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クールで素っ気ないニンゲンの高校生息子が、なぜか父親である狼獣人の俺の部屋を盗撮していた件。

  ★

  発情期というのは、いくつになっても気の重いものだ。

  俺のように40を越えた、既婚の子ありの狼おっさんでも。

  ……いや、もう既婚とは言えねえのか。

  夜勤明けの朝。

  狼獣人の俺、牙山吾朗はカバンの中から未練がましく1枚の写真を取り出すと、それに目を向ける。

  それは、10年前に家出をした嫁の写真。

  凛とした表情の美しい顔をしている写真の中の嫁は、俺とは対極のような存在だった。

  筋肉で膨れ上がった馬鹿みたいにデカい身体をした脳筋の俺とは違い、クールで落ち着いた物腰の小柄なニンゲン。

  結婚式で友人連中に美女と野獣だな、なんてからかわれたのが懐かしい。

  まあ、夫である俺は狼獣人だから、あながちその発言は間違えではないのだろうが。

  昔からやくざかよと突っ込まれるような強面に、熊獣人と間違われるようなごつごつした筋肉質の身体。

  ……そんなに俺の事が嫌になったのかよ。

  もう、どこで生きてるのかわからないというのに、俺は今でも未練たらたらだった。

  

  「……母さん、祐也ももう16になっちまったぞ。もう立派な大人だ。あいつ、母さんにそっくりになっちまった」

  俺は写真に向かって小さく囁く。

  祐也というのは、俺と嫁の一粒種の事だ。

  母親の血を強く受け継いだのか、その姿はニンゲンそのもので。

  それでも多少は俺に似たのだろう。

  ニンゲンにしちゃ体格はいいし、運動部に入ってるわけでもないのに筋肉質な身体をしている。

  もっとも、俺の胸ほどの背丈もないんだが。

  顔は父親の俺が言うのもなんだが、なかなかのイケメンだと思う。

  鼻筋は通ってるし、切れ長の目も涼やかで女子受けしそうだ。

  俺のガキだというのに、気品すら感じさせる。

  そしてその見た目通り、ポーカーフェイスとでも言うのだろうか、感情の起伏が少ない、俺とは真逆のタイプ。

  その顔と性格は、俺に最愛だったの人の姿をありありと思い出させるのだ。

  「よっ、と」

  俺はしばらく写真を見つめていたが、それをカバンにしまうと立ち上がる。

  ……やっぱりこの年になると、夜勤は堪えるようになるよな。

  俺の職業は消防士だ。

  日々、火災から市民を守る大事な仕事。

  無論24時間の勤務体制のため、夜中中仕事をしているなんて当たり前ではあるのだ。

  昨日も夕方に起きた火事の対応を朝方までやっていたため、身体は疲れきっていた。

  しかし、疲れマラとでもいうのだろうか、発情期も相まってムラムラがおさまらない。

  ……たまには抜いちまうか。

  さいわいにも息子は高校に行ってしまったところだ。

  俺はそんなことを考えると、のしのしと身体を動かして、自室へ戻るのだった。

  ★

  万が一にも息子の目に留まらないように、鍵をかけた机から引っ張り出したのは、虎の子の古いエロ本だった。

  本当はAVの方が好みなのだが、映像は息子に音を聞かれるのがまずいので、あいつが幼いうちにすべて処分してしまっていた。

  「ばれて軽蔑されるのは避けてぇよなぁ」

  ……やっぱり格好いい父さんでいてぇからよ。

  小1で妻がいなくなってから、俺は男手一つで祐也を育ててきた。

  至らないところはたくさんあったとは思うが、せめていつでも頼りになる格好いい親父だと思われてぇんだ。

  ……そんな父親が、せんずりこいてるとこなんて見られたら、幻滅されちまうといけねえからな。

  それでも獣人に発情期は必ず来ちまう。

  そんな時はこうやって、祐也が学校に行ってる間にこっそり抜いちまうって寸法だ。

  ばさっ。

  俺はズボンを脱ぎ捨てると、開き癖のついたエロ本のページをめくる。

  そこには、肌をあらわにしたニンゲンの女の姿があった。

  その女はどことなく嫁に似ていて……。

  それを見るだけで俺は股間が硬くなるのがわかる。

  「ふぅ、ふぅ」

  息を荒げながら俺は逸物を掴んだ。

  獣人の中でもかなりの大きさだと自負している通り、俺の掌では回りきらないほどの太さの竿を握ると、ゆっくりと上下させる。

  ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……。

  どろどろと先走りがこぼれ落ちる。

  ……先にバスタオルを敷いておいてよかったぜ。

  そんな事を考えながら、俺は目をつむる。

  脳裏に浮かぶのは逃げた嫁の姿。

  獣人は基本ツガイが決まってしまうと、それ以外の相手と交尾をしたがらない。

  それは俺も同じだ。

  だが、若い頃は性欲大王なんて言われたこの俺だ。

  このごつい体で有り余る性欲を嫁ただ1人にぶつけ続けて……。

  家出した時に残された手紙には『もう、あなたとのセックスに付き合うのには疲れました』と書いてあった。

  ……今考えれば、華奢なニンゲンの雌には俺の激しい交尾は耐えられねえよな。

  俺も馬鹿だから、相手を気持ちよくしさえすれば、いくらでも交尾してもいいなんてことを考えていたんだ。

  特にSっ気のある俺は、それが苛烈で。

  実際、毎回喘いで喘いで喘ぎ狂わせて、気を失うまで交尾して種を流し込む毎日。

  それが嫌だったのだろう、嫁は息子を置いて1人で出ていっちまったのだ。

  追いかけることはしなかった。

  自分のやったことが、嫁には受け入れられなかったとやっと気付いたから。

  それでも、忘れられなくて。

  嫁がいなくなった後、俺は誰とも交尾をしていない。

  仲間は風俗で遊んでこいとか言うが、別の奴と交尾したいなんて思わない。

  ただ嫁を思い出してせんずりこいてるだけで満足だった。

  ……そりゃ、肉と肉が重なる快感は忘れがたいが、それでも俺は。

  目をつぶった俺は、しこしこと腕を動かす。

  妄想の中で俺は、嫁の服を脱がし、その小さな雌穴に逸物を挿入し、抱き抱えるように包み込みながら、腰を振るのだ。

  ごちゅっごちゅっごちゅっごちゅっ……。

  「はっ、はっ、はっ、はっ……」

  俺はひたすら腕を動かし、反対の掌で亀頭を包む。

  そしてごちゅごちゅと掌を回した。

  「んんんっ!」

  先走りでずるずるになった掌が、亀頭に擦れて甘い感触を与える。

  「ぐっ、イッちまう……」

  デカタマがきゅっと締まり、ザーメンが尿道を駆け上がる。

  脳裏に浮かぶのは、喘ぎまくる嫁。

  それを強く抱きしめ、その雌穴にしこたま子種をぶち込もうと腰を叩きつけて……。

  その瞬間だった。

  

  「……なっ!」

  ここで匂うはずのない、だが嗅ぎ慣れた匂いが、ふわりと俺の鼻腔をくすぐる。

  そのせいで、脳内で抱いていた雌の顔が、嫁から別の存在へと変換してしまう。

  

  「やばっ……」

  俺は必死にブレーキをかけようとする。

  射精をこらえようと。

  ……イッちゃいけねぇ。

  だが……。

  「イ、イグぅぅっ……」

  その瞬間、俺は辛抱たまらず吐精してしまうのだ。

  ぼとっ、ぼとっ、ぼとっ、ぼとっ……。

  黄ばんだ粘液が、糸を垂らすように粘っこくタオルの上に垂れていく。

  快感と脱力感に身を浸しながら、俺は呆然とザーメンを眺める。

  ……なんで祐也が。

  そう、射精の瞬間、犯してる嫁の顔が一瞬最愛の息子、祐也に替わったのだ。

  「なんでこんなこと……」

  そうだ。

  イク寸前、いつもより鋭敏になった俺の嗅覚は、不意に部屋の中から祐也の匂いを感じ取ってしまったのだ。

  そのせいで、俺は妄想の中で息子に中出ししてしまったのだろう。

  「何やってんだよ、俺は。親父の癖に……」

  俺は頭を抱えてしまう。

  ……そりゃ好きだぜ。自分の息子だからよお。だけど嫁に対する好きとは違うんだよ。……でもよぉ、嫁によく似てるんだよなあ。こないだも飯を食ってる時の顔が嫁にそっくりだって思ったし。目の中に入れても痛くねぇぐらいにはかわいいのは事実だしよぉ。……いやいや、それとこれとは話が別だろうが。

  俺は必死に頭を振りながら、不始末の痕跡を消すようにタオルを片付ける。

  ……しかし、なんだって祐也の匂いなんかしたんだ。

  ここは俺の部屋だし、あいつが入ってくることなんてないだろうに。

  俺が首を傾げながら匂いのした方を振り向く。

  そこにあったのは……。

  「盗、撮?」

  本棚の隙間に隠れて、こっそりこちらを向いている、小さなビデオカメラだった。

  ★

  「なあ、おい」

  2人で囲む夕食。

  トンカツに伸ばしかけた箸を止めると、俺は祐也に話しかけた。

  最愛の息子は顔をあげると、ぴくりと眉を動かす。

  「なに、父さん?」

  「……」

  その整っているが無表情な顔は、いつもよりもありありといなくなった最愛の嫁の面影を思い起こさせて……。

  さきほどまでマスを掻いていたせいか、思わず股間が反応してしまいそうになるのを俺は必死にこらえる。

  ……おいおい、こいつは俺の息子なんだぞ。

  「いや、なんでもない。……このトンカツ美味いな」

  俺はそう言うと、箸でつまんだトンカツを咀嚼する。

  「よかった。父さんチーズ好きだから、ミルフィーユトンカツってのを作ってみたんだ。中にチーズを挟んで」

  そんなかわいらしい事をクールな表情で言う息子。

  「そうか。ありがとよ」

  ううんと、何でもないように首を振って、箸を動かす祐也。

  そんな息子の姿を俺はついじっと見つめてしまう。

  『……なんであんなことをしたんだ?』

  その言葉は、喉元まで出かかっていた。

  部屋にわからないように設置された、盗撮用の監視カメラ。

  カメラについた匂いから、それをしたのが祐也だということは明白だろう。

  どういう意図で置かれた物かわからなかった俺は、それをそのままにしておいた。

  いつから置かれていたのか。

  なぜそんなものを設置したのか。

  だが、口に出してそれを聞くことは出来なかった。

  少しそっけないけど、優等生で父親想いのあいつが、わざわざ俺を困らせるようなことはしねぇはずだから。

  ……だったらなんで。

  学校で誰かに脅されているのか?

  いじめられて親父の動画撮ってこいとか。

  ……いや、こんなおっさんの隠し撮りなんて見たい奴はいねぇか。

  「父さん、どうしたの。考え込んで」

  「なんでもねぇ……」

  「そう……。そうだ、来週学校で三者面談あるんだけど、父さん来れるかな? 無理だったらいいんだけど……」

  別にどちらでもいいんだけど、とばかりに言う祐也。

  俺の仕事が休みの取りにくい事を理解しているのだろう。

  「心配すんな。そりゃ大事な息子のためだからな、仕事休んででも行くぞ」

  「そう、無理しなくてもいいからね」

  その顔色からは、来てほしいのか来てほしくないのか読み取れない。

  「確か担任は体育教師をしている熊獣人とか言ってたよな」

  「うん、ちょっと変わってるけどいい先生だよ。なんか1年先輩の生徒と結婚したらしくて、授業に赤ちゃん連れてきてるけど」

  「……ちゃんと授業出来んのかよ、それ?」

  「うん。教え方は上手だから。それに保健体育の授業だしね」

  「まあ、そうだな」

  ちょうどいい。

  祐也が普段どんな学校生活を送っているか聞いてみた方がいいかもしれねぇ。

  ★

  1週間後。

  後輩に頼んで出勤日を代わってもらった俺は、パンパンにはち切れそうなスーツに身を包んで、学校の校舎にいた。

  ……やっぱきついよな、これ。

  去年の入学式の時に着た時はそうでもなかったのに、全体的にかなり苦しい。

  ……しばらく筋トレ頑張ってたからなあ。

  高校に入学してから、息子が美味い飯を作ってくれるようになって、つい食事量が増えてしまったのだ。

  動けないとまずい職場なので、体重増えた分痩せようと考えたんだが……。

  痩せるどころか筋肉を増やしてしまったみたいだ。

  特に腕と足と胸がやばい。

  勢いよく動くと生地がはじけ飛んでしまいそうで、俺は恐る恐る廊下を歩いていた。

  「父さん、こっちだよ」

  体育教官室の前で手を挙げるのは祐也。

  にこりとも笑わないその顔は、本当に嫁に似ていた。

  その顔になぜか胸がどきりと高鳴ってしまう。

  ……違う違う。あれは息子なんだって。

  俺は無理矢理気持ちを宥めると、俺は教官室の扉を開けたのだった。

  ★

  「お忙しいところ、ありがとうございます。わざわざお仕事休んでいただいたみたいで」

  「いえいえ、大事な息子の事なので」

  ぎしぎしと椅子を鳴らしながら、窮屈そうに座るガタイのいい熊獣人が、人の良さそうな顔で笑った。

  俺も大概デカイと言われるが、この教師も負けず劣らず大きな身体をしている。

  顔のつくり自体も厳ついが、見た目とは違って穏やかな性格をしているであろうことは話し方を聞けばわかる。

  きっと特注だろう、巨大な赤いジャージの背中には小さな熊獣人の子供が2人、おんぶ紐でくくりつけられていた。

  「すいません、今ちょうど嫁が試験中でして。他に任せられる奴がいなくて連れてきてしまいました。さっきミルクを飲ましたところなので、騒ぐことはないと思います」

  そう言えば、この熊坂という教師は生徒と結婚したと言っていたな。

  嫁と子供の事を本当に愛しているのだろう。

  ツガイを失った俺にとってはうらやましい限りだった。

  「いえ、大丈夫ですよ。子供さん達を見てたら、私も息子が幼い頃を思い出してしまいました」

  「そうなんですか」

  ……今はクールな息子も、さすがに子供の頃は素直にあどけない笑顔を見せてくれたから、可愛かったんだよなあ。

  そんなことをぼんやり考えながら、俺は隣で澄ました顔をしている祐也を見た。

  「それで祐也くんの学校での様子なのですが……」

  熊獣人はニコニコ笑いながら言う。

  「特に問題はないですね。学業も優秀ですし、教師達の評判もいいです。学年唯一のニンゲンという事なんで心配してましたが、クラスメイトの皆とも仲良くしてますし」

  「そうですか」

  俺はちょっとホッとしてしまう。

  ここは獣人がほとんどの高校だと聞いていたし、いじめられたりしてねぇか、少しばかり心配していたのだ。

  盗撮の件もあるし。

  「はい、むしろみんなの推薦で学級委員長をやってるぐらいなので、仲間からの信頼もあついですね。クールというか、年齢不相応なぐらい落ち着いているから、クラスの子達の相談にも乗ってあげてるようですよ」

  「そうですか……なんだ、祐也。先生褒めてくださってるぞ」

  俺が嬉しくなって、隣に座る息子の肩をばんばんと叩くと、嫌そうな顔をする祐也。

  「……痛いよ、父さん」

  「がはははは! まあ、そう言うな。父さん嬉しいんだからさ」

  トントン。

  先生の前で親子のじゃれ合いをしていると、部屋の外からノックの音が聞こえて来る。

  「はい」

  「あの、くませ……熊坂先生」

  どうも生徒の声のようだ。

  「なんだ?」

  熊獣人は立ち上がると、がらがらと教官室の扉を開ける。

  そこには猫獣人の生徒が立っていた。

  「いや、ここに牙山いないかなって。今度の文化祭の催しの相談をみんなでしてるんだけど、虎山と鰐田が揉めだしちゃって……。あいつら牙山の言うことだけは聞くから」

  ちらりと中の俺達を見て、決まり悪そうな顔をした猫獣人に、熊坂という教師は渋い顔をする。

  「あのなあ、牙山を頼りに思う気持ちはわかるが、今日はこいつの三者面談だろうが」

  「……すいません、忘れてました」

  頭をかきかき扉を閉めようとする猫獣人。

  「先生、いいですよ」

  そんな熊獣人に声をかけたのは祐也だった。

  「もう面談もそんなに俺が話すことなさそうですし。問題ないようだったら、話し合いに参加してきていいですか」

  「……まあ、別にいいが」

  それを聞いて熊獣人は渋々頷く。

  「じゃあ、行ってきます。父さん、また家で」

  表情を変えないまま軽く手を挙げると、息子と猫獣人と一緒に部屋を出て行ったのだった。

  ★

  「こんな感じで頼りにされてるんですよ」

  熊獣人は扉を閉めどっかりと椅子に座ると、俺に向かってウィンクしてみせた。

  「もっとも、クラスメイトの中には、祐也くんに友人としてだけの気持ちだけではなく、恋心を抱いてる奴も多いみたいですけどね。さっきの話に出てきた虎山と鰐田なんて、かなり祐也くんの事を意識してるみたいで」

  「そう、なんですか……」

  ……なんだ、これ。

  心の中に、言語化出来ないもやもやした気持ちが渦巻くのを感じた。

  かわいい息子が誰かと付き合うのはまだ早いという親心か。

  息子なのに雌に見られているという憤りか。

  それとも……。

  俺の沈黙をどう受け止めたのか、熊獣人は続ける。

  「ほら、獣人にとってニンゲンは男でも女でも雌みたいに見えてしまいますし。特に祐也くんはなかなかかわいい顔をしてますからね」

  「……」

  「まあ、祐也くんにはその気はないようで、誰も相手にはしていないようですが」

  「……そうですか」

  感じてしまうこの安堵の気持ちは何なのだろう。

  

  「……そう言えば、熊坂先生の奥さんもニンゲンだとお聞きしましたが」

  俺は話題を変えるためにそんな事を言ってみる。

  自分でも、モヤモヤしたまま、この話に触れてほしくはなかったから。

  「いや、お恥ずかしい。年齢差はあるのですが、初めて会ったときからツガイだと意識してしまって……」

  照れ臭そうに笑う熊獣人は、嬉しそうに嫁の惚気を聞かせてくる。

  それを適当に聞き流していると、面談の時間は終わりに近づいていた。

  「じゃあ、そろそろ終わりにしますか」

  のっそりと立ち上がる熊教師。

  俺も立ち上がりながら、ふとこんなことを尋ねてしまう。

  「これは学校での事ではないのですが……。あいつ、いい子なんですが、普段思ってることを口に出してくれないんですよね。父親の俺に相談とかしてくれたりしたことないんです。うちは母親がいないですし、だから、ちょっと心配で……」

  さすがに盗撮の事は言うわけにはいかない。

  だが、経験豊富そうなこの先生にアドバイスをもらいたかったのだ。

  「そうですね」

  熊坂という教師は顎に手を当てて発言する。

  「ああいう子は、何でも自分で抱え込もうとする傾向があるので、まずいなと思ったら、少し強引にでも本音を聞き出すのが大事じゃないですかね。そして叶えられるならば、それを叶えてあげるのも。特に祐也くんのような性格だと、普段から我慢している事も多いかもしれませんし」

  「なるほど」

  「ええ、大きく見えても、高校生なんざ、まだガキなんですからね」

  ★

  ……きちんと話をしてみるか。

  夜の11時。

  祐也はとっくの昔に風呂に入って自室に引っ込んでいる。

  だが、明日は日曜日だし、さすがにまだ寝てはいないだろう。

  俺はそう考えると、台所で入れた2人分のコーヒーを持って、2階の子供部屋に向かう。

  トントン。

  「祐也、起きてるか?」

  「……」

  返事はない。

  ドアノブを回す。

  かちゃり。

  鍵は開いているようだ。

  「祐也、開けるぞ」

  ひょっとして寝ているかもしれないと思い直し、俺は静かに扉を開け、一歩足を踏み出した。

  ……なんだ、起きてんのか。

  祐也はベッドの上で身体を前屈みにして、座り込んでいた。

  その姿は全裸のままで。

  俺の声が聞こえないのは、スマホに集中しているせいだろう。

  扉を開けた俺のことにも気付かない様子で、食い入るようにスマホの動画を眺めている。

  左手に何かをにぎりしめ、それを顔に押し当てながら、右手を小刻みに動かしていた。

  ……しまった。

  若い子特有の興奮した汗の匂いが、敏感な狼の鼻に届く。

  自分にも身に覚えのある行為。

  ……マス掻いてたのか。

  そりゃ、祐也だって男の子だ。

  自慰の1つや2つぐらいするだろう。

  しかし、あのクールな息子が、よりにもよって親父にその姿を見られるなんて絶対嫌なはずだ。

  「……」

  俺は気付かれないように後退すると、ゆっくりと扉を閉めようとする。

  ……俺は何も見ていねぇ。

  ……今日は何もなかったんだ。

  自分に言い聞かせながら。

  そのまま、後ろ向きのまま部屋の外に出て、ゆっくりと扉を閉めようとする。

  音を立てないように慎重に腕を動かして……。

  だが。

  「父さん……」

  うずくまったままの祐也の口から言葉が漏れる。

  「あっ……」

  俺は小さく悲鳴を上げてしまう。

  ……まずい、ばれちまったか。

  動揺で俺は身体が固まってしまった。

  だが、祐也は振り向こうとしない。

  気付かれたわけではないようだ。

  だが、俺の名前を呟いたのは事実。

  そして、それは何度も続く。

  

  「父さん……父さん……」

  普段素っ気ない息子が、俺の名を呼びながら、必死に右手を動かし続けるのだ。

  ……なんで。

  それは恋しい人を求めているような切ない声で。

  困惑したまま、息子が持つスマホに映った動画を見た瞬間、俺は息が止まった。

  『イ、イグぅぅっ……』

  『ぼとっ、ぼとっ、ぼとっ、ぼとっ……』

  そこに映っていたのは、自室でマスを掻き、堪えることが出来ずに射精してしまう、狼獣人の姿だったから。

  そう、部屋に置いてあった監視カメラで盗撮された俺なのだ。

  ……どういうことだ。

  ……ひょっとして、俺がおかずなのか。

  祐也は俺を見て、俺が抜いてる姿を見て、興奮しているというのか。

  リピート再生になっているそれは、再び俺が自慰を始めるところに戻っていた。

  それを飽きもせずに必死で見つめる祐也。

  ……盗撮したのはこのためだったんだ。

  俺を抜きネタにするため。

  「父さん……父さん……」

  そんな祐也の左手にあるのは、使い古したような色褪せたトランクス。

  股間部分の生地が擦れて薄くなっているのがわかる。

  もちろん、俺のものだ。

  それを必死に鼻に押し当て、匂いを嗅ぎながら、奴は息子を扱いているのだ。

  きっと洗う前の洗濯機から拝借したのだろう。

  その足元に、この前俺がザーメン処理をした黄ばんだタオルが広げられているのを見て……。

  がちゃん。

  俺の手からコーヒーカップが落ちた。

  「えっ?」

  さすがにその音には気づいたのか、振り向く祐也。

  その顔が俺には……雌に見えた。

  雄を誘う雌の顔に。

  「おい、祐也。お前……何やってんだ!」

  息子の前ではこれまで出したことのないような、地獄の底を這うような低い声が部屋に響く。

  それは彼にとって絶望のように感じられただろう。

  あれだけプライドの高い、媚びない祐也が、己の自慰を、あまつさえ実の父親を想って行っていた自慰を父親本人に見られてしまったのだから。

  「と、父さん……」

  今までろくに叱られたことのない子が、怒気混じりの声に顔を恐怖で歪めた。

  そう、俺は怒っていた。

  祐也にではない。

  俺自身にだ。

  昼間、熊教師と話したときに感じたもやもやの正体がわかったから。

  ずんっ。

  廊下に転がったコーヒーカップなど見向きもせず、全身の毛を逆立たせて、俺は一歩前に踏み出す。

  「あ……」

  身体をこちらに向けて、怯えたように身体を振るわせる若いニンゲン。

  「何をやっているかと聞いてんだ!」

  消防隊で命懸けの訓練をさぼった新人にも、俺はこれほど声を張り上げた事はなかった。

  並の獣人でも怯むその威圧感に、ニンゲン風情が耐えることなど出来ない。

  「……オナニー……してました……」

  恥ずかしさで顔を赤らめながら、声を漏らす祐也。

  「……そうか。まあ、雄ならそれぐらいしてもおかしくはねぇよな」

  少しトーンを押さえたその声に幾分ホッとした表情を見せる祐也。

  ただ自慰の場面を見られただけだと思ったのか。

  だが。

  「じゃあ、これはなんだ?」

  俺はベッドの脇まで寄ると、スマホを掴みあげる。

  「なんなんだ、これは!」

  「……あ」

  再びの絶望に顔を青ざめさせる息子。

  「ここに映っているのは誰だ?」

  「……」

  「誰だと聞いているんだっ!」

  部屋中に……いや、家中に響き渡る叱責の声。

  「と、父さんです……」

  祐也はその整った顔をくしゃくしゃに歪めて、震えることしか出来ない。

  そこにいつもの凛とした姿は見出だせない。

  まるで弱々しい雌のようだった。

  その顔は余りにも嫁に、俺のツガイに似ていて。

  俺の心臓は破裂しそうなほど激しく脈打つ。

  「するとなにか? お前は実の父親の動画を見ながら、自慰をしていたというのか? わざわざ盗撮までして」

  「……ごめんなさい……ごめんなさい……」

  いつものクールさなど微塵もない、弱々しい雌の声。

  それが俺の心を駆り立てる。

  ……こいつは息子のくせに、俺の事を好きなんだ。

  ……俺を求めているんだ。

  その事実が俺の理性を打ち壊す。

  

  「雄ともあろう者が、言うに事欠いて雄の姿を求めて自慰をするだと?」

  「そ、それは……」

  「そんな情けない雄に育てた覚えはない!」

  「ごめんなさい……」

  もう謝る事しかできないのだろう。

  だが、俺は許す事は出来なかった。

  何もなかったように親子関係を継続することなど不可能だ。

  このような痴態を見せつけられて。

  「しかも相手が実の父親だと……何を考えているんだ!」

  「……」

  俺に出来る選択はただ1つ。

  「そんな息子など……もういらん!」

  その言葉に、ハッと顔をあげる祐也。

  「そんな、父さん……。俺……俺……」

  祐也は涙をボロボロ流す。

  しかし、俺は一切の容赦をしなかった。

  「お前は息子なんかじゃない。……ただの発情した雌だ」

  軽蔑したような俺の態度に、失意の底に沈む祐也。

  ……そうだ、こいつは俺の息子なんかじゃねえ。

  ……ただの雌なんだ。

  だから続けて言葉を紡ぐ。

  「……発情した雌なら、何をされても文句はねえだろう?」

  「え?」

  呆然とした顔を見せる祐也。

  それは半分以上己に言い聞かせているも同然だった。

  こいつはただの雌だ。

  俺の姿を見ながら自慰をする、淫らで発情した雌なんだ。

  だから……だから俺のものにして何が悪い。

  「俺がぐちゃぐちゃに犯してやっても、何の問題ねぇわけだ」

  「そんな……」

  なぜか怯えたような顔を見せる祐也。

  おかずにはしていたものの、本当に実の父親との交尾を求めていたわけではないのかもしれない。

  だが、もう我慢など出来るわけがないのだ。

  これが発情期でないならば、堪える事が出来たかもしれない。

  だが、昂った俺の前で、俺好みの雌が俺の名を呼びながら求めていたのだ。

  それはもう、犯さざるを得ない。

  「そんなに欲しいなら……たっぷりくれてやる!」

  俺はそう言うと、ベッドの祐也の上に馬乗りになり、押さえ付けた。

  どんっ。

  「ひっ! や、やだ……」

  「うるせぇ!」

  そんな俺の身体からは、俺自身が顔をしかめたくなるほどに甘ったるい体臭が、解き放たれる。

  ハチミツを何十倍にも煮詰めたような、害悪にさえ感じるような濃厚な甘い匂い。

  「なに……これ……」

  その匂いを嗅いで呆然とする祐也。

  見る間にその身体は赤らみ呼吸が荒くなるのがわかる。

  それはフェロモンの効果。

  雄の獣人は本能的に効率よく子作りをするため、雌をたぶらかすフェロモンを身体から出す事が出来る。

  雌の全身を性感帯に変え、雄の逸物を自らくわえ込みたいと思わせる媚薬のようなフェロモンを。

  それはニンゲンのような虚弱な種族にはてきめんの効果を及ぼすのだ。

  「ああっ♡!」

  俺の荒い吐息が身体に当たっただけで、身体をのけ反らせる祐也。

  その様はまるで俺を誘っているように見えた。

  ビリビリビリっ!

  俺は脱ぐいと間も惜しいと、自らの服を引きちぎる。

  さらけ出される分厚い身体と、雌を求めていきり勃つ、股間の逸物。

  俺の腕ほどもあるそれは、びくびくとしゃくりあげ、ダラダラと先走りを垂らした。

  その下に位置するメロン大の二つの睾丸は、雌を孕ませる為の煮えたぎる雄汁を放出しようとぶるぶると震えていた。

  「やだ♡……やだ♡……」

  首を振る祐也に俺は聞く。

  「何が嫌なんだ?」

  「親子でこんな事……父さん、正気に返って……」

  「何を言っている」

  俺は諭そうとする雌の言葉を笑う。

  「俺のせんずり見ながら、自慰をしていたのは誰だ?」

  「……」

  「しかも……」

  俺は掌を祐也の股間に伸ばす。

  そこには小さいながら硬く硬直している強張りが存在した。

  「勃ってるじゃねえかよ」

  「あっ……」

  言葉を失う祐也。

  「お前、なんで興奮してるんだ?」

  そう、祐也の逸物は勃起していた。

  とろり、と先走りを漏らしながら。

  「そ、それは……」

  俺の言葉に顔を赤らめる祐也。

  それは俺の嗅がせたフェロモンのせいでもあるんだろうが、どうもそれだけではなさそうだった。

  「恥ずかしくねえのか。親父に襲われてるってのに、ビンビンに勃起させやがってよ。先走りまで垂らしやがって……」

  掌で亀頭をぐちゅぐちゅと擦ってやると、身体を震わせる祐也。

  「んんんっ♡♡!」

  「ああ? なんで嬉しそうにしゃくりあげてんだ?」

  俺が尋ねると、その興奮は一層高まるのがわかる。

  「まさか、お前実の父親にちんぽ触られて喜んでるんじゃねえだろうな」

  「そ、そんなわけ……」

  顔を歪める雌に俺は追撃をかけた。

  「そうかぁ? 嬉しそうにちんぽが震えてるぞ」

  そうして、俺はなおも亀頭を攻める。

  手首のスナップをきかせて、俺よりも小さく、まだ初々しいピンク色の亀頭を無理矢理攻め立てるのだ。

  くちゅっ、ぐちゅっ、くちゅっ、ぐちゅっ、くちゅっ、ぐちゅっ、くちゅっ、ぐちゅっ……。

  そんな強い刺激を受けた事がないのだろう。

  もちろん、他人に触られた事もねぇはずだ。

  「あっ♡、あっ♡、あっ♡、あっ♡……」

  切ない顔をして、身体を強張らせる祐也。

  「ああ? 親父にちんこ扱かれてよがるなんて、どんな変態だよ」

  「言わ♡……言わないで♡……」

  冷たいその言葉に、逸物は膨れ上がり、キンタマがせりあがるのがわかる。

  射精までもうすぐだ。

  祐也が身体をのけ反らせるのでそれがわかる。

  「やめてっ♡、俺イッちゃ♡……」

  その瞬間だった。

  俺はぴたりと手を止める。

  「あ……」

  絶頂に昇る階段を突然外され、呆然とする祐也

  そんな息子を見て、俺はにやりと笑ってみせる。

  「どうした? やめてほしいんだろ? お前の言う通りやめてやったぞ」

  「……」

  その顔はどこか物足りなさそうで。

  「まさかお前、父親の手でイキたかったなんて言うんじゃねえだろうな」

  「……そ、そんなこと」

  「だよな。お前はそんな奴じゃねえよな」

  俺はうっすら笑うと、息をあげたままの祐也に覆いかぶさった。

  「親父に責められて喜ぶ息子なんて、普通ありえねえもんなぁ」

  そう言うと、俺はその身体に腕を伸ばした。

  今度はちんこをしごくなんて、そんな直接的な刺激じゃねえ。

  ……ちんこで感じるなんて雄のすることだからな。

  その全身を愛撫して、雌としての快楽を教え込むのだ。

  性欲大王なんて言われた俺の前戯が、そのうぶな身体を襲った。

  「ひいいいいっ♡♡!」

  部屋中に雌の悲鳴が響き渡る。

  かさついた肉球が、分厚い爪が、ざらついた舌が、鋭い牙が。

  その雄を知らない無垢な身体を汚すために這い回る。

  じゅる、ぬちゅっ、こりっ、ざりっ、ぐちゅっ、ぬちゅりっ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ、ずるっずるっずるっずるっ、こりこりっ、じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅるっ……。

  「いやだぁぁぁぁっ♡♡!!」

  狂乱したように身体をばたつかせ、この場から逃れようとする祐也。

  フェロモンに侵されたその身体に、この愛撫は地獄のような快楽を与えているのだろう。

  敏感になった肌は、弱い刺激を快感に強い刺激も快感に変えてしまう。

  羽毛に撫でられたようなくすぐったさは蕩けるような気持ち良さに、つねられる痛みは魂を引っこ抜かれるような深い悦楽に感じてしまうのだ。

  それが途絶えることなく交互に、しかも全身を襲いつづける。

  首筋かと思えば太股を、腹かと思えば胸を攻められる。

  予測不能な快感が、ひたすらに身体を襲いつづける。

  狂ってしまいそうな執拗な愛撫。

  「ひぎっ♡、ひぎいいいっ♡♡!」

  「なに喘いでやがる。おめぇは雄じゃねえのか? 雄の癖にこんなとこが感じるのかよ?」

  俺は舌で乳首をなめなめ、くぐもった声で辱めるように祐也を攻める。

  「完全に雌じゃねぇか。普段生意気な態度取ってるくせに、一皮剥けば、ど淫乱な雌だったんだな」

  びくんっ。

  俺の言葉に息子は身体を振るわせた。

  ひどい言葉を言われたというのに、まるで興奮してしまったように。

  そして、それを掻き消すように必死で否定しようとするのだ。

  「ち、ちがっ♡……」

  「何が違うんだ?」

  そしてその言葉を証明するために、俺は息子の乳首を、痛みを感じる程度に甘噛みする。

  その痛みが、快感に変わると知っているから。

  かりりっ。

  「んああああっ♡♡!」

  それは祐也にとって凶悪な快感だったのだろう。

  「イ、イッじゃぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡♡!!」

  どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ。

  ……イキやがった。

  乳首を噛まれただけでイッてしまう、淫乱な息子。

  「……」

  俺は何度も身体を振るわせながら、息を荒げる息子を見下ろしていた。

  祐也の顔には、自己に対する嫌悪感があった。

  だが、それだけではない。

  自分より強くたくましい雄に襲われる喜び、そんな雄に辱められる喜びが見て取れた。

  じゃなきゃ俺を誘惑するように、もっともっとと求めるような蕩けた目をするわけがない。

  ……こいつ、Mっ気があるのか。

  本人は気づいていないのだろうが、あれだけ辱められる言葉で攻められて、興奮しているのだ。

  澄ました普段の顔に隠された二面性に、俺は自分が高揚するのを感じる。

  「おい」

  俺はそれを確かめるために、辛辣な言葉を吐いた。

  「父親に攻められてイッちまうなんざ、おかしいんじゃねえのか?」

  「……」

  「なんでそんな変態になっちまったんだ?」

  「俺……俺……」

  戸惑うように視線を揺らす祐也。

  だがその股間の肉棒は……。

  硬く硬直したまま、びくびくと震えていた。

  ……最高じゃねえか。

  俺はニチャリと笑う。

  ご先祖さまの狩猟本能が俺を刺激する。

  気に入った獲物をいたぶって己のものにする狼にとって、目の前の雌は最高の獲物だった。

  ……もっと、もっとだ。

  この息子の被虐趣味を俺の手で完全に開花させてやる。

  ……こいつを調教して、俺好みの雌に変えてやる。それが、お互いの幸せに繋がるんだ!

  「恥ずかしくねえのか? 実の父親に襲われてイッちまうなんてよ」

  「……」

  氷のように冷たい俺の言葉に、祐也は傷ついたような顔をする。

  だが、その赤らんだ顔は確実に興奮していた。

  

  「しかも、乳首噛まれただけでイッちまうなんて、どれだけ淫乱なんだ。どうせ、あちこちでよその雄を咥え込んでいるんだろうが」

  「そ、そんなこと……してないです……」

  首を振り訴える祐也。

  「嘘をつくな。クラスメイトにも媚びてるんだろうが。虎山と鰐田だったか。お前の事気に入ってるそうじゃねえか。どうせでっかい獣人ちんぽで毎日よがり狂わされてるんだろうが」

  「そ、そんなことしてない!……俺は誰ともしたことないから……」

  「……じゃあ、それが本当か確かめてやる」

  俺は息子の身体に手を伸ばすと、うつぶせにひっくり返した。

  俺の目の前で、小さなすぼみがヒクヒクとうごめいていた。

  そこに向かって、俺は舌を伸ばす。

  べろん!

  「ひいっ♡!」

  生暖かい感触に悲鳴をあげる祐也。

  「ああ? 嬉しそうな声あげやがって。本当に使ってないか調べてやるからな」

  俺は人差し指をべっとりと唾液で濡らすと、その小さな穴にねじ込んでいく。

  

  ずるずるずるずる……。

  フェロモンの効果は、ケツアナにも及んでいる。

  雄をくわえ込むために、完全に緩みきった穴へと変わるのだ。

  雄の指を痛みもなく咥えこむ裕也の穴。

  それだけじゃない。

  快感を伴って受け入れるのだ。

  「ひぎいいいいっ♡!」

  身体を弓のようにのけ反らせる祐也。

  ぷつぷつと感じるこの肉襞1つ1つで快感を感じているのだ。

  「なんだこれは!」

  俺は強く息子を責める。

  「使った事がないんじゃねえのか? それがなんでこんなにガバガバで指突っ込まれただけで感じるんだよ」

  「わからない♡……わからないです♡……」

  「やっぱり学校で雄のちんぽくわえ込んでるんだろうが」

  「違うっ♡、違うからっ♡!」

  祐也は泣き叫ぶ。

  「俺、そんなことしてない♡♡!」

  「嘘を言え。じゃあ、なんでこんなにすんなり入るんだよ。このメスブタが」

  俺は指をぐちゅりと掻き回す。

  そして、奥に隠れる小さな胡桃大のしこりを優しく押し潰す。

  ぐりっ。

  「おおおおおっ♡♡!」

  びくんっ、びくんっ!

  肉襞を直接刺激される快感と、人格を否定される喜びが混じり、メスイキしてしまう祐也。

  俺はその快楽の源泉を執拗に探り続けた。

  ぶちゅっ、ぐりっ、ごりごりごりっ、ぐりっぐりっぐりっ……。

  指を2本に増やし、興奮で硬くなっている前立腺を、何度も何度も嬲り続ける。

  

  「な”に”こ”れ”ぇ”ぇ”ぇ”……」

  こんな快楽、味わったことがないのだろう。

  白目を剝きそうになりながら悶えることしかできない祐也。

  その姿は淫らで、俺はおかしくなりそうだった。

  

  「こんなに感じやがって。どうせ誰でもいいんだろうが。……あの熊教師にもやらせてるんじゃねえのか?」

  「ちが……俺が好きなのは、父さんだけだから……あっ……」

  思わず言ってしまった言葉に、絶句する祐也。

  自分が父親に欲情する変態だと、自らの口から告げたも同然なのだから。

  だが、それに衝撃を受けたのは俺も同じだった。

  かわいい雌に、直接好きだと言われてしまったのだ。

  本能を紙一重で押さえ込んでいた理性のたがが外れる。

  たとえ目の前にいるのが、最愛の息子だとしても。

  「ふぅ、ふぅ」

  息が荒くなる。

  もう、抑えることなんて出来るわけがない。

  俺に出来るのは、目の前の雌を犯して、子を孕ませることだけ。

  「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

  ケダモノに戻ったような雄叫びをあげ、俺はうつ伏せになった祐也に覆いかぶさる。

  そしてぐずぐずに濡れた逸物の先端を、フェロモンで蕩かされた雌穴に突き入れた。

  ごずんっ!

  「ん”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡!」

  絶叫が響き渡る。

  肉襞が、気持ちいい。

  まだ雄を知らない処女を、しかも息子の処女を、父親である俺の肉棒で散らすという背徳感。

  柔肉をこじ開け、雄を覚え込ませる喜び。

  俺は意識を失いそうなほど、興奮してしまう。

  「ああっ♡、ああっ♡、ああああっ♡♡!」

  そしてその興奮は、祐也も同じだった。

  被虐心のある息子は、実の父親に犯されているという事実に、とてつもなく狂ってしまっていた。

  ずりずりずりずり……。

  最奥まで呑み込まれていく俺の逸物。

  肉棒の形にボコボコと腹が膨れ上がるのに、ただイキまくる事しかできない祐也。

  「イグっ♡、イグっ♡、イグぅぅぅぅぅっ♡♡!」

  どぷっどぷっどぷっどぷっ……。

  身体を押し付けられたシーツから青臭い匂いが漂って来る。

  「雌の癖に生意気にザーメンなんか出しやがって……」

  俺は吐き捨てる。

  「俺は雌じゃない♡……男だから♡……」

  「いいや。おめえは男じゃねえ」

  俺は断言する。

  「ただの雌だ。いや……実父に犯されて喜ぶど変態の雌だよ」

  ぎゅっ。

  肉膣が強く絞まるのがわかる。

  この期に及んで興奮しているのだ。

  息子のくせに父親に犯される事に喜んで、種をねだる雌穴。

  その事実が俺の脳が狂熱で焼かれていく。

  もう腰を振ることしかできない。

  目の前の雌を犯して、確実に種をつけることしか。

  「ぐおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

  がちゅがちゅがちゅがちゅがちゅがちゅがちゅがちゅがちゅっ、がちゅんごちゅんごちゅんがちゅんっ、ごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつっ!!

  なにも考えられない。

  その小さな身体を組み敷いて、思い切り腰をたたき付ける。

  そのうぶな肉襞を削り取り、えぐり取るように。

  べこっ、べこっ、べこっ、べこっ……。

  抜き差しされるたびに、祐也の腹が大きく揺れる。

  まるでその小さな身体を貫通してしまいそうな抽挿。

  それでも俺は腰振りをやめない。

  ただひたすら、己の雄が誰なのかわからせるように俺は腰を振った。

  華奢な雌なら壊れてしまいそうな交尾。

  だが、そこには苦痛など存在しないのだろう。

  俺の身体からは圧倒的に濃厚なフェロモンが垂れ流されて。

  それに浸された祐也の身体はもはや快楽以外の感覚は消え失せているのだから。

  だから、押し潰されてしまいそうな激しい抽挿ですら、悦楽でしかないのだった。

  「んほおおおおおおおおおおおお♡♡おおおおおおおっ♡♡!!」

  ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ!

  「しゅごいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡ぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡!!」

  「何、喜んでやがる! 俺はそんな変態にお前を育てた覚えはねえぞ!」

  そう、息子は全身で喜んでいた。

  父親である俺に蔑まれながら犯されることが、祐也にとっては最上の幸福なのだ。

  その事実は、俺の血を滾らせる。

  「謝れ! ここまで育ててやった俺に謝れ! こんな変態に育ってごめんなさいと謝れっ!」

  「ごべんなざいっ♡、どうざんごべんなざいぃぃぃっ♡♡!! 変態でごべんなぁざいぃぃぃぃっ♡♡!!」

  泣きわめきながらよがり泣く雌に、俺はもう何も考えられなかった。

  出来るのは、ただ快楽に呑まれて腰を振り、息子の雌穴に種を付ける事だけ。

  どちゅんっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、がつんっ、ずごんっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ずるずるずるずるずるっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、ばちゅっ、ばちゅっ、がつんっ、がつんっ、がちゅんっ、どちゅんっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、がつんっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ずるずるずるずるずるっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、ばちゅっ、ばちゅっ、ごつっごつっごつっ、どちゅっ、じゅちゅじゅちゅじゅちゅじゅちゅ、がつんっばちゅんっ、どちゅんっ、ばつんっ、どちゅんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっつんっ、がつんっ、がちゅんっ、ごつっごつっごつっ、どちゅっ、じゅちゅじゅちゅじゅちゅじゅちゅ、がつんっばちゅんっ、どちゅんっ、ばつんっ、どちゅんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ!

  「ひぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ♡ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  狂ったように泣き叫ぶ祐也。

  それを見て、俺は気がつけば叫んでしまっていた。

  「孕め!孕みやがれ!」

  息子を孕ませる。

  禁忌とも言える行為に対する背徳感が、俺の脳を焼き尽くす。

  ……こいつを孕ませて、俺のツガイにしちまえ。

  そう、心で何かが囁くのだ。

  「お前にガキを孕ませてやる! 俺のガキを孕ませてやるからなっ!」

  「そんな♡……。いやぁぁっ♡、怖いっ、怖いよぉぉぉぉっ♡♡!!」

  組み敷かれた俺の下から、一瞬正気を取り戻し、泣き叫ぶように拒否をする息子。

  だが、その言葉とは裏腹に、祐也の本能は俺を求めている。

  いじめられて喜ぶ被虐性が、本当は父親である俺の子を孕みたいと、絡みつく肉襞を通して俺に訴えるのだ。

  

  「うぉぉぉぉぉっ!!」

  実の息子を犯し孕ませるという、その鬼畜のような所業に、俺はこの上なく興奮する。

  ……こいつを俺のツガイにするんだ!

  ……息子を俺だけのものにするんだ!

  「祐也っ、祐也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  ダムが決壊するように、俺の肉竿から放たれる大量の子種汁。

  何百兆もの種が封じ込まれた百発百中の獣人ザーメンが、その小さな雌穴におぞましいほどの量注ぎ込まれるのだ。

  ぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶじゅっぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶじゅりっぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅ……。

  粘り気のあるヨーグルトのような重たいそれは勢いよく飛ぶことも出来ず、雌穴を膨らませるために流し込まれた。

  ぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶじゅっぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅ……。

  いつまでも吐き出されるその大量の雄汁で、見る間に妊娠したように膨らんでいく息子の腹。

  その感覚と、父親の種を中出しされたという背徳感で、祐也は気絶してしまっていた。

  「はぁ、はぁ……」

  ……孕んでいるだろう。

  ……確実に孕んでいるだろう。

  だが。

  ……こんなもんじゃねえぞ。

  俺は完全に気を失った祐也の身体の上で再び腰を振りはじめた。

  ★

  「おめでとうございます。ご懐妊ですね。しかも三つ子です」

  2ヶ月後。

  祐也を伴っていった産婦人科で、医者から告げられた俺達。

  「どうしよう……」

  病院からの帰り道、さすがに戸惑うような顔をする祐也。

  そりゃ、今まで男として育てられたのに妊娠したと言われたら困惑するのだろう。

  しかもその種が父親のものなのだから。

  だが、俺は気にも留めない。当たり前なのだ。

  避妊もせずに、濃厚な子種汁を、あれから毎日祐也の雌穴に注ぎ込んでいたのだから。

  孕まないわけがない。

  「父さん……俺……」

  「心配すんな」

  俺は祐也に笑ってみせる。

  「お前、父さんの事好きなんだろうが」

  「……うん」

  何の戸惑いもない返事に、俺は笑みを浮かべる。

  そう、こいつはもう俺のものになったのだ。

  「じゃあ、お前は俺のツガイだ。結婚は出来ねえけど、俺はお前を死ぬまで離さねぇよ」

  制度的には子供との結婚は無理だが、内縁の妻にしちまえばいい。

  どうせ獣人の方が寿命が長いのだ。

  祐也の面倒ぐらい、死ぬまでみてやれる。

  「……」

  「ガキもどんどん産んだらいい。ちゃんと俺が面倒みるからよ」

  「……」

  「それとも、俺なんかより別の男の嫁になりてえのか?」

  「ううん」

  その質問には、祐也は即座に首を振る。

  

  「父さん以外考えられない。俺、ずっと昔から父さんの事が大好きだったんだ…」

  その言葉に愛おしさが込み上げてきて……俺は思わず祐也の身体を抱きしめた。

  そして照れ隠しに耳元で囁いた。

  「そうだな。……閨でお前が喜ぶようにイジメてやれるのは、きっと俺だけだもんな」

  それを聞いて顔を赤らめるツガイがかわいくて、俺はこの身の幸せを実感するのだった。

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