騒々しいレストランへようこそ!(改訂版)1章「騒がしい」 1部 1
今思えばあのレストランは本当に騒がしいと思う。そして、とても面白い。あれほど面白い日々があるのは、あのレストランだけだと思う。そんなことで、まあ、楽しかったなあ。あ、そうだ、折角だし、お前に話してみようか。あの面白い日々の話を。
一章「騒々しい」
一部
1 レストラン「輪花」にて
タツマ「うーん……」
タツマ。小学四年生の虎族。今後登場するタクヤの弟。陽気で騒がしく、本当にハメ易い少年。今は珍しくスマホに目が向かってるみたいだが…
ユウリ「どうした?」
ユウリ。小学四年生の狼族。タツマとは真逆みたいな性格で、静かで用心深い。タツマの飼い主みたいになってるときもあったりなかったり…
タツマ「なんか、俺たちが働かされてるってちょっと話題になってるからさー」
ユウリ「な訳ねぇーのに…」
リミ「そんなこと言われても…お手伝いとして預かってるだけなんだけどね…」
リミ。レストラン「輪花」のオーナー。タツマやユウリその他の両親の都合で、タツマやユウリたちを預かってお手伝いさせている当人。因(ちな)みに子供は了承しているので大丈夫です。
リミ「何とかなんないかなー」
カランカラン
突如として扉に付属している小さな鐘が揺れて綺麗な音を鳴らす。客が出入りしたという知らせをしてくれる便利ものだ。
リミ「あ、いらっしゃ…あータクヤくーん。」
タツマ「え?!おにーちゃん?!」
タクヤ「よっ!タツマ。」
タクヤ。タツマの兄。超がつくほどの優等生。小学六年生。中学校は受験する予定。その頭脳が弟にもあればよかったのに…と考えてしまう両親。因(ちな)みに、タクヤはタピオカミルクティが好き。
タツマ「おにーーちゃーん!!」
「ウサギか、お前は」とでも言いたくなるほどのスピードでタツマは兄のタクヤに抱きついた。
タツマ「学校、終わったの?」
タクヤ「ああ。」
タクヤ君は毎日学校って言ってるけど絶対嘘な時間にレストランにやってくる。
タクヤ「今日、何が食べたい?」
タツマ「うーん、肉!」
抽象的すぎーと考えてしまう一同。
タクヤ「じゃあ、外食にする?」
タツマ「うん!」
リミ「羽振りいいよねー、タクヤ君家って」
タクヤ「いや、そうでもないよー。」
タツマ「早く行こう!」
タクヤ「はいはい」
カランカラン
二人の会話はまるで父子みたいだけど、れっきとした兄弟なんだ。なんて考えてしまうリミ。
ユウリ「リミ。」
リミ「何?」
ユウリが突如呼ぶから驚いた。
ユウリ「会計。」
ユウリが指差す方向には会計を待つ客が立っていた。
リミ「あっ!すみません!今、会計しますので!」
焦ってリミは会計を始める。その間、ユウリはキッチンでくつろいでいます。会計を終えたリミはユウリに聞く。
リミ「もうすぐ六時?」
ユウリ「うん。そろそろ。」
リミ「準備しましょう。」
カランカラン
ガスタ「よっ。」
ガスタ。レストラン「輪花」の従業員。大学生の狼族。焼肉が好き。月末のご褒美なんだって。
リミ「ガスタ、間もなく六時よ。」
ガスタ「解ってる。」
そう、午後六時はディナー。ここは、いつになっても忙しいと感じる。毎日この時間が近づくと皆で、準備する。
さあ、忙しい時間の始まりだ。
2 レストラン「輪花」のディナー時間
カランカラン
カランカラン
カランカラン
立て続けに鳴る小さな鐘。毎日、この時間帯は満席。
ガスタ「そっち、お願い!」
リミ「解ったわ」
ユウリ「会計!」
リミ「今行く」
店員やお手伝いたちの声が度々聞こえる。
―ディナー時間終了後
リミ「終わったーー」
大きく息を吸って言った
ガスタ、ユウリ「お疲れー」
ガスタ「じゃっ、そろそろ帰るか」
リミ「バイバーイ」
カランカラン
ガスタが帰る知らせが鳴る
リミ「さあ、あともう少し!」
ユウリ「頑張ろっか。」
リミ「うん!」