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あ、狼くん!こんにちは。
……えっと、お話中だった?
……ごめんね邪魔しちゃって。狼くんの姿が見えたから、つい声かけちゃった。
あ、そっか。ちょうどお話終わるところだったんだ。本当ごめんね。
……うん。お友達さん、バイバイ。
※ 離れていく足音
さっきの子とは、仲いいの?
……そうなんだ。なんか、怒られてるみたいだったけど、大丈夫?
……そっか。狼も大変なんだね。
そうなの。今日もおばあさんの家にお使いなんだ。今日はいつものぶどう酒とアップルパイなんだ。いい匂いでしょ。
……え、元気ない?
……実はね。おばあさんの容体があんまり良くないの。だから、明日もお使いに行くの。いつもだったら週に2回とか3回なんだけど、なるべく頻繁に見に行かないとだから。
……うん、ありがとう狼くん。
それじゃあ私は行くね。またね、狼くん。
*翌日
*少しまをあける。
*森の中足音
あれ、狼くん。どうしたの、こんな所に。
え、私のこと待っててくれたの?
わ、すっごく嬉しい。えへへ、2日続けて狼くんに会えるなんて嬉しいな。
……うん、そう。今からお婆さんの家に行く所なの。
寄り道?でも、お母さんは寄り道せずにまっすぐ行きなさいって……
……お花畑?え、そんなところがあるんだ。
確かに。そこのお花を持っていけば、おばあさんも喜んでくれると思う。
ありがとう狼くん。お母さんに寄り道はダメって言われたけど、花畑に行って見るね。
あ、そうだ。これあげる。カップケーキ。ジャムも混ぜてるから、とっても美味しいよ。
食べてみて。狼くんの感想が聞きたいな。
*狼、ケーキを食べる
どう?
美味しい?
そっか。よかった。
わ!全部食べてくれたんだ。嬉しいなぁ……ふふっ。
それじゃあ、私はお花畑に行くね。教えてくれてありがとう狼くん。
*少しまをあける
はぁ、少し遅くなちゃった。時間かかっちゃったな……
*扉をノック
おばあさん、私だよ。今日もお見舞いにきたよ。
*返事がない
あれ、返事がないな……寝てるのかな?あ、もしかしたらベッドから起きれないのかも!
おばあちゃん!
*扉を勢いよく開ける
あれ、狼くん?
どうしておばあちゃんの家にいるの?
それに……え、違うって何が?どうしたの狼くん。ねぇ……
おばあちゃんに何かしたの?
何もしてないって……でも、こんなに騒いでるのに、おばあちゃん全然起きないよ!それに、いつもだったらこの時間起きてるもん!ねぇ、狼くん何をしたの!おばあちゃんに何を!
*狼、赤ずきんを押し倒す
狼、くん?
……どうして泣いてるの?
……どうして謝るの?
……仕方ないって、何が?私、わからないよ?ねぇ、狼くん。
私も、おばあさんみたいに殺されるの?
*狼が倒れる
どうしたの狼くん。
どうして床に倒れてるの?
どうして驚いてるの?
どうしてピクピク震えてるの?
私、わからないよ?ねぇ、狼くん。
……ん?もしかしてって何が?私は、何もわからないよ?
私は何もしてないよ。何もしてない。
毒入りの薬を飲んだのはおばあさんだし、毒入りのケーキを食べたのは狼くんでしょ?私は何もしてない。体内に入れたのは、君たちでしょ?
あぁ安心して、狼くんのは微量で、死んだりはしないよ。ただ、体が麻痺してしばらく動けなくなるだけだから。
どうして?それは、おばあちゃんのこと?君のこと?
おばあちゃんに関しては、まぁ御使いが面倒だったっていうのもあるし、薬やお菓子、お酒を準備するのも面倒だし、お金もかかるから、死んじゃえばもう必要ないでしょ?
だから、あげる薬に毎回毒を微量入れてたの。ちょっとずつちょっとずつ、体内に取り込んでいくことで、やがて眠るように死ぬ。私が何かしなくても、勝手に死ぬってわけ。
で、次は狼くんなんだけど……。
私知ってるよ。狼くんが今日、私とお婆さんを殺そうとしてたこと。
昨日の会話は聞いてたんだ。人が殺せなくて、狼の中で色々と言われてるんだって?あの女の子も、そのことで君に怒ってたんだよね。
酷いよね。君は優しいから当然なのに、無理やり殺させようだなんて。
それを聞いて、今日のことを思いついたの。
明日も行くって言えば、狼くんは必ず私と接触する。まとめて二人は難しいから、きっと私のことを足止めするだろうなって。
お婆さんはまぁ、いつ死ぬかわかんないから殺す分にはいいけど、できれば薬で先に死んでくれてたらいいなって思っての。そしたら、狼くんすごく動揺してて、あぁ薬かぁって咄嗟に口元を手で隠して笑ってるのがバレないようにしたんだ。
騙した?名演技だったでしょ?お婆さんへの死の悲しみ、大好きだった狼くんの裏切り。
でも、騙したのは狼くんもでしょ?私を殺すためにあんな素敵な場所を教えるなんて。
まぁだからこそ、あの子もきって喜んでるかもね。
ん?なんの話かって?
昨日の人狼の女の子いたでしょ?あの子、私がお花積んでる時に襲ってきてね、私を殺そうとしたの。だから、逆に殺してあげたの。
今日準備したぶどう酒には、人狼にとっては毒になるクルリを混ぜてたの。少し取り込めば一瞬で体が動かなくなる。
その隙に、果物の皮をむくように持っていたナイフでこう……
ん?どうしたの。そんな大きな声出して。
ありゃりゃ、泣いちゃった。あの子のために泣いてるの?本当に優しいね。
でも、悪いのはあの子。君は悪くないよ。
君は悪くない。私を騙したこと、殺そうとしたこと。全部君は悪くない。
悪いのは全部、君にそんなことをさせようとした悪い狼だよ。
大丈夫。君は殺しなんてしなくていいよ。優しい君にそんなことはさせない。
私が全部してあげる。私が全部やってあげるから、君は幸せに、私のそばでずっと笑ってて。
私ね、狼くんのことが好き、大好き。
君を悲しませたり、酷いことする人は、私がお仕置きをしてあげるから。
だからね、狼くん。ずっと、私のそばにいてね。
君は私のもの。初めて見たあの日から、私は君が欲しくて、私のものにしたくて、頑張ったんだよ。
あぁ……やっと、君が私のになってくれた……
【完】
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