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📕本日のメニュー📕
・アップルキャンディー
・アイスモナカ
・マカロン
・金平糖
・ベリージャム
〈隠し味〉
m(_ _)m‹ホットケーキにする都合上、もしかしたら味が変わっているかもしれませんのでご注意下さい。
(アレンジしている所がありますのでご了承ください。)
当初の味が欲しい方は“食堂”にお立ち寄りください。
それではどうぞ。
[newpage]
[chapter:アップルキャンディー]
🍎基本の味🍬
・口調迷子
・キャラ崩壊
・オリ設定
【隠し味】
・ヒヨコが好きに味付け
・皆実の身長が少しだけ低い
・顔文字乱舞
※護道が居ない時は声が出ない
※長めのスカートを着ている
【それではどうぞ】
[newpage]
[chapter:たまにはわがままを言っても良いでしょう?]
ー事件の無いある日の午後、二人は公園を歩いていたー
【…(護道さん、喉が渇きました。)】
ー紙に文字を書き、心太郎に見せた。
言葉が出ない皆実にとってこれが言葉だった。
その言葉を言った後、ストンッとベンチに皆実は座ったー
『一緒に行きましょう。』
【…(私は此処で待っています。)】
ー皆実はベンチから動こうとしなかったー
『貴方に怪我をされたらこっちが困るんです。
なので、一緒に行きましょう?』
ー護道は優しく言った。
だが皆実は首をフルフルと横に振り、その場から離れるのを拒否したー
(今までわがまま言った事、無かったよな…?)
ー護道は今までわがままを言った事がなかった皆実に少し戸惑ったが“そんな事もあるか”と自分を納得させ、言ったー
『分かりました。
俺が来るまで此処に居てください。
良いですね?』
ー皆実は“コクッ”と頷き【(. ❛ ᴗ ❛.)‹OK、シンディー】と返事をしたー
『シンディー呼び、やめろって言ってるじゃないですか…。
あと顔文字使う時、顔とペンがイキイキしますよね。』
ー護道はやれやれと首を振りながら皆実から離れた所にある自動販売機の方に向かった。
護道が居なくなったのを確認した皆実は一息吐くと後ろの方角に言ったー
【…隠れているのは分かっていますから、出て来たらどうです?】
ー皆実は振り向かずに言ったー
「チッ…なんでバレたのよ!!」
ー後ろの方から舌打ちと二人の後を付けていたのがバレた事による焦りの声が聞こえて来た。
皆実はクルリと女の方を見つめ、金切り声に近い声の問いに答えたー
【私は目が見えない分、感覚等が鋭いんです。
ですから貴方の汚い気配も察知出来ました。】
ー女はコロコロと言葉を転がす皆実を青褪めた顔で見た。
(なんでコイツ喋れるのよ…喋れない筈よね…?)
言葉を転がす皆実を青褪めた顔で見ていた女だったが、すぐにその顔は乙女の顔に変わったー
「彼は何処?
私、彼に会いに来たの。」
ー女はうっとりとした声で言ったー
【ああ、私の恋人ですか?】
ー皆実はそんな女のうっとりとした声を無視していつもの声で返した。
それが女の中のナニカを切ったらしく女が叫ぶー
「あんたみたいなのが恋人!?
ふざけんなぁぁぁぁあ!!」
“スチャッ”
ー逆上した女がポケットから隠し持っていたナイフを取り出し、刺そうとするが皆実はスルリと避けた。
が、ナイフの切っ先が皆実の頬を切ったー
【…っ…。】
ー切られた皆実の頬から血がツーと流れる。
女はその光景を見ながら乾いた笑みを浮かべた‐
「あはははっ、これでアンタは傷物よ!!」
‐乾いた笑い声を上げながら女がまたナイフを振るうが、その手は皆実がガードし後ろに回された‐
“カランッ”
‐ナイフの落ちる音が二人の間に聞こえた‐
「っ、離してよ!!」
‐腕を押さえられた女が抵抗する。
皆実は押さえている手にゆっくりと力を掛けながら告げた‐
【大人しくしていてください。
じゃないと“腕をボッキリ”…なんて事も有り得ますので。】
「離して、私は彼に会いたいの!!」
‐女は腕を押さえられても、ギャーギャーと喚きながら抵抗していた。
抵抗する声を聞き流しながら皆実はポツリと言葉を転がす‐
【…逃げられない様に縛らないと…。】
‐持っていた紐で女を縛り上げ、腕をベンチの足に縛り付けた‐
「私は彼に会いたいの、離せ!!」
‐女は縛られても尚、地団駄をしながら抵抗を続けた。
皆実はギッチリと縄を縛りながら言った‐
【いずれ来ます。
彼に逮捕されるなんて幸せじゃないですか?】
‐頑丈に女を縛り付けた後、皆実は再びベンチに座り言葉を転がした。
【これで大丈夫でしょう。】という言葉を編んだ‐
‐それから暫くしてジュースを買って来た心太郎が戻って来た‐
『ジュース買って来ました…って、なんですかこの状況は?』
ー心太郎の目に映ったのはベンチに縛られた女と頬から血を流す皆実の姿であった。
声のした方に皆実は顔を向け、状況を話し始めたー
【…(・o・;)‹大人しく待っていたのですが、いきなりこの女の人が「護道さんは私のよー!!」と言ってナイフで襲い掛かって来まして私の頬を切ったんです。
これは“危険”と判断し、縛りました。】
ー状況を聞いた心太郎の顔が険しくなり始めた。
だが、ハンカチで皆実の頬から流れる血を拭く手は優しかった。
紙とペンの走る音を聞いた女が最後の抵抗の声を上げたー
「なっ!
アンタ、さっき喋ってたわよね!?
なんで喋れないフリすんのよ!!」
ー皆実はカキカキとペンを走らせ、出来た言葉を女に見せたー
【(´;ω;`)‹私、喋れないんですけどねぇ…?
幻聴でも聞いたんじゃないですか?】
ーその言葉を見た女が雄叫びを上げるー
「嘘よ、アンタさっき喋ってたじゃないのよー!!!
うきぃー!!!」
『話は署で聞くから行くぞ!!
皆実さん、行きますよ。』
ー護道が雄叫びを上げる女を紐ごと連行していった。
もちろん、皆実も連れてー
[newpage]
[終わった後]
『せっかくの休みが…。
皆実さん、頬の怪我は大丈夫ですか?』
ー帰りの車の中で心太郎が呟く。
女はストーカーとして逮捕され、皆実の頬に少し大きめな絆創膏が貼られたー
【…( T_T)\(^-^ )‹また休みがあれば今度は歩きましょう。
…(*´ω`*)b‹護道さんが血を拭いてくれたのと切っ先が浅かったんで大丈夫です。】
ー文字が書けるライトで言葉を編んだー
『それなら良いんですけど…。』
【…(≧▽≦)…。】
『あなた、本当に顔文字好きですね。』
【…(人*´∀`)。*゚+‹言葉が出ない私にとって顔文字は必要な物ですから。】
『なるほど。』
ーそんな事を言いながら二人を乘せた車はホテルがある道を走って行ったー
[END]
[newpage]
[chapter:アイスモナカ]
🍪基本の味🍪
・オリ設定
・キャラ崩壊
・口調迷子
ー隠し味ー
・ヒヨコが好きに味付け
・【苺のアイス】ネタを少しだけ含みますので夜ノ図書館で先に食べていただけると分かるかも。
・皆実さんが黒いベール付けてる。
※少し(かなり?)口が悪くなってる
今回は掠れた声で護道と喋る様です
☂黒い雨→ヒドイ言葉
ーそれではどうぞー
[newpage]
[chapter:鈴は低く鳴る]
あれから少し経った日の事、私がやらかした報告書(始末書)を護道さんが書いていた時またあの女がやってきた。
女は嬉しげに〘〇〇の娘〙と書かれたネームプレートを護道さんに見せた。
そのネームプレートを見た護道さんが小さく『あの無能の娘だったかぁ…。』と呟いた。
私は護道さんの手の甲に“詳細をお願いします。”と書いた。
護道さんは私の手の甲に詳細を書き始めた。
〚❝父親は傲慢な性格でパワハラが三度の飯より好きな人です。
それで居て俺より立場が上です。
娘…今、俺の目の前に居る奴の不祥事を揉み消していると言う噂があるらしいですが本当かどうかは定かではありません。
娘の方は勝手に一目惚れをして〔アタシの彼氏〜〕と言って人の彼氏を取っていく人です。
相手が抗議をしたら〔アタシ、アンタの彼氏に惚れちゃっただもん♥〕と言い、何人も取っている模様です。
もし、あの時皆実さんが来るのが遅かったら…。
しかも父親の権力を傘にやりたい放題をしているので厄介です❞〙
サラサラッと手の甲に二人の詳細を教えてくれた。
私も護道さんの手の甲に〘‹ありがとうございます。›〙と書いた。
〔本日はぁ〜よろしくお願いしますぅ〜♥〕
甘ったるい声がその場に響く。
『よろしくお願いします。』
護道さんは軽めに挨拶をした。
私は喋れないからペコリと会釈をした。
女は熱い視線を護道さんに注ぐ。
〔護道さん〜♥〕
(目が見えていたなら、締め上げたい…。)
そう思える程に熱い視線と声だった。
護道さんが女を案内しようと立ち上がり、私がいつも掴んでいる腕では無い方を差し出した時、両腕をグイッと引いたのだ。
いつも掴んでいる腕も引っ張られたので、私は尻餅を付いた。
【…っ…!】
『皆実さん!』
護道さんが急いで私に手を差し伸べてくれた。
私が差し伸べられた手を掴もうとした時〔あーん、その手もアタシの!〕と言い、その手すら掴んだのだ。
『離せ、この!!』
護道さんが女の手を振り払い私を起こしてくれた。
その光景が面白くなかった女がわざとらしい泣き真似を始めた。
〔えーん、えーん〜〕
その声が聞こえた途端、何処からか〈護道くーん!!〉と走ってくる音と声がした。
〈オレの娘になにしてるんだー!!〉
ドアが乱暴に開けて入って来たのがこの女の父親だった。
護道さんがサラッと私の手の甲に状況を書いてくれた。
〘❝あれがあの女の父親の●●です。❞〙
サラッと状況を書いた後、護道さんは私の手の甲を撫で、引っ込めた。
娘は泣き真似をしつつ、言った。
〔アタシの護道さんの手をぉ、コイツが握ったのぉ〜。
“グスンッ”
それでねぇ〜。〕
女は有りもしない事を言う。
その度に父親の顔が赤くなる。
〈なんだとぉ、この…!!〉
父親の手が私を掴もうとした瞬間、護道さんがそれを止めた。
『今日一日、娘さんの側に居ます。
それで良いでしょ?
ただし…。』
今度は私の手の平に文字を書き始めた。
〘❝今から黒い雨を降らせます、ごめんなさい❞〙
『この人は視覚ショウガイ者です、私が居ないと動く事があまり出来ません。
なので、この人も一緒です。』
一瞬だけ父親が何か言おうとしたが女が〘お荷物が居たとしてもアタシの想いは変わらないから良いわ!〙と私の方を睨み付けながら言った。
その言葉を聞いた父親は〈お前がそれで良いのなら…。〉と承諾し、出口へと向かった。
が、去り際に私の方に歩いて小声で言った。
〈このお荷物が…!!〉
私はすかさず小声で返した。
【どっちがお荷物なんでしょうね?
この無能。】
その声を聞いた父親が驚いた表情をしたが舌打ちをし、帰って行った。
(あとで父親は締めるとして…。)
私はベール越しに女を見る。
女はキャッキャッと嬉しそうに護道さんの腕に自分の絡めた。
([[rb:この女 > コイツ]]は締めないと…。)
〘それじゃ行きましょう〜♥
お荷物、仕方無いから着いて来て良いわよ。
ただし、隅っこね。
本当なら、隅っこも譲りたくないんだから。
感謝なさい。〙
女は護道さんが気付く前に私を隅っこに追いやった。
護道さんがそれに気付き、手を伸ばそうとしたがガッチリとホールドされてて届かなかった。
(仕方無い…。)
私は掴める場所、護道さんの服の裾を掴んだ。
[newpage]
隣では〘護道さん〜♥〙と甘ったるい声が耳に届く。
護道さんはそんな私を気に掛ける様な視線を送り、女が離れた隙を狙って『大丈夫ですか?』と声を掛けてくれた。
私は掠れた声で言う。
【“ええ…。もう少しだけ待っててください。
必ず締めますから。”】
と言いながらそっと護道さんの頬を撫でた。
『皆実さん…。』
【“…来ましたよ…。”】
最後に彼の頭を軽く撫で、また無口な人形になり服の裾を掴んだ。
(お荷物と言われるよりは人形と自分で言っている方が幾分かは楽だから…。)
戻って来た女が服の裾を掴む私を見て言った。
〘ふふっ、お荷物はお荷物らしく隅っこが似合うのよぉ〜〙
なんて言いながら護道さんの手を握ったのを裾越しに感じた。
(撃っても良い…?)
甘ったるい声が耳に届く度にその考えが生まれた。
(まだだ、コイツと二人きりになるまで耐えないと…。)
甘ったるい声に頭がクラクラしかけた時、遠くで護道さんを呼ぶ声が聞こえた。
『ちょっと失礼、此方でお待ち下さい。』
護道さんは私達を全方向から死角となる部屋に入れ用事を済ませに行った。
彼が居なくなった後、あんまに甘ったるい声と態度をしていた女が豹変した。
〘ねぇ、お荷物www〙
一歩、女が近付く。
〘あんたさぁ、喋れなくて目も見えないなんて終わってるよねwww〙
また一歩、女が私の方向に近付いて来る。
私は女が喜ぶであろう弱々しい態度を取りながら窓際に下がる。
〘護道さんもかわいそう、こんなお荷物の相手なんてw〙
“ガシッ”
女が私の首を掴んだ。
【…っ…】
〘このまま殺しちゃえばあの人はアタシのになるし[[rb:お荷物 > アンタ]]からも開放される。〙
女は舌なめずりをしながらゆっくりと私の首を絞め始めた。
【…っぐ…!!】
〘アンタの事を好きになる奴なんて居ねぇんだよw!!
この可愛いアタシがアンタの護道、奪ってやんよ。
有り難いと思え!!〙
“ガシッ”
“ドスッ”
〘えっ…!?〙
女の手首を掴み、足で腹に一発蹴りをプレゼントした。
スルリと女の手が私の首から離れた。
【(ゲホッ)
誰が可愛いんですか…?
私の目の前に居るのはドブスしか居ませんよ?
自分の事を“可愛い”と言って人の彼氏を取る奴の何処が可愛いんです?
ねぇ、教えろこのドブス。】
咳き込む女の隣にしゃがみ込み、私は言葉を紡ぐ。
【あれ、喋れないんですか?
さっきまで私の事〘お荷物〙って言ってましたよね?】
(加減して蹴ったから内臓とか無事…だよな?)
ゲホゲホと女の口からは咳き込む音と〘アンタ、喋れなかったんじゃ…?〙と驚きの声が同時に出た。
【本当は喋れますよ。
ですが、この声が嫌いで口を閉ざしていただけです。】
私はまだ喋りたい様子を出す女を無視して言葉を続ける。
【んで、さっきの答えなんですけど教えて頂けますか?
護道さんが欲しいからと言って私を殺そうとした殺人未遂女…いいえ、ドブス。】
女が言うところの“私は可愛い”という心をへし折る事にした。
〘ドブス、ドブス煩い!!
アタシは可愛いのよ!!〙
それから女はいかに自分が可愛いかを力説し始めた。
〘どうよ、目の見えないアンタじゃ無理な話よねwww!!〙
女はケラケラと笑う。
【満足しました?】
ケラケラ声に水を差す様に鈴を落とした。
【いかに自分が可愛かろうと人の彼氏を取る。
先程みたいに人を見下し❝誰もアンタなんか好きになる奴なんて居ねぇよ!!❞と勝手に決め付ける人なんか可愛くないです。】
その言葉を聞いた女が発狂した。
〘アタシは可愛いのよ、アタシは世界で一番ー!!〙
“ジャキッ”
私は隠している銃に手を掛け、女に向けた。
【うるさい。】
そう一言、零した。
女は〘ひっ…。〙と声を上げ黙った。
【取り引きしませんか?
応じてくれれば今回の事は黙ります。
でも、応じなかったり、また護道さん…いえ、心太郎に近付こうとしたら…。】
銃の照準を女の目の所に当てる。
【“暗闇に落としてやる”】
耳元で囁くと女は笑顔で言った。
〘そんな脅し、効かないわ。
やったとしても治してやる!〙とまたケラケラと笑い出した。
私もニッコリと笑い返した。
【お前が目を治したら見つけ出してその目を潰すという楽しみが出来ました♪】
〘くっ、狂ってるわよアンタ…!!〙
【今までが運良かっただけですよ。
世の中、色々な人が居ますから。
で、取り引きしますか?】
逃げようとする女の服を掴み、もう一度問う。
【どうします?
自称:美人さん。】
〘チッ、応じるわよ…。
教えなさい、その取り引き内容を。
(あとでパパに言って…。)〙
女は小声で〘パパに言ってアンタなんか…。〙とブツブツ言ってるのが聞こえたが今は無視をし、取り引きの内容を伝えた。
内容はこう。
〚・今日が終わる迄は護道さんの隣及び、彼を譲る・〛
〚・次は護道さんに近付かない(姿を見せない)・〛
この二つだ。
女が頷いた時、護道さんが戻って来た。
『すみません、長引きました…。
って、なんか二人共仲良くなっていませんか?』
ー護道の目に映ったのは仲良く手を繫いでいる二人の姿だったー
〘そうなんです〜私達、仲良くなっちゃって♥〙
【“ねぇ〜”】
(余計な事言ったら潰すぞ。)
〘(黙れ、お荷物。)〙
ー口では穏やかな言葉を言うが互いの手は爪が刺さるのでは?と思う程に強く握り合っていたー
〘ねぇ護道さん〜早く案内の続きして♥終わっちゃう!〙
再び甘ったるい声と仕草をしながら女は護道さんの腕に自分の腕を絡め始めた。
私は護道さんの服の裾を掴み、そのまま動かない様にした。
『何があったんだ…?』
首を傾げつつも護道さんは案内を再開した。
[newpage]
そんなこんなんで一日が終わった。
女は〘バイバイ、愛しのダーリン♥〙と言い手を振り、帰って行った。
(愛しのダーリン?
よし、あとで潰そう。)
一度は和らいだ感情が再び目を覚ました。
そんな私を見た護道さんが『皆実さん』と声を掛けた。
『あんな奴、潰す価値も無いです。
そんな事をしたら皆実さんが穢れます。』
護道さんは私を抱き締めた。
【“護道さん…。”】
私はそっと抱き締め返し、また彼の頬を撫でた。
【“誰も居ませんよね?今。”】
『ええ、遠くに居るぐらいです。』
【“そうですか…。”】
“グイッ”
『おわっ!』
護道さんの顔を自分の方に寄せ、ずっと撫でていた頬にキスをした。
頬にキスが終わった後、もう一つやる事を思い出した。
【“護道さん、少し舌を出して貰って良いですか?”】
『はい。』
ー護道は頭に«?»を浮かべつつも少し舌を出した。
皆実はその舌に自分の舌を絡めたー
『ちょっ…んんっ…。』
【“…っは…。”】
ー逃げる護道の舌を皆実の舌が舐める。
舌を舐めるだけだと言われてもこれが皆実にとってキスだった。
しばらくキスをした後、二人は口を離したー
『皆実さん…あんたの舌、小さいんですね。』
【“ふふっ…舐めやすい舌でしょ?”】
ー皆実がクスッと笑った。
護道もそれに釣られ、笑うー
【“さっ、帰りましょう。
お腹、空きました。”】
『はい。』
護道さんがベールを掛けてくれ、いつもの定置に私の腕を置かせてくれた。
車での距離が今の私には遠く感じる。
歩けば歩く程に“ウトウト”がこの身を包み込んだ。
『車まであと少しです。』
護道さんの声が更にウトウトさせ、眠気に誘う。
【…“はい”…。】
頷きつつ、意識は別の方に行った。
(どうか、この首絞め跡に気付きません様に…。)
“逆上した女に首を絞められた”
なんて言える訳が無いから心の中で祈った。
そして意識が飛ぶ前に車に着き、ドアを開けてくれた。
車に乗り席に座った瞬間、抑えていた眠気が一気に襲って来た。
【“ホテルに着いたら起こして下さい…。
慣れない事をしたので、眠く…。”】
ーそれだけ言うと皆実は意識を飛ばしたー
『おやすみなさい、皆実さん…。
ん…?』
ー護道がシートベルトを締めようとした時、皆実の首に絞められた痕を見つけた。
手形の主を護道は知っているー
(あの女か…。)
『…皆実さんの首にこんなの要らない。』
ーそっと首絞め痕を撫で、薬箱から包帯を取り出した。
皆実を起こさない様に慎重に包帯を巻いていくー
『これで良し…。』
ー包帯をリボン結びにし、自分も車に乗り込み車を走らせた。
護道の目に灯るは怒り。
それと同時に皆実へは愛を灯す。
皆実の寝息に合わせて包帯が上下するのをバックミラー越しに護道は見つめた。
ふと、車外を見ると星が光っていたー
《END》
[chapter:ひとくちクッキー]
翌朝、テレビの音を聞いていると《速報!》と言うアナウンサーの声が耳に飛び込んで来た。
《速報です、長い間不正を隠していたー》
【捕まったんですね、あの二人。】
ニュースの内容は護道さんが言っていた無能の父親と娘が逮捕されたという物だった。
ふと、首を触ると絞め跡の感触が指にくっついた。
【護道さんにどうか気付かれません様に…。
(しばらくは包帯かな…。)】
支度をしながら小さく願う。
首に包帯を巻いて彼が来るのを待つ。
(もしも、気付かれたなら…その時は…。)
【チョーカーでも…。】
なんて、ね。
{END}
[newpage]
[chapter:マカロン]
基本の味
🍪キャラ崩壊
🍪オリ設定
🍪口調迷子
【隠し味】
🍎ヒヨコが好きに味付け。
🍎夜ノ図書館と食堂版の設定をちょこっと持ってきました。
※皆実:少しだけ背が低く、黒いスカートを着てる。
🌕自分の鈴のような声が嫌いで護道が居る時はその口を閉ざしている。
※今回は掠れた声だけど喋ってる。
🍎書きたいところのみを書いています。
m(_ _)m‹本当に浮かんだ花しか咲いてませんが、それでも良ければどうぞ。
[newpage]
[chapter:皆実さんがモブ子
(護道さんより立場が上の無能の娘を締め上げる場面にて)]
女は咳き込みながら私を見上げる。
ゲホゲホと咽ながら女は問う。
〘アンタ、喋れなかったんじゃないの?〙
私は女の隣に座り込み、口を開いた。
【この声が嫌いで口を閉ざしていただけで喋れますよ。】
白杖を撫でながら私は答えを返した。
【貴方みたいなのに聞かせるのが惜しい美声でしょ?】
❝美❞と聞いた途端〘アタシが美しいのよー!!〙と言い、襲い掛かろうとしたので思い切り白杖でどつく。
〘ぐぇっ!!〙
どつかれた拍子に女が見事にその場にすっ転んだ。
〘なにずんのよ…!!〙
女が起きようとしたのでまた白杖でどつく。
〘ぎぇっ!!〙
潰れた蛙の様な声を上げ、その場に倒れ込む。
〘おぎれないー!!〙
女がギャーギャー喚く。
【これぐらいで喚くな。
貴方からしたらただの棒ですよ。】
女に突き飛ばされた私が起きようとした際、女は持っていた傘で私を何度でも小突いた。
護道さんが止めても止めはせず彼に言ったのだ。
〘人殺しの子は黙ってて!
あんたの行動一つで護道家がどうなっても知らないわよ。〙と。
それを言われてしまえば護道さんの動きは止まってしまう。
救護の動きが止まったのを良い事に傘で私を小突きまくったのだ。
目が見えずとも覚えている。
だからコレはその仕返しだ。
【無能の子は黙っててください。
私の一言で貴方のお父様の立場がどうなると思います?】
どつかれながら女が〘もうやめてぇ…!!〙と泣いていたが、私は言った。
【私が嫌がっても小突くの止めなかったじゃないですか。
なんで自分だけが止めて貰えると思ってるんですか?】
あとで白杖に謝らないと…“こんな事に使ってごめんね”と。
〘アダジは偉くて美しいのよ!!
だがら、アンダみだいなのをいじめでもいいのよ!!〙
白杖でどつかれながらも女は持論を展開した。
身勝手で吐き気がする持論を。
【偉いのは貴方のお父様で貴方自体は偉くありません。
あと、その持論で言ったら“私みたいなのが貴方みたいな頭がぶっ壊れた人”をこうやってどついても良い。ってことになりますよね?
だって、私“偉くて可愛い”ので🖤】
女が散々使っていたハートを使った。
そしてまた白杖で女をどついた。
〘ぐぇ…悪がっだ、ゆるじでぇ!!〙
咳き込みながら女が許しを乞う。
【私の気が済む迄、付き合って貰いますよ。
貴方も私に言ったじゃないですか。
〘アタシの気が済むまで小突いてあげる。
誰もアンタを助ける人は居ないわよ♪
あんたの頼みの人も動けない♡〙って。
だから、私もお返しします。
“私の気が済む迄白杖でどついてあげます。
此処は全部の角度から死角なので誰も貴方を助ける人は来ません♪
頼みのお父様も居ません🖤”】
それから私は白杖でどつきまくった。
殺したら大変なので加減はした。
気が済んだ頃には女の体は白杖の跡まみれになっていた。
【あっ、これもお返しです。】
〘えっ…?〙
❝ガシッ❞
【安心してください。
殺しはしませんから。】
女の首に私と同じ絞め痕を作っていく。
〘グギギッ…!!〙
クッキリと絞め痕が出来たのを確認した私は手を離した。
〘かはっ…。
アンダなにじでぐれでんのよ、アダジの美じい首に…!!〙
息を吸いながら女は睨むが目の見えない私には無意味だ。
【私を殺そうとしたんですから、これぐらいで済んで感謝してほしいぐらいです。
そうそう…ご自慢のお父様に言おうとか考えているのかもしれませんが、私の方が貴方のお父様よりずーっと立場が上なのをお忘れなく。
あと[[rb:貴方 > むすめ]]を締め上げたのに父親を締め上げないのは不平等ですよね。】
私の声が聞こえた女が叫ぶ様になにかを言っているが、首の絞め跡をどうしようかと考えている私の耳には届かない。
〘アンタなんかー!!〙
女が起きようとした気配を感じたので、白杖で手をどついた。
どついた際、女の指が一本折れた様な気がしたけど気のせいか…。
さて、護道さんが来るまでにこの首の絞め痕を隠さないと…。
〈END〉
[newpage]
[chapter:キスした後の話]
(皆実さんの舌、小さかったな…。
って、何考えてるんだ俺!?)
ー護道は頭をブンブンと振り、小さく叫ぶー
『よくあんな小さな舌で俺の舌を追えたな…。』
ーその声と心の中のツッコミが聞こえたのか意識を飛ばしかけた皆実がベール越しに護道を見て言ったー
【“護道さんは私とああいうことをするのは嫌いでしたか?”】
『うわっ、今まで黙ってたのに急に喋らないでください…。って、もしかして聞こえてました?』
ーコクッと皆実は頷いたー
『嫌だというか、驚いただけです。
いつも車の中でするので。』
【“そうですか…たまには外でしてみたかったんです…。”】
−返事とキスした理由の答えを返すその声は、今にも寝そうな雰囲気を纏った声だった−
『寝るなら車の中で寝ましょう。
風邪引きますよ。』
【…(コクッ)…。】
ー皆実は頷くが船を漕ぎ出した。
その様子を見た護道は“急いで運ばないと寝出す…!!”
と察知し、皆実に言ったー
『皆実さん、失礼します。』
【…?…】
ー護道は皆実を担ぎ、ダッシュで車に向かった。
振動に揺られながら皆実の目は閉じかけていたー
『皆実さーん、起きてくださーい!!
起きないとキスしますよー!!』
ーダッシュしながら護道は言った。
その言葉を聞いた皆実がムクリと起き、聞こえるが掠れた声で言ったー
【“起きますから、キスはさせてください。”】
『あんた、どういうワードで起きたんだ!?』
【“護道さんが私にキスをする…で起きました。
キスをするのは私ですので。”】
『…車の中かホテルでお願いします。
公の場じゃ恥ずかしいので。』
【“OK、シンディー。”】
『それ、やめろって言いましたよね!?
落っことしますよ!?』
【“落っことしたら、護道さんの舌を噛み切ります。
もしくは公の場でキスします。”】
『なんか今サラッと怖い事言いませんでした!?』
【“気のせいじゃないですか?”】
ー薄っすらと出始めた星がそんな賑やかな二人を見ていたー
《END》
[newpage]
[chapter:皆実の首の絞め痕を見た後の話]
※皆実さん、車に乗った時点で意識をふっ飛ばした模様。
『…。』
ー護道は皆実を起こさない様にそっと首の締め跡を撫でた
月明かりに照らされたソレは痛々しく、スヤスヤと眠る皆実に似つかわしく無い痣が首に咲いていたー
『…包帯巻いとくか。』
ーその痣を見たくなかった護道は備え付けの薬箱から包帯を取り出した。
『あとで補充すれば良い…。』と言い、ゆっくり巻いた。
痣が白い線で隠れていくー
『…あの時、動けなくなってしまい申し訳ありませんでした。』
ー傘で小突かれる皆実を助けようとした時に“人殺しの子”と言われた時、護道は氷漬けにされたかの様に動けなくなってしまった。
それが原因で皆道を助けれなかったのを謝ったー
『…ごめんなさい、皆実さん…ごめんなさい…。
これじゃバディ失格ですよね…っ。』
ー護道は皆実の首に包帯を巻きながらボロボロと涙を流した。
すると掠れた声が聞こえて来たー
【“謝らないで…悪いのはあの女ですから…。
護道さん、何度も助けようとしてくれたじゃないですか…。
だから、良いんです…娘は締め上げましたから…。
私のバディはアナタ以外居ませんので、泣かないでください…。”】
ー皆実は泣いている護道を撫でたー
『…!』
ーバッと皆実の方を見ると寝ていた。
ベールを寝息がヒラヒラと飛ばすー
(寝てる…)
『ってことはさっきのは寝言?』
ー包帯を巻き終えた護道は皆実に自分のコートを掛け、シートベルトを締めたー
『皆実さんが此処までやってくれたんだ…応えないと。』
ーもうやる事は決まっている。
皆実をホテルに送ったらやる。
護道の目に灯るは皆実の首に締め跡を付けた女への怒り、助けれなかった自分への怒りだった。
それと同時に皆実へは愛を灯していたー
『…待っててください、残りは俺がやりますから。』
ーその声を聞いた皆実が答える事は今はない。
車内は寝息と男の決意の声で満ちていたー
ー「END」ー
[newpage]
[chapter:(おまけ)
寝てる人を起こすのは一苦労]
ーホテルに着いたので護道は皆実を起こす為、車のドアを開けたー
『皆実さん、着きましたよ。』
【…。】
ー護道の声に反応する事無く寝息のみが帰って来たー
『皆実さん、起きて下さい…。』
ー護道は皆実を揺さぶってみた。
が、起きずに寝返りのみが帰って来たー
【…うー】
ーそれと唸り声ー
『駄目だ…完全に寝てる…。』
ー護道はどうしたものかと考えたが、良い考えが浮ばす頭を掻いたー
『駄目だ…良い考えが浮かばん…。』
ー護道は今日の皆実と話していた事を思い出す事にしたー
ーーーーーーーー
【“護道さん。”】
ー現場に向かう車の中で掠れた声の花が咲いた。
護道は『どうしました?』と返事を返したー
【“今日の朝ご飯の話、聞いてくれませんか?”】
『良いですよ。』
ー護道の承諾が来たのと同時に皆実は今日食べた朝御飯の話をし始めた。
食事の話に興味が無い。
が、どうしても皆実が語る話だけは聞きたくなる。
掠れた声の花が車内を転がった。
ふと、護道は話の続きを促したくなり促す事にしたー
『お気に入りのモノとかありましたか?』
【“お気に入り?
それならウィンナーですかね。
パリパリで…”】
ー花が再び咲いた。
コロコロと掠れた声の花が転がり出す。
声の中に“お気に入り”の色が浮かんでいた。
現場に着くまでその声は転がっていたー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(目、キラキラさせて話してた時の皆実さん可愛かったな…。)
『あっ…。』
ー護道の頭の中に小さな解決策が生まれたー
(これなら起きるかも!)
ー護道は寝ている皆実に近付き、耳元でそっと囁いたー
『起きないと朝御飯に食べたっていうウィンナー、食べちゃいますよ?』
ーもぞっと上着が動いた。
【うー】
唸り声が聞こえたー
(おっ、起きるか?)
『良いんですか?
起きないと俺と難波さんとで食べちゃいますよ。』
ーそれを聞いた皆実が動いた…かの様に思えたが、寝返りを打っただけだった。
唸り声も寝る位置がズレたことによる威嚇だったらしいー
(駄目かー!!)
『仕方ない…。』
(強制的に起こすか…。
じゃないと俺の晩飯食う時間が無くなる!!
空腹でこの人の相手なんて出来る訳が無い。)
ー護道は皆実に掛けていたコートを剥がしに掛かった。
“寒くなれば起きるだろう”戦法だー
『いっ、せのーせ。』
❝ガブッ❞
『イデデ!!』
ー護道は何が起きたか分からず一瞬フリーズしたー
(何が起きたんだ…!?)
『…皆実さん、寝てるしなぁ…。』
ーボソッと呟き、護道はまたコートに手を掛けたー
“ガブッ”
『いって…って、皆実さん!?』
ー護道の手を齧っていた犯人は皆実だった。
コートを剥がそうとする度に噛み付いていたのだー
『皆実さん、さっきから齧っているのは俺の手です。
食べても美味しくないですよ。』
ーその声が届いたのか今にも齧りそうな体制を取っていたが大人しく席に沈んだ。
が、隙あらば齧ろうという姿勢を取っていたので齧られそうになる度に護道は言ったー
『食べるならご飯を食べてください。
俺の手は食べても美味しくないですよ、硬いですし。』
(声は届いてるみたいだな…。
なら、このまま一気に剥がす!!)
❝ガリッ!!❞
『いったぁ…あっ!!』
ー何度も手を齧られながらもその痛みに耐え、ようやく剥がせたコートがまた皆実の上に掛かってしまったー
❝シュバッ❞
【…。】
ー素早くコートに包まった皆実の寝息が護道の耳に再び届き始めたー
(はやっ…!!
もう、包まって寝出した…。)
『こうなったら、最終手段に出るか。』
ー護道は周りに人が居ないかを確認し始めた。
これからやる事に人が居ては不利だからだー
『…誰も居ないな。』
ー誰も居ないのを確認した護道は眠る皆実の顔に掛かっているベールを取った。
スヤスヤと眠る皆実の口からは舌が少しだけ出ていたー
『…舌、出てますよ。』
ー護道は皆実の小さな舌をペロッと舐めた。
次第に小さな舌と自分の舌を絡め、キスをしたー
【…んんっ…。】
『おひらいとこのまま続けまひゅよ…。』
ー護道は舌を絡めつつも要件を伝えた。
皆実の口の端から雫が零れ落ちたー
❝カプッ❞
ー皆実の唇が二人の舌を分けた。
皆実の潤んだ夜色の目が護道を見るー
『起きましたね、おはようございます…。』
ー二人の間にツーッと銀の糸が流れる。
護道は自分の舌を仕舞い、皆実の口の端の糸を拭いたー
【…。】
ー皆実も舌を仕舞った。
まだ寝惚けているが反応はあるらしく、ほんのりと赤く色付いた顔をしていたー
『起きないのが悪いんですからね。』
ー赤ら顔の皆実を見ながら護道は声でサラリと言い、いつもの腕の定位置を作った。
皆実はただ黙ってその定位置を掴み、ホテルへと帰って行ったー
{END}
[newpage]
[chapter:金平糖]
📕基本の味☕
・口調迷子
・キャラ崩壊
・オリ設定
🪼隠し味🐟
・ヒヨコが好きに味付け
✎本日の皆実さんの軽めの情報
・ギザ歯。
・人形(ぬいぐるみも込み)が好きで首掛け鞄に入れてる。
・護道が居ない時は部屋で大人しく待っている。
《それではどうぞ》
[newpage]
[chapter:私のお人形に触らないで]
※お人形→護道さん
今日も支度を済ませて護道さんが来るのを待つ。
大人しく待っていれば褒めてくれるから。
【…早く来ないかな…。】
なんて言いながら待っていると“ピンポーン”とインターホンが鳴った。
『お迎えに上がりました。
入っても良いですか?』
【どうぞ。】
❝ガチャッ❞
『失礼します。』
護道さんはペコリとお辞儀をすると部屋に入って来た。
今日の予定を話した後、いつもの声がやって来た。
『大人しく待っていましたか?』
護道さんの問いに私は答える。
【はい、大人しく待っていました。】
そう答えれば『良い子ですね。』と声がした。
❝ぽむぽむ❞
彼の手が私の頭を優しく撫でてくれる。
ああ、待っていた甲斐がある。
頭を撫でながら護道さんは言った。
『ほんと、これ好きですよね。』
【落ち着くんですよね、これ…。】
『俺の手、硬くてガサガサなのに?』
【貴方の手、落ち着くので好きですよ。】
『なら、良いんですけど…。』
【♪】
こんな会話をするのも好きな時間だ。
撫でられていると手がフッと離れてしまった。
『一旦、撫でるのやめますね。
言い忘れてた事を思い出したので。』
離れた手が手帳に向かう音が聞こえた。
❝パラッ❞
手帳を開く音が聞こえた。
『言い忘れ…言い忘れ…。
って、そんな顔しなくてもまた撫でますから待っててください。』
どんな顔に見えたか分かないが、寂しげな顔をしているのだろう。とは予測が付いた。
【そんな顔、してました?】
『ええ。
“もっと、撫でて…”って子犬みたいな顔です。
おっと、予定が押しますので行きますよ。』
いつもの定位置を作り、そこに私が腕を通す。
そして、車に乗った。
«車の中»
席に座った後、隣にもふもふしたモノがあるのを指先で感じた。
【…?…。】
触れれば触れる程、もふもふだった。
(なんだろ、これ…?)
もふもふに触っていると護道さんの声が転がって来た。
『ぬいぐるみ屋で買ったクマのぬいぐるみです。
俺はぬいぐるみなんて興味無いのであげます。』
❝ピリッ❞
ラッピングを剥ぐ音が車内に響く。
隠れていたもふもふが指先を擽る。
【良いんですか?
こんなもふもふ…。】
ラッピングを剥ぎながら言葉が転がって来た。
『皆実さんの鞄に入っているクタクタのぬいぐるみを見るよりマシです。
ラッピング取れましたので、もふもふ出来ますよ。
現場に着くまでぎゅっとしてくださいね。』
そう言い、私に渡してくれた。
【…Thanks.Cindy…。】
ぎゅっと貰ったぬいぐるみを抱き締めた。
『you're welcome.』
アイカメラでコッソリと見た彼の顔が赤かったのは気のせいだろうか?
«ホテルへの帰り道»
【護道さん…。】
『なんでしょうか?』
【本当はあの子、高かったんじゃないですか…?】
こっそりと落ちて来たレシートの値段を見てしまった。
貰った子は少し高めの子だった。
『クタクタのぬいぐるみの綿の掃除が面倒なので買っただけです。
人形に興味が無い俺が持つより皆実さんが持っている方がそのぬいぐるみも喜ぶでしょ。
それに…。』
【それに?】
『寂しく無いでしょ。』
【…大事にしますね…。】
クマのぬいぐるみをまたぎゅっと抱き締めた。
こうして一日が終わった。
お部屋に入る前、また頭を撫でてくれた。
[newpage]
次の日も支度を済ませて待つ。
クタクタなあの子は抱き締めて遊んでいたらバラバラになってしまったので捨てた。
【…お気に入りだったのに…。】
そう呟き、護道さんから貰った子を抱き締めて待っていた。
❝ピンポーン❞
『入っても良いですか?』
今日も待っていた声が聞こえて来た。
【どうぞ。】
私の声が聞こえたのと同時にドアが開かれ、護道さんがやって来た。
今日もあの質問かと思い、待ってたら『帰りに撫でますので、始末書祭に付き合って下さい。』と言われ、手を引かれ連れて行かれた。
−“始末書祭”とは全部署の始末書が大机に大集合している状態の事を現す言葉である。
各部署で対応しようにもしきれないので他部署も入り乱れて処理が行われる。
その様子が祭の様に見えることから“始末書祭”という名前が付いたー
揺れる車の中で私は彼に問う。
【その始末書祭?
で、私は何をすれば?】
『俺の隣に居てくれれば良いです。
っと、急がないと始まる!!』
スピード違反にならない程度の速度で車を走らせ、祭り会場と化した本庁に着いた。
[始末書祭会場]
中は熱気とパソコンの音で充満していた。
護道さんは私の手を引き、自分の席に向かった。
『…皆実さんは俺の隣の席に座ってて下さい。』
私は言われるがままその席に座った。
護道さんは私が座ったのを確認すると大量に置かれた始末書の処理に意識を泳がせに行った。
【…。】
(隣に居てくれ。と言われたけど、これは帰った方が良い気がする…。
うん、邪魔になるよりは良い。)
隣に気配を巡らすと護道さんはパソコンに集中している音が聞こえる。
(今だ…。)
そっと動こうとした時だった、私のもう一つの隣の席で作業をしていた泉さんにパソコンを見ながら護道さんが声を掛けた。
『泉、皆実さんを捕獲しといてくれ…。
勝手に動かれて怪我でもされたら堪らん。』
片手で手錠を投げた。
〔了解です。〕
飛んで来た手錠を受け取った泉さんが私に言った。
〔ごめんなさい…。
トイレに行きたい時は声を掛けて下さい。〕
と言い、手錠を私の手に掛けた。
残りの片方は護道さんの椅子の脚に掛けた。
〔鍵、俺が持ってますので。〕
『了解。』
短い言葉が転がり、二人はパソコンの世界に向かった。
(やれやれ…。
大人しく、ここで居るしかないか。)
逃げる意志を捨て、護道と泉さんに挟まれたこの席で過ごす事にした。
各所で《終わらねぇー!!!》と雄叫びが舞う。
それは護道さんも同じだったらしく、始末書の内容を見ながら叫ぶ。
『誰だ、犯人に冷凍マグロをぶん投げた奴!!
マグロが勿体ないだろうがー!!』
と吠え、雄叫び集団への仲間入りを果たした。
(冷凍マグロ…!?)
吠えられた内容を聞き、プッと吹き掛けたが堪えた。
笑ったら一斉に猛者と化した視線がコチラに向くだろうから。
雄叫びを聞いていると面白い話が聞こえて来る。
❝犯人に錦鯉をぶん投げてトラウマを与えた。❞
❝手錠が無いからとSMプレイで使う手錠を掛け、捕まえた。❞
❝犯人に布団(かび臭い)を投げた。❞
など、面白い話が飛び交う。
中でも一番、笑いかけたのが❝ニ〜三日ほっといた納豆を使い、自白させた❞という話だ。
【…。】
(どうやって、そこまでほっといたんだろう…。
というか、よく冷蔵庫無事でしたね…。)
じんわりと笑いが零れかけたがキュッと唇を結び、祭りが終わるのを待った。
祭りは〔これでラストー!!〕という勇者の雄叫と共に幕を閉じた。
『終わっだ…。』
〔ゔん…。〕
両隣から濁音が転がってきた。
二人も始末書祭りが終わったらしい。
【お疲れ様です…。】
二人の勇者に労りの言葉を言ったが、今度は私の祭りが始まりな予感がした。
面白い話が飛び交い過ぎてトイレに行くという行為を忘れ、ずっと聞いていたのだ。
お疲れの勇者達には悪いが私の祭りが始まるのを阻止する手伝いをして貰わなくては…。
【お疲れ様の所、申し訳無いのですが手錠外して頂いてよろしいでしょうか?】
〔ゔー。〕
“ガタッ”
勇者から屍と化した泉さんは一唸りして私の手に掛けている手錠を外した。
〔やっど、おわばっだぁ…。〕
『ぞれな…。』
屍と化した二人が呻く。
〔ドイレ、着いて行きまじょうが?〕
【いいえ…。
白杖と壁伝いに行きますから、二人は休んでいてください。】
〔ずみばぜん…。〕
『ゔー。』
“バタッ”
それぞれ言葉を言った後、その場に突っ伏した。
白杖を使い、出口に向かっている時だった…。
“ゾクッ”
【…?…。】
得体の知れない寒気を感じた。
(…なんだ…?)
感じたその寒気は一瞬にして消えた。
(気のせい…?)
って、急がないと漏れちゃう!!)
壁伝いにトイレに向かう道を急いでいるとその場に居た人達がトイレに向かう道の案内をしてくれた。
そのお陰でなんとかトイレに行けた。
トイレが終わった後、手伝ってくれた人達にお礼を言いながら会場に戻った。
二人が居る場所に戻ると未だに二人が突っ伏していた。
先程も聞いた呻き声が聞こえた。
〔誰だぁ〜マンボウで自白取った人〜。〕
『犯人を亀甲縛りにした奴、出て来い〜。』
…独特な呻き声を上げていた。
【…どうやって、マンボウで自白を取ったんですかね…。】
ポツリと言った言葉が聞こえたらしく、目が見えていたら凄い顔になっているであろう二人が顔を上げる音が聞こえた。
〔戻って来たんでずね…。〕
『おがえりなざい…。
祭りに付き合ってくれてありがどうございまじだ…。』
【いえいえ。】
(…疲れが取れるかは分からないけど…。)
二人が撫でやすい位置に屈み、聞いてみた。
【頭、撫でますか?】
少しの時間が過ぎた。
が即刻、『〔撫でます!/撫でさせて下さい!!〕』と返事が来た。
二人の手が私の頭を撫で始める。
撫でられている間、二人のこんな会話が聞こえた。
〔心ちゃん、いつもこんなふわふわな猫ちゃん撫でてるの?〕
(猫!?
私、人間!!)
『そうだ、良いだろ。
いつも俺が綺麗にしてるんだぞ。』
(だから、私は人間!!
お手入れは護道さんにしてもらってるけど…。)
“猫じゃない”と抗議をしたかったが二人の圧が凄いので口を閉ざした。
【…にゃあ…。】
二人の目には猫に見えるらしいので【にゃあ。】と鳴き、猫に徹する事にした。
“ゾクッ”
撫でられて気持ち良くなっていた時、またあの寒気が走った。
今度は“恋”の気配も混ざっている。
(…まただ…。)
彼らに悟られない様に寒気の元を探す。
(…護道さんの後ろ…?)
それ以外、分からなかった。
私が黙ったのを不審に思ったのか頭を撫でる二つの手が止まり、不安そうな声が上がった。
『皆実さん?』
〔なにかありましたか?〕
【なんでも無いですよ。
それより、もう疲れは取れましたか?】
〔はい、幾分かは取れました。〕
『全回復です。
ありがとうございました。』
【それは良かった。】
〔では、戻りますね。〕
泉さんが自分の部署に戻ろうと席を立った時、護道さんが声を掛けた。
『あっ…泉、皆実さんの捕獲、手伝ってくれてありがとな。
今度なんか奢るわ。』
〔やった♪
ありがとう。〕
❝〔またね、心ちゃん♪〕❞
そう言って泉さんは自分の部署に戻って行った。
【そう言えば、護道さん。】
『はい?』
【お手洗いとかは大丈夫ですか?
ずっと座っていたので…。】
『行って来ます。
此処で待ってて下さい。』
【行ってらっしゃい。
待っていますので、ご安心を。】
その言葉を聞いた護道さんは猛ダッシュでトイレへと走って行った。
護道さんが座っていた椅子に腰掛けて待つことにした。
椅子に座って少し経った時にそれは唐突に起きた。
【…なにか嫌な予感がする…。】
心の端に薄いザワザワが生まれた。
でも、気のせいという事も考えて閉じ込める事にした。
暫く待っていると護道さんが帰って来た。
『なんでアンティーク人形なんか、俺に…。』
ぶつくさ言いながら、手にアンティーク人形を持って。
【アンティーク人形?】
『ええ…。
トイレの帰りに。
“護道さんは人形が好きだと伺ったので!!”って、新人の男に渡されまして…。
皆実さん、貰ってくれませんか?』
【良いですよ。
アンティーク人形、丁度欲しかったので。】
私がアンティーク人形を受け取った際、遠くで舌打ちをされた様な気がした。
幸い、護道さんには聞こえていなかった。
『さっ、帰りましょうか。
今日の仕事は終りましたので。』
【はい。
人形、ありがとうございました…。】
(もう、頭を撫でくれないよね…。)
貰ったアンティーク人形を抱き締め、帰り道を歩こうとした時、手が伸びて来て、頭を撫でてくれた。
❝ぽむぽむ❞
『約束、守りましたからね。』
【…はい…!】
(…約束、覚えていてくれた…。)
『ほら、帰りますよ。
人形落とさないでくださいね。』
護道さんは優しく私の腕を引いて会場を後にした。
−その日の護道の隣は幸せそうなオーラに包まれ、鼻歌が漂っていた−
[newpage]
―皆実の部屋ー
【護道さんから貰ったぬいぐるみと人形は大事にしたいのですが、貴女は無理そうですね…。】
アイカメラ越しに見るは破壊用の机に固定したアンティーク人形。
【いっぱい、遊びましょうね。】
人形の目をめがけ錐とトンカチを振り下ろした。
“パキンッ”
良い音が耳に届いた。
【…やっぱり…。】
壊した人形の目から小さいけれど“カメラ”が出て来た。
【…と、なると口や耳にも…。】
錐で抉ると盗聴器が現れた。
【…口は…?】
口の方を切り取る様に抉ると声を発する機械が出て来た。
【壊せる物は壊さないと…。
護道さんに害を成す物は特に。】
バラバラにして、ボンドでくっつけ、壊しての繰り返し。
【…楽しい…♪】
-無邪気な笑いがその場に生まれた。
皆実は人形の形が無くなるまで[[rb:破壊 > あそび]]続けた-
気が付くとボロボロでぐちゃぐちゃな物が目の前にあった。
【捨てないと…護道さんに怒られちゃう。
“大事にするって言いましたよね!?”って…。】
ちりとりとほうきを持って欠片一つ残さず集め、それを袋に入れ、難波さんを呼び、袋を渡した。
【遊んでいたら壊れてしまいました…。
直して遊んでいたのですが…。
ううっ…護道さんに怒られちゃいますよね…。】
シュンっとした声と態度で言うと難波さんが私の頭を撫でながら言った。
〚お怪我が無くて良かったです。
皆実さんが怪我したら、それこそ護道さん怒っちゃいますよ。〛
ニコッと笑い、難波さんは袋を受け取ってくれた。
〚では、捨てて来ますね。〛
ペコリとお辞儀をし、彼女は帰って行った。
難波さんが帰った後、部屋の中を見ていると何かが落ちていた。
【…?…。】
落ちていたタグを見てみると“姉”と書かれていた。
【…“姉”…?】
(妹も居ると言うことか?)
ともかく、タグの処理をしないと…。
人形を壊した事がタグでバレて頭を撫でてくれなくなるのは嫌なので。
ー次の日ー
いつもの様に待っていると慌てる足音が外から聞こえ、声が飛び込んで来た。
{皆実さん!!}
声の主は吾妻さんだった。
【どうかしましたか?】
{護道室長が攫われました!!!}
【!?】
その言葉に返す言葉が無かった。
{今朝、私のデスクに“護道室長は貰った”と手紙が…!!}
吾妻さんは手紙の内容を音読してくれた。
《“護道室長は貰った、彼の隣は俺のだ。”》
手紙にはそう一言、書いてあった。
【この文章を出す人に心当たりは?】
{分かりません。
ともかく行きましょう!!}
【はい!!】
私達は急いで車に乗り、現場に向かった。
{現場の情報は共有しますので、そちらをご覧下さい。}
-アイカメラに護道の携帯のGPSが示す点と写真が添付された。
そこは廃屋がある場所だった。
皆実の頭の中のパズルが組み上がり始めた。
寒気…恋の気配…手紙の内容…。
パズルが出来ていく音が耳に届く。
それと同時に“破壊衝動”の音も耳を犯し出した-
【あの人形に“妹”があったのなら、気付けなかった私のミスだ…。】
-考えている内にGPSが示す場所に着いた。
其処には応援はまだ来ておらず、静かだった-
{まだ応援、来てないんですね…。}
【廃屋なれど、此処に来るまでの道に家が並んでいますので、苦労しているんでしょう…。】
-破壊衝動の音が近くで聞こえた。
音に釣られ、じわりと爪先が痺れる-
【吾妻さん、此処で待機して貰ってもいいですか?】
私の声に驚いた吾妻さんが声を上げた。
{えっ!?
一人で行くんですか!?}
【ええ。
二人で行って刺激するより、一人で行ってしまおうかなと。】
{いくら皆実さんが強いからって一人は…!!}
-吾妻が静止の声を皆実に掛けるが、今の皆実の心には届いてはいなかった。
“壊したい…遊びたい!!”
心の中の声が静止の声を飲み込んでしまったからだ。
この先で待っているであろう事を想像すれば甘い痺れが生まれ、身を焦がさせるのを感じた-
【無理はしませんから、お願いします。】
{…本当ですか?}
吾妻さんが疑いの目で私を見つめた。
【はい。
無理はしません。】
少し間が開き、答えが帰って来た。
{分かりました…。
本当に無理はしないでくださいね!!}
“コクッ”
吾妻さんの声に頷き、アイカメラを起動し、目の前の建物内に入った。
«建物内»
廃屋と言う割には中は綺麗だった。
そっと気配を消し、建物内を進む。
建物内を進んでいると後ろから〘おい。}と声を掛けられた。
声の主はチンピラ風の男だった。
男は私がすぐに答えない事に苛立った様子だった。
〘此処でなにしてんだよ!!}
【…大事な人探し…。】
-皆実はポツリと答えるとチンピラ風の男にエルボーを仕掛けた。
が、男はサッと避け、皆実の懐に行こうと身を屈めた-
〘けっ、エルボーなんざ効かねぇんだよ!!}
-エルボーに似たパンチが皆実を捉えようとした時、白杖でパンチしようとした手の軌道を反らした-
“ギリギリ”
-白杖に赤い筋が垂れた。
チンピラ風の男の手にも同じ物が垂れ始めた-
〘!?}
-男は自分の手に何故、赤い筋が垂れたのか理解出来ずに動きを止めてしまった。
皆実は白杖を一旦、床に置きチンピラ風の男に聞いた-
【貴方はいっぱい、遊んでくれますか?】
-その言葉に逆上したチンピラ風の男が動きを加速させ始めた-
〘あ”あ”!?
お前が遊ばれる側だ!!}
-加速した動きのまま、再びパンチを皆実の前に出すがそれよりも早く、皆実の手がチンピラ風の男の腕を掴んだ-
【地面でおねんねしましょうね。】
-掴んだ腕を地面に叩き落とした。
逃げれない様に服の端をその辺にあった杭で固定した-
〘ぐぇっ!!}
-男のくぐもった声が皆実の耳に届いた-
【ねぇ、貴方はいっぱい遊んでくれますか?】
〘遊ぶ訳ねぇだろ!!}
手袋を嵌め、首掛け鞄から錐とトンカチを取り出した。
取り出した二つの道具を男に見せながら言った。
【何回目で壊れるかな?
せめて、10回までは壊れないで欲しいなぁ…♪】
〘ひっ…!?}
見せた道具で何をするのか分かった男が怯えた声を出した。
錐とトンカチをチンピラ風の男にめがけ、振り上げる。
【ずっと壊すの我慢してたんだ…。
遊ばせて…♪】
〘やっ、やめろー!!!}
男の悲鳴が壊すのを我慢をしていた私にとってプレゼントだ。
“ドスッ”
…なんて、する訳ないでしょう。
フリだけ。
それでも、チンピラ風の男には効果があった様だ。
【…気絶しちゃった…。】
口から泡を吐いてチンピラ風の男は気絶していた。
【…本当は壊したいけど、護道さんに怒られるのは嫌なので、しませんよ…。】
錐とトンカチを持っている事は言っていないのでバレたら説教コース一直線だ。
(…護道さんのお説教、長いから眠くなる…。)
気絶したチンピラ風の男を放置し、また歩き始めた。
もちろん、錐とトンカチは首掛け鞄に収納済み。
【何処に居るんだろうか…。
護道さん…。】
再び、気配を消して進んでいると奥の方からなにやら声が聞こえて来た。
(…此処からか…)
奥の人物達にバレない様にそっと中へと入って行った。
ー奥の部屋ー
〈護道室長…。
オレ、アンタの事が好きになっちゃったんです♡
だから、オレの想いに答えてください♡!!]
『誰がこんな事するヤツの想いなんかに答えるか!!
この変態野郎!!』
“ガチャッガチャッ”
-護道は男を睨み付けながら鎖を揺らす。
揺らされた鎖の音が室内と皆実の耳に響く-
〈ああ、そんな声を出す室長にもキュンです♡
でも、こうしたら更に萌えちゃいます♡]
“バシャッ”
-男は持っていたバケツの水を護道にぶちまけた。
あっという間に護道はずぶ濡れになった-
“ギッ”
-護道はずぶ濡れになりながらも男を睨んだ-
〈睨んでる姿も素敵です♡
どうせ助けは来ません、此処は廃屋。
妹の人形は此処に貴方を運ぶ前に捨てました♡]
-男の唇が護道の首筋に触れ、手が護道の手に触れた-
『っ、触んな!!』
-男が護道にキスをしようとした時だった。
“パンッ”
乾いた音が二人の耳を劈いた-
『!!』
〈なっ!?]
-男と護道が乾いた音の方を見た。
銃を構えた皆実の姿が二人の目に映った-
『皆実さん!!』
〈誰だ、アンタ!!]
二つの声が部屋に反響する。
私はゆっくりと男に近付きながら出来たパズルの話を開始した。
【貴方が水浸しにしたお人形の持ち主です。
…今回の事件、貴方が起こしたんですね?
最初に違和感を感じたのは始末書祭りの時でした。
トイレに行こうとした時、寒気を感じましたが気のせいかと思い、そのままにしました。
ですが、二度目の寒気がやって来ました。
今度の寒気には先程感じなかった“恋の気配”が完全に混じっていました…。
最初からあの会場に居たなら可能ですね。
気付かれない様に恋の気配を混ぜ、護道室長を見ていた。
けれど、私に気付かれて驚いた。】
パズルの話をすれば、するほどに男の顔が青に染まっていった。
【そして、なんとか彼に近付きたいと考えた貴方は祭りが終わった後アンティーク人形を作った。
GPS付きの。】
『それって…。』
【ええ。
もう捨ててしまった…と、言っても何処かにあるだろう“妹”の人形です。
私にくれた“姉”の人形には盗聴器類が付いてました。
“妹”で家を探り“姉”で護道室長の生活音を聞くのが目的だったのでしょう?
空想の同居生活を楽しむ為に。
“妹”の方に関しては応援班に回収を任せましょう。
ところで、犯人さん、一つお聞きしても?】
男がギロリと私を見る。
【“アナタは私と遊んでくれますか?”】
〈ハァ!?
今からオレと室長はイイコトしようとしてんの。
くだらねぇ話で邪魔すんな!!)
さっきまで青は何処へやら、男が大声で怒鳴り始めた。
かと思うとナイフを懐から出し始めた。
〈それとな、お前が遊ぶ側じゃねぇ…!!
オレが室長の目の前でお前で遊ぶんだよ!!]
男がナイフを持って突撃して来たので、銃でナイフを持つ手を吹っ飛ばした。
“カランッ”
〈っ!!]
カランッとナイフが落ちると共に男の手首から煙が出始めた。
手首を押さえながら男が叫ぶ。
〈死ぬー!!]
男の目には出血している様に見えているらしい。
【血が出てないのだから、死ぬ訳ないだろ?】
のたうち回る男の腹を踏み付けながら言葉を紡ぐ。
【来るのが遅くなって、触らせたのは不覚でした。
ですが、今なら言えます。
“私のお人形に触らないで”】
弾の装填をしながら私は言った。
“何処を撃とう”と考えていると『皆実さん、撃ったら駄目ですよ。』と護道さんの静止の声が聞こえた。
【なんで?
此処に来る前に居たチンピラ風の男を壊さなかったんですよ?
本当は壊したかったのに…。
もう、オアズケは飽きました…ねぇ、壊しても良いですよね?】
銃を構えながら護道さんを見つめた。
護道さんはフルフルと首を横に振り、言葉を転がした。
『駄目です。
壊すのなら、この枷を壊して下さい。
これなら、いくらでも壊して良いですから。』
【本当ですか?】
『はい。』
男の服をその辺にあった釘で床に打ち付け、護道さんの所に向かった。
男の喚き声が煩かったので隣を撃った。
【次に喋ったらお前の腹を撃つ。
この銃、本国に居る友人が作ってくれた銃で失血を止めてくれるお薬付きなんですよ。
失血を止めて何度も遊べるっていう凄い銃なんですよ。
これで撃って遊んだら楽しいんでしょうね♪】
〈ヒッ…!!]
男の怯えた声が聞こえたのを確認し、護道さんの所に向かった。
【来るのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
今、枷外しますね。】
護道さんの前に座った後、枷を壊す道具で枷を破壊し始めた。
枷が壊れる音が鳴る中、護道さんが今の自分の状況を教えてくれた。
『…皆実さんが此処に来る前、首筋にキスマークを付けられました。
手に触れられ、危うく口も奪われかけました。』
全てを伝え終わった後、枷が壊れた。
枷を壊し終わった後、アイカメラの電源を切った。
【…目、閉じて貰えますか…?】
『っ…。』
護道さんが目を閉じたのを確認し、そっと男の匂いが残る首筋に舌を這わせ、優しく吸い、噛んだ。
『んっ…。』
手を握り、口に軽くキスをした。
〈室長に触るな、オレのだぞー!!]
男の喚き声がまた聞こえ始めた。
【…護道さん、やっぱりアイツ、壊して来て良いですか…?
枷だけじゃ足りません。】
再びアイカメラの電源を入れ行こうとした時、護道さんが私を抱き締めた。
❝ぎゅっ❞
『…応援が来るまでこうさせて下さい。』
【…なら、私も…。】
護道さんを抱き締め、いつもやってくれてる事をやった。
❝ぽむぽむ❞
【いつものお返しです。】
『…なんだか、落ち着きますね。』
【でしょ?】
『でも、やっぱこれが良いです。』
❝撫で撫で❞
『俺が皆実さんを撫でてるのが落ち着きます。』
【…私も撫でられるのが落ち着きますね…。】
応援が来るまでいっぱい、撫でて貰った。
[newpage]
それから応援が来て、新人…いや、犯人は逮捕された。
護道さんを攫った理由は“一目惚れ”したから。
デスクに手紙を置いた理由は護道さんの好きな相手が吾妻さんだと勘違いし、置いたらしい。
ー帰り道ー
【護道さん、りんご飴が食べたいです。】
『りんご飴?』
【近くに美味しいと評判のお店があるみたいで。】
『分かりました。
ですが、この格好で行くのはちょっと…。』
彼の服はずぶ濡れ、首筋にはギザギザの噛み跡。
まるで何処かの映画撮影終わりの様な姿になっていた。
【なら、ホテルに一旦戻りましょう。
私も硝煙臭いのは嫌です…。】
『Agree.です。』
そんな会話をしながらホテルに一旦帰って行った。
[newpage]
[chapter:ベリージャム]
🌹基本の味🌹
・キャラ崩壊崩壊
・オリ設定
・口調迷子
〘隠し味〙
・場面は最後の書類を見た後。
・最初は皆護
・最後はいつものです。
〘それではどうぞ〙
[chapter:どうやって喰らいましょうか
〘皆護〙]
『最初から俺を利用するために選んだんですか?』
【ええ。その方が手っ取り早いので。】
バレてしまったのなら、仕方ない。
本当は貴方に知られたく無かった…。
もう少しだけ貴方と笑っていたかったなぁ…。
あの時間、好きでした。
まぁ、そんな事を言ってもあとの祭り。
『俺をバディに選んでくれたのも、愛をくれたのもウソだったんですか!?ねぇ!!』
そう言いながら貴方は私に近付いて来た。
【最初は利用するために近付きましたが…。】
私は貴方を押し倒した。
きっと、驚いた顔をしているのでしょうね?
なにせ貴方より私は背が小さいので、押し倒せないと思ったのでしょう?
背が小さかろうと私だって押し倒せます。
【隣に居れば居るほど…愛を受け取ってくれれば、くれるほど、好きになってしまったのです。】
つっーとあなたの身体を指先でなぞる。
今まで私が触った所をなぞる度にビクッと跳ねる身体。
『っん…。』
もっと聞かせて…?
此処は私の城、二人しか居ません。
貴方の頬に触れ、いつもの言葉を言う。
【ねぇ、心太郎さん…舌出して下さい。】
そう言えば、舌を出してくれる。
優しいなぁ、やっぱり…。
『んっ…。』
貴方の舌を舐めればくぐもった声が出る。
私の舌、噛もうと思えば噛めるのに噛まずに舐めせてくれる。
【っは…。】
舌を離し、ペロッと銀糸を舐める。
『っ、ご満足頂けましたか?』
きっと睨んでいるんでしょうね?
【まだ足りません。】
私がそう言えば、貴方の目は見開いている事でしょう。
見てみたかったな…。
【夜明けまで喰らわせて下さい♡】
夜が明けても喰らいますが。
[newpage]
[chapter:喰われるのはアンタだ
〘護皆〙]
ショックで堪らなかった。
最初から俺を利用するために近付いて来たなんて…。
俺に愛を渡し、俺からの愛を受け取っていたのも最初から仕組んでいたなんて…。
トンッと押し倒された。
俺より身長低いのによく押し倒せましたね…?
【好きになったのです。】
そう言い、俺の身体を白い指先がなぞる。
なぞられれば熱が生まれ、この身を焦がす。
そのまま頬を触り、夜色の目で俺を見てアンタは言った。
【舌を出して下さい。】
そう言われてしまえば、身体が反応する。
出した俺の舌を舐める相変わらず小さくて赤い舌。
【っ…。】
角度を変えて舐めればアンタの口からくぐもった声が出る。
赤い舌は噛もうと思えば噛めるけれど、舐めれば目が潤むのを見るのが楽しいから噛まない。
口が離されれば流れる銀糸。
赤い舌で舐める仕草すら熱を生む。
アンタが俺の身体をなぞるならこちらもなぞり返そう。
無骨な指先でなぞる。
俺の指に反応して華奢な身体がビクッと跳ねる。
特に弱い所をなぞってやれば甘い声が漏れる。
【ゃあ…♡】
あはっ、アンタの声のおかげで俺のが昂ぶり始めましたよ♡
アンタの肩を掴み、押し倒し返す。
見開いた夜色の目。
『夜明けまで喰おうとか思ったのでしょうけれど…』
耳元で囁いてやる。
アンタ、耳が弱いの知っているからな。
『喰われるのは広見さんですよ。』
夜が明けたって喰らい尽くしてやる。
ーENDー
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