ギャングのボスにのし上がった牛獣人が肉食の部下どもを(性的に)好き勝手する話
絶頂したかのような真夏の陽射しが、曇りない空から降り注ぎ、ビーチベッドに寝そべっている[[rb:雄牛 > ブル]]の黒々とした毛並みの中に落ち込んでいった。彼は今しがた、手元に置かれた結露したグラスを気怠げに口に運び、たっぷりの氷で冷やされたハイボールを、一口、飲んだ。
綺麗に刈り上げられた鮮やかな緑が映える芝生の庭に設られたプールだった。周囲を白いペンキで綺麗に塗られた高いフェンスに囲まれた庭は、外部から目に入ることはない。
太陽の熱は雄牛の毛の内側にこもり、全身をじりじりと灼いた。熱くなった筋肉がトレーニング直後のようにパンプするのを感じながら、深呼吸をした。膨らむ肺に押し出されて、分厚い胸板がなおのこと膨れ上がった。不惑を過ぎて久しかったが、雄牛の肉体は絵に描いたような精悍さを誇っていた。
サングラス越しに太陽を眺めながら、[[rb:雄牛 > ブル]]は自らの人生の勝利に酔いしれている。これは、彼自身が掴み取った今なのだ。貧民街の、生きるか死ぬかという土地で彼は生まれた。幼い頃から、生き延びるのために必死でなければならなかった。草食であればなおさら、凶暴な肉食連中が牛耳る裏の世界で喰い物にされることがないよう、したたかに生きなければならないのだった。時には逃げ惑い、時には媚びへつらい、時には平伏しなければならなかったが、生きるためならばどんなことだって躊躇わなかった。
そのために敵を欺き、味方を売りさえした。後悔することなど、少しもなかった。やがて、か弱い仔牛の時代を生き延び成牛となった[[rb:雄牛 > ブル]]は、街を陰から支配するギャングの一員に成り上がることができたが、そこでも、すべきことは変わらなかったし、むしろ苛烈を極めた。判断を一つでも誤れば死が待っていた。さっきまで彼の隣にいた奴が、数分後には屠られた姿になっていることなどザラだった。もちろん、彼自身が手にかけたこともあった。そうでなければ自分が殺されていただろうからだった。
上との付き合い方はとりわけ、肝心だった。信頼できる相手とくれば、理不尽な要求だって、出世のために受け入れなければならなかったが、落ち目の輩に付き従うのに比べれば、遥かにましだった。まだ若い頃、羊のグループに入るか、狼のグループに入るか、迫られたことがあった。同じ時期に組織に入った牡馬とジャンケンをした結果として、羊の組に入った。狼の組がボスの逆鱗に触れ、組織ごと粛清されたことを聞かされたのは、それからしばらくのことだった。ジャンケンに勝った牡馬の屠られた屍体を目にした時、雄牛は震え上がった。けれども、全身を貫く戦慄が次第に小便を放っている時のような開放感に変わっていく不思議な気持ちも、同時に感じたものだった。
そのような幸運も手伝って、ヒエラルキーの底辺から[[rb:雄牛 > ブル]]は順調に上へ登り詰めていったのである。少ないパイを奪うための果てしない抗争が続いた。さながら戦争だった。死ねば終わりだったが、殺せば、殺すほど彼の地位は上がった。
そして今や、雄牛は自らの運と実力によって、街一つを裏から支配するボスの座に見事収まったのである。
太陽の光に照らされながら、[[rb:雄牛 > ブル]]はこうした自分の来し方を感慨深げに思い返していた。まるで、お手軽なショート動画を見ているかのように。
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プールから打ち付けるような音とともに、激しい水飛沫が上がった。さっきから、部下のワニとティラノサウルスの獣人が取っ組み合いをしているのだった。二匹とも、まだ青臭さの抜けない下っ端で、大声で互いにガキくさい暴言を飛ばしながら、レスリングごっこに興じている。ワニの挑発に乗ったティラノが腰を低くしてタックルをかますのを、ひょいとかわしたワニは、サッと背後に回り込むと、後ろからティラノのカラダに抱きついた。抵抗するティラノを嘲笑うように、ワニは軽々と相手を持ち上げてしまうと、そのまま水面に勢いよく叩きつけ、さらに水中へと引き摺り込んだ。
[[rb:雄牛 > ブル]]が悠然とクロールをしているあいだ、罰として廊下に立たされたガキよろしくプールサイドに立たされていた野郎どもは、今や自分たちの自由を謳歌していたのだった。
雄牛は群青色のビキニに引っ掛けていた拳銃を手に取った。鈍く黒光りする銃の表面を直射日光に照らしながら、愛しい相手と交換する指輪のようにひとしきり、それを眺めた。で、二匹の頭上目掛けて一発、撃った。火薬の爆発音とともに、プールは一瞬で静まり返る。
「うっせえぞ、ガキども」
すっかり縮こまった姿勢になったワニとティラノは、怯えたように[[rb:雄牛 > ブル]]の方にカラダを向けていた。雄牛はピアスをした鼻を深く鳴らしながら、二匹の筋骨隆々とした肉体を眺める。へっ、と雄牛は蔑むように歪んだ笑みを浮かべた。
「なあ、こっち来てみろよ、おい」
二匹は気まずそうに互いの顔を見やった。雄牛が再びトリガーに指をかけると、彼らはびくりとし、おずおずとプールサイドをよじ登る。[[rb:雄牛 > ブル]]は寝そべったまま、自分のそばにやってきた二匹の獣人の雄をまじまじと眺めた。
風船をぱんぱんに膨らませたような肉体を誇っているワニは、どちらかと言えば先輩格であった。新米の頃に比べれば随分とカラダが太くなって、クロコダイル特有の下牙が口吻の先から突き出すようになった。焼き上がりのパンのようにふっくらとした胸筋にも、ほんのりと割れた腹筋にも程よく贅肉がのっかり、物言わずとも、ワニらしい力強さを肉体が堂々と示していた。全身をみっしりと覆う深緑と白のまだら模様をした鱗についた水滴が、太陽の光できらきらと輝くのが、眩しかった。
一方、最近[[rb:雄牛 > ブル]]のグループに入ってきたばかりの新米のティラノサウルスは、肉体に関して言えば、ワニ以上に大それたガタイをしていた。むかしボディビルでもやっていたかと思われるくらいに無駄のない筋骨隆々さは、新米野郎には勿体無いくらいの恵まれたカラダだった。焦茶色の鱗に鮮烈な赤色と青色が刺青のように走っているのもやけに目立つし、それを掻き立てるような黒のビキニも、引き締まった下腹の形を際立たせていた。
雄牛は彼らの肉体を点検するように逐一、頭から足の指先まで眺めては、ハイボールを一口飲んだ。芳しい澄んだ香りが、たちまち舌に染み込み、口内から鼻腔を突き抜けた。
「何、黙って突っ立ってんだ、おい?」
ワニもティラノも、日ごろはその外見だけで一般の連中を恐れさせる輩だったものの、雄牛を前にすると、まるで教師に向かいあった悪童同然なのだった。
[[rb:雄牛 > ブル]]はおもむろに上体を起こすと、棒立ちになったままの彼らの腹に手を伸ばした。左手でティラノの無駄なく引き締まった腹筋を、右手では筋肉と脂肪が重なり合って、ピンと張り詰めたワニの腹を乱暴にさすってやった。んふ、と思わずティラノが甘ったるい声を出したので、雄牛は苦笑いしながら軽く丹田の辺りに拳を喰らわせると、シュッと腹を引っ込めて、なおさら腹筋の細い筋が浮かび上がってくる。
「ったく、大したカラダしてんじゃねえかよ。ったく、大したカラダ、してやがる」
淡々とそう呟いて、雄牛は再びビーチベッドに寝そべると、両手を後頭部に回して彼らに向かって無防備に腋を見せつけた。ふん、と鼻で笑うように息をすると、胸肉がまるで生きているかのように、大きく、ピク、ピク、と蠢いた。
「[[rb:ガキども > good boys]]」
全身を怒らせながら、雄牛はワニとティラノを睨みつけた。といっても、サングラスを外していなかったので、その眼差しは幸いにも彼らには見えなかったが。
「何してんだよ。テメエら、今日はただ水浴びに来たとでも思ってんじゃねえだろうな?」
「いえ、そんなことは……」
直立姿勢を取りながら、やっとのことでワニは返事した。その巨躯に比して明らかにサイズの小さい真っ赤なビキニは、水着というよりも鎖のようにワニの肉体をまとわりついているかのようだった。
[[rb:雄牛 > ブル]]はワニの返事には答えず、首をぽきぽきと鳴らしながらティラノの方に目線を移した。
「で、お前は?」
ティラノはカタカタと全身を小刻みに震わせていた。鱗にまとわりついた水滴も一緒に震え、一部は弾けるようにプールサイドに飛び散っていた。ワニは横目使いでチラチラと、だんまりするティラノを見守っていた。
「……くそったれ」
聞こえるかどうかというほどの小さな声で、ティラノはそんなことをこぼしたが、末期の病人のように掠れた震え声になっているのが哀れだった。
「ふん」
[[rb:雄牛 > ブル]]はちっとも姿勢を変えないまま、ティラノのツラをじっと見つめた。おもむろにサングラスを外し、丁寧にツルを折りたたんで隣合った小卓に置くと、にやりと臼歯を剥き出しにして、笑った。
「カラダだけじゃなく、態度もでっけえじゃねえか」
「すみません、ボス。こいつはまだ……」
慌てて口を挟もうとしたワニの股間を、雄牛は面白がるようにキツく掴んだ。
「んっ……♡」
ワニはがっちりと口を閉じたものの、情けない声が出かかるのを我慢できなかった。ビキニ越しに、もうもっこりとしたものが感じられた。雄牛の視線はティラノにピタリと向けたままだった。
「こういうことは、一回でちゃんと伝わるように言うもんだ。ガキのころ、先生に教えてもらわなかったのかよ、ええ?」
ティラノは震えたままなおも黙り込んでいたが、突然、勢いよくつばを吐いた。つばは、[[rb:雄牛 > ブル]]の足先をぎりぎり掠めて、地面にぶち撒けられた。雄牛はやれやれと首を横に振った。
「おい、こいつは、将来出世するんじゃねえか、なあ?」
ティラノの反抗的な振る舞いを、むしろ微笑ましいとさえ思う余裕を見せながら、まるで住み慣れぬ氷点下の土地にいるかのように凍り付いたワニに同意を求めた。ワニは曖昧にこくこくと頷いているだけだった。
雄牛はティラノの言動を責めることも讃えることもせず、悠然と日の光を浴びた。いい加減、カラダが火照ってきてたまらなかった。水浴びなんてしているだけでは、到底、冷やすなんて叶わない獣欲が、さっきから彼の全身をゾクゾクとさせていたのだった。
「ここに来た以上は、存分に俺を楽しませてくれねえとな、[[rb:ガキども > good boys]]」
部下たちに見せつけるように、雄牛はおもむろに自らのビキニに腕を伸ばした。つやつやとしたビキニの表面を手のひらでゆっくりと、八の字を描くようにさすると、手品のようにそこからムクムクとモノが勃ち上がってきた。布越しからでもハッキリとその凶暴な形状と、巨大さが伝わってき、ワニとティラノは無性に胸の動悸してくるのを感じずにはいなかった。
「おい、わかってんだろうな、テメエら、な?」
「う……うっす♡」
ワニは、まるで何かの瘴気にやられたかのように、クラクラと雄牛の寝そべる側に跪くと、[[rb:雄牛 > ブル]]の群青色のビキニのもっこりに鼻先をピタリ、と当てた。そうして、タバコで一服するかのように深く息を、吸った。数秒して、生暖かい息を吐きながら、ワニは安住の地を見つけたかのように満足げな表情を浮かべていた。見ろ、これが手本だ、と言わんばかりの大したご奉仕ぶりを見せた。
暑苦しい吐息を股ぐらに浴びながら、[[rb:雄牛 > ブル]]はかつて自分がこの輩と同じ立場だったころのことを思い返しては、さらに性器を硬くする。いくら目上の相手であろうが、汚れた世界で生きていくためであろうが、雄相手にこのような真似をすることがいかに屈辱的なことであるか、雄牛はよく理解しているつもりだった。
上の連中には、少なからず「[[rb:クィア > queer]]」——と彼らのあいだではこのような行為について独特な、何かと紆余曲折めいた隠語を用いるのだった——な奴がいて、そういう連中に気に入られるためには、早い話が、ご奉仕をしてやることだったのだ。
だが、いつからか、自らもその「クィア」な雄の一種であることを自覚した雄牛にとって、そのようなことを躊躇する理由はなくなったし、いっそのこと好都合でもあったのは幸いだった。同性に奉仕されたい野郎は別に「クィア」な奴に限らなかった。相手が自分より下であることを精神的にも、肉体的にも、分からせてやるために、敢えて「クィア」な行為に及ぶマッチョな連中もわんさかいた。
とりわけ「クィア」の度合いが著しかった鹿のリーダーのことを、[[rb:雄牛 > ブル]]は思い返す。奴は日ごと、まだ若かった雄牛のことを自室に監禁しては、彼の両手を縛り上げたうえで、自由の利かなくなった雄牛の精悍な肉体を、まるで玩具のように気が済むまで弄んで、麗しい鹿の容姿からはおよそ想像できない嗜虐心を発散させたものだ。サイズの合わないジョッグストラップ一丁の姿にさせられた雄牛は、数えきれないほど、全身を鞭打たれては、合間合間に、ピアニストのようにほっそりとした鹿の指先で、乳首や、亀頭や、菊門を、クリ、クリと捏ねくり回されて、雄らしからぬ声で悶絶の声を上げ続けたものだった。もし、あの鹿野郎が抗争に破れて首を吹っ飛ばされることがなかったら、彼は今もなおまだ奴のもとにいて、奴隷の[[rb:役割 > ロール]]を担っていたのかもしれないと思うと、ドキッとする。
ワニは鎧を被ったように精悍な広背をもぞもぞと動かしていた。今や無我夢中で[[rb:雄牛 > ブル]]の股間のすえきった汗の臭いを吸い続けて、トリップしているかのようだった。水遊びしたばかりの鱗が太陽の光を乱反射して、真っ白に輝いていた。
雄牛はワニの額に手を伸ばして、聞き分けの良い子どもを褒めるように撫でさすりながら、
「へっ、いい子じゃねえか、[[rb:かわいこちゃん > good boy]]め」
それこそ愛玩動物に向けるような口ぶりで言うのだった。雄牛の手のひらはワニの後頭部からゴツゴツとした鱗をつたい、背中からキュッと背筋の溝が収斂する腰のあたりまで伸びると、ワニは一際深く、熱烈に、息を吐き吐きしながら、海上に浮かんだ鯨が水中に潜り込むように、ゆったりとした動作で腰を淫靡にくねらせた。
ティラノはその様子を、なおも棒立ちしたまま、ぼんやりとした面持ちで見つめていたが、従順にご奉仕するワニの尻尾が足首に軽く巻き付くと、ギクリ、としてワニに目を向けた。
「何してんだよ、鼻垂れ小僧が」
ティラノに命令する余裕もなく鼻先を群青のビキニに擦りつけているワニに代わって、[[rb:雄牛 > ブル]]は言った。まったく、仕方のない奴だな、と愚痴る代わり、あからさまな溜め息を吐いて見せる。ワニは気怠げな目つきで一瞬だけ、ティラノを見つめたが、まるで人違いでもしたかのようにすぐに目線を戻した。
太陽はいよいよ天上に達していた。容赦もなく照りつける陽射しが、ティラノの精悍な、焦げついたフライパンを思わせる背中を、ジリジリと灼いた。じんわりと、ひたひたと、彼らの世界における掟が、ティラノの精神にも、否が応にも染みつき出していた。
ビキニの紐を意味もなくキュッと結び直した後で、ティラノはおもむろに屈みこんで、今やロボットでもしないくらいのぎこちない動作で膝立ちになると、恐る恐る[[雄牛 > ブル]]の下腹部に顔を寄せた。ムワッとくる雄の、あまりにも雄々しい臭気に顔を顰めながらも、引き下がることももはや出来なくなっていたので、ピクピクと鼻腔を震わせながら必死に、その野性じみた臭いに感覚をならそうと頑張り始めた。
[[rb:雄牛 > ブル]]はすかさずティラノの頭を掴み、そのままグリグリと自分の股間に顔を押し付けた。
「ん゛ん゛ーっ!」
いきなり頭を押さえつけられたティラノは、くぐもった悲鳴を上げながら抵抗したが、それよりも遥かに雄牛の腕っぷしが勝っていた。首を横に振って、雄牛の手を振り払おうとしても、無駄だった。
「ん゛ーっ!……ん゛ーっ!」
壊れた機械のような呻き声を上げるティラノの姿を、雄牛は微笑ましげに見つめながら、さらに力強く自分の股間に向かって押し付けてやる。
「いいぜぇ……おらっ、もっと嗅いでみろよ……しっかりと嗅ぐんだ……[[rb:我慢しろ > Take it out]]……な?」
「おすわり」や「おて」を教え込むように、雄牛は優しく語りかけながらも、なおもティラノの頭を押さえつけていた。雄牛自身とは対照的な肉食野郎で、かつクソガキ気質の抜け切らないところが、かえって雄牛の気に入った。いつの時代だって、こういう野郎は教え甲斐があるもんだ。
やがて、観念したようにティラノは暴れるのを止めた。笛を吹き鳴らすように威勢良く、鼻息を噴射すると、ワニの動作を見よう見まねで、クンクンと蒸れた雄牛の股を嗅ぎ出す仕草は、子犬が初めて差し出された食物を注意深く匂いで確かめるようだった。ツンとくる刺激臭を何度も、何度も嗅いでから、ティラノは自分から鼻腔を薄い布地に密着させて、やけくそ気味に吸い込むと、思いがけず咽せてしまい、忌々しげにこちらに睨みを利かせてくるのを、[[rb:雄牛 > ブル]]はただ口元をニヤリとさせるだけで受け流した。
ティラノがひとまずは奉仕を受け入れたのに安堵してか、ワニはまだ前戯も前戯だというのに、既に二度目か三度目の行為に臨むかのような手管で、今度は雄牛の睾丸の一際どぎつい臭気を放つところを執念く、嗅ぎ回していた。流石に、俺の部下になった当座からみっちりと下等な雄の立ち回りを教え込んだだけはある、と雄牛は邪に関心する。
心地よく股間を堪能する屈強なはずの雄どもの姿態をアテに、雄牛は手元のハイボールをまた一口、飲んでから、まだ動きの硬いティラノのそびやかした肩甲骨の間に、冷え切ったグラスを置いてやると、まるで焼きごてを当てられたみたいに上半身をビクリとさせる。さらに、軽く跳ね上げられたグラスから溢れた冷えたハイボールがカラダにかかって、ティラノのぐっと引き寄せられる肩甲骨と同時に、四つん這いになった尻が引き締まるのも、なんとも愉快な、子供みたいな振る舞いだった。
「いいぜ……いいぜぇ、[[rb:ガキども > good boys]]」
[[rb:雄牛 > ブル]]は気持ち、カラダを楽にしながら目も瞑って、部下どもが自分の肉体を舌で愛撫する感触に、しばし、浸った。
ティラノは次第にこの扱いに慣れてきたのか、ひとまずはこの陵辱を受けることを甘受したのか、さっきまで見せた「イヤイヤ期」が嘘のように布ごしの性器を堪能していた。嗅ぐだけでは飽き足りずか、舌をチロチロとトカゲらしく伸ばしながらビキニ越しに亀頭を慰めようとするのも、いかにも馬鹿げたように意地らしかった。
「ふぅ……」
両腕をすっかり投げ出し、時折脇腹を掻きながら、雄牛は夢心地だった。ワニとティラノがそれぞれ奉仕する無様な姿態に、かつての自分を重ねながら、草食である自分が、今となってはこうした肉食どもを意のままに操ることができることを誇らしく思った。さて、もう十分だろう。
雄牛は一旦、子犬めいた彼らの頭を押し除けると、口笛で少し昔のポピュラー・ソングのメロディを吹かしながら、いい加減、窮屈になってきたビキニをズラして、ギンギンになった性器を取り出した。完全に勃起しきったそいつは、真っ赤に充血しきって、雄牛の黒い毛並みも相まって、際立って見える。ビキニから飛び出した瞬間に、勢いよくバネのように揺れたそれは、ワニとティラノの顔面を、変わる変わる、べちべちと撲った。
「ほら、来いよ……」
と[[rb:雄牛 > ブル]]が命じるよりも早く、ワニは率先して長い口吻を横倒しにしながら、そっと、雄牛のはち切れんばかりの性器を挟み込んでしまうと、ぬちゃ、ぬちゃ、と水音を立てながらフェラを始めた。ティラノも後に続いて、真上から性器を咥え込み、亀頭の辺りを細かに舐め出した。二匹とも四つん這いの姿勢で、腰をやたらと高く突き上げたので、ズレたビキニから尻の割れ目が覗いている。
ワニが、一向に雄牛の性器から口を離したがらないので口寂しくなったのか、ティラノはそのうち標的を雄牛の胸に変えた。乳房と見紛うほどに発達した雄牛の胸筋の、一番盛り上がったところにくっついた乳首は、ぷっくりと実のように膨らんでいた。そこに、慎重に舌先を着地させると、そのままレロ、レロと舌をぶん回すようにしながら、乳首を舐め回してきた。
「うおっ……」
不意に声を漏らした[[rb:雄牛 > ブル]]は関心したとばかり、ティラノの首元に手を伸ばし、何度もさすった。
真夏のプールサイドに、卑猥な水音だけが響いていた。血を溜め込んでさらに一回りは大きく、強靭になってしまったボスの性器を、ワニは牙を立てぬよう身長に、根本から裏筋まで、考えついたところすべてに、デップリとした舌を、這わせた。雄牛も我ながらに、凶悪な顎を持った肉食の口に自分の、雄として最も強く、かつ脆弱な部分を委ねていることに、委ねることができるということに、後ろめたいほどの興奮さえ覚えて、ワニのさらなる口淫を促すようにうねうねと腰を揺らして見せた。
ティラノの舌つきもウブながらなかなか悪くなく、雄牛のそそり立った乳首を、まるでギターの弦を掻き鳴らしでもするように、何度も舌で往復させると、その度にたまらない感触がして、雄牛の上体を心地よく痺れさすのだった。
「ふぅ……ったく、やれば、できんじゃねえかよ。[[rb:ガキ > good boy]]なりに、よぉ」
性器と乳首を同時にご奉仕されて、流石に[[rb:雄牛 > ブル]]も音を上げてしまいそうなまでに、絶え間なく、執拗に押し寄せる快感に浸っていた。どちらも、上役どもにご奉仕をする過程で、随分と開発された部位だった。とりわけ胸などは、あの嗜虐趣味の鹿野郎のせいで、一時期は上着を着ているだけで全身がソワソワしてしまうくらいには、性感帯にさせられたところでもあった。
ギンギンに固まってしまった性器は、さながら鉄棒のようになっていた。その根本の陰嚢は、コックリングを付けずとも破裂しそうなほどに膨らんで、熟れた林檎のようだった。今すぐにでも、溜まりに溜まった暴力的な欲望を吐き出したくてたまらない、といった風情を醸し出していた。
しかし、雄牛はなおもまったく欲求不満だった。というのも、思いのままにできる筋骨隆々とした雄が二匹、目の前にいるからには、今日は存分に楽しませてもらわないことには損だから。
「おい、いつまでしゃぶってんだ? 良いかげん、くどいぜ……」
はっ、だからテメエらは未熟者なんだよ、と一転、嘲りながら、膝立ちになったワニとティラノをキッと睨め付ける。ガッと、彼らの脇腹の辺りを掴むと、
「ケツ向けんだよ、ほら、早くしやがれ」
二匹は命じられるまま、[[rb:雄牛 > ブル]]に対して尻を差し出すような姿勢で四つん這いになった。ビーチベッドの縁に腰掛けた雄牛は、前屈みになり、両腕を太もものあいだにダラリと垂らしながら、すぐ側に侍った二つの尻をねっとりと、観察した。
「尻尾上げろよ、よく見えねえじゃねえか、馬鹿」
彼らがおどおどと尻を揺らしながら、長い尾を自力でもたげると、[[雄牛 > ブル]]は子どもの見せる可愛げな仕草に接した時のように、ほくそ笑みながら、まずはビキニ越しにワニとティラノ、それぞれの丸みを帯びた臀部を鷲掴んで、プルプルと揺らすように撫でた。雄牛の毛深い手のひらと布地が擦れて、さらさらとした音を立てる。
「ふん……悪くねえんじゃねえか」
そう、独言ちながら、ワニの会陰を指でグッと押し込むようになぞると、
「む゛ん゛っ゛……♡」
くぐもった声を出しながら、ワニの腰が鞠のように弾んだ。まるで産気づいた雌の腹のように股ぐらが、もう、膨らんでしまっているのが、裏もものあいだから見えた。ティラノの方はじっと我慢して、アナルの辺りを悪戯に弄られようともビクリともしなかった。そんな強がりが、雄牛の陰鬱な欲望をいっそうのこと、刺激した。
「ふん。親分を尻目に、こんな大した水着履いてきやがって、何様のつもりなんだ、テメエらは?」
こんなもん、要らねえだろ。言いがかりをつけながら、雄牛はガムテープを勢いよく剥がすように、二匹のビキニをバッと、ずり下ろしてしまう。
「あ゛っ゛……♡」
「……くっ」
奴隷よろしく僅かな身包みも剥がされた部下たちの嬌声を楽しみながら、露わになった二匹の生尻を、雄牛はいよいよ、手のひらで吟味した。鱗まみれのカラダにあって、腹と同じく鱗が疎になった尻は、ワニもティラノもどちらもツルツルと滑らかで、脂肪ものっかって柔らかいのだった。水が滴って、オイルでも塗ったようにプリっとしたケツどもをドラミングすると、パン! パン! と甲高い高音を鳴らすのだ。とりわけ、初めて自分の目の前に晒させたティラノの尻を指でぐりぐりと捏ねながら、
「いいケツしてんなぁ」
と冗談めかして言うのも、半分ほどは本心だった。爬虫類の端くれのくせ、ビキニで覆われた膚には、しっかりと日焼けの跡があって、鱗の色味がそこだけ微妙に明るくなっているのが、イヤらしかった。まだ夏が始まってまもない、というのに、こんな格好をして、何度、海やプールに繰り出しやがったのか。苛々するほどに文句のつけようのない肉体と、抗いようのない膂力をぶん回して、好みの女でもナンパしたか、とティラノの行動を勝手に想像して、いっそうのこと、こいつに道理——と言っても、ただ直感でそう思い浮かんだだけで、詳しい概念など何もないのだが——を分からせてやりたいという邪な思いを強くした。
「おおっ……お、お……うっほ……♡」
ワニは自分から円を描くように腰全体を動かして、声までいやらしくしてまで、ボスの歓心を買おうと努めていた。雄牛の好むガタイだったために、事あるごとに慰み者にされてきたワニが、ようやっと、体得した素振りでもあった。割に合う仕事にありつくために、雄牛を少しでも悦ばせようとする姿は、情けなくも健気で興奮させられるが、雄牛の関心はもっぱら、初めて犯すティラノの方にあった。ワニの誘うような腰つきに気づかない振りをして、ティラノの尻を、なおのこと、撫でまわす。
「何、黙ってんだあ」
雄牛はティラノの背中に向かって怒鳴った。
「口の利き方もわかんねえのかよ、おい?」
すると、経験のあるワニが率先して、
「あ、ありがとうございます、っ♡」
と叫んだ。
「テメエじゃねえよ」
「うぉ……んっ♡……」
思いっきり無防備な尻を引っ叩かれて、ワニは歓喜も混じった悲鳴を上げるが、[[rb:雄牛 > ブル]]は耳も貸さない、という素振りである。
「テメエのことを、俺が、可愛がってやってんだぞ、わかってるよな、んん?」
ティラノは熱を帯びたプールサイドに唾を吐いた。
「……ありがとうございます」
「よく聞こえねえなあ。もっかい、言ってみろよ」
「ありがとうございます……あ゛!」
褒める代わりに雄牛は指先をティラノのけつメドに突っ込んでいた。少々お堅いアナルだが、丁寧に弄ってやれば、遅かれ早かれ、指を入れられそうな期待の持てる穴だった。[[rb:雄牛 > ブル]]は良い掘り出し物を見つけたようにご満悦な顔をした。反抗的で、初心な態度を見せていたこの野郎が、大した後ろの才能を持っていることは、雄牛の嗜虐心をますます昂らせるに十分だった。
「へっ、[[rb:大したケツ > bad ass]]じゃねえか、テメエ」
雄牛は躊躇せず顔を近づけ、アナルに口先をつけると、ベロ、ベロと舐め出した。
「う゛お゛っ……!」
舌先を器用に動かして、経験の薄い、まだ窄んだ、蕾のようなアナルを解してやると、反抗的なティラノの腰が、微かに蠢動するのが艶かしい。さらに、ゆっくりと舌を尻門に挿し込んで、軽く、掻き回してやると、
「う゛ぐっ!……ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ……!」
牙を食いしばりながら、俄かに込み上げてくるものを堪えるのに必死になっているのが意地らしいったらなかった。ぺっと、アナルにローション代わりのツバを吐きかけ、さらに執念く舐めまわしていると、むっちりとした太腿の間から、逆さになったティラノの頭が覗いた。血走った目で、カタカタと雄らしからぬ陵辱を堪えている姿は、なおのこと[[rb:雄牛 > ブル]]をいきり立たせた。
ペロペロと、今度は尻全体を舐め回す。ティラノの尻の、舌伝いに感じられる陶器のような滑らかさは、雄牛のすぐ気に入った。隣で性器をおっ立てたまま待ちぼうけしているワニに見せつけるように、じっくりと時間をかけてティラノの臀部の至るところを、舌先で、味蕾のぎっしりと詰まった舌の平べったいところも付け根までいっぱいに伸ばし、存分に舐め回した。
「ぐお゛お゛お゛お゛お゛お゛っ……お゛お゛、ほ゛お゛っ……」
尻の内外をいたぶられて、ティラノはカラダを横振りしながら、止めどなく押し寄せる未知の感触に、訳も分からず身を委ねている。
「おい、ありがとうございます、は?」
「あ゛……ありがとう……ありがとう、ございます」
「もっと声出せよ」
と、指を尻の中でぐちょぐちょと掻き回してやる。
「あ゛っ……ありがとう゛っ……ございまっ……ず」
「かわいいぜ、[[rb:お利口さん > good boy]]が」
その返事に満足した[[rb:雄牛 > ブル]]は、なおもティラノの尻を弄り回しながらも、視線をやっと、ワニへ移した。ティラノの相手をしている間に、右の手のひらを軽く立たせて、尾の付け根やら、股間の辺りをそっけなく撫でてやっていたが、そんなものでは堪らないといった具合に、スリットから一対の生殖器が飛び出して、あまつさえトロリと透明な我慢汁を垂らしている有り様なのだった。
「おい」
気付け代わりに、谷間にかけて鱗の緑が薄まっていくその尻をしたたかに張ると、ワニは大袈裟なほどに腰を跳ね上げた。
「何ぼうっとしてんだよ、おい?」
「すゅっ!……すみませんっ♡……おあ゛あ゛っ♡」
また尻を強く叩かれて、今度は頭を高く悩ましげにもたげた。
「ちゃんと準備してきてんだろうな? ああ?」
「も゛ぉっ♡……ちろんっ……す♡」
「じゃあ、指なんかじゃ物足りねえよな?」
「はっ♡……はひっ♡」
「[[rb:もっとデッカいもん > something bigger]]、欲しいか?」
「欲じいですっ♡……兄貴ぃ♡」
「そうか」
雄牛は何食わぬ顔で拳銃を手に取ると、ワニのアナルに銃口を押し当てた。
「お゛お゛っ!!」
「何だよ。もっとデカいの欲しいって言ったじゃねえかよ? おい、なあ?」
棒読み加減に、雄牛は引き金に手をかけたまま、煙草の火をもみ消すような動作で、緩んだアナルにぐり、ぐりと銃身を押し付けると、泥の中に沈み込むように、ワニの尻に拳銃の先端が埋まっていく。
「はわっ♡……あ゛っ!」
「おい、ありがとうございます、は?」
「ぉあ゛っ♡……あ゛りがとうごじゃいますゅぅ……♡……お゛ぅほ、ぅっ……♡」
思わず振り返ったティラノは、拳銃がゆっくりとワニの直腸へと挿し込まれていく光景に、ギョッとした表情を隠しきれなかった。咄嗟の言葉すら出ないでいるうち、その様子に気がついた雄牛の手が再びティラノのアナルを執拗に揉みほぐし出したので、その言葉にし難い気持ちに、再び脳髄が満たされてしまった。
調子づいた[[rb:雄牛 > ブル]]は逞しい胸板をピクリ、と震わせながら、[[rb:可愛い部下 > good boy]]たちの尻を弄んだ。これもまた、雄牛が若い頃に通った道だったが、当時はこんなものでは済まなかったのだと、雄牛は内心、思い返している。俺と一緒に尻穴を解されていた兎なんて、こんな風に拳銃を尻に挿れられるだけじゃなくて、リーダーの馬鹿げた気まぐれのおかげで、前立腺に思い切り一発撃たれて、ケツ丸出しの姿勢のまんま事切れた。ケツから勢いよく血潮を噴き出しながら。先に銃を挿れられたのが俺だったら、どうなってたことか。だが、恐ろしかったにもかかわらず、アレはちょっとした傑作でもあったのだが。
「おい、拳銃ケツにぶち込まれてそんなに気持ちいいか?」
「あ゛あっ♡……あ゛あっ♡……気持ぢっ♡……お尻に突っ込まれるのクソ気持ぢっ……♡」
「どうしようもねえクソ野郎だな、テメエは」
そう言いがてら、尻の割れ目にほとんどぴったりくっつく形となっていたトリガーを、わざと人差し指でポンポンと叩くと、かちゃかちゃと小さな音が立った。
「ひあ゛っ♡……」
ワニは面白いくらいに背中を反らせた。その弾みで腰が引けて、直腸に埋まっていた銃口が少しだけ露出したが、雄牛はすぐにワニの直腸深くにぶち込み直した。
「これしきのことでビビってんじゃねえぞ、[[rb:ガキ > good boy]]」
[[rb:雄牛 > ブル]]は銃口でワニの直腸の中を強引に捏ねくり回した。弄りながら、ニヤニヤと笑いが止まらなかった。
「へへへっ、もっと喜べ。喜べよ、おら、おら、おらっ」
「ひゃ゛りがとうございますっ♡……ゃあ゛にぎいっ♡……それ゛はっ♡……ゃばいでしゅお゛っ♡……」
「ふうん、嬉しいのか、んん?」
「うれ♡……ぢい゛っ♡」
「変態が」
雄牛は下唇を上にしながら、ふうっ! と吹き損じた口笛のような音を出し、またトリガーに手をかけた。プールサイドは静まり返った。ティラノはまたもギョッとして自分の肩越しに雄牛の様子を見つめた。
「いちいち見てんじゃねえよ、[[rb:ガキ > good boy]]」
いまさらビビったって遅えぞ。嘲るような笑みを浮かべながら、雄牛は小賢しいティラノの頭を地べたにきつく押し付けた。横を向いたまま押し伏せられたティラノが見たのは、拳銃を尻にぶち込まれながら、ぐったりと顔をアスファルトに伏せて、半開きにした口から涎など垂らしている、普段の形相からはおよそ想像もできない淫らなブラザーの顔つきだった。
「じゃ、10数えたら撃つぞ。我慢しろよ」
ワニのカラダは俄かに凍りついた。
「あ゛っ!……あにぎ♡……マジ、すゅか……っ?……♡」
「おう、1・2……」
ワニは慌てたように、獲物に食らいつかんばかりに目の前にあったティラノの口をくちゃくちゃと貪り出した。
「お゛う゛っ♡……お゛お゛う゛っ♡……」
「へへっ……[[rb:我慢しろよ > Take it out]]……[[rb:我慢するんだ > Take it out]]……4・5・6・7・8……」
ワニに押し迫られる形になると、ティラノも抵抗し難くて、舌を絡めてやらざるを得なくなった。尻奥に拳銃を突きつけられているという状況を忘れようとして、トリップしたワニは、無我夢中で口を重ね合わせて、汚い音を立てるのもお構いなしだった。
「9」
ワニの急速に高まったカラダに鼓動が銃口にまで伝わってきた。
「……10」
[[rb:雄牛 > ブル]]は躊躇なくトリガーを引いた。
カチッ、と音がした。
それからの数秒は、ワニにとって無限のような時間だった。何も起こらなかった。が、何も起こらなかったことを受け入れるのに、しばし時間がかかった。雄牛の拳銃に弾が入っていなかったことを察したのは、雄牛が出し抜けにトリガーを引いてから1分近く経ってからのことだった。
「ちっ、命拾いした、か」
[[rb:雄牛 > ブル]]はワニの尻穴から拳銃を引き抜くと、トロトロに溢れた腸液でベトベトになっている銃身を忌々しげに見つめた。
「ウンが付くぜ、テメエはよお」
涼しげな態度で雄牛は付け加えた。もっとも、拳銃に弾が残っていようがいまいが、そんなことは雄牛にとってはどうでも良いことなのだった。部下の恥部を思うがままに扱える以上、その命だって例外じゃないのは当然のことだ。というのも、それはすべて雄牛自身がされたことであり、進んででも甘んじてでも、受け入れていった事だからだった。
オーガズムと死の瞬間が一挙に押し寄せてくるものと思ったワニのヘミペニスからは、ドロドロと汚れた体液がガラスペンの溝を水が伝うように流れ出していた。雄牛が10まで数えているあいだ、四つん這いで生尻など晒した情けない者同士でフレンチ・キスしながら、空いた手は大慌てで膨らんだヘミペニスを手早く扱いていたようだった。カチッ、という乾いた音が前立腺を撃ち抜くかと思われた瞬間に、何とか間に合って射精したらしい。
[[rb:雄牛 > ブル]]はそんなワニの馬鹿げた健気さを、一周回って愛おしくも思い、舌でスリットからアナルまでの筋をなぞって讃えてやると、ワニは小水を済ませたばかりの子どものようにブルブルと腰を震わせて、まだ股間から涎を垂らして喜びを表した。
真夏の日差しが雄牛の毛深いカラダを、もういい加減、度し難いほどに、燃え上がらせていた。
「おう、そろそろ挿れるぞ」
限界まで勃起しきっていたペニスを軽く自分で扱いて、既にぽっかりと尻たぶに黒い穴を開けたワニとティラノの尻を、今一度、スパンクした。
「けっ、テメエらホントにたまげた[[rb:ガキども > good boys]]、だぜ、ったく、よお?」
「お゛お゛お゛お゛っ♡」
ぶら下がったペニスを爪で弾かれ、威勢よく喘いだワニは、淫らったらしく、
「そろそろ、ヂンポ欲しいです、ボス……ぅ♡」
全身を大きく震わせながら、ワニはひどく媚びた声音で懇願した。さっきまで尻でロシアン・ルーレットをさせられていた癖に、そんなこと忘れて、もうご褒美を欲しがっている。
「うし、じゃあ、今度は俺のチンポ、耐えてみろよ」
太腿と比べても遜色のない巨根を、ワニの割れ目に当てがった。
「む゛おん……♡」
甘い息を漏らしておねだりなどしているワニに、心の準備も不要とばかり、気兼ねなく、いきなり逸物をぶち込んだ。もう何度も挿れているし、わざわざ自分で準備もしてきたらしい律儀なアナルは、これが排泄のための器官だということを忘れるくらい、フワフワとしていて、[[rb:雄牛 > ブル]]の猛り狂ったペニスさえ、ハムスターが植物の種を溜め込むみたいに、もきゅもきゅと咥え込むのだ。
「ふう……ったく、なんだ、この大したケツはよお」
「は♡……はひぃ……♡」
「テメエみたいな肉食野郎がこんなにチンポ大好きだなんて、恥だと思わねえのかよ」
「はじゅかっ♡……ひぃですぅ♡……すゅっごく♡……んお゛っ♡」
「だったらどうしてそんな善がってんだよ」
「しょ♡……しょれはっ……♡」
何かをほざく前に、屈強なワニの腰をギュッと掴んで引き寄せて、直腸の最奥まで熱々の雄棒をいっぱいに喰らわせてやった。前後する腰の動きに合わせ、雄棒がすこぶる快調に出し挿れされる。[[rb:雄牛 > ブル]]の割れた腹筋が、ワニのツヤツヤした尻とぶつかりっこするたびに、タプタプと間の抜けた音がした。
「おあ゛っ♡……あ゛あ゛っ♡……お゛っ♡……お゛っお゛っお゛っ♡」
「お゛っお゛っお゛っ♡……じゃねえよ、ありがとうございます、だろ?」
「お゛ほっ♡……あ゛り゛がどう゛ござい゛ま゛ぅ♡」
「けっ!」
乱暴に腰を振り続けて、時々勢い余ってアナルから抜けてしまった自分の肉棒で、苛立たしげにベチベチと柔らかい尻たぶを打ち、またぶち込んで、腰を振り振りした。
「おい」
犯されるワニの姿を横からぼんやり眺めているティラノのアナルを、戒めるように弄ると「あっ……!」
と、虚をつかれたように小さな声を漏らす。
「黙ってねえで、キス、してろよ」
「……」
ティラノはゆっくりと、善がり狂っているワニに顔を近づけると、磁石がくっつくのを思わせるほどにワニはティラノにがっついて、夢中で舌を絡め始めた。拳銃を尻にぶち込まれた時よりも、いっそう激しく刺激を得ようとして、ねっちょりと唾液の泡立つ音を鳴らしながら、堕とされた雄同士のフレンチ・キスは、狂いそうにな猛暑も相まって、[[rb:雄牛 > ブル]]の抑えの効かない欲情をいっそうと掻き立てた。腰の振りは最高潮に達していた。
「ふうっ!……はあっ!……はあっ!……」
若い頃と違って、全力で交尾に耽っていると体力の消耗を感じるようにはなっているのは気がかりだった。少し前までは、まるでストイックなトレーニング・メニュー一式をこなすように、何千回でも相手のケツで遊ぶことができたのに。しかし、一度立ち上ってしまった欲望は、それこそ闘牛よろしく、気が済むまで暴れなければどうしようもないのだった。
雄牛はしゃにむに、勃起したままのペニスを乱暴に引き抜いた。ワニのアナルからスポン、と栓の抜ける音がした。膝立ちしたまま、ゆったりとティラノの背後へ移動すると、今度はお前の番だと言う代わりに、一際強く尻をぶっ叩いた。
「今日はこのケツにいっぱい教え込んでやるからなあ……」
「……ぐっ」
「ありがとうございます、だろ?」
さらに何発も尻を痛めつけられて、ティラノはアスファルトにふっと息を吐きかけると、悔しげに、
「……ありがとうございます」
それから、少しの躊躇の後で「ボス」と言い加えるのも、悪くなかった。
「言えるじゃねえか!」
亀頭で無理くり処女アナルを抉じ開けると、括約筋のキツい抵抗感がペニスをグッと締め付ける。悪くない、犯し甲斐のありそうなケツだった。
「ぐっ……!」
「力抜けよ、[[rb:ガキ > good boy]]!」
「いがっ!……ぐぐぐっ!……」
「凝り固まってんなあ!……もっと力抜いてみろ、[[rb:ガキ > good boy]]!」
「ぐおおおおぅ……ぐるるっ……ぐるる、るっ……!」
「俺のチンポどんどん挿入ってんぞ、おらぁ! テメエのケツに俺のチンポが挿入ってんだぞ! どうだ! おい?……」
「ぐ……るるるる!……ぐるるるるっ!……」
「痛がってんじゃねえよ! 善がれよ、ほら! もっと、奥まで挿入れんだからなあ、ごら! 俺の立派な部下ってんなら、ちょっとは[[rb:我慢しろよ > Take it over]]! [[rb:我慢すんだよ > Take it out]]、おら!」
ティラノは上半身を力ませて、捩じ込まれる雄牛の巨根を必死に堪えていた。少しでも尻に力が入ると、下腹が中から裂けてしまいそうなズキンとくる痛みが走るので、妊婦のように小刻みな深呼吸を繰り返しながら、何とか[[雄牛 > ブル]]の逸物を受け入れるべく、頑張っていた。
「本当に[[rb:いい子 > good boy]]だな!……おら、どんどん挿入ってくぞ!……どうだ、どんどん気持ちよくなってく、だろ!……」
ティラノが呻くばかりで答えないから、少し頬を染め出した尻たぶをさらに何発も平手打ちして、いっそうと恥じらわせた。
「ぐぁああっ!……ぅ゛ああああっ!……」
「やればデキんじゃねえか! すっかり、咥えちまったなあ、俺のチンポをよお!」
[[rb:雄牛 > ブル]]は満足げに、ティラノの尻たぶを時折リズミカルに引っ叩きなどしながら、ゆっくりと腰を動かし始めた。重々しい機械が作動するように緩慢な動きから、直腸の滑りが徐々に良くなっていくにつれて、腰振るテンポが早まる。
「んおおっ!……んおぉぉぉあっ!……」
ティラノは苦しげに息を漏らしながら、絶望した者のように首を何度も回した。
「どうだ! 初めて俺のチンポ咥えんのは! おい、聞いてんのか! [[rb:ガキ > good boy]]!」
「あ゛あ゛っ! あ゛あ゛っ!」
執拗に浣腸され続けるような突き上げる痛みと、ウンコを我慢しているようなムズムズとした感触がないまぜになって、ティラノは狂わんばかりだった。ますます興奮させられた[[rb:雄牛 > ブル]]は、銃弾ほどの大きさにまで膨れた自分の乳首を片手でくすぐりまでしながら、太腿でティラノの屈強な両足を押し広げつつ、さらに腰の振りを激しくした。ケツめどをギュッと引き締めて、無心にペニスをティラノの雄の弱点へと的確に擦った。
ワニがキスしようとするのも目に入らないほどに、ティラノは無我夢中で尻に込み上げてくるものを堪えていた。ザラザラとするアスファルトに、マーキングでもするかのように顔を擦りつけた。涙と鼻汁と涎は垂れ流しになっていた。
「か゛っ゛か゛っ゛か゛っ゛か゛っ゛か゛っ゛か゛っ゛……!」
「おらっ! 自分でも腰触れよ! [[rb:お利口さん > good boy]]!……おらっ! これしきのこと[[rb:我慢 > Take it out]]できねえで、俺の部下とは言わせねえぞ!」
「か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛!……」
ティラノの悶絶と、尻たぶがペチペチ言う音が、プールの水を入れ替え続けている単調な伴奏に合わせて、素人のバンドのような不協和音を鳴らしていた。[[rb:雄牛 > ブル]]は、デッドリフトを繰り返した後のような心地よい疲れを腰に感じていた。
雄牛のもとには徐々に日陰が差し始めていた。暴走気味の興奮と疲れのせいか、腰を振りまくる自分のすぐ脇で、雄牛に悟られぬように、ワニが長い尾を操ってビーチベッドの下に落っこちていた拳銃をこっそりと探り当てたことに、気づくことができなかった——。
[newpage]
「ったくよお」
黒色のビキニを履き直しながら、ティラノは不満を吐いた。
「もっと早く始末してくれても良かっただろうが」
クソっ、ケツが痛え。ティラノはガバガバにされたアナルを頻りに気にした。
「お前の善がる姿、結構、エッチかったからよお」
ワニは悪びれもせずに言った。
「善がってねえし。普通に痛かったわ。このクソ野郎が……」
ビーチベッドで血まみれになって倒れている雄牛を忌々しげに見下ろしながら、顔を顰める。
「兄貴のプレイ、俺は嫌いじゃなかったんだけどねえ。拳銃ブッ込まれた時は、ちょっとヤベエ、と思ったけど」
「ちょっとヤベエで済む話かよ。マジで頭真っ白になってたんだからな、あん時」
「心配してくれて、ありがとなあ。いい相棒を持ったぜ、俺は……くぅ〜、好きっ♡」
「きもっ」
媚びたようにウインクするワニに、中指を立てる。
「けど、結構興奮したぜ〜。ケツ撃たれる前にお前とベロチューしてる時、マジさ、頭おかしくなりそうだったもん。ヤクよりもトリップしたかも」
「はいはい、そうかよ。楽しむだけ楽しみやがって、このクソ野郎と一緒じゃねえか」
「楽しむとこは楽しまねえと、この世界、生きてかれねえからなあ」
ワニは感慨深げに言うと、山頂にたどり着いた登山者のような開放感に浸りながら、グッと伸びをする。
「けど、正直、うまくいき過ぎて、ビビってんだぜ、俺も、こう見えて」
「事前に打ち合わせた通りだったじゃねえか。俺がカマ掘られてる間に、アンタがコイツの拳銃を奪い取って」
「ボスがあんなスキ見せんのは、初めての野郎を『指導』してる時くらいだからなあ。おまけに、ティラノサウルスのお前は、どストライクだったみてえで、前から早く『指導』したくてソワソワしてたっぽいし、コレはイケるかな〜って思ってたが、まさか、一発で決まるとはなあ」
雄牛は呆然と口を開いたまま事切れているのだった。彼らに劣らないほどにガバガバのアナルからは、血と泥の混じり合った体液がなおも垂れ流されていた。腹には引っ掻き傷のようにくっついた精液が、真夏の日差しに照らされてもうミミズのように乾いていた。
「ま、俺としては3回目くらいで成功させても良かったけどな」
「なんで」
「だって、お前が掘られてるの、横から見てたけど、クッソエロかったし? ぶっちゃけ、もっと見てたかったぜ♡」
「本気で言ってんのかよ」
「当たり前だろ〜。お前みてえなガッチリとした雄がよお、ケツ掘られて『か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛! か゛っ゛!』なんて勢いよく喘がれちまったらよお、興奮しないホモなんていねえに決まってんだろ」
ティラノは八つ当たりのように、雄牛の腹に唾を吐きかける。今や意味のなくなった、バキバキの腹筋が、なんだか滑稽に思われた。草食である雄牛が、ここまでの肉体を手に入れるために、どれだけの執念を燃やしたのかなど、ティラノにはおよそ理解できなかった。想像すら、しなかった。
「おい」
「んっ……!」
雄牛だったカラダの上で、ワニとティラノは長いこと口を重ね合わせた。こぼれ落ちた唾液が、しなやかな線を描いて、雄牛の胸筋の谷間に落っこちて、緩慢に深い鳩尾へ流れ落ちていく。
「んっ♡……っぱ、エロいわ、お前♡」
「興奮してんじゃねえよ……」
「へへっ! いいじゃねえか、ここには、もう俺たちしかいねえんだからよ……好きだぜ、ブラザー♡」
そう言いながら、見開かれたままの雄牛の目を嬉々として見下ろし、すぐにティラノの活きた肉体へと視線を移す。不意打ちに、ガッチリとした胸板を下からねっとりと揉み上げると、ティラノはつい、熱い息を漏らす。
「なあ、どうすんだよ? これから」
自分の気持ちをごまかすように、ティラノは話題を変える。
「まあ、成り行きじゃねえかな。ま、死ぬことは絶対にねえよ。いつかはこうならなきゃいけなかったんだ。誰しもが無意識に望んでたことを、俺らが殺ったって、それだけのことじゃねえか?」
「……」
「けっ、恐竜のくせに、ビビりやがって。まだケツ掘られ足りねえんじゃねえか?」
「うっせ」
「もっと、してくかあ? しばらくは誰も来ねえ、だろうし」
「頭おかしいんじゃねえか、流石に」
「兄貴にも見てもらおうか。俺たちのセックス♡」
ガタイに似合わない、茶目っけを見せるワニを呆れるように睨め付けながら、ティラノは履き直したばかりのビキニをグッと持ち上げた。そのくせ、サイズの小さいそれでは尻の割れ目が十分に隠しきれないのである。
「ダメか? なあ?」
「……」
「兄貴が気に入った理由、俺にも何となくわかるぜ……[[rb:ガキ > good boy]]」
「その言い方、やめろっての」
「でも笑ってんじゃねえか。似てるだろ、兄貴の口真似?……なあ、[[rb:ガキ > good boy]]?」
指先を卑猥に動かしながら、さらに「[[rb:我慢しろよ > Take it out]]」と雄牛の声真似までしたところで、ティラノは前屈みになり、腹筋の輪郭を明瞭にしながら笑いを堪えた。
「笑ってたら急に腹痛くなってきたじゃねえかよ……クソっ、プールは好きだけど、あんまり長居したくねえんだよなあ」
「恐竜は寒さに弱いんだっけか……ったく、しょうがねえなあ」
「ワニのアンタが羨ましい、マジで」
「だったら……ここでスッキリしちまうか?」
ビーチベッドの上に転がった雄牛の屍をワニはそれとなく目配せした。ティラノはギョッとしたが、すぐに意図を察した。
「俺が見ててやるよ、真っ正面から」
「はあ?」
「いいから、いいから。これもヨシミってもんだぜ、ブラザー」
本当、変態だよな、アンタ、ボス以上かもしれねえ。だが、ティラノも満更でもなかった。悪どくも苦笑いを浮かべながら、あんぐりと開いたままの雄牛の口の上に、ちょこんと、座り込んで見せた。