた!?智月の身に何が起きたというの!?」

  想定外な事になりフォックも若干焦りが出始めた。

  「ウグウゥー…ンオッ!?」

  バリバリと身体を搔いていた龍狼であったがバリンッと音を立ててゴッソリと鱗の付いていた皮が落ちた感覚を感じて手を止める。

  「一体何が…こ、これは!!?」

  あたふたしていたフォックは龍狼の姿に驚く。

  「えっ、ななな…なんじゃこりゃアァー!?」

  痒みがなくなり変化が落ち着いた龍狼に姿は『ファードラゴン』と呼ばれる姿と成っており大きさと体型は天馬に並べるほどのものである一方ポッコリと突き出ていたお腹が先程の食べていた時の姿を彷彿とさせていた。

  「まさかこんなことが!?」

  まさかの姿にフォックの目つきが変わる。

  「お、おぉ!?」

  「お、おいフォック…これどういうこと…」

  龍狼はどうなっているのかフォックに説明を求める。

  「どうやら想定外なことが起こったようね、この薬の副作用あるいは薬の成分が何かしらの変化をもたらしたということかなしかしいい感じのモフモフじゃん♪」

  そう言いながら龍狼をモフモフしていくと毛が生えたことにより龍狼自体モフモフができる興味が出てしまっていた。

  「わっ、ちょっ!?今からモフモフかよっ!?」

  突然のモフモフに龍狼は驚く。

  「そうそうこれだよ、智月って狼だからあまりモフモフできる魅力を感じなかったけど今ならいい感じだと天馬さんもだけどこうでないとね~」

  そんなのはおかまいなしにモフモフしていくのであった。

  「あ、あぁーこのままじゃモフられまくってしまうぅ…天馬さあぁん…」

  モフモフされる危機を感じて涙目になりながら天馬に助け船を求める。

  「えっと…とりあえず乗って逃げる?」

  そう言って背中を向けて乗せようとする。

  「逃がしませんよ?もちろん天馬さんもモフモフしちゃいます♪」

  しかしフォックは逃がすつもりもなく周りこんだ。

  「えぇぇ~」

  「覚悟してくださいね?」

  二人に迫るフォック、もはや獲物を狩る目をしていた。

  「あ、や、や…」

  「レッツモフモフ!!」

  フォックは二人をモフモフしていく。

  「うわぁ~////」

  「あうぅ~」

  「天馬さんは痩せていても中々のモフモフですね、そして智月は…うんこのぐらいが丁度いいな~いい感じのモフモフ♪」

  二人をモフモフしながら満足して堪能していく。

  「天馬しゃあぁん…」

  涙目に声を出して天馬の無事を確認する龍狼であった。

  [newpage]

  そして数時間後。

  「そろそろ戻る時間ですよ」

  フォックが時計を見てそう呟く、モフモフしたり色々したりと誕生日の続きをして時間はあっという間だった。

  「おっ、そろそろか…」

  二人の方も時間で変化が訪れ段々とドラゴンの姿から人間の姿へと戻りかけようとしていた。

  「んおっ…どんどん戻っていってる…!」

  「あ、こっちも…」

  龍狼は太っていた体型が元に戻り一安心、天馬の方も元のぽっちゃりな体型に戻っていった。

  「どうでしたか?誕生日このような形で二人にプレゼントしましたが」

  フォックは二人に感想を聞いてくる。

  「うん、楽しかったよ、ありがとう!」

  「ありがとよー!」

  「あの姿楽しかったよ!」

  天馬と龍狼は感謝するが何故か龍狼の声が別々の所から聞こえた。

  「それはよかった、なんか違和感あるけど気のせいか…それじゃあそろそろお開きにしましょう、またドラゴン化する時はまたいらしてくださいね」

  気になりながらも二人にまたドラゴン化する時はいらしてほしいと二人に約束した。

  「おぉ、またな…あっ?」

  「うん、グッドラッ…クゥ?」

  元の姿となっていた龍狼と何故かファードラゴン姿の龍狼がそう言いかけてお互いの姿を発見していた。

  「えっ!?智月が二人!?」

  『な、えっ…どういうことだ!?』

  熱気が出る中違う種族の自分自身を見てお互いそう叫んでしまっていた。

  「これはどういうこと?変化どころかクローンを生み出してしまったというの?」

  まさかもう一人の龍狼ができるとは思ってもみなかった、だが薬の成分でここまでクローンみたいなことができるのかフォックは疑問に思っていた。

  その後ファードラゴンの龍狼はフォックのとこで調べることをフォックとレイリュウは伝えファードラゴン龍狼をアカデミーに預けてもらって天馬と元の姿の龍狼を無事帰路に帰らせることができたのであった。