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着ぐるみ-VTuber1~8

  他の子がどう思っているかは知らないけれど、私は単純に自分の顔に自信がないからVTuberをしている。

  声優の養成所にもいたけれど、結局顔がイマイチだと言う理由で――まぁ誰もそんなことは言わないけれど、顔がいい子ばかりがデビューしていった。

  普通の仕事もしていた時期があるけれど、それもそれとして身体を壊したので今の自分がある。

  流れ流れてだけど、VTuberとして成功している方だと思う。

  そんな時に、酷く気になる事件が発生する。

  友達のライバーが、貰った商品を紹介して感謝する配信で、うっかりと商品に反射した自分の姿を曝してしまったのだ。

  勿論、歪んでいたり色がなかったりと、姿がはっきりしている訳ではないが、散々「ブス」だとか「こんな顔だからVTuberをやっている」だとか言われたのだ。

  他人事ではなかった。その子は、実際会えば私よりも可愛いし若い子だ。そんな子がこんな扱いを受けるのだから、私なんて何て言われるか分ったものではない。

  いつになく、システムの安定性を気にして、もしもの時に顔を曝さないように大きなサングラスを掛けて配信するようになったのだ。

  マネージャーさんに「気にしすぎじゃない?」と言われるけど、それが最低保証だった。本当はマスクも付けたいぐらいなのだから。

  何かの時に素顔が曝されないか不安な日々が続く。それでも普段の配信は楽しいし、企業案件があればお金にもなった。

  そんな時、あるファンの子が着ぐるみのお面を作ったらしい。

  それはハッシュタグ付きで写真が上げられていて、その人のツイートを見れば私のファンであるのは間違いなかった。

  勿論、私の他のファンがどれほど興味を持ったのか微妙である。少なくとも、その写真の反応を見る限り着ぐるみ好きばかりがいいねRTをしていたからだ。

  その着ぐるみは、キャラクターショーに出てくるような作りのお面で、クォリティは高かった。

  具体的にどんな配信に使うと言う考えはないが、猛烈に欲しくなった。

  すぐにマネージャーさんに連絡をして、自分が費用を出すからあれを手に入れられないか相談した。

  彼女は私の事を気にしすぎだと言ってたから、まともに取り合ってくれなかった。

  「それに、バーチャルなのがいいってみんな見てくれるのに、いきなりナマモノ感出すのどうなんです?」

  そう言われたら、確かにどうしようもなかった。

  ただ、着ぐるみに関してはどうしても諦められなかった。

  それで私は作戦を変えた。

  別垢を作り、私のファンっぽいTLを作り上げたのだ。

  そして、先の着ぐるみ製作者に連絡を入れた。

  自分も"自分の"ファンなので、是非ともあのお面が欲しいと。

  そう言うと、相手は「もう自分のモノとして使っているので、中古品はお渡しできない」と……

  そこでゲンナリしたのだけど、相手は着ぐるみの事について、色々と手ほどきしてくれた。

  他の工房でも作ってくれるとか、着る為にはタイツが必要だとか、そういう話を教えてくれるのだ。

  そんなやり取りが続いていても、「貴方の作ったお面が欲しい」とかなりしつこく言ってしまった。

  いい加減愛想が尽きたかなと思った頃、「じゃぁ、新しいのを作りましょう。もし完成したら、一緒に撮影会しませんか?」と誘われたのだ。

  これはかなり悩んだ。相手は一応私のファンだ。普段の声は作っている声だとは言え、地声と地続き――勘が良ければ気付くだろう。

  とは言え、これは千載一遇のチャンスである。

  結局私は事務所に内緒で、この話を受けてしまった。

  まぁ、私的活動の一つだ。別にいいじゃないか。

  待っている時間は短くて長い。一ヶ月で製作を終えるというのは、恐らくこんな複雑なモノにしては凄く短いだろう。

  受け渡しは撮影会で。お代は……お気持ちだという。

  困った私は、その裏垢で作った着ぐるみ界隈のフォロワーに尋ねる。十万と言う人も居れば五十万と言う人も居る。わからん。でも、五十万出せば十分足りると言う事か。

  札束を封筒に入れて、届いたばかりの肌色タイツと衣装を荷造りすると、颯爽と現地まで移動した。

  少し田舎の方なので、一泊する予定だ――「ウチに泊まればいいのに」と言われたけど、流石に色んな意味で無理だろう。

  最寄り駅に到着すると、一人の女性が待っていた。

  二十代前半ぐらいだろうか、如何にも田舎という風体だけど、均整の取れた顔は美人に分類して良かった。

  格好こそダサいけど、着るモノを着せたら可愛いだろう。

  そんな彼女は、軽トラで迎えに来ていたのだ。

  「こんな田舎にごめんね」

  そう謝る彼女に、私はどう言えばいいか迷っていた。

  「まさか、こんな若い女の人だったなんて……」

  「あー、TLが製作ばっかりだからね。男だって思ってる人多いんじゃないかな?」

  「どこで撮影するんですか?」

  「ウチの使ってない母屋だよ。じーちゃんとばーちゃんが亡くなっちゃってから、撮影に使ってるんだよ」

  そんな話をしながら、軽トラは田舎道を進む。

  細い道を上っていくと、豪農と言う言葉を連想させられる、大きな家に到着した。

  「色々不便だから、住んでるのは離れだけどね。まぁ上がりなよ」

  板張りの廊下は黒々と光っていて、そして大きな木の輪切りを使った衝立は何処かの民宿を連想させた。

  大きな母屋の奥には、シロホリのスタジオが作られていた。

  「私、何か作るのが好きだからね」

  そう言って、プラスチックのコンテナを渡してきた。

  「あ、お礼だけど……」

  「こんな可愛い子が来てくれたんだから、お代なんていらないよ」

  彼女の家を見れば、確かに五十万円というのははした金かも知れない。

  「そんな、悪いよ」

  私が渡そうとすると、「じゃぁ、今晩一泊してよ。女同士宝いいでしょ? それは今晩の宿泊代」と言うのだった。

  紆余曲折あり、着ぐるみを来た。

  VTuberとしてのキャラは、体型的なことを言えば自分に合わせて作ってある。身長体重スリーサイズはそのままだ――と言う事は、着ぐるみを着れば1/1になると言える。

  彼女はその事をいたく喜んだ。

  「私、結構たっぱがあるから完コスにならないんだよね」

  そういう彼女は、すらりとしていて胸もあった。

  何もなければ苛立ってた所だが、彼女の謙虚なのかどうなのか分からない空気に、私は完全に戸惑っていたのだ。

  タイツを初めて着ると言うと、「いいねぇ」と笑う。

  彼女は着ないのかと思ったが、確かに足下に大型の一眼が置いてある。ああ、自分が作ったものを着せたいのか。

  着ぐるみはやや息苦しく、視界の少なさで圧迫を感じる。

  とは言え、鏡を見ると自分が想定していた以上の可愛さで、そして自分の理想とした自分がいた。

  彼女は「ちょっと決めポーズしてよ」と言うので、うっかりキャラの声のままでポーズとセリフを言ってしまった。

  「すごーい! 無茶苦茶にてるね!」

  ヤバいなと思ったけど、「凄い練習した」と答えた。

  それからは撮影会になる。

  さっきの決め台詞も動画で撮ったけど、今度は少しだけ声色を怪しくした。

  とは言え、彼女が語る私のキャラクター愛は本当だった。

  「私、お父さんもお母さんも小さい頃に死んじゃってね、そんでもって高校まで友達もいなかったんだよ。

  だけど、じーちゃんとばーちゃんの事もあって、大学出たらすぐに戻ってきて、そしたらすぐに二人とも死んじゃってね……でも、一応地主だから私、ここから離れるのもどうかなってね。

  まぁ、インターネットで話す相手はいくらでもあるからいいけどね。着ぐるみもそんな流れで作り始めたんだよね。

  VTuberもいい気晴らしだったというか、結構勇気貰ったんだよね。特にあの子の配信は、ちょっと影があって好きなんだよね。ああ、苦労しながら頑張ってるんだなぁって」

  そんな話を聞かされると、私の上っ面で仕上げられたファン像は一気に吹き飛んでしまう。

  私ははぁはぁと頷きながら、あそこが可愛い、ここがいいと言う話に頷くしかなかった。

  話も撮影も尽きると、いい加減晩ご飯の時間だった。

  地元の野菜だのジビエだのを振る舞ってくれて、「こんな美味しいご飯が食べられるなら引っ越してもいいぐらい」とうっかり言ってしまう。

  「いいよいいよ、そういうお世辞は」

  少し彼女の影の部分を見た気がした。

  母屋に布団を二つ敷き、そして「じゃぁ、着ぐるみを着て」と言われた。

  「大丈夫、寝られるように出来ているから」

  何が大丈夫か分からないが、しかし、彼女の笑みを見るとこれは断れそうになかった。

  吊していた肌タイは汗の臭いがする者の乾いていて、そしてパジャマを着せられた。駅であんなにダサイ格好だったのに、これはきちんとしたモノなのね。と言うシロモノで、可愛くて生地も上質だった。

  着替えると彼女は早速甘え始めた。

  すりすりと寄り添って、甘い声を上げる。

  「わ、わたし、そういう趣味ないから」

  そう言うと、彼女はすくっと立ち上がって部屋を出ていった。

  暫く後、彼女は着ぐるみを来てやってきた。

  それは私の相方的なキャラクターで、まぁファッション百合をよくやる相手であった。

  「私となら、そういうのいいよね」

  あくまでファッションだと言ったけれど、「そういう設定あったっけ?」と言われる。

  確かに表向きそういうのはない。

  とは言え、ここで無理を言ったら一晩嫌な感じになるだろう。

  五十万も宿代としての支払いなので、お面はダメと言われるかも知れない。

  そういう訳で、私は彼女の百合プレイに付き合った。

  彼女は胸を揉み、股間を擦ってくるので、変な声が出てしまう。

  とは言え、相方もそれを気持ちよく受け取ってくれるのだし、悪い思いはしなかった。

  結局、私は彼女に何度かイかされることになるのだが、恥ずかしいのでそう言う話はしたくない。

  とは言え、肌タイ同士の肌触りは本当に気持ちよく、その"何度か"の間に魅力に目覚めてしまった。

  彼女自身もそういう所を抜きにすれば気持ちのいい子だ。

  「昨晩は色々ごめんね……」

  あんなに開き直ってたのに謝るんだとやや引いたが、「全然気にしなくていいから」と答えた。

  「また遊びに来てもいいかな?」

  自分でも何故こんな事を言ったのか分らない。リップサービスよりも本気度は高くて、でも本当にもう一回えっちがしたいかと言われると悩ましいところではあるのだけど。

  彼女の別れから一ヶ月、私は着ぐるみを配信に使う事もなく――オナニーに使っていた。

  あの時は、あんなに良いものだと言う感想はなかった。いや、十分気持ちよかったのだけど。

  だけど、心の底から心地良いセックスと言う訳ではない。

  それは単に私がレズビアンではないと言う問題以上に、あの子がそんなに好きではなかったという所に端を発していた。

  あの子のことはまた後で触れるとして、なんでオナニーに使っているかという話だ。

  それは単純明快に、自分の理想像が鏡越しに自分の目の前にいるからである。

  ある意味で言えば自分で自分に発情しているのだから、彼女を馬鹿にするべきじゃない。

  とは言え、自分にとって自分の演じるキャラクターは大切だし、現にそうしてきたのだから、その中に多少でも肉体的な何かを求めるのは悪い事だろうか?

  バーチャルの存在が現実にあると言う事が私には嬉しかった。嬉しい以上に肉体的な感触を得られる事に喜びを感じたのだ。

  そういう意味で彼女に対して感謝の言葉しかないのだけど、それはそれとして、影がある部分や安易に肉体関係を迫ったこと、それも私が逃げられない状況でそうしたことは、控えめに言っても印象が悪い。

  そして、相方の着ぐるみを出した事も、私の精神に動揺を起こしている。

  問題の相方が遊びに来たのだ。

  着ぐるみの話をしたから、一度見てみたいと言うだけの話である。ついでに配信もやろう。本当にそれだけの話だったのだ。

  彼女は私の着ぐるみ姿を見ると、「ふーん」と言う程度だった。

  褒めてくれたし、凄いと言ってくれるけど、それ以上に刺さる所がなかったらしい。まぁ、世間はそんなもんだよね。

  「面白いし、やって見たくないって言うと嘘だけど、幾らしたの?」

  一応タダで貰ったけど、色々あって五十万円包んだと言うと、信じられないと言う顔をしていた。

  ただ、彼女の声を聞くと、あの日のことが思い出される。

  彼女に彼女の着ぐるみを着せてセックスしたらどうなるのだろうと言う期待である。

  そして、配信をしながら人知れず興奮する自分に驚いていた。

  配信としては、若干私が彼女に惚れているっぽく聞こえるので大成功ではあるが、相手としては演技でしかない。

  それがやや残念に思いつつあるのはよくない傾向だ。

  では、製作者の彼女との付き合いはあれ以来ぷっつりかと言うとそんなこともなく、安くない金額を貰ったと言う理由で、もう一個お面を作れない事もないよと言うのだ。

  「原価幾らなの?」

  私が尋ねると「え、原価厨?」と笑われてしまった。

  勿論、彼女が本気でそう思っている訳はないだろう。だけど、そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。

  もう一個作って貰うとしたら、やっぱり相方だろう。

  だが、相方にその話をしたら絶対に引かれるだろう。よしんば着てくれたとして、私が理性で本能を抑えられるかどうかと言う問題がある――アレを本能と呼べるかという議論は別として。

  私はうんうんと悩みながら態度を保留し続けた。

  「お面の発注とは別に、また遊びにおいでよ」

  フランクな呼びかけは、私の彼女に対する印象の複雑さとは対照的だった。

  結局相方の着ぐるみとのセックスの味に抗える事はなく、悩みつつ遊びに出掛けたのだ。

  相変わらずの広い屋敷。

  私の体型に近い別のキャラクターを用意していた。

  一応売り物だけど、完成の写真が欲しいらしい。

  その為に衣装を用意していたら逆にお金が掛かるだろう――まぁ彼女がお金に困ると言うことはなさそうだけど。

  その写真が撮り終わったら、自分のキャラクターに自分でなりきって撮影と進み、夜になると相方の姿で彼女が出てくる。

  それからは晩ご飯なんて考えずに、ずっと抱きつき、お互いの乳房や股間をいじり倒していた。

  何回イっただろうか? あるタイミングで彼女が言う。

  貴方って、本当にこの子の中の人なんでしょう?

  彼女の言葉を否定できなかった。

  それは隠しておきたいと思わなかったと言うよりも、もう彼女に支配されている自分がいたからだ。

  恐怖でしかなかった。

  彼女ほどお金がある人が、それをダシに脅迫などしないだろうが、何を要求するか分からなかった。

  差し当たりはセックスを。着ぐるみ同士のセックスを要求されるだけだ。

  それから彼女は度々東京へ出てきて、私とセックスする為にホテルに一泊するようになったのだ。

  ああ、戻れないところに来てしまったなと思った。

  「好きでもない人に抱かれて気持ちいい?」

  と私の中の悪魔が囁く。

  "あの子"と何度も身体を重ね続けた。

  頭の中では嫌いなのに、気持ちよさが優先してしまう。そして、その背徳的な行動にゾクゾクしている事も、最近感じるようになった。

  と言うのも、自分のキャラクターのR18なイラストは、やや嫌悪していた自分があったからだ。勿論、口で軽く嫌だと言いつつ、VTuberとしての展開を考えると否定もできなかった。

  だから、そう言った創作のことは一切無視して、ないものとして扱っていたのだ。

  それが今になってこの体たらくだ。

  相方の姿の着ぐるみに発情して、本当は女が好きじゃないと口で言いつつ、彼女を求めるのだ。

  最近は毛嫌いしていたR18なイラストや小説にも目を通すようになった。

  その事は、VTuberとしての活動にも反映され、今まで無視していたやや行き過ぎた発言も、"好意的に"拾うようになったのだ。

  結果として、私のキャラクターは"許された"事になって、そういうエッチな創作が花開く事になる。

  ああ、それを楽しい事だと思えてしまう自分が悔しい。

  この動きに、相方はやや呆れているようだった。

  相方はもっとビジネスライクにああ言う創作を見ていたから、「盛り上がる事はいいことだけど」と私に釘を刺した。

  相方のことはそれからどうと言う事もないが、度々泊りに来て、私に着ぐるみを着せて、それをネタ的な意味でいじって喜んでいた。

  一切性的な関係には至らない。かなり健全で、そしてやや冷たい関係を感じていた。

  勿論、遊びに行ったり来たりする関係なんてそこそこ仲がいい証拠だよと笑われそうだ。

  分かる。自分でも分かるのだ。

  相方はいい子だ。

  でも、一抹の寂しさがあるのだ。

  "あの子"の方は、「受注はいつでも」と笑うばかりで、私の「身体を求めるのはやめないよ」と真剣な顔をしている。

  あの子と相方が融合してくれたらと思うばかりだった。

  切なくて、相方の動画を見てオナニーをしてしまうに至る。

  ああ、私、相方のこと好きだ……

  イった切なさと息苦しさのなか、私はそんなことを確信してしまった。

  そして、思い切って発注してしまう。

  あの子はそれを好意的に捉えてくれたけど、「その時には会わせてよ」と無理なことを言うのだ。

  あの子に相方の顔、そしてそれで発情してしまう自分。

  ああ、本当にどうにもならないな!

  そんな日々に苦しんでいるとき、突然事務所から独立の話が降って沸いた。

  私はあくまでも管理される側の立場だったのだけど、事務所はその辺をもっとシンプルにして、私に仕事を振り、代金を振り込むと言う契約を結んで、自分の事は自分で管理しろと言う話を始めたのだ。

  何故そんな話になったのだろうか?

  同じ事務所のある後輩が、メンタルをやられた上で色々と不満を述べ、様々な情報を公開して炎上したのだ。

  ある程度自分でやれそうな子は、そうやって外に出してリスクヘッジをしたいのだと言う。

  自分は嫌々ながらそれを了承した。

  事務所からはマネージャーの貸し出しができると言うが、それもお金が掛かる話なので、差し当たりは自分でやってみると言うしかなかったのだ。

  その状況は相方も同じで、さて、困ったぞと言う話になる。

  差し当たり、資金面で不安が募る。

  そんな時、お金があって助けてくれそうなのは"あの子"でしかなかった。

  あの子はかなり人当たりがいい。

  服がダサイ事を除けば、綺麗で可愛い子だし、資産家なりの教養も礼儀もあった。

  皮を被っていれば、彼女は優秀なマネージャーになれそうだった。

  実際、私が相方に引き合わせると、相方は彼女の事を一目で気に入ったのだった。

  それから紆余曲折あって、私と相方は彼女の地元に移住する事になったのだ。

  私は相方に隠れつつ、マネージャーになったあの子と情事を重ねるのだった。

  マネージャーは私達が不得意な事務的な仕事を次々に片付けてくれた。

  そして、資金的にも潤い、万事が上手く回っているように見えた。

  相方は私とマネージャーの関係について当初何も知らなかったが、着ぐるみ製作者である事は知ってたから、「へぇ」ぐらいには思っていただろう。

  その「へぇ」はいつまでも同じ感触で口にされていたが、しかし私がやたらとマネージャーの家に遊びに行く事に鈍感ではいられなかっただろう。

  着ぐるみについて相方は「折角ならそれで動画撮ってみるのもいいかもね」と彼女に歩み寄る雰囲気まで漂わせていた。

  私のお願いしていた作りかけがあるので、それを転用しようとマネージャーは思っていた。

  私のお願いに関しては一旦保留になり、相方向けの相方お面が作られる事になったのだ。

  私とえっちをする為のお面に関しては、相変わらず私とマネージャーの秘密のままだ。

  そんな案配で、相方はお面他、着ぐるみ一色を用意した。

  遂にその日が来てしまった。

  一応、ファッションレズと言う事になっている筈だ。

  多少ベタベタしても許されるだろう。

  私は最大限の自制心を払って自分の着ぐるみを着て、相方に相対した。

  「ヤバイ、可愛い……」

  本音がダダ漏れになってしまった。

  なんとか肉体的な接触は最低限にしたが、「触り方が嫌らしい」と笑われた。

  そして、その映像は編集でどうにかこうにか誤魔化しつつ、全体として百合っぽい匂いが漂うモノとなったのだ。

  映像の反響は悪いモノではなかった。

  お面の出来は良かったし、中身は本物だから、それについてガタガタ言う事はなかった。

  自分の顔がアレと言うこと以外、引っかかる事もなかった。

  そういう意味で、私はこの配信で多少自信が得られたのだ。

  相方も「まぁアリなんじゃない?」程度には言ってくれるようになった。

  しかし、それはそれとして私の欲情は止まらなかった。

  一度リアル相方を見てしまうと、我慢できそうなものは我慢できそうもないものへと変化してしまったのだ。

  あの映像を見て、何度オナニーしたことか。

  自分が何か道を踏み外しているのは分かっている。でも、それを止める術がない。

  普通にオナニーなんかやめて、冷静に相方を見ろ、マネージャーとの身体の関係をやめろ――分かっている。分かっているんだ。

  話のネタのため、相方がソロで配信している動画を見ると、ついつい疼いてしまう。

  VTuberの配信なんて短いモノじゃないから、ついつい我慢できなくなる。

  こんな具合だから、マネージャーとの関係を断るなんて勇気も出ずに、ズルズルと"相方のお面"を求めてしまうのだ。

  私とマネージャーの密会は、もはや隠せるレベルのものでなくなったのだろう。

  当初、やたら仲がいいなと思われていたものは、疑惑になり確信になったのだろう。

  「マネちゃんとそういう関係なのはいいけどさ……まぁ、いいんだけどさ」

  言いにくい事を言っているのは間違いなかった。

  "いい"と言いつつ、本心では気持悪いと思っているのだと言う事は間違いなかった。

  一方、一部リスナーは着ぐるみ配信を気に入っていたらしい。

  なので、リクエストは来る。

  私はそういうのを拾って、「またできたらね」と言うけれど、相方に投げられたそういうメッセージは、ほぼ黙殺されていた。

  そんな時分に相方がやらかした。

  さる差別用語を口に出してしまい、「知らなかった」で済ませばいいところを、自己弁護に走ったのだ。

  恐らくは、私達の関係に苛立っていたのだろう。

  マネージャーは事態を収める為に、それは丁寧な文章を書いたのだが、それも気に入らなかったようだ。事態は深刻な事態になる。

  事務所は"キャラを貸している"と言う立場故に苦情も入ってきた。

  取り敢えずは一ヶ月謹慎と言う事に決まった。

  相方は腹の虫が治まらない様子だったが、それには一応同意した。

  私はと言えば、擁護もできず無視もできないので、取り敢えず落ち着くように言っているとだけ報告していた。

  私自身もストレスフルな日々となってしまったのだ。

  そうもなると、私はマネージャーのところへ逃げ、身体を求めたのだ。

  この時期となると、もう、お面のことはどうでもよくなっていた――正直、相方の顔がしんどくなってきたのだ。

  相方はその事情を知らないとは思えず、苛立ちは増していくばかりだ。

  表面上、マネージャーの対応は大人であり完璧だっただろう。

  落ち着いて話を聞くし、的確なアドバイスも与えた。

  しかし、それこそが相方には気に入らなかったのだろう。

  「ねぇ、私はあんたと寝たらよくなるの?」

  相方は遂に言ってはいけない事を言ったのかも知れない。

  「それでもいいですけど、貴方が気に入らないのは、相方が取られている事ですよね?」

  マネージャーも確信を抉ってきた。

  ヤケになった相方は、それからヤケクソで私とセックスしようと提案し、そして着ぐるみを着込んで抱き合う事になった。

  一度"本物"とそういう事をすると、あんなに苦手に感じていたのに気持ちはどんどん盛り上がっていった。

  彼女も私が胸を揉んだり、股間をまさぐったりしても嫌がらなかった。

  彼女が気持ちよくなったかどうかは確信が持てないが、しかし"楽しいセックスをしよう"という彼女の気遣いは感じた。

  多分、これでいいのだ。

  相方とのセックスは、ナンというか非常に不慣れなものだった。

  お面で視界がとれないこともあっただろう。

  私としては肌タイで包まれた身体同士を重ねて、性器やおっぱいをいじり合うだけで多幸感が増える。なので、相方がまさに相方の顔でそこにいると言うだけの事が奇跡的にも思えた。

  相方はどう考えているのだろう? ヤケを起こした事を後悔しているだろうか?

  手短なセックスは、私だけ絶頂したと思う。彼女も声を上げていたけど嘘くさかった。

  それはそれで終わりなのだなと思っていたら、「あの子としたくなったら、私を呼んで」と言うのだ。

  私は努めて明るく「うん、分かった」と答えたけど、少し馬鹿な子っぽかったかしら?

  それ以降、私は約束通り相方と身体を合わせた。

  相変わらず楽しんでいる風には思えなかったが、マネージャーに私を取られるよりもそちらの方が良かったのかも知れない。

  じゃぁ、マネージャーは何を考えているのだろう?

  「エッチをする相手なら他にいますから」

  澄ました顔をして、割と酷い事を言っていた。

  「ご心配なく、私口は硬いですから。

  でも、お面を作ったのだから、表に出して貰った方が嬉しいですね」

  最後の言葉は脅迫のつもりではなかっただろうけれど、確かにセックスのための道具にするにはちょっと勿体なかった。

  そういう事情で、ちょこちょこ着ぐるみ配信をすることになった訳だけど――手癖になってしまったソフトタッチが、リアル配信だと妙にゾゾっと来る事に気付いた。

  人に見られていると言う事実と、影でコソコソセックスしている背徳感とで、私の中にもそして相方の中にも、何かしら心を動かすものを感じたのだ。

  そんなわけで、私達はかなり頑張って平素の配信に近い距離感を保っていた。

  そのぎこちなさが、「中の人は違うんじゃないか?」と言う説を生んだのだ。

  こればかりは否定のしようもないし、そもそも否定しなくちゃいけない情報と言う訳でもなかった。

  配信の一割ぐらいが着ぐるみ配信となると、リスナーも慣れてきて、そして私達も何となく慣れてきた。

  慣れてきたというのは、例のゾゾっとした感覚がなくなった訳ではなく、それを見せる事に抵抗がなくなった方である。

  そんな事情で、着ぐるみ配信は"中の人百合"と言う言葉が飛び交うようになる。

  私としては気分が良かったが、打ち合わせの時の二人の顔は微妙なものだった。

  「うっかりしてるとBAN喰らうよ」

  確かに、それはそうだなと思った。

  VTuberとしての配信は、際どい事を言わないように気をつけていたから、BANとか収益化取り消しとかの処分は喰らっていなかった。

  一方、着ぐるみ百合配信はどう考えても際どかった。

  色々検討した結果、着ぐるみだけ別のプラットフォームで配信しようという話になったのだ。

  私も相方も、それに安心すると配信でベタベタするようになり、そちらの方の収益もかなりよいものになっていった。

  ただ、古参のリスナーからはやや不評を得るようにもなっていた。

  VTuberとしての配信が疎かになりつつあるのだ。

  それは事務所の方からも突っ込みが入っていた。

  そんな折、事務所のライバー総出のイベントが開催される事が決まった。

  新曲の披露が決まり、東京への出張が多くなっていく。

  キャラクターの3D化も決まったので、振り付けも必要になる。

  着ぐるみにかまけている日々は終わりを告げたのだ。

  東京に出てくるときは、三人で部屋を取り、私主導で3Pをするのが常になった。

  尤も、レッスンやらリハーサルやらで、疲れて寝る事が多いから、休みの日は地元に帰らずに、ホテルで遊びに集中することになる。

  それが幸いなのか、相方とマネージャーの関係はややほぐれるようになってきた。それに、相方もエッチに対して多少積極的になって来てくれた。

  地元にはない大型のアダルトショップで玩具を買い求め、そしてそれをその夜に使う。

  段々と自分のキャラクターに拘らず、マネージャーが持ってる着ぐるみを、週替わりぐらいで持ち込んで遊ぶようになった。

  そして、イベント当日が訪れた。

  舞台――と言うかスクリーン上にリアルタイムにステージが表示される。その動きは、ホール内の会議室で直接モーションキャプチャーされているのだ。

  なので、リアルタイムで会場に反応できるので、私自身も観客もかなりのライブ感が得られる。

  三日間開催の一日二ステージなので、通算六回の登場になる。

  その間は、一般客のフリして会場を楽しむ事が出来た。

  会場内を歩いていると、着ぐるみ化されたキャラクターも沢山いて、一緒に記念写真を撮ったりした。

  勿論、ゆるキャラみたいな作りの着ぐるみなので、私達が持っているソレとは違った。

  だが、その様子を見ていると相方が囁いてくるのだ。

  「私達も出そうか」

  私は難色を示していたけど、彼女はマネージャー経由で運営に話が行き、荷物のあるホテルが徒歩圏内と言う事もあって、「やりましょう」と言う事になった。

  更衣室で渋々着替えるが、「やっぱりやめにしない?」と私が尋ねると「ここまで着てやめるの?」と窘められてしまった。

  「絶対に混乱するから喋らないでくださいね」

  そう運営にクギを挿されて、会場内に出た。

  出て目に付いた数人は、着ぐるみに興味がないようだった。精々「おっ?」ぐらいの反応で、遠巻きに撮影されるぐらいだ。

  それでも徐々に会場の中心へと向かうにつれて、人々の反応は大きく多くなった。手を振ったりスリーショットを撮ったりとファン達は楽しんでくれて、その輪は徐々に広がっていく。

  段々と収拾が付かなくなりつつあったので、囲み撮影を受ける形となる。

  私と相方はコントみたいな動きをしながら、所謂"神回"での出来事をなぞってみたりした。

  会場でのウケは上々で、「可愛い!」の声を沢山貰う事ができた。

  一旦バックヤードに戻ると「楽しかったでしょ?」と、相方から微笑みを貰う。

  私もテンションが遺憾なく上がっていたので「うん!」と喜んで答えていた。

  気持ちは完全にそっち側に持って行かれていたので、私と相方は休憩を挟みつつ、ステージ前にもう一度表に出たのである。

  このとき、私達は完全に時間を見失っていたし、付き添いのスタッフはステージの時間の連絡ミスを犯していた。

  私達がそれに気付いた時は、かなり手遅れな時刻となっていた。

  「よし、そのまま上げろ!」

  運営の幹部が決断した。

  一旦バックヤードに入り、手早くマイクを取り付ける。

  舞台裏は戦争のようになっている。

  怒号こそ聞こえないが、かなり殺気立っていて、不安感が増していく。

  そこにマネージャーが現われ背中を叩いてくれる。

  「バーチャルでできるんだから、リアルでも大丈夫だよ」と。

  舞台に上がると、目の前は大量のお客さんである。

  会場は何が起こったのか分からない状態だったが、私達が歌い出すと、午前中に映像越しで見た風景と熱気がダイレクトに私達を襲った。

  だけれど、一度助走を付けて走り出したことは止まらなかった。

  もう興奮の一言でしか説明のつかない感情で、私達は歌とダンスを披露した。

  そしてMCの時間では、直に目で見た光景、耳に聞こえた言葉を拾って、お客さんを――それこそ配信の時のように――いじることができた。

  勘の良いお客さんは、さっき出ていた着ぐるみと同じだと気づき、ネット上では「着ぐるみの中の人が本人だったのか?」と大盛り上がりの話題になった。

  次出る時は大変だぞ?

  運営は、こんな状況に及んでも「じゃぁ、着ぐるみで出してみましょう」と言うのだった。

  「絶対に混乱しますよ?」

  と私が釘を刺したが、「スタッフ総出でなんとかするから」と笑うばかりだった。

  「どうなっても知りませんからね」

  と捨て台詞を吐いてみたが、どうかなって困るのは私達の方である。

  とは言え、舞台の成功にスタッフは多少酔い気味であるし、私達も興奮冷めあらぬ感じではあったので、そのまま表に出ることにした。

  声はウェストに付けた拡声器で出力される。

  私達の肉声が外に出る瞬間である。

  「こんにちはー!」

  その一声で、場内はどよめいた。

  手を広げたスタッフに守られながら表に出ると、人々が波のように押し寄せてくるのが分かった。

  これはヤバいなと思ったが、柵の手前でキッチリ止まってスタッフの誘導通りに、次から次へと流れていった。

  私達は声を掛けながら、反応しながらファンサービスをしていく。

  流石に握手会みたいな事は出来なかったが、自分たちの人気を再確認するには十分すぎる出来事だった。

  それから私達は、責任と自信を同時に持つ事になったわけだけど、それは別として、三人でエッチな遊びをやめる事はしなかった。

  そういう"距離の近さ"は3D配信の時に遺憾なく発揮されて、それがファンを呼ぶと言う不健全なスパイラルが、結果に結びついていた。

  着ぐるみ配信も相変わらず続けていて、イベント参加への要望が次々に舞い込むのだ。

  着ぐるみ界隈としては、着ぐるみの作風から、作者はすぐに特定されたが、彼女は自分がマネージャーであることを明かさなかったし、守秘義務があると口が硬い。

  彼女は、元々多く付き合うより、少数と深く付き合うタイプなので、それ以上の波及はなかった。

  彼女から界隈の人間を紹介される事はなかったからだ。

  ただ、この成功は他のライバーに注目される事になる。

  マネージャーが"身内"であることに安心して、彼女に発注する子が現われたのだ。

  着ぐるみそのものにアイデンティティーを感じていた訳ではないが、なんだかずるいなと思う自分がいる。

  しかも私達がおあつらえ向きのスタジオを持っていると知っているから、すり寄り方が割と強引だった。

  別に、その子のことが嫌いではないし、以前から凸ったり凸られたり、ゲームを一緒にしたりという事はしている。

  ただ、なんだか人の領域に土足で踏み込まれているような気がする。

  ただ、その不快感を抱いたまま仕事をするのはよくないと気分を切り換えて、まぁマネージャーの作るお面は可愛いからなと思うことにした。

  実際、配信自体はつつがなく終了したと思う。

  一つだけ問題があるとしたら、私達二人がやたらとボディタッチをしていたと言うことだろうか。

  いつものつもりで、いつものように配信していたが、彼女はややお気に召さなかったようである。

  笑いながら「触りすぎだろー」と言っていたが、本心は気持悪いぐらいまで思っていたかも知れない。

  それ以降、彼女がお面の配信をすることはなかった。

  私達は何処となく安心していたかも知れない。それはマネージャーも同じだった。

  「このまま踏み込んでいったら大変な事になっていたよ」

  冗談めかして言うけれど、確かに私達が踏み込んでしまったら、どういうことになったか考えると恐ろしい。

  否、彼女もそういうのを予感したから私達から離れたのだ。

  私達は、もっとノーマルな人間だと思ってたけど、そうとは言えない段階に墜ちていったのかもしれない。

  それをなんとなく気付かされ、しかし、それでもお互い身体を求める事をやめなかった。

  私達は、それから割と平穏な日常を過ごしている。

  三人で遊んだり、二人で遊んだりとそれぞれの楽しみ方を三人で見つけているのだ。

  マネージャーは自分で着る固定キャラの子を作ったり、別の表情のお面を作ったりするので、それに合わせてロールプレイしながらエッチを楽しんだりした。

  尤も、キャラクター性は配信準拠で、配信みたいにきゃっきゃしながらエッチを楽しんだのだ。

  恐らく、そういうのが許される配信だったら、それはそれで見応えがあったかも知れない。

  普通の配信の方はやはりVの方がメインで、着ぐるみ配信は一割ぐらいだ。

  生身があると言う事で、商品紹介が必要な案件では結構便利に使えている。

  マネージャーは人様向けの着ぐるみ製作も続けていて、しばしばVTuberからの依頼もある。

  ただ、そうしたところで、特に我々と深い接触を持つと言う事はなく――コラボ配信も時々しているけど、面倒な事は起きていない。

  全てが平和で順調だ。

  それはそれとして、私達の関係を疑うようなリークもされている。

  私達の関係は誰にもバラしていないが、コラボ配信などすれば独特な雰囲気で分かる可能性はある。

  そういう意味で、二人はファッションじゃない百合だと言う話になる流れは分からなくもない。

  ただ、それを気持悪いと言う文脈で語られたところで、ファンはむしろ納得して喜ぶだけなので、実質ノーダメージだ。

  マネージャーの着ぐるみ界隈での評価はどうだろう?

  色々なVTuberのお面を作っている事が評価されていて、オークションに出すとかなり良い値段になっていると言う。

  受発注の手間を考えると、それが楽ということもあるようだ。

  いつの頃からか、普通の人からの受注を停止するようになった。

  VTuber以外の仕事も得られるようになったのは、マネージャーの顔の広さのお陰だ。

  地元企業のCMやPRビデオのナレーションなんかをするようになったと思えば、小さなイベントのMCもやらされるようになった。

  私は自分の顔のことを気にしていたけれど――少なくともかつての自分だったら断っていたと思うけれど――今はやや苦手ながら出てみるかと言う気になっている。

  これは恐らく着ぐるみでイベントに出たのが大きいだろう。

  それとも着ぐるみ関係なしで三人でエッチしたときの経験だろうか……

  全ては順風満帆だ。

  母屋を一部改装して、私達は三人で暮らすようになった。

  あらゆる事を一緒にやるようになって、そして地元だけでも上手く仕事が出来るようになって行った。

  時々東京に行くと凄く疲れるのが分かる。

  ああ、このままあの田舎で三人の生活が続くのか? そう思うと、何とも言えない嬉しい気持ちになる。

  私達の生活を、私達を直接知る人は、「尼寺みたいだな」と評価している。

  それは私達の仲の良さを認めた上での話だろう。

  私達は私達だけの時、「尼さんじゃしないだろう事をしてるだろうけど」と笑い、そしてエッチに移っていく。

  何をするにもエッチが挟まれる。

  着ぐるみを使う事もあれば、そうじゃない時もある。

  玩具を使う事もあれば、手だけで満足する時もある。

  プレイは日々開発していて、お気に入りのコースを決めている。

  ロールプレイで遊ぶのは楽しい。私と相方の放送の時の関係がそのままリアルになっている。

  ああ、人には見せられないけれど、幸福な姿は見て欲しい気がする。

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