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その7にゃ:初めてのお使いだにゃん!

  「ママー! みけ、初めてのお使いしたい!」

  「みけちゃん。突然どうしたの?」

  みおちゃんの事を「ママ」と呼ぶみけちゃん。

  みけちゃんはみおちゃんの事を、まるでママのような大事な存在に思っているようですね。

  そんなみけちゃんに応えて、みおちゃんはみけちゃんを我が子のように接しています。

  今日はみけちゃんが、みおちゃんのおうちへ遊びに来ていました。

  「みけ、ママの役に立ちたいんだ。もうみけ、子供じゃないもん! お使いだってできるよ」

  「子供……だと思うけど」

  「ぶー、ママの意地悪!」

  「ごめんごめん、みけちゃんはお使いがしたいんだね?」

  「うん! ママ、何でも言って!」

  「じゃあ、ミャアミャアマートでシュールストレミング缶を買ってきてほしいな。はい、お金ね」

  「分かった!」

  みけちゃんはみおちゃんから貰ったお金を握りしめると、嬉しそうに家を飛び出して行きます。

  今回はみけちゃんの初めてのお使い。

  果たしてみけちゃんは、無事にお使いを済ませる事ができるのでしょうか?

  [newpage]

  「買えたよ!」

  と思いきやみけちゃん、もうお使いを終えてしまったようです。

  みけちゃんはお買い上げシールを貼ってもらったシュールストレミング缶を持ちながら、うきうきでみおちゃん宅へ向かいます。

  「じーっ」

  みけちゃんは電柱の影から見つめる者の存在に、気付いていない様子です。

  「みけちゃん、無事に買えたみたいね。何だかんだで我が子のようなみけちゃんだから、心配でついつい着いて来ちゃったものの……」

  どうやらみおちゃんが、ひっそりとみけちゃんの様子を見守っていたようです。

  「みおちゃん、甘いよ」

  「にこちゃん!?」

  「そんなにじーっと見ちゃ、すぐみけちゃんに見つかっちゃうよ。僕がじっと見の極意を教えてあげるよ」

  「え、お断りします……」

  「なっ、断られた……断られた……」

  「いや、だってみけちゃん追いかけないとだし……また今度ね!」

  みおちゃんはみけちゃんを追いかける為、にこちゃんを置いて行ってしまいました。

  「今回の僕の出番、これだけ……?」

  みおちゃんはみけちゃんを見失わないように、電柱の間を素早く移動して追いかけます。

  「それにしてもこれ、何が入ってるんだろう? しゅーるすとれみんぐ?」

  みけちゃんはシュールストレミングと言う物を良く知らない様子。

  「美味しいのかな? あたし、気になるー……開けちゃおうかなぁ」

  「みけちゃん、開けちゃうのかな……」

  「……ううん、これはママの物なんだ。勝手に開けちゃ怒られちゃう。きちんとママに届けないと」

  「さすがみけちゃん、思い留まってくれた……」

  「何が思い留まってくれたのー?」

  「あ、ここねちゃん。どうしたの?」

  「前回出番が無かったからねー。適当に街をぶらついてれば出番が回ってくる、と思ったんだよー」

  「なるほど。今ね、みけちゃんの初めてのお使いを見守り中なんだ」

  「面白そうー、私も一緒に見守るよー」

  ここねちゃんがみけちゃん見守り隊に加わりました。

  「みやもやーるー☆」

  「みやちゃん!? 静かにして……!」

  「あれ、そこに誰か居るの?」

  みけちゃんが声に気付いて、振り向きましたが……。

  「気のせいかな。早く帰らないとね」

  どうやら気のせい、と思ってくれたようです。

  「みやちゃん、着いて来てもいいけど静かに、ね?」

  「はーい☆」

  「静かに、ね……?」

  「くんくん……卵の匂いだー☆」

  「みやちゃん、鼻がいいね……みけちゃん追いかけてる時にお店で買ったたまごサンド、これ上げるから」

  「みや、分かった」

  みやちゃんはようやく静かになりました。

  「私も何か欲しいなー……」

  「はい、チョコドーナツ」

  「わー、ありがとー」

  「みおのおやつ、減っちゃった……まあ、いっか。シュールストレミングが待ってるものね」

  3人はそーっと、みけちゃんの後を追って行きます。

  「じーっ」

  「あれ、みけちゃん何か見てる? どうしたのかな?」

  「ニャミマの方だねー」

  「ここは! 美味しい煮干しチップスが売ってるんだよ☆ きっとみけちゃん、それが気になってるんだ☆」

  「そう、なのかな?」

  みけちゃんはコンビニの方へ入って行きます。

  「あ、入ったね!?」

  「どうしたんだろうねー?」

  「何かあったのかな?」

  3人もみけちゃんを追いかけて、コンビニの中へ入って行きます。

  [newpage]

  「みけちゃん、お店の人とお話してる?」

  「あ、トイレへ向かったよー?」

  「きっと漏らしそうだったんだ☆」

  「いやいや、漏らさないでしょ……なるほど、おトイレへ行きたかったんだね」

  みけちゃんはどうやら、トイレを借りる為にコンビニへ立ち寄ったようです。

  3人はそれを確認すると、みけちゃんに見つからないようにコンビニの外で待ちます。

  「ふー、すっきり! さーて帰ろう」

  帰り際のみけちゃんは、手に何も持っていませんでした。

  「あれ、お使いの缶を持ってない?」

  「みけちゃん、トイレに置いてきちゃったのかなー?」

  「じゃあ届けてあげないとね☆」

  「ここでみおが出ていっちゃうのもちょっとアレだけど……仕方ないか」

  みおちゃん達はコンビニへ戻り、トイレの手洗い場にあったシュールストレミング缶を回収します。

  缶には少し水が飛び散っていました。

  「よし、回収っと」

  『ツルッ』

  「わっ!」

  表面が少し濡れていたので、みおちゃんは缶を滑らせてしまいました。

  『プシャ!』

  落ちた衝撃でシュールストレミング缶が開いてしまい、中身の液体が漏れてきました。

  「うっ! くさーい!」

  「すっごい臭いだ☆」

  「わー! みおのシュールストレミングがー!」

  「臭いにゃ~、にゃんだかデジャブだにゃ~」

  「わっ、お兄ちゃんもコンビニに来てたの!?」

  ニャミマの店内には強烈な異臭が漂い、もはやバイオテロ状態と化していました。

  店内に居た人々は異臭騒動で逃げ惑い、コンビニはもはや営業どころではありません。

  しまいには誰かが通報したようで、警察が駆けつける騒ぎにまで発展してしまいます。

  「臭いにゃ~」

  「ひーん、何で私までー……」

  「みや、もう帰りたい☆」

  「みおのシュールストレミング……」

  何故かたまちゃんまでも巻き込まれ、4人はトイレの清掃をさせられたのでしたとさ。

  [newpage]

  「酷い目に遭ったにゃ……」

  「もう最悪……」

  「あ、ママー! 何処行ってたの?」

  へとへとになって家に着くと、みけちゃんが玄関前で待っていました。

  「ちょっとね……」

  「ねえママ、何か近所で物凄い異臭騒ぎのバイオテロがあったらしいよ? 警察も出動したんだってさ。怖いね?」

  「あはははは……」

  みけちゃんは缶を忘れている事にも気付かず、呑気なものでした。

  「じーっ」

  「あ、にこちゃんだ! どうしたのー?」

  じーっとみおちゃんの様子を見ていたにこちゃんに、偶然通りかかったここちゃんが声を掛けます。

  「僕は偶然、みおちゃんの家を突き止めてしまった」

  「ストーカーに磨きが掛かってるね……;」

  「みおちゃんがバイオテロに巻き込まれたと聞いて、捜査を進めていたのさ」

  「バイオテロねー……ここ、今回ばかりは出番が無くて良かったかも」

  「僕もだよ……」

  2人はバイオテロに巻き込まれず、ホッとしていたのでした。

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