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着ぐるみ59-イケメン着ぐるみと(百合)

  人に話すことではないが、私はあるゲームのタクトと言うキャラが大好きだ。

  イケメンで優しくて、ちょっと影のあるキャラクターだ。

  密かに夢小説を書いてしまう程度には大好きなのである。

  尤も、そんな話が出来るのは腐れ縁のカレンだけだ。

  私はオタクで彼氏がいなくて、彼女は少しはオタクだけど、高身長で胸がないと言う理由で彼氏がいない。

  今日日は開き直っているのだけど、まぁその話はしにくい。

  酔っ払ったときに「カレンが彼氏だったら~」なんて馬鹿な事を言ったら、真剣に「それはないわ」と怒られた。

  彼女はああ見えても、着飾るのが好きな子なので、男装……それもタクトのコスプレなんてしてくれないだろうなぁ。

  悶々としているところで、ふと着ぐるみの画像を見つけた。

  それは女性向けの男性キャラで、恐らく中の人は女性であった。

  「この手があったのか!」

  と、勢いで、お面を発注し、衣装を発注し、また別の衣装も発注してしまった。

  かといって、別にカレンに着せる算段がある訳ではなかった。

  アキとは腐れ縁だが、その関係も悪いものとは思えなかった。

  乳ばかりデカくて、ちょっと頭の残念な子な訳なのだけどいい奴だ。

  そんなアキと部屋でくつろいでいる時に、「"ゲームで勝ったら言う事を聞く"ってやらない?」とアホな提案をしてきた。

  自信はあるのでボッコボコにしてやったのだけど、泣きそうな顔をしてもう一戦、もう一戦と突っかかってくるのだ。

  もういい加減飽きてきたので。「アキのさせたいことってナンなの?」と尋ねた。

  「やってくれるの!?」

  突然、顔が明るくなるのはちょっとずるい。

  「そんなの聞いてからに決まってるでしょ!」

  そう言うと、散々悩みつつ「嫌いにならない?」とか言い出すのだ。

  「借金と男絡みはナシだぞ」

  「ならよかった」

  無茶苦茶笑顔なのが怖い。

  そこで取りだしたのが、プラスチック製のお面だった。

  それはアキがアホみたいに押してるゲームのキャラクターだった。

  アニメ化したときも一緒に見せられたし、どんなキャラかは知っていた。

  「これを私に着ろって?」

  「カレンなら絶対に似合うから!」

  肌色のタイツを握ってにじり寄ってくる。

  「無理無理無理無理!」

  「なんで?」

  「恥ずかしいじゃん」

  「恥ずかしくないよ。顔隠れるんだし」

  「何より、アンタの前でやるのが嫌だ」

  「私とカレンの仲じゃん!」

  「だから嫌なんだよ!」

  押し問答が続いたのだが、結局、ゲームに勝ったのは私なのだから無理だと言って終わった。

  アキはいささかデリカシーのない女だからな。

  そう自分に言い聞かせたが、アキの落ち込みようは酷かった。

  「なんなの? そんなに好きなら自分で着たらいいじゃない」

  「衣装、カレンのサイズだし……」

  「自分のサイズで買えよ」

  「だって、着たら自分じゃ見えないじゃん。抱きつけないじゃん」

  「抱きつくつもりだったのかよ!」

  「え、嫌?」

  「嫌……じゃないけど、なんか怖い」

  「怖いことないよ」

  「アキの事だから何するか分かんないんだよ」

  「じゃぁ、何もしないから! ハグだけだから!」

  「なに、その先っちょだけだからみたいなの」

  「私、ウソ吐かないから!」

  「今まで散々吐いてきたじゃねぇか!」

  押し問答は終わらない。

  アキの落ち込んだ顔は見たくないし、このままで終わるのも何か後味が悪い。

  「しょうがねぇな!」

  「えー! やったー!」

  「だけど、何もするなよ! ハグは五秒までだ!」

  「わかった!」

  やたらに元気のいい返事だ。

  「じゃぁ、裸になって」

  「え、Tシャツとかじゃダメなの?」

  「だめー」

  「恥ずかしいだろ」

  「散々、一緒に風呂入ってきて今更ないでしょ」

  そう言われると仕方ないが、しかし、今日は何か異常にぞわっとするものを感じる。

  服を脱ぐところをじっと見ていられると嫌なのだ。

  「じゃぁ、アキも脱げよ。それならあいこでしょ」

  「何言ってるの? いいけど」

  流石に拒否ると思ったけど、あっさりと了承されてしまった。これ、ひょっとしたら、着ぐるみ着ると言うだけでナンでもしてくれるのかも知れない。

  「今晩メシ奢ってよ」

  「それはだめー」

  どういう基準なのかよく分からない。

  下着姿になった所で、肌色のタイツに足を通す。

  ぞわぞわっとした感覚が足先から背筋に走った。

  これ、ひょっとして無茶苦茶肌触りがいいのか?

  私が躊躇っていると、「どうしたの?」と尋ねられるので、「何でもない!」と一気に足を通した。

  ヤバイ、なんかむっちゃ気持ちいい。

  パンストを履くみたいに、広げて内側をワシワシやってみたのだけど、ちょっと癖になりそうだった。

  感無量で、臑とか脹ら脛を触ってしまう。

  「ひょっとして、好きになっちゃった?」

  「それはない」

  いや、それはあるのかも知れない。

  アキに急かされるまま、タイツを着るのだけど、手先から足先までが気持ちいい。

  タイツを伸ばすフリをして、身体の彼方此方を撫で回していた。

  アキは私そっちのけで、衣装の着付けに取りかかった。

  そんなに複雑な衣装ではなかった。でも、やっぱり男物と言うのに抵抗感がある。

  あいや、別にユニセックスの服も着るのだけど、私はフェミニンな服が好きだった。

  小さな頃から背の高い方だったので、可愛い衣装を着ると男子から笑われたものだ。そんな時、男子に言い返してくれたのがアキだった。

  衣装を着替えて、お面を被る。

  視界は思ったよりも悪い。目のスリットからちょこちょこっと覗くばかりだ。息もわりとしんどい方である。

  アキは、感動の余り声を失っていた。

  両手で口を塞ぎ、涙が溢れ出そうだった。

  何もそんなに感動しなくても……とは言え、着ぐるみは喋らないものだと思ってるし、タクトの声の方が良かろう。私はだまってポーズを決めた。

  泣きそうになりながらというか、泣きながら、「ハグしてください……」と言うのだから、ハグをした。

  私から抱きしめてやると、アキはぎゅっと抱きしめ返してきた。

  五秒と言ったが、こんな風ならまぁ二、三分は許してやろう。

  少し身体を揺らしてそのままの姿勢でいた。

  それからアキは自然に離れたので、「もういい?」と言うボディランゲージをした。

  アキは感動のあまり、そのままうんうんとしている。

  「はぁ疲れた!」

  私がお面を脱ぐと、寂しそうな顔で指先を握りながら、「ありがとう……あの、あのね……また着てくれると嬉しいかなって……」

  と、顔を赤らめている。下着姿でそれはなんかマズイ絵だ。

  「えー」

  と返事をしたのだけど、またこのタイツの触り心地を楽しめるなら、まぁ悪くないなと思った。

  あの感動の日から二週間、部屋からそう遠くない公園でコスプレイベントが開かれた。

  カレンもぶつくさ言いつつ参加を了承してくれた。

  会場でタクトが出てくると、もう、感動せざるを得ない。

  また感無量になってしまう。

  ヤバイ、イベント会場だ。ハグをしたまま動かないとか、絶対にマズイ。

  私は胸の高鳴りを押さえながら、手を繋いで公園を歩いた。

  ツーショットの自撮りを何枚も撮る。全身を写したいので、少し離れて撮る。横顔、ローアングル、いろいろとスマホで撮影していく。

  他にも着ぐるみの参加者はいたけど、私は別に興味がなかった。

  私とタクトも、普通の男女カップルと思われたのか、相手から接触する事も無かった。

  着ぐるみ自体に人気がないのか、男キャラのウケが悪いのか、それとも彼氏彼女の関係と思われたのか、数回撮影を頼まれたけど、それ以外は特に誰とも絡む事は無かった。

  その時、「彼氏さんですか?」と尋ねられたので「そうですよ」と答えた。今思えばナンパのつもりだったのかも知れない。

  帰りの時、「タイツは自分で洗うよ」とカレンに言われた。

  「そんなの悪いよ」

  「いや、なんか、むっちゃアキにハグされたし、匂われたら嫌だ」

  「そんな変態なことしないよ!」

  着ぐるみ一式は一緒にしておきたかったので、断ったのだけど、ふと思えば、この着ぐるみカレン専用だ。

  カレンの家に置いておけばいいじゃないかと思いついた。

  「あー、じゃぁ、一式置いておいてよ。クリーニング代は出すからさ」

  そう言うと、カレンは少し悩んで「分かった」と答えた。

  翌週、カレンの家に遊びに言っていいかと尋ねると、「どうせ、タクトに会いたいんだろう」と図星を言われる。

  「まぁいいよ」

  含みを持たせて了解される。

  家に行くと、タイツがハンガーに掛かっていた。衣装はクリーニング屋から戻って綺麗にお面と一緒になっていたのに、片付けないんだと思った。

  別に変でもないなと思って、着ぐるみを着てくれるのを待つ。

  「現金な子だねぇ」

  カレンが私に悪態を吐く。

  「私はタクトに会えればいいんだよ」

  「デリカシーがないねぇ」

  着替えが終わってハグタイムである。

  この前とその前では、感動のあまり気付かなかったけれど、このタイツ、地味に肌触りがいい。

  頬を撫でて貰った時に、ぞわっときた。

  私がベタベタと触っていると、タクトも抱きつきながら、背中を撫でてくれる。

  あ、これ、やっぱり下着姿が正しい。

  そう思って、そそくさと脱いでみた。

  流石にカレンは何か言うかと思ったけど、黙って見ていた。

  タクトの前で下着姿になるって、ひょっとして、えっちなのでは?

  そんなことを考えつつ、抱きしめられ、タイツの感触を味わった。

  もう、こうなってしまえば、タクトは私のものだ。

  なんか、妙に興奮してしまい、「おっぱいさわってもいいんだよ?」と言ってしまった。

  タクトは悩むような演技をして、でも大胆な性格なので、思い切って胸を触った。

  私は頭がバグってしまって、ブラまで外した。

  ああ、タクトに抱かれている!

  そう思うと、もう、色々な事がどうでも良くなった。

  私は週末、タクトとよろしくやってるんだぞと。

  何か全能感に襲われた。

  ショーツまで脱いでタクトと抱き合っている。

  股間が熱くなるのを感じる。

  イベントでは、アキがかなりテンションを上げていた。

  しかし、「彼氏ですか?」に「彼氏です」と答えた胆力が凄い。

  とは言え、丸一日恋人繋ぎをしていると、それはそれで悪くないのかも知れない。

  男である演技を続けると、気持ちも男になるのかも知れない、アキがちょっと可愛く見えてきた。

  それから、着ぐるみ一式を預かることになったのだけど、これは家でずっとタイツを味わえるのだなと、内心喜んだ。

  タイツだけだとちょっとマヌケなので、結局、タクトを着て過ごす事になる。

  男の格好をしているから、女の子座りは流石に出来ず、ポーズをそれなりに考えるようになる。

  そう言えば、イベントでちゃんと男らしく出来たのだろうか? 急に恥ずかしくなる。

  それから着るのはかなり真面目に着るようになった。

  尤も、ひっそり着ているだなんてバレると、アキから何と言われるか分らない。

  取り敢えず、週末に間に合うようにクリーニングに出し、自分用の衣装を発注してしまった。

  タイツの肌触りには抗えず、結局何度かオナニーをしてしまった。

  声を殺してのオナニーと言うのは、なかなか興奮するのだなと思った。

  さて、そういう状態でアキがやってきた。

  多少ベタベタされてもいいかと思ったのだ。

  ハグを続け、手つきが嫌らしくなってくる。とは言え、自分も気持ちがいいので、それはそれとして受け入れる。

  アキは途中から胸を揉んで欲しいと懇願し、自分がタクトなら迷わず揉むだろうなと言う判断から、それをこなした。

  アキは増長し、最終的にすっぽんぽんになってしまった。

  これは不味いなと思いつつ、自分の股間も熱くなっている。

  怖くて、アキの股間辺りが見られない!

  そうこうしているうちに、アキの手がタクトの股間に伸びる。

  そこにちんちんはないぞと思いながら、しかし、あったらあったで興奮するなと思った。

  服越しながら、アキの手つきがいやらしく、気持ちはどんどん高ぶってしまう。

  私も衣装を脱ごうと思った。

  そうしていると、アキも手伝ってくれる。

  胸がはだけると、アキは私のない乳を揉んでくる。

  ヤバイ、声が出そうだ。

  私もアキの股間に手を伸ばす。

  もう、ぐちゃぐちゃになっている。

  アキが好きなのはあくまでもタクトだ。

  そう思いながら、二人でベッドインした。

  まぁ、それでもいいのかなと思った。別に、私はアキの身体を求めている訳じゃないんだし。

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