1 獅子老人と狼老人、かつての戦宿敵同士が舅同士として顔合わせ!
舞台は獣人の国、かつて獅子獣人の国と狼獣人の国は名産品ディルドの輸出入を巡って争いが絶えず、国の雄軍人同士での犯し合いの戦を繰り広げていたが、戦いは相打ちに終わり、今は統合され仲良く二つの種族が住んでいた。
ワシはライオ、獅子の国出身の獣人だ。獅子の国とはいっても、それは昔の話でワシのような老いぼれでないとこうは言わない。今では争っていたはずの狼の国と一つになり、国名も変わった。
ワシも戦場ではエースとして“金の勇者“と呼ばれる程活躍していた。戦当時の狼国のエースである”銀の英雄”とも比較し称賛されていた程だ。
自慢じゃないが、その時に鍛えた肉体は今でも衰えることを知らず、着てきた朱色の着物の隙間や胸元から見える筋肉と金色の毛皮、たっぷりと蓄えた獅子の鬣とそれに隠された太い首、今でもフサフサで困りすぎるくらいの髪をまとめてオールバックにした金髪の髪はセクシーな魅力を放っていると自負している。
平和になってから生まれた一人息子のレオは、ワシの若い頃に似た逞しい体格の軍人となった。
今日は婚約者の狼獣人のワーフ君の親御さんと顔合わせの日なのだ。ワーフ君は非常によくできた子でウチの息子にはもったいないと思うほどの好青年だ。レオに紹介されて婚約の挨拶もしてもらい何度も会ったが、非の打ちどころがない。
我が家に溶け込み、釣りやキャンプにも連れて行った彼を第二の息子のように感じる。ワーフ君も軍人であり、体格は筋肉質でバランスがとれ、性的魅力も抜群…おっと、息子の婚約者に向ける言葉ではないな。
ワシの若い頃なら敵同士として戦っていたはずの二人が同じ軍で働き、ワシの若い頃以来特に争いも起きず、訓練だけの平和な毎日を送っているとは、若い頃なら夢にも思わなかった。
待ち合わせのホテルのロビーに着くと、レオが迎えに来てくれた。ワシの旦那は何故かこんな大事な時だというのに仕事が入ったらしい。向こうの親御さんも一人は用事で今日来ることは出来ないといことで、今日は一人だけ来て、明日は二人揃うとのことじゃ。レオも向こうの親御さんとも何度か会っているらしい。今日は先に挨拶を済まし、両家族ホテルに泊まって明日正式に顔合わせをする予定だ。
レオに案内され、ホテルのレストランのテーブルに案内されると、ワーフ君もワシと同い歳くらいの雄の狼獣人の老人を連れてきていた。老人とはいっても、筋肉質な身体は堅牢な印象を与え、銀の毛皮は年月を刻み込んだような渋さに溢れ、銀の髪はいぶし銀の魅力を放っていた。三つ揃えの紺色のスーツは銀色の毛を際立たせ、Yシャツの襟から除く銀の胸毛は顎鬚まで繋がり逞しさを感じさせる、狼族の特徴である耳を隠していたハットを取ると、短く刈り上げられた頭の横は銀の毛皮が見え、耳と同じくらいの高さまで立ち上げた上の髪は爽やかな印象を与える。
ウルク「初めまして、お会いできて光栄です。ワーフの父のウルクです。」
ウルクと名乗った狼獣人の老人はワシに手を差し出してきた。
ライオ「こちらこそ、会うのを楽しみに居りましたよ。レオの父のライオです。倅がいつもワーフ君にお世話になってます。」
ワシも手を差し出し、ウルクの手を握った。
ウルク「いえいえ、こちらこそ息子さんにお世話になってます。」
互いに手を握り合うと、見た目よりも更に力強い力が込められていることに気付く。ワシもと同じくらいゴツゴツとした相手の手を握ると、それまで笑顔で相手を見合っていたワシとウルクの目つきは変わり、互いを睨み合っていた。
軍一筋の生き方をしてきたワシにはすぐに分かった。筋肉質な身体、礼儀正しい姿勢、腕に込められた力、このウルクという老人も元軍人、しかもワシと同い年ぐらいということは互いに戦い合っていた元狼獣人国軍だ。そして、この手の感触はワシと戦場で何度も争い、犯し合っていたライバル“銀の英雄”のものだ。
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獅子と狼の国は長年の争いを終えて一つの国となり、すぐに国民同士での交流が行われるようになった。ワシも軍以外では狼獣人達とも過ごすようになり、国民同士はその状況を喜び、争いなどなかったかのような平和が築かれた。
しかし軍では別じゃった。軍は統合されたが、互いに今まで争い、犯し合っていた相手への抵抗はすぐには消えず、いつ相手が裏切るか、いつまた敵として戦い合うかを警戒しながら、軍内部でも元獅子国と元狼国派閥での主導権巡りや、戦場で戦った相手へ復讐のための犯し合いが多発していた。
事態に悩んだ国は、表面上は一つの軍にまとめながらも、実態は二つの種族に分かれた組織体制を作り、干渉は極力控えていた。互いに情報伝達もしないような組織体制となり、一つの軍なのに互いの動向を探るためにスパイを送り合っていたほどだ。
ワシが現場を離れ、教官として新兵達を指導する頃には、戦後に育った者達が増えたせいか、両種族で共に生きているのが当たり前となり、軍内部での種族が理由の争いも消えていた。
戦場で犯し合っていた古参兵達も時代の変化に適応したことや、軍内部での制度変更やグループセックスセラピーにより段々と一つの軍としてまとまっていた。まあ、表に出せない一番の理由は戦場で戦い合っていた者同士が、歳を重ねても互いに犯し合うことにさすがに疲れたのと、犯し合っている内に段々と種族を超えた愛が芽生えていったことではあるのだが。
ワシも軍が統合された直後は他の獅子軍人と同じく、狼軍人と犯し合いを続け合っていた。戦場でエースと称されていたワシに犯された恨みをいだいている者は多く、同じ部隊の狼軍人達に犯されたり、ワシを戦場で犯した相手への仕返しを仲間と行ったりが絶えなかった。
ワシと”銀の英雄”は戦場でのエース同士として、何度も相まみえて互いを犯し、犯されてきた。ワシが相手を犯して自軍に勝利を掴めば、次の戦いではワシが犯され、軍も敗北を味わう。ワシと相手の勝負が軍の決着をつけるかのような重責と犯しがいがある相手に高揚感を覚えながらも、相手の戦場での活躍に注意と敬意を払いつつも苦々しく思わずにはいられなかった、恐らく相手もそうじゃろう。
そんな中で狼軍のエースである“銀の英雄”に復讐をしようとしていたが、戦場で戦って以来、広大な領土と巨大な規模の軍、二つの種族に分かれた組織の中でワシらは配属も基地も転々としており、また会うこともなかった。
そうこうしているうちにワシも今の旦那である、発展場で一夜を共にした大学教授の獅子獣人と出会い、瞬く間に恋に落ちた。
説明がややこしくなるから詳細は省くが、ワシらの間では雄でも子供を産もうとすれば産めるので、レオはワシの子種を元にワシの旦那が生んだのだ。
レオが生まれることや戦経験を持った人材の貴重さに軍上層部に声をかけられたことを機に、転属がない教官職となり、子育てと新兵教育で奔走していると、復讐のこともだんだんと頭から抜けていった。
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