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着ぐるみ噺15

  着ぐるみのバイトをしてみたいと、広告に出ている所に応募してみたのだけど、こんなことになるだなんて思っても見なかった。

  そこは、事務所が近くで現場まで送迎してくれるらしい。そして、お給料はその他の似たようなバイトに比べると随分といいし、それ以上に、初心者大歓迎と来ている。

  元々背が低いので、それなりに有利だなと思っていたが、面接でもやたら褒められて、その気になったので、仕事の内容とか考えずに、その場で向こうのいいなりに雇用契約を結んでしまった。

  さて、初仕事である。冷静に考えて、何らかのトレーニングもなしに、いきなり表に出る着ぐるみバイトと言うのは、どうもおかしい。

  しかも、一週間館詰めにされるとか言われた。どうせ一人暮らしだし、暇だしいいのだけど、やはりヤバイのではないだろうか?

  尤も、面接で見せられた、「この子着て貰うから」と写真を見せられて、その可愛さに悶絶した以降は、冷静なんてものは私から消え去っていたのだ。

  着ぐるみは5頭身ほどで、足下は丸々としているのだけど、上半身は割とスリムなケモノであった。可愛いメスケモで、身体に施された細かい柄が完成度の高さを覗わせる。

  ここで、私は、ボディスーツでも着て、中に入ると思ったが、色々と準備が必要らしい。

  新事実がここで発表される。

  イベント会場は更衣室も控え室もないので、ここで着替えて運び、そして、帰ってくるまで脱ぐことが出来ないとのことだ。

  その為に、あらゆる準備がさせられる。

  先ず、下剤を飲んで、腸の中のものを一掃させられる。そして、栄養は全てドリンクで補充すると言う。

  次に、尿はどうしても出るので、カテーテルを突っ込み、そして、着ぐるみの中のバッグに落ちていくそうだ。

  その為、私は真っ先に素っ裸にされて、カテーテルをぶっ挿されたのだ。

  「大丈夫、大丈夫、スタッフ、女ばかりだから」と正社員は涼しい顔をしているが、そう言う問題ではないのだ。

  拒否されるまでもなく、そして手際よく挿れられると、自分の意思とは無関係に尿が排出される。その時点で、何かが壊れたのかも知れない。

  更に、「汗で臭うとマズイから」と、全身ラバースーツを着せられる事になった。

  身体にローション状のものが塗りたくられる。ローションより伸びのよいものなのだが、かなりヌルヌルになる。

  そして、スーツの首の部分から脚を突っ込んで行く。中身にも潤滑剤がしっかり塗られているので、スルスルと身体が入っていく。

  継ぎ目のない一体成形されたスーツは殊の外、身体にぴったり来た。

  股間に小さな穴があり、そこからカテーテルを取り出す。そして、それを塞ぐように別のラバーシートが張り付けられた。

  頭にもラバーウェアを着させられ、目と鼻の穴と口だけが開いている状況になる。

  次に、「このままだと暑くて熱中症になるから」と、全身に冷却水を巡らすクールスーツを着る。頭から脚から脇から、全身がしっかりと冷却される。

  ポンプとバッテリータンクは、着ぐるみの中に仕掛けられるとのことだ。

  口元にストローが固定され、いつでも水分が取れるという。水分のタンクも、また、着ぐるみの中に仕掛けられる。

  ここまでやって、漸く暑くなりそうな装備となる。

  あんこスーツを着る。

  それはもう、肉襦袢みたいなもので、足首の上ぐらいから太くなり、臑ぐらいで、両足が合体するような構造であった。

  尻も胸もあんこで覆われる。

  先に色々取り付けられた装置も、あんこの中に格納された。

  その次にボディスーツを着る。これは、あんこに倣った形なので、かなり苦労しながら着させられる事になる。

  両腕は割と自由だが、指先まで一体構造になっているので、着させられると、もはや、自分では何も出来なくなる。

  手のひらは、肉球がつけられ、指も太く、爪も付いているので、本当に、何一つ出来る事はない。

  ケモ脚を履く。

  ブーツというか、長靴と言うか、かなり大きめに作られている。ここに、さっきのボディスーツのガワを被せるので、完全に身体は隠匿される。

  最後に頭だ。

  頭は、ちゃんと固定されるように、何度か被っては調整するの繰り返しを行う。

  そのお陰で、頭頂部、後頭部、額、頭の左右に顎まで完全にギチギチにされた。

  苦労の所為もあり、視界は実に良好だ。これなら、初心者でも動けそうだ。

  「これでいいね?」と言われて頷くと、ボディとヘッドをファスナーで固定された。

  「やんちゃな子に頭とられるの嫌だからね」と言われたが、あんなギチギチなら、うっかり取れると言う事はないだろう……

  尤も、万事が万事流されてきてしまって、反論できる余裕などない。

  ファスナーは首回りのファーで隠され、私は完璧にケモノとなった。

  そこから、歩行や視界の確保の訓練、ポージングやキャラクター性について、みっちりと講義と訓練を受ける。

  と、ここで日はもう傾きかけていた。

  これは試着なんだろうと思っていた……

  なのだが、スタッフはそんな身振りなど露とも見せず、私を連れて事務所を出て行く。

  ビルを出ると、大型のバンが止まっている。

  そう、これから現場に輸送されるのだ。

  ドリンクには、腹持ちのよい成分が入っているのか、思いの外、腹が減らない。

  車は何処へ向かうのか分からないが、兎に角、高速をひた走っているのは分かる。

  椅子も丁度良い感じの大きさのモノが用意され、半分寝たような姿勢でいられるので、思いの外楽ではある。

  社内は賑やかに会話が盛り上がっているが、しかし、私は喋りにくいのと、コミュ障なのが幸いして、一人眠りに就くことができたのだ。

  翌朝、車から降ろされると、何処かのスタジオである。

  話によると、近日発売されるゲームのキャラクターのようだ。広告の撮影などを行うことになる。

  プロデューサーを交えたインタビューや、声優さんと遊ぶ動画撮影など、予定は目白押しだ。

  撮影、撮影、撮影。休憩を挟みつつ、色々な所を連れ回される。

  やっている事は、適当にポーズをつけながら撮られるだけなのだけど、妙に神経と、普段使わない筋肉を使う。

  疲れるのだけど、脱がしてくれないのだ。

  "パワーパック"の交換の時、背中を少し開くが、それ以外は一切外界とのアクセスがない。

  尤も、美人な声優さんや、公式のレイヤーさんに、可愛い可愛いと褒められ、抱きつかれるのは、女だてらに正直気分がいい。自己評価の低い、この喪女が、変な方向に目覚める兆しではある。

  バイト開始から二日目はこうして終わる。

  夜も遅く、明日は午前中から動く。ここで、着ぐるみを脱いで睡眠とって、また着ぐるみを着るとなると、睡眠時間は三時間程度になるそうだ。

  もう、いい加減眠たい私は、もう一つの選択肢である、「そのまま寝る」を選択した。

  翌朝は、言わば布団に包まれた状態で起きたようなモノだ。案外目覚めがよい。

  キャラクターの身体に合わせたベッド(と言うか、ウレタンの塊)のお陰である。

  鏡の中の自分を見て、可愛さに再度ときめく。こんな風なら、このままずっといてもいいのにと思う。

  体調は万全、栄養ドリンクのお陰か、空腹感はなく、また便通も全く感じない。それもそうだ、一昨日みっちり下剤で腹を空にしたのだから。

  次は、秋葉原でイベント。平日だというのに、人の集まりが凄い。

  頑張って手を振り、ポーズを決める。隣の公式レイヤーさんにも負けないぐらい人気がある。

  なかなか充実した一日を過ごす。イベントはこの日に3回だ。段々、キャラクターが馴染んでくるようだ。

  そのあと、また取材や撮影があり、深夜に終了。再び、「そのまま寝る」を選択した……のだけど。

  その夜、私の事をいたく可愛がってくれた声優さんの一人が部屋に現われた。

  そして、スタッフに断りを入れると、抱きついてきた。

  私はチビで、彼女は割と身長がある方なので、着ぐるみを着ていても、彼女の方がまた高いぐらいだった。そして、何より、彼女はキラキラしていた。

  こんな彼女に、こんな厚遇を受けるていいのだろうか? 私は。

  と、ちょっといい気分になっていると、この声優さん、喃語で恥ずかしげもなしに語りかけてくる。

  「いい気持ちになりましょうねぇ」

  そして、スタッフからタブレットを受け取る。

  彼女が、それをいじくっていると、段々、股間や太腿、胸や乳首がピリピリし出す。

  「感じてるぅ?」

  問いかけに、何の事か分からない風を装っていると、「えいっ!」と画面をスワイプした。

  瞬間、感じていた電流が一気に増加されて、何とも言えない衝撃が、私の前身を襲った。

  雷に撃たれたように、瞬間で倒れてしまった。

  電撃は一瞬だったようで、意識を失うことはなかったが、彼女は、その姿を満面の笑みで見つめていた。

  そして、倒れた私に抱きついてきて――と言うよりも押さえつけるような格好で、スタッフに電流アップを指示していた。

  電流の波がやって来る。今度は、キチンと快感だと分かる程度の出力。ガンガンに濡れているのが分かる。身体は、意思では抑えられる範囲を超えて痙攣する。

  そんな私を目一杯押さえつける彼女。そして、顔が近い。呼気を吸わん勢いだ。

  こんな状態で、声優ならではの甘ったるい声で語りかけてくる。

  息継ぎや、腔内の唾の配置まで分かりそうなぐらいに近い。

  こんな状態が続くと、次第に頭が白くなってくる。呼吸困難云々以上の何かである。

  潮は吹こうにも、カテーテルで全て排出されてしまっている。

  静かな痙攣が、機械的に続くだけだ。

  意識が遠のくと、再びあのデカい電撃が走る。

  そして、先のような拘束状態になる。

  電流もそうだが、彼女の甘い言葉でも頭が蕩けそうになる。こんな経験は、男相手だってなかったことだ。

  尤も、二回目の意識喪失はなかった。

  途中で、この声優さんが飽きたか、違う事をしたかったのか、電流が収まったからである。

  ほっと一息吐いていると、彼女は、いそいそと服を脱ぎ始め、誰も止めることなく、全裸になってしまった。

  そして、私の手を握り、胸や股間に誘導していく。

  「もふもふぅ~」

  とお得意の声で悦びを表す。

  勝手が分からないものだから、そのまま淡々と彼方此方を愛撫しているが、どうしたものかと困る。

  とは言え、彼女の方はそれでも嬉しいようで、抱きしめて、揉みしだくと言う事を暫く続けた。

  それから開放されると、私は眠りに就いた――彼女が何やら着替えているのを感じながら。

  翌朝は、大型展示場での、ゲームのイベントである。

  今度は、一日中遊んでいられる。決められた時間以外は、好きに動いていいと言われたからだ。

  で、問題なのは、もう一人ケモノがいる事である。

  想像の通り、例の声優さんが着替えていた。中にマイクが内蔵されているようで、喋る事も出来ると言う。

  それなら、この子の中見も声優にすればよかったじゃないか? とか思ったが、そうか、身長の問題か……

  彼女は、終始私にベタベタしていた。ケモノになっても可愛いのだから困る。

  そんな感じで、私はデレデレしながら、彼女と行動を共にし、そして、道行く人々から、全く肯定的な形容しかされない事に快感を覚えていた。

  昨日の流れから言えば、また、彼女は今夜、私を襲うだろう。ああ、ケモノ同士でえっちか。それも魅力的だなと、頭の半分ぐらいを支配されていたのだけど。

  そして、当然の如く、その晩は、着ぐるみのまま、彼女に思いのとままにされるのだった。

  尤も、電流は、かろうじて自分で動ける程度で、彼女もそれを感じながら、お互いに身体を弄り合うと言う感じで進行した。

  ここで、スタッフが調子に乗って、電圧をいじるので、二人同時にイキ合ったり、或いは片方がイクのを抱き合って共有したりと、長い間遊び倒した。

  尤も、翌日があるので、程々の所で止められて、そして、二人で抱き合って眠った。

  イベントはあと二日ある。あと、何回遊べるだろう?

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