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月の湖、その掌に。

  「…獣人、行き詰まるとホントに何でもできるんだな…」

  そう言いながらぼんやりと呟く猪獣人の青年は現在、眼の前に広がる異国の光景に感嘆しながら呟いていた。

  大学で人文学を修めている彼は、大学生にはよくあるように卒業論文の制作に難航していた。かねてより興味を持っていた部族をテーマにしたはいいものの、彼らに関しては兎に角資料が少ないせいか、このままでは卒論落として留年などという事にもなりかねない。そして彼は一念発起…彼らと接触を図るべく、夏休みを利用してとある熱帯地方の国へと訪れたのだ。

  遠く思い起こされるのは渡航滞在費用を稼ぐための日雇いバイトの日々…大柄な体躯を活かした運送業や引越し業の他、ちょっと人には言いづらい事までやってはいた。無論犯罪ではないが、おかげで長期休暇いっぱいの滞在できるほどまで稼げたのは行幸だと思っている。

  日本から飛行機で十数時間、遠く離れた異国の地。もちろん、空港があるということは文明の手はある程度伸びているものの、市街地から離れればその限りではない。熱帯の強い日差しと熱く湿った風を受けながら車を走らせてもらい更に数時間、朝に移動を始めてから日が高く登る頃には小さな町へと辿り着いた。

  今日から暫くこの地で暮らすことになる。緊張感とこれからの期待に胸を膨らませながら、彼は早速動き始めた。

  向こうの部族との渡りはすでにつけてある。今日は彼の方から挨拶に伺い、改めて調査研究の確認を行うつもりだった。

  進むのは南国の森の中を踏み固められた土の道。歩くのも一苦労である道を大きなリュックを背負って難なく進めるのは、ひとえに彼の若さと頑丈な体と体力のなし得る事である。現地のことを十分に勉強し、準備を怠らずに念入りに行ったことも功を奏した。お陰で暑さに汗びっしょりになったとはいえ、さほど疲れることなく行程を進むことおおよそ30分。

  ふと、森の木々の間に動くものが見えた。

  「ッ…!!」

  一瞬、森の獣かと思って身構える。が、それはすぐに杞憂だとわかった。

  森の中の少し開けた場所、そこに座り込んでいる巨体は象獣人だった。耳に通したいくつかの釣り針型のピアスに、豊満な巨体に施されたペイント、身につけているカラフルな腰布からぶらりとぶら下がって見える大振りなちんぽ…資料で見たものと一致する特徴にこれから向かう部族の人物である事に安堵し、接触を図ることにした。

  『…こんにちは。』

  『だ、だれ?』

  現地の言葉で話しかけて見れば、思いの外高い声が返ってきた。よく見れば、その顔はまだあどけない少年のものだ。突然話しかけられて怯えているのか、びくりと震えながら後退りする。よく見れば全身土埃にまみれており、ところどころにかすり傷が見える。場所を見ればすぐそばには小さな崖があり、そこから滑り落ちてしまったのだろう。転がった籠と辺りに散らばった草を見れば、おそらく野草詰みの手伝いか何かだろうか。

  『…だいじょうぶか。けが。』

  『…うん。』

  覚えたとはいえ、カタコトの現地語。怖がらせないよう慎重に話しかけてやると、恐る恐る頷く少年。見たところ頭は打っていないようだが、かすり傷とはいえ汚れていては後で悪化しかねない。念の為…とリュックから手早く水と消毒液、ガーゼを取り出す。

  未開の地の部族とはいえ、ある程度文明は入っているためか、少年も怪我の手当てをされるとわかれば大人しく従った。消毒液がしみるたびにぎゅっと目をつむり、痛みに耐える。時折長い鼻を鳴らしてべそをかきそうになるのを我慢していたが。

  一通りの手当てを終えて落ち着いたのか、少年は興味深そうに彼をまじまじと見ている。

  『お兄さん、だれ?よその人?』

  『そうだ。』

  言っていることはわかるが、話し言葉が正しく出来るかは別の話。彼は慎重に答えるものの、少年はすぐにそのあどけない顔をぱぁっと明るくさせて笑いかけた。

  『すごい!ぼく、よその人見るの初めてなんだ!』

  人懐っこく目を輝かせる少年の眼差し。期待とわくわく感でさっきまでのべそかきはどこに行ったのやらとほんのりあったかい気持ちになりつつ、その頭を撫でてやれば『えへへ…』とどこか嬉しそうだ。

  『きみ、ここの人?』

  『うん!この近くにみんないるんだ!』

  『ちょうどいい。おれも、いく場所。』

  『じゃあぼくが連れてってあげる!あ、おつかいもしなきゃ!』

  意気揚々と立ち上がる少年は、散らばった籠と野草のことを思い出してあわあわと集め始める。幼い言葉に府内愛で大きな背中うしろ姿とたっぷり揺れる金玉袋を目にしながら彼もまた下ろしたリュックを背負えば、野草を集めた籠を頭に乗せた少年がはっとしながら振り返る。

  『ぼく、カルム!おにいさんは?』

  『…ダイチ。井村大地(イムラ ダイチ)だ。』

  …

  程なく村に到着すると、そこは森の中に簡素な木造りの家が立ち並ぶまさに未開の地とも言える場所だった。

  村人たちはみな体格の良い豊満な雄獣人。日本では大柄だったダイチもここでは小柄な部類に入るだろう。カルムもそうだが、ここは土地柄ゆえか象や犀などの毛が薄い種族が多い。その誰もがカルムと同じような格好で大っぴらにその体をさらけ出しているのだ。

  そして、カルムの案内で連れてこられたのは村の中でも一段高い場所に作られた長老の家だった。

  『これはこれは…遠いところをようこそ。異郷の方よ。』

  簡素な屋根の奥では、村の誰よりも巨体を持つ象獣人の老爺が穏やかな笑みを浮かべて迎えていた。その巨体に相応しく、前掛けから覗くちんぽと金玉袋が木の床の上にずっしりと乗っているその様子は圧巻の一言…ダイチはその圧倒的存在感に思わずゴクリと息を呑む。

  ふ、と長老の目が後ろにいるカルムを見れば、ゆっくりと細められて小さく息をつく。そうして深々と頭を下げた。

  『そして…儂の孫がご迷惑をおかけした。』

  『あー…たまたま、見つけた、から。』

  本当に、ここまで来る道中で偶然出会っただけだと恐縮しながらもどうにか伝えるダイチ。長老から向けられる眼差しに少しの照れくささを覚えながらも、これからの話を進めていくことにする。

  村では近日、祭が開かれる。それはこの部族に昔から伝わる特別な祭なのだが、何故か残された文献が少なく外部に伝わることもそうそうない、いわゆる秘祭と呼ばれるもの。その取材と論文の資料集めのため、ダイチは町からこの村に訪れていくことになっていた。今日はそのための挨拶を兼ねた訪問。長老の家で改めて許可を貰い、資料にする上での注意を受けてから宿へと引き返す。そのはずだった。

  『ね、ねえ、じいちゃん。』

  その時、不意にダイチの後ろから今まで黙っていたカルムが口を開く。振り向くダイチと村長の視線の先では、カルムがその巨体を恥ずかしそうにもじもじさせながらなにか言いたげに視線を泳がせていた。大人同士の話に入ってはいけないと我慢していたのだろう、それでも伝える言葉を選ぶようにもう一度、二度と口を開きかけ、三度目でようやく言葉を続けていく。

  『ぼく、おにいさんと一緒にいたい……』

  少しの間が開く。そして、ダイチはその言葉に思わず笑った。どうやら、体の大きなこの少年は存外甘えん坊のようだ。

  確かに、いつかは別れの時が来るのはわかっている。それでも今日村に来たばかり、明日も明後日も、まだ暫くはこの村で生活を共にするのだから。早速懐かれて悪い気がしないでもないし…と、自分と同じ背丈のその頭をぽんぽん、と優しく叩いてにっこり笑いかけてやる。

  『だいじょうぶ。またくる。』

  『いや…』

  ダイチの言葉を遮るように、村長が穏やかな低い声で言葉を発する。そこから少し何かを思案すればひとつ頷き、再びダイチへと視線を戻した。先ほどと変わらない穏やかな顔つき、しかしそこにほんの少しだけ喜色が浮かんでいることにダイチは気づいてはいないだろう。

  『ダイチ…良ければ、こちらで暫く暮らしてみてはどうだろうか?』

  ………

  それから数日、ダイチは村長の家で過ごしながら村人達の様子を間近で観察していた。残された僅かな資料とは比べ物にならない臨場感と情報量…現地の滞在によって自身の研究についてより深く理解出来た事に内心で歓喜と興奮を覚えながらも、それらをレポートとして纏めていく。

  『ねぇダイチ、もう終わった?』

  『ん…あとちょっと。』

  『もう、さっきからそればっかりだよ!遅れちゃうよぉ!』

  そんなダイチの後ろで彼をせっつくのは、ここ数日ずっと寝食を共にしているカルムだ。初日からだが随分と懐かれたなぁ…と思いつつ、カルムのおかげでこの地の言語もだいぶ流暢に話せるようになったのはありがたいと思っている。それにしてはスキンシップが積極的ではあるな…とも思ったものの、その疑問も数日村で過ごす事で氷解したものだ。

  この村は、女性が居ないのだ。なので、男性同士でのコミュニケーション…勿論、性的なものを含むそれはごく当たり前の事で、実際に村では男性同士での夫婦関係ばかりである。同時に男性同士の性交渉もかなり盛んに行われており、あの優しげな村長も夜ともなれば誰がしかの家に上がってまぐわっているとカルムから聞いた。それがごく当たり前の世界だと聞いて、話には聞いていたダイチも実際目の当たりにして少々驚いたりもした。

  さて、ここで疑問になるのが「男しかいないこの村で、どうやって子供を作るのか」だ。ダイチとしては近隣の街や村で女性と知り合って子作りをする、が正解だとは思ってはいた。しかしそれにしては女性の影が無さすぎるのだ。皆無と言ってもいい。一度不穏な思考が頭をよぎったものの、カルムによればこれから行われる秘祭に関係しているとのことで、ともなればより興味を惹かれるものだ。

  たったの数日で自身が今まで持っていたより濃密な知見を得る事が出来た。百聞は一見にしかずを身をもって体験するダイチである。

  現に、今身につけているものはカルムと同じく部族の民族衣装。流石にピアスまでは開けていないものの、体のペイントとカラフルな腰布はカルムとお揃い。勿論丸見えになった日本では自慢だった巨根チンポもあぐらをかいた足の間でずっしりと存在感を示している…のだが、隣にいるカルムのものが少年にしては随分と規格外の大きさのせいか、ほんの少しだけ男としてのプライドが傷ついたのは内緒である。

  そうして、さっきからカルムがせっついているのはこれから行われる秘祭についての事だった。

  一度レポートを切り上げ、急かすカルムと共に村の広場へと向かうダイチ。時刻は夜、満月の煌々と輝く下、村の広場には男達が集まっていた。そこに満ちているのはどこか落ち着かない、祭りの熱気とも言えるそわそわした空気…それは隣にいるカルムも例外ではなく、ダイチの後ろにぴったりくっついて、その手をぎゅっと握っている。

  そうして集まった男達の前に、松明を持った村長が姿を現した。

  『では、これより「月の湖」へと向かう。皆、着いてくるように。』

  普段の優しげな表情ながら、厳かな雰囲気を纏う様子に、ダイチもまた緊張してその言葉に従う。無論、後ろで手を握っているカルムもそうなのだろう。聞けば、カルムも今回が初めての参加らしい。しかも、村長の勧めで急遽決まった事だという。その巨体と巨根は村の若者でも随一とはいえ、今夜の祭りに参加する者達では一番の年下なのだ。

  そんな子を、余所者とはいえ一応は大人である自分がしっかりとリードするべく、ダイチはその手を握り返す。握られた手に、少しだけカルムの緊張が和らいだ気配がした。

  『…ありがと、ダイチ。』

  その小さな呟きに、振り返れば照れくさそうに笑うカルムの顔。まだ幼さの残る象の少年を前に、ダイチは思わずどきりと胸を踊らせた。

  月の湖とは、部族に伝わる聖地である。小高い丘の上にあるその湖は村の水源でもあり、こんこんと湧きだす水はあたりの森をも潤し育んでいる。その中に浮かぶ小島は月の神の祝福がある地とされ、年に2度ある秘祭の時期にしか訪れる事は許されない。

  男達は2組に分かれ、カヌーに乗って島へと向かう。この時、ダイチとカルムは別の組にあてがわれて離れてしまった。村長が先導し、カルムたちを乗せて先に向かったカヌーが島にたどり着いたのを見届ければ、もう1隻のカヌーが湖面へと躍り出す。

  穏やかな水面を滑るように進む彼らの姿を、その名に相応しく満月の光が照らし出していた。若者達が集まるにしては静かで、神秘的な光景。事前注意で写真撮影は厳禁との事でカメラを持ち出してこなかったダイチだったが、今ではそれで良かったと思えるほど、綺麗な景色だった。

  と、後ろからツンツンと突かれてダイチは振り向く。そこにいるのは自分と同じぐらいの年頃の牛獣人…島の若者のひとり、ナルカだった。自分よりも一回り大きな体格の陽気な男。すでに息子がひとりいて、わんぱく盛り相手に日夜奮闘している姿をよく目にする。鍛えられた豊満な身体と、はち切れんばかりの胸が目を引く男が、にこやかな笑顔で言葉を告げる。

  『なぁダイチ…お前、カルムとだろ?初めてで緊張しないか?』

  『そりゃあ勿論。来て早々、参加できるとは思ってなかったし。』

  『だよなぁ…俺もまさか!って思ったぜ。普段なら俺が緊張ほぐしてやるんだけどなー?』

  そう言いながら手をわきわきさせてダイチを後ろから揉みしだくナルカ。村の中でも助平でまぐわいによく参加しており、村長の巨砲を咥え込んでは悦んでいる姿を目にしている。丸見えになっているチンポはコロンとした小振りで、歩く度にプルプルさせながらも隠す様子もなく堂々としているのが逆に凄い。

  そんなナルカのちょっかいも、漕ぎ手から飛んできた注意の声に『うへぇ』と悪戯が失敗した子供のような声と共に止む事になる。

  『しっかし…ダイチがこっち側かぁ…ちょっと勿体ねぇなぁ。』

  最後に小さく呟いた言葉は、跳ねた水の音でダイチの耳には届かなかった。

  やがて、ダイチ達を乗せたカヌーは小島へ辿り着く。歩いて一回りしても5分と掛からないであろう小さな島の中、薄い木々の間に松明の灯りに照らされた広場があった。そこに存在感を示すように鎮座するのは、豊満な男達の体躯より大きな石の柱。四面に深く掘られた紋様はまるで何かの姿を象っているようにも見え、言うなれば柱というよりも像のようでもあった。

  これは月の湖より、部族を守る月の神…資料でも言及のみ、その姿を決して見る事の叶わなかったものが目の前にある…それが纏う神秘性に、不思議な高揚と酩酊にも似た浮遊感を覚える。

  『ダイチ!こっち!こっちだよ!』

  自分を呼ぶカルムの声にはっと我に返る。

  像の前にある広場は篝火が焚かれ、それを囲むようにしていくつもの簡素な天蓋が用意されていた。その中の一つで、カルムは手を挙げてダイチを呼んでいた。

  『ごめんごめん。少し興奮してた。』

  『もう、お勉強のことになるとすぐなんだから!』

  少しむくれたカルムをあやすよう、隣に座って頭を撫でてやる。天蓋の下はふかふかの干し草が詰められ、言うなれば簡素なベッドのようなもの。その中に巨体の青年と少年が並んで横になれば、密着するのもごく当たり前の事だ。

  カルムの手が、そっとダイチに触れる。向かい合って見つめ合うその表情は、月明かりと松明の灯りに照らされてもなお赤く…そしてカルムは照れたようにふい、と視線を逸らしてしまうのだ。

  そこで、ダイチは理解した。

  『…カルム。』

  『な、なに?ダイ……』

  言いかけたカルムの口を、自身の口で塞ぐ。優しく、しかしじっくりと…やがて舌を絡めていけば、カルムの方からもぎこちなく、しかし情熱的な若さをもってそれは返ってくるのだ。耳に届くのは舌を絡める音、合わさる吐息と触れ合う舌から感じる熱は、やがて2人に火をつける。

  キスをする事どのぐらいだろうか。口を離して見つめ合えば、カルムの表情は一転していた。先ほどまでのあどけなさは僅かに鳴りを顰め、その目は真剣な眼差しでダイチを見つめ返す。そして今度は迷いなく、その言葉を口にした。

  『ぼく…ダイチが好き。ずっと一緒にいたい。』

  …そもそも、自分は何故彼らの事を知ろうと思ったのか。遥か異国の、この地に住まう部族たちの事を。まるで何かに導かれるかのように。

  自分は普通の大学生だったはずだ。普通に勉強して、就職して、結婚して、子供をつくって……そうあるべきだったと思う人生の為、この地にいるはずだった。

  だが、カルムの告白の言葉が、ストンと腑に落ちたような気がした。

  自分は、ここに居たいのだ。

  この、少し頼りない大きな象の少年と、共に人生を歩みたいのだ。

  『……ああ。良いぞ、カルム。』

  告げる言葉に返すのは、これだけで十分だった。

  『あ、そうだダイチ、これ…』

  思い出したかのように取り出したのは一本の木の根のようなものだった。やわらかに編まれたそれには、綺麗な石や木の実の飾りが施されている。確か、ナルカも小さなチンポと金玉袋を飾るように身につけていたのを思い出した。

  『これは……』

  『お守り。ぼくが作ったんだ。』

  そう言いながら、カルムはダイチのチンポと金玉袋の根元にそれを巻きつけていく。しっかりと、解けないように。

  でっぷりと超えた金玉袋と太いチンポは、カルムのお守りに飾られてどこか愛らしくも見える。

  初めての贈り物、どこか気恥ずかしさを覚えながらも、ダイチは再びカルムへと身体を預けていった。

  再びキスを交わす2人。先ほどよりも少しだけ激しく、お互いに抱き合いながら交わす口付け。ダイチがさりげなくカルムの腰布へと手を伸ばせば、不意に触れた熱に思わずピクリと反応する。

  腰布から伸びるのは、腕ほどもあろう大きさのチンポだった。まだ若く、初々しい色づきのそれはしかし、先端に大きな傘を開いてしどしどに濡れた汁を垂らし続けている。

  ずっと我慢してくれていたのだろう、その健気な様子に思わずダイチは笑みを溢した。

  『凄いな…』

  『えへ…爺ちゃんの次にでっかいから……』

  そう言われれば納得の大きさ。それを太ももで挟み込み、素股でしごいてみる。金玉袋の舌から感じる熱と太さ、蟻の門渡からアナルを擦り上げる大きな亀頭の質量、それらを感じながら動かしてやると、目の前のカルムは目を細めてぴくぴくと身体を震わせている。我慢している姿も可愛いものだ。

  しかしてダイチの方も、チンポの周りから感じる熱と脈動を覚えていた。触れてもいないのにチンポが熱を持ち…そしてそれ以上にアナルが疼いて仕方がない。『お守り』として付けてもらった飾り…あの植物に催淫か精力増強の効能でもあったのかもしれないが…そんな事はもう、どうでも良かった。

  溢れる汁と汗が滲んだ尻の谷間に挟み込んだカルムの巨根をアナルへと擦り付け、怪しく蠢くそこで太竿を優しく喰んででやるように動かしてみせる。ダイチが何を求めているのか…カルムもそれを理解し、ごくりと喉を鳴らして頷いた。

  干し草の寝所に仰向けに寝かされ、足を開くダイチの腹の上。すでにしどしどに濡れたチンポの上に、それを上回る大きさのカルムのチンポが乗せられる。先ほど述べた通り、腕ほどもあろう大きさのそれは臍を優に超えてアナルの奥まで掘削できる事だろう。

  日本でいた頃であれば雄同士のセックスなど考えたこともない、現在でも普段ならばその大きさに戦慄し断っているはずが、今夜はその忌避も恐怖も何も無いのだ。ただ、目の前の雄によって雌にされたい、孕まされたい…そんな欲のままに、ダイチは脚を抱えて処女アナルをカルムへと差し出している。

  『だ…ダイチ……』

  『良いぞ。来いよ、カルム。』

  おそるおそる、といった風に、亀頭の先がピタリとアナルに触れた。そのまま、ゆっくりと腰を進めていく。

  『っあ……♡』

  不思議と、痛みはなかった。代わりに押し寄せてくるのは圧倒的な質量のそれが進んでくるたび、擦れる肉襞から感じられる多幸感にも似た快楽。握り拳ほどもあろう亀頭が窄まったアナルをこじ開けるようにして中へと侵入していけば、程なくしてダイチの括約筋はその大きな塊を丸ごと引き込んでいた。それでも抽送は止まることがない。

  亀頭によって広げられたアナルは、ほぼその太さそのままに太竿の巨根で広げられ続ける。チンポの先端が奥の奥まで、さらにその奥まで進んでいくのに合わせて、肉厚の腸壁はその径を腕並みチンポの太さまで拡張されながら擦られ続けるのだ。

  やがて、カルムの柔らかな下腹がダイチの尻にピタリと触れる。根本まで咥え込まれたチンポの先端は、ダイチの腹に僅かな盛り上がりを見せながらどくどくと脈打ってみせた。

  『う、動くよ…っ…!』

  「あが…ぁッ…!?」

  ぐりゅ、と中でチンポが動けば、ビリビリとした電撃のような快感がアナルから背筋を駆け上って頭に叩き込まれていくのを感じる。ゆっくりと、しか力強く抜き差しされるたびに腸壁が擦られ、捲れ上がるアナルが柔らかく解されながらも巨根チンポの形をそのままに覚えさせられてしまう。

  やがてその動きは大きく、大胆に。いつのまにか、滲み溢れる腸液と先走りでごちゅん、ぶちゅっ、と粘ついた音を立てながらカルムは本気の腰振りを行っていた。若さゆえの勢いのままの抽送でダイチのアナルを奥まで捉えて掘り進めていく。

  「す…すげ…すげぇ…ッ!!♡お゙ぉッ!?」

  『ダイチッ…すき!大好きだよぉ!』

  暴力的な快感に、もはや無自覚に母国語での喘ぎが漏れてしまうダイチ。びゅる、びゅるっ、と噴き出すザーメンが腹にぶちまけられていけば、むわりと立ち昇ってくる匂い…ダイチの匂いにあてられたカルムもその巨体をぶるるるっ!と震わせ…奮わせて、思いの丈を叫びながらダイチの身体を抱き起こした。

  対面座位で深々と繋がりながら、今度はカルムの方からキスをする。純粋な愛情と若い欲望が混じり合ったような濃厚な、貪るようなキス。ダイチもそれを受け入れながら、体内で脈打つカルムのチンポに、強い雄のモノにされ、上から下から強烈なまでに蹂躙される。その悦びに打ち震えながら、自身を愛し陥落させるそのキスと雄交尾に、溢れ続ける射精を止めることが出来なかった。

  そうして目を瞑り、カルムからの全てを感じるように身体を寄せ、若い巨体が最後にぶるりと震えるのを感じる。

  『んゔぅぅぅッ!!♡』

  キスを交わしたまま、くぐもった声で唸るカルム。その瞬間、アナルをさらに一回り広げるようにぶくり、とチンポが膨れ上がったかと思えばその瞬間が訪れる。

  「あ゙……♡」

  胎内で湧き上がり、渦を巻くように肉壁にぶち当たっては翻る高温の塊。体温よりも暖かなそれがぐるぐると巡りながら、それでもなお湧き上がっては止まることなく中を満たしていくのを感じる。

  どぶゅるるるる…と、胎内でくぐもった音を響かせるほどの射精は奥まで押し込んだ勢いのまま、ダイチの腹をぶくり、と膨らんませていく。既に箍の外れてしまっているダイチのチンポも、2人の間でびゅるびゅると射精しながら自身の膨れた腹とカルムのむっちりとした腹を濡らしていった。

  カルムの方もまた、初めての中出し射精に巨体をガクガク震わせながら、尚も射精を続けていた。ザーメンと腸液に塗れてなお絡みつき、締め付けてくるアナルの揉みしだかれる巨根は、根こそぎその精力を吸い取られるかのようで、それでも貪欲に、自分の全てを注ぎ込んで孕ませんとするが如く。キスは外さないまま太い腕はダイチの身体を強く抱きしめ、長い鼻を首に回して抱き寄せる。

  どれほど経っただろうか。どちらともなく口を離したところで、ぐったりと脱力したダイチがその身体をカルムへと預けた。周りでは他のカップルたちが激しくセックスしている音が聞こえてくる。視界の端では別の天蓋の下で、村長に後ろからのしかかられて喘ぎながら絶頂しているナルカの姿も見えた。

  そんな声もほんの少しだけ遠く、耳に入ってくるのは湖の漣の音。

  『……ダイチ。すき…』

  『うん…』

  『ぼくの…およめさんになってください……』

  改めての告白の言葉に、ダイチはカルムの耳元でそっと返事を返す。

  風に揺れる木々のざわめきと湖の漣の音、それらに阻まれることなく伝えられる言葉は、しっかりとカルムの下へと届けられた。

  程なく、重なったままの影は再び動き出す。周りの熱気にあてられるよう、熱にうかされるよう…月が沈み、陽が昇るまで、繰り返し、繰り返し……

  ………

  それから、少し時は巡って9ヶ月後。

  「はは…流石に、ちょいキツいか……」

  ダイチの姿は村へと続く森の道を進んでいた。その身体は巨体ながらも以前よりも丸みを帯び、柔らかな肉付きになっているのがわかる。そして何よりも、以前とは違い余裕の無い様子で休み休みの牛歩進行。

  余裕を持った時間で行ったはずが、交通のトラブルで時間を取られたのが痛かったなと少しだけ後悔した。それでも、この先に向かって行かなければならないのだ。

  ふぅ…と一息ついて倒木に腰を下ろす。同時に、大きく膨れた腹の中に感じる重みがずしりとかかってきてより疲労感を覚えてしまう。それでもなお、そのお腹を優しく撫でながら、言い聞かせるように言葉を紡ぐ。

  「大丈夫…もうすぐ会えるからな……」

  と、唐突に木々をがさりがさりと掻き分ける音と共にその巨体は現れた。

  『ダイチぃっ!!何やってんのさぁ!!』

  大慌て、と言った様子で姿を現したのは大きな体の象獣人…もちろんカルムである。森の中での仕事の最中にダイチの姿を見つけた仲間からの知らせで、一目散に向かっていたらしい。その背丈は一年弱の時間の間でまた少し大きくなったのか、ダイチを少し見下ろすほど。幼さの残る顔つきはそのままに、体躯も少年のそれから鍛えられた青年のものへと移り変わっているかのようだった。無論、ぶらりと揺れる巨根もより雄らしく使い込んだ色になっている。

  その見た目も伊達ではなく、リュックを背負ったダイチを難なく…お姫様抱っこで抱き上げて村への道を辿っていく。

  『もう…来る時は連絡してよ。ぼくが迎えに行くって言ったでしょ?』

  『ごめんって。空港からなかなかこっちに来れなくてな。』

  『だからってこんな道まで来て……』

  呆れたようにため息をつくカルムの顔を見上げれば、ふと目が合う。少しの間だけ見合わせたところで、どちらともなく笑いが溢れていた。顔を寄せ合い、睦まじくキスを交わす。

  『…おかえり、ダイチ。』

  『うん…ただいま、カルム。』

  あの祭りの日を含めた調査研究の為に暫くの間村で過ごしたダイチは、一度卒論の作成、提出と諸々の手続きの為に帰国していた。そしてこの度、無事に大学を卒業して社会人としての一歩を踏み出したのだ。

  …元々決まっていた内定を辞退し、代わりに就いたのはこの国を支援するためのNPO法人の仕事。それと同時に国籍を取得し、この国の国民となった。

  村に初めて訪れ、離れてから9ヶ月。ようやく、この地に戻ってきた。

  『おぅカルム!ようやく嫁さん戻ってきたか!』

  『今度は離すんじゃねえぞ!』

  『んもー…余計なお世話だよーだ!』

  村に帰れば、周りの男達が囃し立てるように声を上げる。そんな言葉に照れながらも言い返すようになったカルムを逞しい腕の中から見上げて、ちょっと見ないうちに成長を感じてダイチは少し嬉しくなった。

  以前来た時と同じように村長の家…ではなく、その傍にに建てられた新しい家へと向かうカルム。無論、ダイチもまたその意味を理解している。だからこそ少しだけ驚き、そして嬉しさが込み上げてくる。

  『…村長さんも、認めてくれたのか。』

  『うん!お祭りも参加できたし、それに…ダイチもいるから、もう一人前だって!』

  『ふふふ…そうかぁ……」

  そう言って嬉しそうに笑うカルムの笑顔にもどこか逞しさを覚える。

  そうしてダイチは新居の寝床そっと下ろされた。真新しい木材と茅葺きの匂いが鼻をつき、ふかふかの柔らかな干し草が優しくダイチの巨体を受け止めた。悪路を進み疲れた体にそれは効く。このままでは程なく眠ってしまうだろう…そうなる前に、着替えておくことにする。

  『ん…ちょっとキツいな……』

  『あんまりキツくしちゃダメだよ?』

  一応、身につけているのは以前と同じ腰布とペイント…なのだが、前と比べてその印象は些か変わっていた。

  逞しかった体は肉付きもふくよかになり、以前よりもふっくらと胸が大きくなっている。ある程度浮き上がっていた筋肉もむっちりとした肉に隠れて動くたびにムチムチとした感触が分かりそうな程。そして……

  腰布から覗いたチンポには、以前カルムから貰った飾り紐がそのまま括り付けられていた。しかしそれは、まるで根を張ったかのようにしっかりと金玉袋の根元に密着しており、そこを卑猥に飾り付けている。

  そして何よりも、そのサイズは以前とは比べ物にならない程に小さく可愛らしいものになっていた。あれだけ大きかったチンポが、今では子供のおちんちんのような大きさになり、デルタゾーンの奥で可愛らしくぷるぷると揺れているのだ。これには初めは驚いたダイチではあったが…今となっては使うことのなかったものだし、使う必要もほぼ無いと開き直る事にした。

  腹の方はと言えば、それは一目でわかる大きな膨らみ。前に突き出し丸々としたお腹は時折どくん、と脈打ちながら、内側からどん、と何度も蹴るような感覚を覚えている。

  それを見れば、カルムは目を輝かせながらもそっと、ダイチの大きなお腹に耳を当てて目を閉じた。

  『…ここに、いるんだね。ぼくたちの子供…』

  その言葉に、ダイチはゆっくりと頷く。

  普通では信じられない事に、ダイチは子供を孕んでいた。もちろん、心当たりなどカルムしか居ない。

  この部族ではそれが当たり前の事だった。雄が雄と子供を作り、子々孫々を繁栄させていく。ほんの少しだけ当惑したのは始めのみ、今ではそれを受け入れ、新たに母親になるものとして…カルムの生涯の伴侶として嫁ぐ覚悟を決めていた。

  そして今、2度目の祭りが迫っている。

  村の中にはダイチと同じように先の祭りで孕み、臨月を迎えた身重の雄や、その伴侶たちがこれから生まれる自身の子供達を待ち侘びるかのように大きくなったお腹を労りながら、祭までの間を緩やかに過ごす様子が見受けられた。

  『ようカルム、ダイチ帰ってきたって?』

  『ナルカ!』

  『ああ。色々大変だったけど、どうにかな……』

  寝台の上で仲睦まじく過ごす新婚夫婦に茶々を入れてくるのはお馴染みの顔。牛獣人の若者もまた、大きくなったお腹を抱えつつも慣れた様子で手を振ってみせる。ナルカもまた、村長の伴侶としてその子供を孕んでお腹の中ですくすくと育てている。つまり、次に生まれてくるのは、カルムの叔父という事になるのだが…村長の性豪振りは誰しも知るところだ。今更それも気にする事はない。

  他愛のない話、語らう2人の話を聞きながらも、カルムの腕の中でダイチはうつらうつらと船を漕ぎ始める。ここが今から自分が帰る場所なのだ、帰って来れたのだ…そう安堵しながら、久方ぶりの夫の腕の中でほんの少しだけ、眠りにつくのだった。

  ………

  1度目の祭は子を宿すためのもの。そうなれば、2度目の祭は子を産ませるものだ。

  それはダイチがこちらに帰国してから半月後の満月の夜だった。

  再び舞台は月の湖、その湖畔に鎮座する神殿は、月明かりと松明の明かりに煌々と照らされてよりその神秘性を際立たせている。

  前回とは違い、今度は村人総出で参加する。神殿に集まった村人達の前には、臨月を迎えた雄達とその伴侶が並んでいた。無論、その中にはダイチとカルムの姿もある。普段の格好とはまた違うペイント、煌びやかな装飾を施された腕輪や首飾り…中には乳首ピアスやチンポのピアスその他など、伴侶の手で思い思いに着飾られた臨月の雄達がお披露目される。

  まるで…いや、まさに披露宴だ。

  『ダイチ…綺麗だよ…』

  『ん…あんがと…』

  囁きの言葉に、少しだけ顔を赤らめながらはにかみ笑いを返すダイチ。

  ダイチもまた、カルムによって綺麗に着飾られていた。薄い布をヴェールのように被せられ、綺麗な石の首飾りに、腰布もまた透けるような薄い布に飾り石をスパンコールのように施し、スカートのように巻きつけて身につけている。もちろん、ぷるぷると震えながらねっとりと汁を滴らせている可愛らしいチンポもうっすらと覗いてはいるが、もはやそれに対する羞恥心は無い。むしろ、綺麗に飾って貰ったことが何よりも嬉しかった。

  やがて、どん、と力強い太鼓の音が空気を震わせた。それを皮切りに、カルムの手がダイチの腰に回される。他の雄達も同様に、自身の妻をそれぞれエスコートしながら神殿へ…各々が与えられた祭壇へと向きなおる。

  正面には、見上げるほどに大きな象の像が鎮座していた。片牙が折れたその神像は、この地を守る月の神であり、月の湖の主。部族の者達は、その御前で子を成し、その加護を授かるものだと信仰していた。そして今もまた、その通りに。

  『カルム……』

  『うん…』

  祭壇…というよりも寝台に寝かされたダイチは、カルムの前で脚を開いてみせる。顔を赤らめ、そっと薄い布を捲り上げれば顕になる小さなおちんちん。とろりと溢れる汁には雄の匂いはほぼせず、代わりに漂う甘い匂いにドキリとしつつ、カルムも同様に腰布からムクムクとその巨根チンポを大きくさせた。

  「ん゙ッ…!♡」

  ぷるんと揺れたチンポの下、アナルを塞ぐ木の栓がずるりと抜かれれば、思わず声を漏らして震えるダイチ。太い栓が抜かれたアナルは捲れ上がり、中のピンク色を覗かせながら息づくように蠢いてじわりじわりと汁を滲ませていた。

  再び、太鼓が鳴る。今度はカルムの番だ。硬く、大きくなったチンポをダイチのアナルへと当てがい、それをゆっくりと中へと埋め込んでいく。飲み込まれていくたびにビクビクと身体を震わせながら、それでもすぐに出さないようにこらえながらも、その視線はダイチと見合わせたまま離さない。押し倒したダイチの手を、自身の手と握り合わせるようにして優しく、ゆっくりと奥までチンポを押し込んでいく。

  『だ…大丈夫?きつくない?』

  『ッ…♡』

  カルムの言葉に言葉なく頷くしかできないダイチ。久方ぶりのカルムのチンポに、既にガクガク震えながらチンポからはだらだらと汁が止まらない。

  そして再び太鼓が鳴る。

  『い、いくよっ…!』

  音に合わせ、カルムの腰が…チンポが、アナルの奥へと叩きつけられた。

  瞬間、目の前で火花が弾けるような光が見えた。どくん、どくんと脈打つのは自分の体か、それともお腹の中にいる赤ちゃんのものかは分からない。それでも、頭の中に叩きつけられた強烈な快感にふっと一瞬自意識が遠のいていたのは確かだったろう。

  気づけば身体をのけぞらせてびくん、びくんと、震わせながら絶頂させられていた。勢いよくチンポから噴き上げるのは精液ではなく潮吹き、乳から噴き出す暖かな母乳が顔に降りかかっているのがわかる。

  再び響いた太鼓の音に合わせ、また突き上げられる。

  『んぶぃッ♡』

  再び噴き上がる白と透明の汁。弾むように揺れる大きな腹の中で息づく命が自分たち呼ぶ父を感じているのか…太鼓が鳴ってアナルを突き上げられ、子宮口を刺激される度に内から湧き上がる何かが強まっているような気がした。

  幾度となく繰り返されていく突き上げ…それは、何度太鼓が鳴った頃だろうか。

  『っか…カルム…カルムッ……!』

  『ダイチ…?』

  『く、くる……っ!』

  その瞬間は唐突に訪れるのだ。

  カルムのチンポを内側から押し返すかのように下へと降りてくる子宮口。カルムがチンポを引き抜いていけば、暖かい羊水が溢れ出し、陣痛が始まった。

  大きく開いた脚の奥、ずっしりとした重いものがアナルの中を…産道を通り抜けて出て行こうとするのを感じる。カルムのチンポで大きく広げられているとはいえ初めての感覚。排泄する時とはまた違う、腹の奥から湧き上がってくるような動きと、強烈な痛み…そして快感が、頭の中を埋め尽くしていく。

  目の前にはカルムの心配そうな顔。しかし握られた手は力強く、そして逞しい。

  『だ、だい…じょうぶ……』

  『うん…頑張って、ダイチ……』

  訪れる痛みの波に合わせ、息むようにして外へ、外へと我が子を送り出す。そうして広がったアナルを通り抜けたかと思えば、開かれた脚の間から元気な産声が上がった。

  村人達の方からワッと歓声が上がる。耳をすませば、周りからも次々に聞こえてくる産声。俄かに沸き立つ神殿の中の歓声に、思わず目を細めた。

  すぐ傍では、カルムがまだ臍の緒のついた子供を抱き上げてダイチにその顔を見せる。それはダイチの面影を色濃く継いだ、猪の男の子だった。父親の腕の中で元気に産声を上げる様子を見るに、将来はやんちゃ坊主になりそうだと思った。

  『おめでとう、ダイチ…産まれたよ…ぼくたちの子供……』

  『うん…ありがと…ッ!?』

  その時、まだ胎内から降りてくる感覚にダイチはぶるりとその身を震わせた。

  まだ、いるのだ。

  それを察知すれば、すぐさま体は出産の続きに入る。子宮口を広げて出てきた2人目の子供は、先ほどよりも大きくみっちりと産道を埋め尽くしているのがわかった。それでも、どうにかずるり、ずるりと産道を通り抜けようとして降りてくるのがわかる。

  「んぎ…ぃっ!♡っふ…う…ゔぅぅ…ッ…!!♡」

  『が、がんばれ…ダイチ…!』

  みちっ、みちっと圧迫するほどの大きさに前立腺もぺしゃんこに潰され、敏感になったアナルを刺激され続ければ出産イキも止まらない。

  目の前でいきみながら絶頂する度に母乳と潮吹きで体を濡らすダイチの手を、カルムはしっかりと握り続ける。

  どれぐらいの時間が経っただろうか。永遠にも近く感じられるようだったその時間にも、やがて終わりは訪れた。

  2人目の子供は、カルムに似た大きな象獣人の子供だった。色白で可愛らしい、大きな体の…女の子である。

  これには村長も目を丸くしていた。男しか生まれて来なかった部族で、初めて生まれた女児。もちろん、村人達は村初めての出来事に大歓声を上げている。

  生まれた子供2人は母であるダイチの腕の中で、それぞれ左右のおっぱいを吸って授乳されていた。

  『すごい…すごいよダイチ。ぼく、一気に2人のお父さんになっちゃった…!』

  『はは…まさか、俺も双子だとは思わなくて…』

  全身汗と母乳と潮に塗れたまま、少し予想外の出来事にはにかみ笑いを返すダイチ。カルムはその体を抱き寄せ、2人の子供の愛らしい顔を眺めて微笑む。

  『…名前、考えてあげなくちゃ。』

  『そうだな……』

  この日、村にはダイチが産んだ子供を含めて11人の子供が産まれる事となった。

  ………

  「……っていうのが、お前達が産まれた時の話。」

  1人の猪獣人が、コロコロと寝転がっている少年と大人しく座っている少女に思い出話を言い聞かせている。同時に大きなお腹を抱えながら、さらに小さな子供たちを揺籠の中で寝かしつけていた。それも含めた昔話、と言ったところだろうか。

  「ふーん…だから母ちゃんは俺らやみんなにその『ニホン』の言葉教えてるんだ。」

  流暢な日本語で話しているのはやんちゃそうな猪の少年。少々行儀悪く仰向けになって話を聞いているのは、今はみんなお昼寝の時間だったので咎めないでおく。腰布から覗いたチンポは父親譲りらしく、少年にして村でも5本の指に入る大きさなのは今は割愛しておこう。

  「じゃあ、私もいつかお母さんみたいに、お父さんみたいな運命の人と…」

  そう言いながら夢想してポッと顔を赤らめるのは象の少女。大きな体で行儀良く座ったまま興味深そうに母へと視線を向けていた。村で唯一の女子である彼女は、色白と見目の美しさから村の少年たちの憧れのような存在だったりする。無論、親バカの父親がしっかりとガードしているのだが…とはいえ、怒ると非常に怖いという事は彼女の双子の兄たる少年が身をもって知っていたりする。

  そんな昔話を語る猪獣人はお腹の中で動く次の子供の胎動を感じていた。

  今夜は祭の日。目の前で語らい、揺籠で眠る子供達が産まれた日の事を思い出せば顔が綻ぶと同時に、じわりと母乳が滲んで、とろりとチンポから汁が滴る。

  それを見越していたかのように、家の外から象の青年が顔を覗かせた。大きな体の猪よりも、さらに大きく逞しい彼は、愛しの妻と子供達ににっこりと笑いかける。

  『お待たせ。小さい子達はナルカが見ててくれるって。』

  『ああ、いつも有難いな…後で何かお礼しなくちゃだ。』

  『ふふ、そうだね…ナギ、アイーナ、お祭りには気をつけて来るんだよ?』

  『『はーい!!』』

  名前を呼ばれ、元気よく返事をする双子の兄妹を前に、うんうんと頷いた象の青年はふいと猪へと向き直り、その目の前に手を差し伸べた。

  その顔はほのかに赤らみながらも、新たに産まれ来る家族を迎えるべく、よき夫として、父親として、妻を支える男の顔。泣きべそをかいていたあの頃の事を思い出して、少しだけ笑いながらも、その手をとって立ち上がる。

  『それじゃあ、行こうか。これからも、ずっと大好きだよ、ダイチ。』

  『ああ、俺も…俺も、愛してるぞ、カルム…』

  おしまい。

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