Lie of Mew -春花火-

  春の太陽が燦々と煌めく和かな平原……なのだが、ここらのポケモン達を悩ませる1匹のポケモンがいた。

  「ねぇねぇ、君たち!この先の丘の上にとっても甘い木の実が実ってるって知ってた?無くなる前に食べなきゃだよ!」

  草原を散歩していたポケモン達は「ホント!?」「行ってみよ!」「ありがとう!」と口々に言い、丘まで走っていく。しかし、このポケモンが言ったことは嘘で、そこに実っていたのは甘い木の実なんかではなくとても辛い事で有名な『マトマのみ』だった。

  それを知らずに食べたポケモン達は皆悲鳴を上げる。その声を聞くとクスクスと笑い素早く飛び去っていく。

  彼女の名前はミュウ。通常のミュウはイタズラをすれども害を及ぼす事はあまり無いのだが、このミュウは度を超えた嘘で周りを困らせていた。

  そんな悩みの種となっているミュウに近付く1匹のポケモンの影があった。

  その気配を瞬時に察知したミュウは後ろを振り返り笑顔を振りまいた。

  「ねぇグラエナ!とってもいい話があるんだけど!」

  「…………だからオレにはそんな嘘、通用しないって言ったろ」

  そう言われたミュウは笑顔から一変、つまらなそうな顔に変わる。

  「ちぇ、つまんないな〜」

  グラエナはため息を吐くとミュウの尻尾を軽く噛み、「こっちへ来い」という風にミュウの体を引っ張る。これで抵抗すると痛くなるのは自分の方だと理解していたミュウはされるがままに連れていかれた。

  ミュウとグラエナは幼少の頃からの馴染みでよく連んでは遊んでいる仲のいい友達だった。しかし、いつの頃かミュウは嘘をつくようになり周りに迷惑を掛けてしまう程だった。それを制止するのがグラエナの役目。

  暴走しそうなミュウの手綱を引っ張っていた。

  先程の場所から少しばかり離れた場所でグラエナはミュウの体を解放させる。そこは樹齢何千年も経っていそうな巨大な木が生えており、ここら一帯を見下ろしているかのようだ。

  なぜこの場所へ来たのか…………それは思い出が深い場所だったから、なのかもしれない。

  「さて……と。ミュウ、なんであんな嘘を毎日ついているんだ?」

  「なんで……って…………だって面白いじゃん!」

  ミュウの答えにグラエナは更に深々とため息を吐く。

  「お前は面白くてもな……嘘をつかれた皆は苦労してるんだぞ」

  グラエナがそう言うとミュウは途端に先程までの元気がなくなり、俯き悲しげな顔で言う。

  「分かってるよ、そんなこと。でも……わたしだって辛いの!」

  今までにないミュウの言葉や表情に圧されグラエナは呆気に取られミュウの顔を見つめていた。

  「わたしね…………昔、お姉ちゃんがいたの。そのお姉ちゃん……昔から病気を持ってて寝たきりで…………そんなお姉ちゃんを元気にしてあげよう!と……考えたのが…………嘘なの。でもどんな嘘で笑顔を取り戻せるのか分からないし…………だから申し訳ないと思ってるけど皆に嘘を付いて反応を見ていたの。だからわたし、嘘を…………」

  そこまで聞くとグラエナはミュウの言葉を遮るように口を開く。

  「…………それも嘘だろ?」

  するとミュウは悲しげな顔から一変、笑顔を見せていた。

  このコロコロ変わる表情にグラエナは呆れを通り越している。

  「……バレた?迫真の話だったのに、なんでバレちゃったんだろ」

  「オレらは幼馴染でお互いのことを知ってる。お前にそんな姉がいない事も知ってる」

  グラエナは頭を抱えながらミュウの嘘を見抜いた理由を告げる。その言葉に対してミュウは「次はもう少しレベルの高い嘘を言うよ!」と反省の色を見せず再度の挑戦を誓っていた。

  「なぁ……お前、嘘ばかり言ってたら誰にも信用してもらえないぞ?…………グラエナ少年って話、知ってるか?」

  「……知ってるよ。嘘をつき続けてた子がグラエナに襲われてしまうって話でしょ?」

  「お前も嘘をつき続けてたらグラエナに襲われた時、誰にも助けて貰えなくてそのまま食われちまうぞ?」

  「…………大丈夫だよ!そんな時はグラエナに助けてもらうし、それにグラエナはキミでしょ?食べられるわけないよ」

  その言葉を聞いたグラエナは少しニヤリと不敵な笑みを浮かべ自分の牙をこれ見よがしにチラつかせる。その牙は鋭く、白く光っていた。

  「分からねえよ?オレだって時には獲物……欲しくなる時だってあるから…………さ?」

  そのグラエナにミュウは恐れることもなくクスクスと笑っていた。

  「グラエナはわたしの友達だよ?そんな心配してないよ!…………あ、もうこんな時間だ。わたし、もう行くね!」

  ミュウはグラエナの目の前からパッと消え辺りは静寂に包まれた。ミュウはテレポートを使って別の場所へ移動したようだ。

  恐がらせるつもりで脅かしたのだが全く恐がらなかったミュウにグラエナは「このままじゃ……ダメだ」とある決意をする。

  そして別の日。グラエナが立てた作戦を決行する日。

  今日も今日とてミュウはいつものように嘘をついていた。だが皆も次第にそれに慣れていったのか半信半疑でミュウの言葉を聞き流していた。

  それに気付いたミュウは不満そうな顔をしている。

  俯きかけた顔を上げると遠くの方にグラエナが見える。「おーい!」とミュウは叫びながらグラエナの元へと飛んで行った。

  しかしグラエナの様子はいつもと違った。静かに黙り込んで、ミュウを見向きもしない。

  不自然な態度で不思議に思ったミュウはグラエナに擦り寄る[[rb:既 > すんで]]で止まり、グラエナの顔を覗き込む。

  グラエナはグルルルと唸ると片手でミュウの体を抑え込み動きを制圧する。その際ミュウは体を地面へ打ち付けてしまい衝撃が体全体に走る。

  「……ッゲホ!グラエ……ナ、急に…………どうしたの……?」

  「あぁ……質問はいいよ。言ったよな、オレも…………獲物が欲しくなる時があるって。丁度腹ペコなんだ。しかもいい時にお前がやってきた。…………もう言いたいこと、分かるよな?」

  ミュウは恐怖で顔を引き攣らせ、体を小刻みに震わせている。涙目になり今までにない迫力のあるグラエナの顔をただ見つめていた。普段のミュウならばテレポートで瞬時に抜け出せるのだが、恐怖心が強くその事さえも忘れていた。

  するとグラエナは口を大きく開けミュウの顔近くへと持ってくる。

  食われる!そう思ったミュウは目を固く瞑り覚悟を決める。しかしグラエナは舌でミュウの頬を軽くひと舐めするだけだった。

  「……少し涙で塩気があるが、お前……結構甘い味がするんだな」

  「誰か……助け…………」

  「おっと、誰も助けになんて来ないぞ?今頃皆は広場のお祭りに行っているはずだ。それに…………嘘をつき続けたお前の事を信用して誰か助けに来ると思ってるのか?」

  その言葉でミュウはハッとさせられグラエナ少年の話を思い出し口を噤む。グラエナは手だけではなく言葉でもミュウを制圧したようだ。

  ふと足下が湿っているような感覚にグラエナは気付く。これはミュウの下半身から濡れているようだ。

  『失禁…………したか。ここまで、だな』

  実はこのグラエナ、日頃嘘をつき続けているミュウにお仕置をしようと恐怖を植え付けるためにこの芝居をしていた。しかし、少しやり過ぎてしまった所もある。そこは反省していた。

  この段階で「冗談、冗談だよ」と切り出せれば良かったのだが、今のミュウの姿をみてグラエナはとんでもない事を思い付いてしまう。

  『…………ミュウ、この……格好は……』

  今のミュウの体勢は完全に無防備。体を抑え付けられたまま抵抗もせず息を荒らげている。見るまいと強く思っていたのだが、どうしてもミュウの下半身に目が行ってしまう。

  この体勢ではミュウの……秘部が露出されていた。それをグラエナは固唾を1つ飲み込み見てしまっていた。これ以上はしてはいけない、そんな事は分かっているがグラエナの[[rb:邪 > よこしま]]な部分が頭角を現してくる。

  「…………食うのは、後回しだ」

  「…………?」

  すぐにでも食べられてしまう、そう思ってたミュウには何が何だか分からずにグラエナの顔をただ見つめていた。しかし食わずにいる理由をすぐに知ることになる。

  「……すぐに食われたくなければオレの言うことを聞け」

  「………………な、何をすれば……いいの?」

  「……まぁ、オレが勝手にやるから……特にお前にしてもらう事はないんだが。抵抗せずに力を抜いていてほしい。」

  力を抜けと言われてもミュウはこれから何をされるのか分からず不安と恐怖だけが襲ってくる。すると突然、グラエナはミュウの足の間に顔を埋め、割れ目を舐め始める。

  「ふゃあぁぅ!?」

  突如襲ってきたくすぐったいような気持ちいいような……感じたことの無い不思議な感覚が襲ってきてミュウは飛び上がりそうになる。しかし、グラエナに抑え付けられているせいで浮かぶことも逃れることも許されない。

  「ぐ、グラエナ……いきなり…………」

  「オレは別にいいんだが、慣らしておかないと痛いからな」

  これから痛いことをされるのか……とミュウは更に不安を募らせる。しかしミュウにはこれから何をされるのか薄々勘づいていた。さすがにココを舐められたらどんなに疎い人でもすぐに気付くだろう。

  「……さて、こんなもんでいいか」

  ミュウの秘部周辺はグラエナの唾液とミュウ自身が出した愛液で塗れていた。グラエナが舐めている途中、ミュウは何度もイってしまっていたようで全体が濡れるまではそう時間は掛からなかった。初めての感覚で体が慣れておらず敏感に反応してしまったのだろう。その反動で疲れ果てたミュウは抵抗する気力も起きず肩で息をしてしまっている。

  グラエナはふと自分のモノを視認してみると今まで見たことのない程肥大化していた。ミュウのアソコを舐めていたからか……期待と興奮がグラエナを包んでいた。

  これはもう……後には引けない。グラエナはそう確信していた。

  「……それじゃあ、ミュウ……[[rb:挿入 > い]]れるぞ」

  「え……待って、そんな大きいの……入らな……っ」

  ミュウの眼前に突き付けられたソレはミュウの腹部から喉元まで優に届く程の長く太いモノだった。それを見た瞬間、ミュウには恐怖心が襲ってくる。こんなの入れられたらお腹が破けてしまう。そう思ったのだろう。

  「大丈……夫っ!」

  グラエナは先端からミュウの中へと少しずつ挿入していく。するとミュウに鋭い痛みが走る。グラエナのモノとミュウの膣部はサイズが合わず悲鳴を上げていた。

  「…………さすがにまだ小さいか」

  仕方ない。グラエナはそう思い、入れた所だけでも慣らそうとその場で体を前後に揺らし始めた。

  まだ先端、まだ入口付近にもかかわらずミュウの体は思った以上に敏感で突くたびに何度も体を跳ね上げていた。

  それから徐々にミュウの中を進んでいき、中央付近まで届いた時だった。何か突っかかりを感じる。どうやらここがミュウの限界地点のようだ。

  「じゃあミュウ……動かすぞ」

  ミュウは痛みと恐怖に耐えるのに必死でグラエナの言葉は聞こえていない。それを理解していたからかグラエナはミュウの返答を待たず体を動かし始める。

  後ろへ、前へ。突かれる度にミュウの呼吸が荒くなってきているのをグラエナは肌で感じ取っていた。

  「…………ェ……ナぁ……ダ、ダメ……ぇ……」

  声を押し殺し耐えていたミュウだったが、次第にその声は自分の意思を無視して漏れ出ていく。その喘ぎ声ともとれる甘い声はグラエナの興奮度を更に増幅させていく。

  「ミュウ…………気持ちいいんだな……だったらオレが、絶頂まで連れてって……やるよ」

  グラエナは続けていた前後の運動を早めていく。ミュウの息遣いが荒くなり、下半身が徐々に上がっていく。どうやらミュウはそろそろ限界のようだ。

  それを察したグラエナはラストスパートに入る。

  「それ……ダメ…………来ちゃ……う……よぉ」

  ミュウはその言葉を最後に、間もなく秘部から透明な愛液を吹いた。それとほぼ同時にグラエナも射精をしていた。

  さすがに亀頭球までは入らなかったので栓はできなかったがそれでも満足できたグラエナは自身のモノをそっと引き抜くとミュウの体に収まりきらなかった精液が外へと漏れ出し地面を白くする。

  そしてグラエナの射精もまだ止まっておらず、モノから放出される液体がミュウの腹部を白く染め上げた。

  「……はぁ、久しぶりだから結構な量を出したな。…………大丈夫だったか、ミュウ……あれ?」

  ミュウは疲れ果てて眠りについていた。あれだけの恐怖を味わった後だと解放感と疲労感で眠気が先に襲ってきたのだろう。眠る寸前、ミュウは『この後、食べられちゃうのかな……』と思い込んでいた。

  それから数時間という時が経ち、辺りは夕焼けに包まれ真っ赤に燃えていた。大樹の下ではミュウが寝息を立てて眠っていた。その隣でグラエナが静かに目を閉じ寝てるかの様に丸くなっている。

  「………………ん、あ……れ?わたし、何して……?」

  それから程なくしてミュウは目を覚ました。寝ぼけ眼で辺りを見渡し現状を把握しようと努めている。それとほぼ同時にグラエナが目を開ける。

  「……よぉ、目が覚めたか」

  ミュウはグラエナの顔を見るなり、飛び上がり後退りをする。酷い怯えようだ。

  『怯えてやがる……まぁ、仕方のない事だが』

  「ぐ、グラエナ…………わ、わたしを食べ……」

  「あー……それなんだが、それ……冗談…………のつもり、だったんだ」

  グラエナはミュウの言葉を遮り申し訳なさそうにネタばらしをする。嘘に慣れていないグラエナはついてすぐ罪悪感に苛まれていた。

  冗談……そう言われた瞬間、ミュウは呆気に取られていた。それと同時に嘘だと分かり内心、ホッとしていた。

  「じゃあ……わたしを食べるって言ったのも……襲ってきたのも全部…………?」

  グラエナは静かに頷く。次第にミュウの心の中は悲しいやら怒りやらで掻き乱されていた。

  「なんで……そんなこと…………」

  「……皆から頼まれたってのもあるが。ミュウの嘘つき癖を何とかしてくれって。まぁ……オレも思うところはあったからな。オレも少しやり過ぎたかもしれないが……嘘をつかれ騙された皆は今のミュウと似たような気持ち……だと思うぞ」

  ミュウは何も言わず俯いている。そして自分の胸に手を当てて今の気持ちを振り返る。

  騙されて悲しい、騙されて悔しい。そんな気持ちもあったがそれ以上にグラエナの言葉を思い出し反省の色を現していた。

  「グラエナ…………わたし……」

  「まぁ、まずは嘘ついてゴメンって謝るべきだな」

  ミュウは小さく頷き、グラエナに脅かされた……その後の事を思い出していた。そして恥じらいを見せつつ、小声でグラエナへ問い掛ける。

  「…………それと……さっきの…………あれも、冗談……だった?」

  「さっきの……って………………あ」

  今のミュウの態度と先程の行為、それらを振り返ってグラエナは何の事かすぐ理解した。

  「あ、あれは…………つい、勢いでやっちゃったんだ。冗談とかじゃ……なくて」

  グラエナも恥じらいと後悔の表情を見せ、俯きがちに行為までの[[rb:経緯 > いきさつ]]を告げる。

  「ミュウが……漏らした時、お前の…………アソコが見えて、さ……お、オレも[[rb:♂ > おとこ]]なんだ。す……好きなヤツのそんなとこ見たら……欲を抑えられなくて…………」

  「…………そっか、よかった」

  ミュウは微笑みながら言う。よかった の意味が分からないグラエナは首を傾げていた。

  「よかった……って?」

  「これも冗談じゃなくてよかったってこと!冗談じゃないなら……本気でわたしと……したんだよね?わたしも……グラエナのこと、好きだったから…………これも本望だったのかなって。それに……グラエナにされてる最中、薄々気付いてたんだ。グラエナ、わたしの体を気遣ってくれてるんだなって。とても……優しく感じたから」

  「バッ……!バカなこと言うな。そんな気は毛頭……なかった」

  グラエナはミュウから目を逸らし上を見上げ空を仰ぐ。紅潮した顔をミュウに悟られないように。しかし、その努力も虚しくミュウはすぐさま見抜いていた。

  「あ……グラエナ赤くなってる!かわいい!」

  「う……うるさい……っ!」

  そしてしばらく2匹で談笑していると、遠くの方で爆発音が聞こえる。それと同時に空に色とりどりの大きな花が咲いていた。

  「わ……キレイ」

  「…………そうだった、今日は祭りだったな。そのフィナーレの花火の時間か」

  遠くで開く花火だが、その爆発音が奏でる重低音はグラエナ達がいる地点まで響いてくる。心臓にズンっとくる感覚が堪らない。

  「好きなひとと[[rb:2匹 > ふたり]]だけで花火を眺める……こういうのをロマンチックって言うのかな」

  「……どうだかな。…………なぁ、何でオレがミュウの体を気遣って、優しくしてるって……そう思ったんだ?」

  ミュウはクスッと1つ笑うとグラエナの目の前まで体を浮かせ、グラエナの鼻先を撫でるように手を置いて言う。

  「じゃあ……前にグラエナが言ってたことと似たこと言うよ?…………わたし達は幼馴染でお互いのことを知ってる。グラエナが悪になりきれないことも知ってるよ」

  その言葉を聞いてグラエナは小さくほくそ笑む。もう全て……お見通しか。そう思うとグラエナは今までの自分の言動を思い出し、次第にバカバカしくなってきた。

  「グラエナは根は優しいもんね!」

  「やめ……っ!それ以上……言うな」

  「あ、グラエナ、また赤くなった!」

  ミュウはクスクスと笑いながらグラエナの目の前をフヨフヨと飛んでいた。

  そうして花火も最後の一発が上がり、辺りは再び静寂に包まれる。

  「この瞬間って、やっぱり物悲しいよね」

  「……そうだな。さて、オレらも帰るか?」

  ミュウは小さく頷き、2匹は帰路へと着く。その道中、グラエナはある質問を投げ掛ける。

  「なぁ……お前……嘘をついていた理由、本当は何なんだ?」

  グラエナはなぜこの質問をしたのか、ミュウは前に「面白いから」と答えたがグラエナはこの答えも『嘘』だと、そう感じていた。ミュウは急に動きを止め、月が輝く夜空を見上げていた。

  「……やっぱりバレてたんだ」

  ミュウは一言呟いて振り向きざまに言った。

  「ホントは、グラエナと…………ううん、やっぱり…………なんでもない!」

  ミュウは満足気に笑みを浮かべていたが、グラエナは全くスッキリしない。グラエナが投げ掛けた質問の答えになっていないからだ。

  モヤモヤを抱えたまま唸っているグラエナをクスクスと笑いながらミュウは思う。

  『やっぱり……言えないよね。グラエナの気を引きたかったとか…………グラエナと……ずっと一緒にいたかったから……なんて』

  それからミュウは謝罪の日々を送っていた。

  嘘をつかれた村中のポケモン達に謝って回る。それで許してくれるポケモン、許してくれないポケモンとそれぞれだったが、許してくれないポケモンに関してはグラエナも共に謝ってくれている。

  何度も謝り、許しを乞うと相手も折れ許してくれた。そんな日々を何日も繰り返していた。

  まさか謝罪して回ることが数日間にも及ぶなど想像もしていなかったグラエナは大きくため息を吐いた。

  「…………ごめんね、グラエナ。こんな事に付き合わせちゃって」

  「……いや、いいんだ。オレも好きで付き合ってるだけだし」

  「グラエナって、そういうとこ優しいよね!」

  「べ……別にそんなんじゃ……」

  グラエナは紅潮する顔を隠すように手で覆う。その様子を愛おしく思いミュウはクスクスと笑うとグラエナの目の前へと出る。

  「……いろいろありがとね、グラエナ」

  そしてミュウはグラエナの鼻先にそっとキスをした。