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黒い天使さん

  あ、えっと。こんばんは。その……いい月ですね。

  ……あー、その……え、た、魂!?

  そんなのいりませんよ、なんですか急に!

  ……悪魔じゃないのかって……はぁ、やっぱりそう、見えますか……

  残念ですが、こんな見た目ですが、これでも私天使なんです。

  ……はい。

  あはは、ずいぶんイメージと違いますか?

  まぁ、普通天使のイメージって、金髪や白髪に、白い翼ですよね。

  それに比べて私は、黒い髪に黒い羽。天使だって言われても信じてもらえません。

  ……え、どうして人間さんが謝るんですか?

  仕方ないですよ。生まれた姿は、自分じゃどうすることもできません。受け入れるしかないんです。

  でも、こんな見た目のせいで天界でもあまり良い場所にはいなかったですね。

  昔は「悪魔が混じってる」なんて言われて……

  あはは、大変だな、ですか。すみません、困らせるような話して。

  えっと、人間さんのところに来たのには理由があるんです。

  天界で神様から下界に降りる許可をもらった天使は、人間を一人決めて、その人間のもとで色々な良い事をしなければいけないんです。

  天使の仕事は人々への幸福。

  神への信仰が薄れた今、こうやって天使が下界に降りて、ひっそりと人間に幸福を与えるんです。

  それでですね人間さん。あの、よければ私を人間さんの側においてはくれないでしょうか。ご迷惑はおかけしません。家事もしっかりします。

  人間さんが疲れたらマッサージもします。いかがでしょ?

  ……押掛女房見たい?あ、すみません。人間界の知識はまだ不慣れで、よくわからないです。

  ……いいんですか?ありがとうございます。

  こんな見た目ではありますが、天使として精一杯頑張ります。

  【完】

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