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シルベと護衛とシノビと(ネタ晴らし)

  前回のあらすじというか話の経緯、密書を運ぶクウィル、密書を狙うヌケ。クウィルの護衛をするシルベ

  クウィルとヌケは互いに命をかけての仕事。

  そんな中、あんなエンディングになっちゃった経緯は? というおまけストーリー

  「ちょっと短めだけど、楽しんでくれよな。もし、前回を読んでなかったら、その作品読んでからじゃないと楽しめないからな」シルベより

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  [newpage]

  密書を奪わねば死よりも辛い拷問という状態のヌケ満月で発情していたが

  冷静に現実を受け止めた時、逸物はすっかり萎えていた。

  「よし……ことする余裕ねぇーみたいだし、死んでもらうな?」

  テントの中無情にも、先走りの染みだけが残ったズボンをはいたヌケが茫然と立ちすくんでいた。

  「……おれ……怖いッス……死にたくないッス」

  「……ん……」

  クウィルは、気まずさにあれやこれやと考えた。それに比べ、シルベは、まっすぐと何かを見据えていた。

  クウィルは色々考える、密書を渡したら恐らく自分も命がない、かといって、密書を取れないときつい拷問を受けることとなる。

  逃げ道などないのだ。端的に言えば、クウィルかヌケ、どちらかが死ぬということに。

  「密書を写す……とかもだめでしょうし……うーん……」

  クウィルは、ヌケを殺すにあたって躊躇いのないシルベさんの行動は、かっこよさもあるが、それほどまでに冷酷にできるという部分を気味悪く思った。

  クウィルがシルベから半歩距離をとったその時だった。

  「覚悟出来てるか? 二人とも」

  その問いかけに、ヌケはビクッと反応し涙を流し始めた。

  「……!!ンッ……」

  半歩とった距離を縮め、そしてさらに半歩近づいてシルベに問いかける。

  「ぁ……えっと……」

  『殺さないで上げて欲しい』と言えない身分なのが悔しかった。というよりそれを言える身分は、密書強奪を頼んだヌケの所属する属の頭だろう。

  「……嗚呼、殺さねぇーよ? 死んでは貰うけど」

  「……え?」

  「約束したろ? たんまり金貰ってるんだ、円満解決、オレなら出来るよ」

  「……え? でも殺すって……? え? 殺さないと拷問されちゃうわけだから……何もしないよりか殺した方が……」

  「……ゥ!……」

  殺すの言葉にビクつくヌケ、その様子にクククッと笑うシルベだった。

  そして、ゆっくりと言葉を添えた。

  「殺さない、でも死んでもらう。 表面上……な?」

  「えっと……?」

  「シルベ様……オレ殺さない……? 拷問しない?(差し出さない?)」

  「だから、殺さないって、痛いことはするけどな……主も、そいつ助けたいなら覚悟決めろよ?」

  「……?わ、わかりました」

  「……ングッ……」

  シルベは、相変わらず何かを見据えているようなまっすぐな目をしていた。

  「はーーっ」

  と、短くも長くもない溜息をすると、固まる二人に目をやった。ヌケはゴクリと生唾を飲んだ。

  

  そして、シルベは、二人を傍に寄らせてから、これからする事を小声で話した。

  シルベは、ヌケから、忍具を受け取りそれらで、自らの体と、ヌケとクウィルのそれぞれの手首を切った。

  そして、広場に血を滴らせ、忍具を数個まばらにまいた。

  「こ、これは……?」

  「偽装工作だ」

  「主とヌケは、テント回収してここから移動する準備な、数キロ先でテントを張る、偽装工作を汚さないようにやってくれよ」

  コクりとうなづく二人は、作業を始める。

  そんな、広場で小さく息をするシルベ。

  「はぁー……うまいもんうまいもん……」

  シルベは、仕事が終わったら食べるうまいもののことを想像した。

  今からやることは、シンドイが念には念のためだ。

  短剣で自らの横腹を切りつけた。

  それは、並大抵じゃない覚悟で行為に及んだと思われ、偽装工作をしているのを知っている二人ですら声を上げてしまうものだった。

  「ッグッ……」

  「シルベさんっ!」

  「シルベ様……」

  案の定クウィルが大声を上げ、ヌケは、最低限の声でオレの名を呼ぶ。

  「へっへ…… これで良い感じかな? はぁ……高くつかせてもらった分はらたかねぇーとな……」

  「シルベ様……おれのためにそんな……」

  「爬虫類は回復は早いから気にすんな。 ツケにしてやるからよ」

  「……はい!」

  「……幸い周りには誰もいないみたいだが、とりあえずここを後にするぞ。ヌケは、ここらに少し血まいて寝ろ」

  「へ、へい!」

  「主は、ヌケの両手ひっぱってひっこずって、沼まで持っていけ、オレは、ヌケの荷物もって歩くので精一杯だ」

  「わっかりました!」

  シルベは、手慣れた様子で、止血をする。止血に使った白いタオルは、じわりじわりとあっというまに真っ赤に染まるが。

  あまり無駄な出血は起きず治まった。再生力が早いせいか、すぐにかさぶたに近いものができたのだろう。

  時折ぽたぽたと血が滴る、中、広場を後にする。 ヌケは、死んだことになっているので、靴のかかとで地面を削っていく形になっていった。

  「あ……あそこまでする必要ありますか……?」

  「……後で話す」

  やがて、沼へと着いた。二人は今からやることを知っているので、ヌケは、沼の縁近くで、忍び衣装を脱いで下着になった。

  クウィルは、大きい石をもってきてから、忍び衣装でくるんだ。

  クウィルとヌケは、石を包んだ忍び衣装を、協力して沼に投げ入れた。

  ヌチャッとしたドボーンという音が辺りに小さく響いた。

  それから、シルベが先頭を歩き、つま先立ちでヌケが真ん中を歩く。

  ヌケの足跡を上書きするようにクウィルが通る。

  会話をしたくても、シルベが痛みにこらえてるため、三人はほぼ無言だった。

  数百メートル歩くと、小川が見えた。

  深さは30センチぐらいだ。

  ヌケに川の中を歩いて下るように命じ、そのまま数百メートル歩かせる。

  「もういいぞ」

  シルベの合図で岸にあがり、三人は、それから二時間ほど歩いてから、真夜中にキャンプを張り三時間の仮眠をとるのだった。

  そして、二日後、目的の城下町が見えてから、ヌケはいったん別行動をして、身なりを整えて、密書を届けた後二人と落ち合い、打ち上げをするのだった。

  

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