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君のことが大好きな吸血鬼は刻みつけたい

  (聞き手がドアを静かに開く)

  おはよう。

  私が起きないように気を使ってくれたのね。

  実は君がアパートの近くにきたらすぐにわかるのよ。

  気配でなんとなくね。

  いつも一緒だから身体が覚えてるわ。

  もうすっかり暗いわね。

  お仕事お疲れ様。

  何か食べれそう?

  疲れきって何も入らない?

  わかったわ。

  なら久しぶりに撫でてあげる。

  私が君の頑張りを誉めてあげる。

  光栄に思いなさい?

  ほら、こっちにきて。

  膝に頭のせていいわよ。

  君一人だけなんて重くなんてないわ。

  遠慮なんかしなくていいのよ、ほら。

  (聞き手が読み手の膝に頭をのせる)

  今日も仕事が大変だった?

  いつもありがとう。

  頑張ってて偉いわ。

  (聞き手の頭をゆっくり撫でる)

  この時間が幸せだわ。

  永遠に続けばいいのにね。

  撫でて気づいたんだけど。

  君の匂いに知らない女の香水が混じってる。

  どういうこと?

  説明して?

  そう、新人の女の子ね。

  歳も近いから教育係に選ばれたと。

  ふーん。そう。まぁいいわ。

  ……やっぱり普通の女の子のほうがいい?

  私と一緒だと日中デートとかできないからね。

  (↓辛そうに絞り出すように)

  人間の女の子と恋愛したらいいじゃない。

  私は吸血鬼。

  人間とは一緒になれない。

  ごめん、やっぱり今のなし。

  私が嫌なの。

  君のこと諦めたくない。

  我が儘なのは分かってるけど

  捨てないで欲しい。

  私には君しかいないの。

  君だけなの。

  お願い。

  ……ありがとう。君の気持ち。

  とても嬉しいわ。

  私も君のこと大好き。

  ねぇ、血吸わせてくれる?

  (読み手が聞き手の首筋に噛みついて血を吸う)

  やっぱり君の血は美味しいわね。

  信用してないわけじゃないの。

  もちろん、君が私のことを好きだってことは

  疑ってないわ。

  でも、足りない。

  言葉だけじゃ不安なの。

  君の首に傷をつけて

  私のものだって刻みつけると安心できる。

  久しぶりに吸ったけど加減は上手くいったと思うわ。

  昔、色々やってたからね。

  お人好しの誰かさんの邪魔が入ったからやめたけど。

  あの時に君と出会わなかったら。

  今ごろ、何してたのかわからない。

  (首の傷をなぞりながら)

  痛い?

  触ると少し痛みがある程度だと思うわ。

  この痛みを感じるたびに私を思って。

  一生離さないんだから。

  大好きな私の王子様。

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