Ad
あ、目が覚めましたか?
おはようございます。
いい夢は見れましたか?
ここは王都と違って静かですから、きっと素敵な夢を見れたことでしょうね。
どうされたんですか?
あぁ、その王子様を縛っているロープのことですか?
ごめんなさい、逃げられたり、暴れられたら困るので拘束させていただきました。
私としても不本意なんです。しかし、仕方がないことなんです。
ねぇ王子様。この林檎見てください。どうですか?とても真っ赤な林檎。それこそ、表現するなら燃えるような赤い林檎。素敵でしょ?
この林檎を、ぜひ王子様に食べていただきたいんです。
はい。食べていただきたいんです。
……それなのに拘束した理由ですか?
そこはあえてきかないものですよ。私が、リンゴを食べて欲しいと言ってるんです。
何年も何年もかけてやっと完成させた、特別な林檎。
一口食べてくだされば、私はそれで満足なんです。拘束も解きます。だから、王子様……この林檎を食べてください。
どうして嫌がるんですか?貴方が愛した私が作った林檎ですよ?
……はぁ、そうですか。あまりこういうことはしたくなかったのですが……
食べてくださらないなら、無理やり口にねじ込むしかないですね。
※白雪姫、王子を押し倒す
ふふっ、拘束しているから私でも簡単に王子様を押し倒せました。
さぁ王子様口を開けてください。林檎は、食べやすいように
ちゃんとカットしていますから。
……やっぱり抵抗するんですね。でしたら、無理やり、口を開けさせて……
はーい、リンゴを入れますね。
林檎を入れたら、口を閉じて。そのまま飲み込んで大丈夫ですよ。サイズ的に、ちょっと咳き込むぐらいだと思うので。
王子様、飲み込んでください。いい子ですから……そのままごっくんって……そう、そう……ゆっくりで大丈夫ですよ……ごっ……くん……
はい、よくできました。
あーあ、そんなに咳き込んで。大丈夫ですか?よしよし、もう大丈夫ですよ。
んー?どうしました?眠くなってきましたか?
いいですよ。そのまま寝てください。
おやすみなさい、王子様……いい夢を……
ねぇ王子様……私のこと、愛していますか?
私は、王子様のことが大好きです。でも、貴方はそうじゃない。
私じゃない人に笑顔を向けて、手をとって……たとえそれが仕方がないことだとしても、私には耐えられない……
だから、私は貴方が誰かに奪われる前にことを起こしたの。
あれは毒林檎。とは言っても、死ぬようなものじゃない。運命の相手の口づけで目がさめる、いわゆる呪いの林檎……
大丈夫。これからずっと私がそばにいる。国のことも心配しなくていい。私が全部やっておくから。
貴方は永久に、幸福な夢を見続ける。
きっと、夢の中では私たちがとても愛し合っているんでしょう。
安心して…‥きっとそれは現実になる。
ふふ、あの時とは逆ね。貴方が目を覚ました時、視界に広がるのは高い青空と、満面の笑みを浮かべた私でしょうね。
【完】
Ad