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テニスの狼

  「ここで決めたら、全国大会優勝!!」

  千遥はこの一本のサーブで運命が決まると確信した。『失敗出来ない!頑張るんだ!』心の中で、失敗しないよう念じた。『パコッン!』千遥のボールは、ネットの上を通り目が追い付かない様な速度で相手のコートの中に弾み、相手はその素早いボールを見逃してしまった。

  「あ、、、、あ、、、」実況はあんな速度のボールを見たことがなく、「第〇〇回全国テニス大会優勝!![[rb:板狼 千遥 > はんかちはる]]」その言葉を聞いた、同級生や観客は、声を張り上げる。「うおぉぉぉぉ!!、、よっしゃァァァ!」ゲームを終え、最後の礼「ありがとうございました。」コートから出る前、同級生が「おい、お前いつものやんねぇのか?」「あぁ、やるよ。アオォォォォォゥン」会場全体に響くほどの千遥の遠吠え。その声を聞いた観客はまた応援していた。「これがテニスの遠吠え!、、その声が聞きたかった」千遥の遠吠えは、地区大会から有名でテニス界隈では、テ○スの王子様ならぬ「テニスの狼」と、恐れられていた。「あー、スッキリした。」千遥は、遠吠えを終え、観客に一礼し、コートを後にする。『次の目標は世界大会優勝する。』

  それから、数年後

  世界大会優勝まで、あと2試合になってきた。千遥は大人になり、プロテニスプレーヤーとして、世界で活躍。「人狼」と呼ばれている。「ふぅ、今日の相手は強かったなぁ。」大会の寮に戻り、椅子に座り、毎日欠かさず飲んでいる栄養ドリンクを飲む。「ゴク、、ゴク、、ぷはぁ、生き返る〜」椅子で少し寛ぎ、ベットに入り寝る。

  翌日

  「ふぁー、、、よく寝た。」いつも通り、朝からランニングをし、コースを周るのだが、コースのそばで売店が見えた。「いらっしゃい、今ならこの栄養ドリンク一本で50円だよ」明らかに怪しい店があった。「何だあれ?怪しいが、気になるなぁ。」ついつい見てしまう。ラベルは月に吠える狼のイラストが書いてあり、成分表示などは、書いていなかった「お、そこの!買ってみては?」手招きされ、しかなく行ってしまう。「なんですか?」「あなたは、プロテニスプレーヤーの千遥選手じゃないですか〜、せっかくだし、これ買ってみては?」栄養ドリンクを出され、戸惑う「ちょ、ちょっと!効果どうなんですか?」栄養ドリンクといえど、効果を見て買う方だったので、気になる。「効果ですか、効果は、誰にも負けないくらいの身体能力がつき、動体視力も人の数十倍速いものも捉えるという事です。」千遥は、何を言ってるかわからないが、なにか凄いことは感じた。「うーん、買ってみようかな?よし、買う!」「ホントですか⁉毎度あり、」商人はニヤリとしながら、お金を受け取った「、、、何だったんた?あいつ」

  その夜

  「はぁ、、やっと勝った、、疲れたぁ」今日もテニスで4−1の圧勝だった。残り一試合で世界一だった「そういえば、朝、あの商人から買った。この栄養ドリンク、、、気になるなぁ、、」気になって気になって、しょうがなくなった、千遥は飲んでしまった「ゴクゴク、ゴクゴク、、ん、ぷはぁ、、、うーん、これで勝てるのか?」そのドリンクは、他のと味は変わらなかった。「まぁ、明日頑張るか、、、」

  ベットに入り、眠った。

  翌日

  スタジアムの控室で、、「はぁ、、はぁ、、なんだ、息苦しい。でも、出なければ、世界一になれない」息が苦しくたって、出場しなければ、世界一になれない。「くそ、、」「千遥選手、もうすぐ時間ですよ。」「はい、今行きます。」会場からは拍手喝采で口笛や遠吠えをする観客が所々にいる。横には、世界中のテレビ局が千遥にカメラを向けていた「はぁ、、はぁ、、苦しい」コートに進むたび、どんどん苦しくなっていく「ゔっ、、、ゔゔゔゔゔゔ」『バタッ!!』

  千遥は、コートの中で倒れた。

  「お、、おい、千遥、、大丈夫か?」「千遥選手、、大丈夫ですか?」「テニスの狼、大丈夫か?」千遥のマネージャーやコーチが千遥の元へ、大急ぎで向かう「千遥!大丈夫か?」

  「はぁ、、はぁ、、苦しい、、、ゔぐっ、、離れてくれ、」

  「で、、でも、」「いいから、、ゔっ、、、、がァァ」獣ような声を出す。「千遥、、、ん?千遥の、、爪が長くなっている、、」爪は伸び、鋭く頑丈な爪になった。千遥は、理性が保てなくなってきている「アガッ!、、、ガァウ!グァァ!」千遥のシューズから、軋む音が聞こえる。「な、、何が起きてるんだ、、!?、千遥のシューズが、、」『バキバキ、ビリ、、ビリビリ、、』と、音を立てシューズが破れる。すると、中から狼の足が出てくる。「千遥!、、、、大丈夫だ!ここにいる」「グルルルル、、ガルルルル、、、、」もう目は千遥の目では無かった。虹彩が琥珀色で周りが黒くなっていた。今にも、コーチを襲う気で威嚇していた。「グルルルル!ガッアアア!!」コーチに向かって襲う。「ウグッ!、、うわぁぁぁ!!!」幸いなことに、コーチの腕に噛み付いた。千遥は、噛んだときに千遥の歯が伸び、狼の歯になっていた。「ガルルルル、、」噛みつきながら、背骨が盛り上がる。千遥の身体が徐々に狼の身体に、「ガァァ、、、グルルルル。」コーチの腕から離れその場で苦しむ、「ビリッ、、、、ビリビリ、、」千遥の後ろから、灰色の大きな尻尾がズボンを破りながら、出てきた。「!?、、、千遥、、尻尾が、、、」

  千遥の顔が変わってきている。狼のような鋭い牙、天に届くような、長い鼻。「?!、、、千遥!顔が、、、変わってきてる」威嚇しながら、なにか訴えてる「グルルルル、、、ガァッ!ガルルルル」指で、首を指す。「首?まさか、、首輪か?」「グルルルル、、ガゥ。」頷く、

  異様な光景にテレビ局のカメラマンは千遥を撮したまま。

  「で、、、でも、いいのか?」「ハ、、、ヤク、、、ヤレ、、グルルルル」

  苦しみながら、言う。「わかった!首輪持ってる人は?」一人も手を挙げていなかった「グルルルル、、、、オレ、、、バック」手を挙げ、バックを指す「あるのか?誰か、持ってきてくれ」スタッフがバックを持って来て、コーチに渡す。

  スタッフは「コーチは、今すぐ応急措置を」コーチはスタッフを退け、首輪を探す。「ダメだ!アイツは、、、アイツだけは、迷惑かけたくない。夢だった世界一になる夢。ここで果たすのだから」首輪を付け、背中を叩き言う「戻ってこい!千遥!お前の夢は、ここでお仕舞か?」千遥の耳がピクッと動く「、、、、チガ、、、、ウ、、、、マダ、、終わってない!!」やっと千遥の声が出た。「グルルルル、、、ガァァァァ!!」四足歩行から二足歩行に変わり、骨格も人間と狼の中間の骨格になった。「ガァァァァ、、、ガルルルル、、、、アオォォゥゥゥン!!」会場全体に遠吠えが響く。

  千遥の身体は、まさしく「人狼」だった。

  「はぁはぁ、、、戻った、、、グルルルル♪」喜びで、尻尾を振る。「全く、人騒がせの狼だ、、、こ、、と」コーチは、噛まれたことにより、気絶する。「コーチ!!」千遥が駆け寄り、軽々とコーチを持ち上げスタッフに渡す。「コーチを、、、お願いします。」スタッフは、怖がりながらも「は、、、はい、わかりました。」ざわめく、観客。千遥は、帽子をかぶり、「さぁて、ここからだ!!」人間の倍の手でラケットを握る。『ピキピキ』ラケットが音を立て、試合をする。

  相手は、身体を震えさせサーブをする。「スーッ、、フゥ、」深く息を吸い、吐く。『パコッン!』雨の中、雷が落ちる音が会場に響く。風で流れるボールがネットを越え、コートに落ちて跳ね上がった瞬間、千遥の目には止まった様に見え、ものすごい速さで地面を蹴り、コートがめり込む。「遅い!」ボールがワンバウンドする前に、もうそばにいた。『パコッン!!』軽く打つが、その力のせいか?人間が取れない速度で、相手コートに入り、飛びすぎたのか金網めり込む。『バキッ、、バキッ、、シュウゥゥゥ、、』物凄い回転力で金網に吸い込まれて煙を出し、止まる。

  呆気に取られる中、「良いぞ、テニスの狼!!」観客の一人が応援する。すると、続々と応援の声が出てくる。「テニスの狼、世界一取れ〜!」応援の声が響き、応援に負けてられないと千遥も遠吠えをする。「アオォォォゥゥン.........」「いいぞ、板狼!その調子だ!」その声を聞き、相手を威嚇する。「グルルルル......」千遥の威嚇に「ひっ、、、ッ、この!」また打つが、物凄いスピードで、返される。

  そして..............

  マッチポイント

  千遥がサーブ「よしこれで、決まる.....」ボールを上げ、ラケットで打つ『パコッン!』重い音がなり、強い力で流すそのボールは、その相手のラケットを吹き飛ばす。「あっ、、、、、負けた、、、」相手は倒れるように膝からガクリと落とした。

  「ゆ、、優勝!千遥選手世界テニス優勝ー!!」「はぁはぁ、、、、、やっと世界一に、、」『バタッ!』人狼は倒れた。「大丈夫ですか....大丈夫.......です........か........」意識が薄れていき、気がつくと休憩室に居た。

  「ここは?」「ここは、選手の控室だ」元気なコーチの姿が居た。「コーチ!よかったです。」「全く、狼なんだから泣くんじゃね、、」気がつけば、二人共泣いている。「ん?狼?、、、、、あっ、戻らなかったんだ。」手を見ると大きな人狼の手になっていた。「まぁ、気にするな。大丈夫だ。」コーチが励まし、元気になっていった。

  「さっ、、もう行くか?」

  「行くってどこに?」

  「千遥の表彰台」

  そっか、、、、、もう、世界一になったんだ。

  終

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