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玲くん奮闘記~神無き月と暴君の宵祭り~ 第参話

  ※注意

  ・ケモナーが書いたので人間が登場しない

  ・素人が書いた小説

  ・神話、伝承はwikiで齧った程度のにわか

  ・ありきたり、厨二臭い設定

  ・他作品のパロ、オマージュ多め(特に東方project、呪術廻戦要素多め)

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  前回のあらすじ

  積鬼を退け、奈良の県境辺りまで到着した玲。

  しかしその途中、同じく霊能力者である彩流寺 四季(さいりゅうじ しき)に足止めされてしまう。

  理由を聞けば「今神の国は"天の犬"が門番をしている、到底敵わない相手だから手を出すな」と忠告をしに来たようだ。

  当然玲は事件を解決するため先へ進もうとするがその流れのまま止めようとする四季と戦闘に発展してしまう。

  四季の強力な能力と緻密に組まれた弾幕に苦戦を強いられるも力を解放した玲は四季を撃破し、四季に実力を認められた玲は神の国の門番をしている"天の犬"を目標に消耗した分休憩しつつ歩を進めていた。

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  四季撃破から一時間が経過した頃、時刻はおよそ夕方頃だろうか、玲は適度に休憩を挟みつつ、玲は法隆寺へと歩きながら向かっていた。

  玲「そういえば、法隆寺が崩落したなんて初めて聞いたけど、ニュースになったこと無かったはずだよね、そんな大スクープ見逃すとは思えないんだけどなぁ。」

  法隆寺は約1400年前、奈良に聖徳太子が建てたとされる寺であり、世界文化遺産に登録されているほどの歴史ある由緒正しい建造物、確かにこのような物が崩落したとなれば普通のメディアは黙っていないはずなのだが、今回はなぜだかスルーされている、あまりにも不可解な状況だ、頭を悩ませながら目的地に足を運ぶと、その問題の答え合わせはすぐ行われた。

  玲「……なるほど、これは誰も気づかないわけだ。」

  玲の目の前には何事もないように法隆寺が建っていた、高くそびえ立つ五重の塔も、厳かな雰囲気を放つ本殿も、その全てが倒壊という破壊現象とは全く無縁の状態で現存していたのだ。

  玲(近くで見るとすごい霊力……何かしらの結界か幻術かな、仏も神も信仰を失うのは嫌だからか必死みたいだね。)

  神社や寺はそこに祀られている神や仏の神秘を象徴とする領域であり、そこでのみご利益や恩恵を与えることで存在にありがたみと希少性を与え、そこから来る信仰を集めることで神は現世で力を出し、ヒトビトを怪異から守ることが出来る、つまり神や仏は信仰がなければ現世では力を出すことが出来ない無力な存在になってしまうため、なるべく早急に法隆寺を修復しようとしているのだ。

  玲「はぁ、この感じだと中に入らないと神達に接触出来ないだろうし、結界内に入ろう。」

  玲(というか、なんで積鬼は法隆寺が倒壊したこと知ってたんだろう、これが終わったら話聞いてみようかな。)

  法隆寺を取り囲むそれに大量の霊力を流し込み、干渉する、すると少しずつ浸透するように先に溶け込み中へと侵入する、しかし……

  玲「……どこだ……ここ?」

  気がつけば辺り一面の霧、地面には寺の境内には似つかわしくない雑草のみが生えている、まるで雨が降りしきったあとの濃霧に包まれた草原のようだが、唯一太陽の周囲のみが晴れている幻想的な光景が目の前に広がっていた。

  霧の灰と地の深緑、そして日の極光の3色に包まれた領域には、どれほど密に詰めても溢れぬような底知れないオーラを漂わせ、ヒトの領域を超越した場所であると本能で感じさせる。

  玲(明らかに現世じゃない世界、さっきまで法隆寺が目と鼻の先まであったはずなのに!?)

  あまりに唐突な出来事を前に固まるが、世界はその刹那を許さないと言うように、刺客を差し向ける。

  「カァーッ!カァーッ!」と空に浮かぶ黒点が咆哮を上げ、目の前の侵入者に閃光を放つ。

  あれは妖怪鴉の群れだ、仲間意識と高度な知性による連携を得意とする、天狗の配下の妖怪だ。

  玲「いきなりか!!」

  玲は鴉が放つ閃光を体を曲げ回避する、そして反撃を放つため、術を唱える。

  『"麟鳳亀竜"

  式霊亀・蓬莱山岩~霊峰大砲~』

  玲の周囲の地面から巨岩が姿を現し、大砲のように放たれ空を舞う、岩は黒い軍団の中央を貫くように飛ぶが、軍隊は四方八方に別れ、回避する。

  鴉達は嘲笑するように玲を見下す。

  玲「一発回避した程度でいい気になるなよ。」

  『"麟鳳亀竜"

  式霊亀・蓬莱山岩~霊峰連弾~』

  再び巨岩が現れ黒い軍団の中央を貫かんと連続で放たれるが、一発目同様回避する、彼らから見れば無意味な行動をしているように見えるからか、困惑を見せつつも嘲笑を加速させる。

  玲(計算通り!お前達のような群体で行動する妖怪は連携は出来ても個の霊力量が少ない、それをカバーするために群体を組んで霊力同士を同調させるけど群体を分散させてしまえば同調できずに簡単に落とせる、隊列の中央部をずっと狙ったのは分散させるためだ!!)

  『"麟鳳亀竜"

  式麒麟・千鎖雷縛』

  雷で象られた鎖が数え切れない量現れ、一つ一つ鴉達を鎖に繋げ地へと墜す、空へ浮かぶ黒い軍団の悉くを倒した。

  ?「へぇ……雑魚とは言えあたしが管理する鴉の精鋭部隊共をたった二手で倒すかい。」

  突然、何者かの声が草原に響き渡る、それは先程の鴉達とは違う、はっきりとした言葉を発しているが、霧の中に紛れているのか姿ははっきりと認識出来ない。

  玲「誰?もしかして僕をここに閉じ込めた張本人?」

  ?「閉じ込めたなんて人聞きの悪い言い方はやめてほしいねぇ、それにあんたは閉じ込められたんじゃない、自らこの領域入ったんだろう?」

  玲(自らこの領域に……そういう事か)

  玲「ここは神の国と現世の境目で、さっきの僕が触れた結界は内部と外部を遮断するための結界じゃなくて、神の国と現世を繋ぐ橋を架けるものだったってことか。」

  ?「へぇ、実力だけじゃなくて頭も冴えてる、いいね、あたしはそういうヤツは大好きさ。」

  ?「さて、せっかく世間話に付き合ってくれんたんだ、質問にはしっかり答えやらないとね。」

  言い終わった声の主は強風を巻き起こし、凄まじい霊力の波と共に霧を吹き飛ばす、先程まで包んでいた濃霧は完全に晴れ、霧のベールに隠匿されていた全てが日の下にさらけ出される。

  そこにいたのは赤毛が生え、団扇を携えた犬のような女性が、黒い羽根を羽ばたかせていた

  刹那「あたしの名前は叢風 刹那(むらかぜ せつな)、種族はまぁ、見ての通りさ。」

  ついに姿を現したそれは名を名乗る、先程襲った妖怪鴉の集団を従えさせる者、そして黒い羽根を羽ばたかせるその様はまるで……

  玲「天狗か、"天の犬"で"天の狗"、結構直球なヒントだったね、それにしても意外だったよ、妖怪のくせに神に加担するヤツがいるとは、それに神の国に立ち入れる許可が貰えるなんて天狗の中でも相当立場は上でしょ、そんなヤツが神に手を貸すなんてね……」

  刹那「なに、あたしはただ金で雇われただけさ、要はただの利害関係でしかない、あたしのとっちゃ神がどうなっても心底どうでもいいが、神はあたし達怪異を狙ってやがるからね、だからここで恩を売っちまえば動きやすくなるってもんだ。」

  刹那「さて、さっき来た胡散臭い霊能力者はそこそこだったがあんたはどれ程の骨か……確かめさせてもらおうかね。」

  『"飛揚跋扈"

  天狗遊戯・スカイフィッシュのごっこ遊び』

  突然刹那が多重に重なっているように見え始める、しかしそれは一切の妖術、幻術を用いていない、つまり純粋な速度のみによるものだ、しかしそれだけだと言うのに他の生命体を超越し残像を見せるほどのスピードを出す。

  刹那が少し動けばその残像は列を成し、龍のような縦長の物体のようにも見え始め、その軌道に風の霊力弾を残す。

  玲「噂通りの早さ……多分このまま霊力弾で囲って身動きを取れなくさせる気か。」

  『"麟鳳亀竜"

  式鳳凰・五光炎烈風』

  玲「風には風を、より強い風で相手の霊力弾を吹き飛ばしたらいい。」

  玲の背後に浮かび上がった五色で構成された翼を大きく羽ばたかせ、熱を帯びた五色の風を放ち霊力弾を掻き消す。

  うざったい霊力弾は完全に消えた……がしかし刹那はもう既にその場にはいなかった。

  玲「いない……!?どこいった!?」

  『"飛揚跋扈"

  神仏大爆走☆韋駄天ドライブ☆』

  刹那(見事に引っかかったねぇ、最初の技は飽くまで囮、本命はこっちさ、坊主。)

  そのあまりにも奇怪で可笑しな名前の技名とは裏腹にその場に音を置き去りにする程のスピードを見せる。

  玲(なんだ……姿が全く見えないのにとてつもなく嫌な予感が……)

  玲「……!!」

  『"麟鳳亀竜"

  式霊

  「遅い」

  玲の死角から攻撃が飛び出す、刹那は玲を大きく蹴りあげようとする、しかし直前で勘づいた玲は一手目をギリギリで躱す。

  刹那「良く反応したな、だが二度はないぞ?餓鬼。」

  蹴り上げた足をかかと落としの要領で勢いよく下ろす。

  さすがにこれは回避しきれず玲に直撃した、ギリギリ霊力で固めてダメージを軽減したが、もし間に合わなかったら致命傷だっただろう。

  玲「ぐっ……」

  刹那「驚いたかい?言っとくがトップスピードはまだまだ上さ、今は大体40%って所さ……ん?」

  『"麟鳳亀竜"

  式麒麟・雷縛』

  刹那の足に雷の鎖を巻き付けて捕縛する、これで刹那の機動力を一時的に奪うことが出来た。

  『"麟鳳亀竜"

  式霊亀・仙岩突』

  刹那「ハハッ!身の程知らずの餓鬼が流れ込んだかと思えば、根性あるじゃないか!!」

  刹那の胴体にお祓い棒を突き刺すように攻撃を放つ、さすがに足を奪われた状態で回避するのは無理で攻撃を喰らう。

  刹那も食らう瞬間に反応し防御したためダメージは最小限で抑えられた。

  玲「これでお互い一撃ずつ……痛み分けかな。」

  刹那「ああ、そうだねぇ……あたしも鈍ったつもりは無いんだが、まさか一発貰うとは……これは滾るってもんだね。」

  刹那「次だ、あたしをガッカリさせんなよ?」

  『"飛揚跋扈"

  鴉連隊・ファルコンイミテーション』

  風の霊力弾を頭上に展開し、その霊力弾が鳥の形を成す。

  刹那「あたしに一手入れたご褒美に教えてやる、あたしの能力"飛揚跋扈"は能力の影響範囲になる物に飛行する力を付与したり速度を増強出来る能力さ、測ったことなんてないし、そもそも測れんが、音なんて生易しい程に早い、それがあたしの持つ圧倒的な力さ。」

  刹那は自慢するように話す、しかしそれはヒトには強力な力だが音速の速さで空を飛ぶ程度は天狗なら誰もが出来て当然のもの、この力が圧倒的たりえる由来は刹那が誰よりも努力をした結果によるであり、この力を突破するのは生半可な力では難しいだろう。

  玲もそれを分かっていたのか、この技を見て力を解放する。

  『"麟鳳亀竜"

  式鳳凰・憑依現界~神威~』

  玲(鳳凰は麒麟に比べるとスピードは落ちるけど小回りがよく効く変幻自在な機動力を得られる、この技で弾幕を全部回避してやる!)

  鳥を象った霊力弾が次々と発射される、その隙間を玲は縫うように回避する、目で追うのもギリギリなほど素早いが幸いコントロールは然程精密では無いため隙間多い。

  玲「四季が言ってた通り技術は四季よりも下、これなら回避は可能だ!」

  「別にあたしも直接攻撃しないとは言っていないぜ?」

  刹那「弾幕にばかり注意を向けすぎるこんな簡単に背後を取られるんだ。」

  玲「はやっ……!?」

  玲(あの弾幕一つずつに能力を付与してるはずなのに本体の速度が全く変わらない!?そのくらい能力の精度が段違いってことか!!)

  背後を取られたまま反応出来ずに刹那の攻撃を喰らいダメージを受ける。

  『"麟鳳亀竜"

  式鳳凰・再生の炎』

  玲「いてて……あんな数の弾幕に能力付与しながら自分にも能力付与するなんて反則じゃん……」

  玲(発動してよかった……鳳凰の能力の1つ"治療"……だけどクールタイムはある、これ以上はダメージは受けられないぞ……)

  刹那「ふーん、そんなのもあるのか。」

  刹那(ならこんな弾幕じゃあのらりくらり躱されてダメージを回復され続けちまう、さっきの不意打ちももう対策するだろうしね。)

  「ならば」と刹那は勝負を決めてしまうつもりか、大技を放つ準備をする!

  『"飛揚跋扈"

  大天狗秘奥義・刹那瞬歩』

  発動した瞬間刹那は玲の懐に入り込む。

  玲「な!?」

  刹那「飛び上がれ。」

  刹那は玲を蹴り上げる、ギリギリで反応し霊力で固めて受ける、ダメージは最小限だが体勢が崩れた隙に刹那は再び姿を消す。

  玲「また消えた!今度はどこに……」

  一瞬の油断も許さないほど空気が張り詰める、次の瞬間、玲の頭目掛けて蹴りが放たれる!

  玲「正面か!」

  刹那「ちっ、これでもまだ回避するか!」

  ギリギリでまた回避するが、再び刹那は霧のように姿を消す、また奇襲を仕掛けるようだ。

  玲「また姿を消した、もしかして僕がやられるまでこれを続ける気か!?」

  姿を消した刹那は再び攻撃をあらゆる角度から放ち続ける、それを玲も毎度ギリギリで回避し続ける、しかし延々とこの攻防を続けるのは疲れるようだ。

  玲(はぁ……はぁ……さすがにそろそろキツくなってきた……)

  刹那(こいつも中々耐えるな、さすがにあたしもこれ以上この状態を続けるのはキツい、ここはもう手足を折ってケリをつける!)

  玲(……仕方ないか……)

  そして刹那は玲の腕を折ろうと攻撃を仕掛け、玲の腕を折る!しかし……

  刹那(マジか!?)

  『"麟鳳亀竜"

  式鳳凰・再生の炎』

  玲「うぅ……いったいなぁ……でもこれで捕まえられた。」

  刹那(正気かこいつ!?回復する前提で自分の腕を囮にしてあたしを捕まえやがった!?)

  『"麟鳳亀竜"

  式霊亀・仙岩突』

  玲のお祓い棒が刹那の翼に直撃する、玲の行動に呆気を取られていた刹那は一瞬間に合わず攻撃をまともに受ける。

  刹那「クソ……翼がやられたか、それに折った腕は回復された、完全にやられたね……」

  刹那「ただ、片翼をおシャカにした程度で勝ったつもりでいるのは少し早いぞ?」

  刹那は再び構えを取る、どうやら決着の一撃を玲に向けて放つようだ、それに呼応するように玲も技を放つ準備をする。

  刹那「さあ、準備は出来たかい?」

  刹那の時間が流れると、ついにその刻は来た。

  『"飛揚跋扈"       『"麟鳳亀竜"

  大天狗秘奥義・刹那瞬歩』 式麒麟・獣王雷牙』

  二つの技が交差し、瞬きの間しかないというのに二人の間には十数メートルもの距離が空いていた。

  次の瞬間、刹那のもう片翼の羽根も散る、どうやら勝負は玲の勝ちのようだ。

  玲「とりあえず僕の勝ちってことで、通してもらっていいかな?」

  刹那「ああ、そうだね……これは完敗ってもんだ。」

  刹那「降参だ、負けちまった以上は好きにされて当然、門を開けてやるからさっさと行くんだね、もうすぐ法隆寺が修復される、この空間も神の国の門も消える、あんたが今求めてる神へのご対面も出来なくなる。」

  刹那が門を開くとそこは大きい河川が見えていた。

  刹那「ここから先は三途の川だ、上流に向かって行けば滝が見えるからそこを昇れば神の国が見えるはずだ。」

  刹那「あたしが関与できるのはここまで、あとはあんた次第だ、まぁあたしを倒したんだ、お前なら行けるだろう。」

  玲「それはどうもありがとう、お礼したいけど、とりあえず今は急がないと、じゃあね。」

  刹那「おう、そろそろ時間だからな、さっさと行け。」

  玲は開いた門に飛び込み、神に出会うため、神の国を目指す、日本全土を襲う地震は一体何なのか、自然現象なのか怪異によるものなのか……神と対面した時、それが明らかになるだろう。

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  刹那「さて、これで満足かい?伯迅、恐らくあいつが異変を解決する鍵だ、しっかり導けよ?」

  第四話に続く

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