PRPR
  
相撲校長 丸山章介(まるやましょうすけ)

  「今日は有難うございました。急にいつもの場所が使えなくなりまして.....本当に急な頼みを聞いてくださいまして....」

  地域の少年相撲大会が開催された小学校の一角....大会が無事終わり、日が暮れる中、実行委員の一人である茶毛の若い犬獣人がしきりに頭を下げている相手は、この小学校の校長....白く大きな肥体を、紺のスーツにぎゅうと押し込んだ、白顎髭に白マズル髭、温厚な糸目が、鼻に掛けた丸眼鏡で一層優しげな雰囲気を醸し出している丸山章介(まるやましょうすけ)、その人である。

  地元出身で、若い頃は学生相撲に打ち込み数々のタイトルを手にした、かつては角界入りも期待された有力選手であった。しかし、大学時代の試合での事故により、右膝を痛め、止む無く角界入りを諦めて、教師の道へと進んだのであった。

  しかし、相撲への情熱は捨てきれず、程なくして指導者としての資格を取り、若年層に相撲を広める事を自分の一生の仕事としたのだった。

  他の教師の例に漏れず、丸山も何回かの転勤を経験している。その度に、その地の相撲道場を盛り上げ、無ければ自分で一から作り上げ、そうして指導者としての経験と実績を積み上げてきた。

  この地に戻り、教頭-校長となってからは、地元のつてなどを頼ってスポンサーを探し、本格的な練習施設を作り上げ、自らマワシを巻いて生徒を稽古する熱心な校長として有名になっていた。もっとも校長という立場上、最近は知り合いの若い指導者を呼んで一任し、自分は裏方にまわる事が多いのだが。

  しかし、あまり自分が出しゃばるのもまずいだろうと、地元の商工会が主催する大会には、部員を参加させるくらいに留めておいたのだが.....今回、商工会内部の内紛により、相撲大会の会場が急に借りれなくなった為、窮余の策として、丸山の小学校に会場が打診され、それを丸山が快諾した事で、事なきを得た次第であった。

  そうして、若い茶毛の犬獣人が頭を下げる中、意気揚々と引き上げていく丸山はそっと一言呟いた。

  「とても....好みな方なのですけどね。幸せな家庭を築いている方を、こっちの世界に引きずり込む訳にはいきませんよね....」

  ・

  ・

  ・

  車で10分程の所....山裾の大きな一軒家が丸山の自宅である。後ろの山も丸山の所有物であり、相撲の練習が出来る様に色々な施設が作られていた。それらは外からも見える様になっており、丸山の相撲にかける情熱を表す物として地元では有名になっていた。

  一方.....敷地の内側。藪に隠された獣道への入り口が有る事は知られていなかった。その先にある『特別な施設』についても....

  自宅に帰った丸山は、自宅のトレーニング施設で1時間程汗を流すと、でっぷりとした躰にまとわりついた汗や砂をシャワールームで洗い流す。そうして、数枚のバスタオルで躰の水分を拭き取ると、屋敷の外に出て、例の藪に隠された道を奥へ奥へと進んで行った。

  [pixivimage:73122782-1]

  [newpage]

  丸山は、いわゆる男色家であった。むっちりと若い男性が好みであった。無論、教師という立場上、それをうまく隠蔽しているものの、今日の様に若い....いや『幼い』むっちりとした肉体が本気でぶつかり合う様は、丸山の欲情を激しく刺激するものだった。しかし、一度として教え子達に手を出した事は無い。丸山の相撲にかける情熱は本物であった。しかし躰が火照ってしまうのはどうしようもない。だから、丸山は密かに欲情を発散する為の施設を、自宅の敷地内に作ったのだった。

  最近はSNSの発達で、そういう相手も見つけやすい。しかし慎重な丸山は複数回の食事だけの逢引と、興信所での調査で『問題ない』と判断した相手だけを、この自宅に招待していた。

  いざ躰を交えると決めたら、先ずは高級ホテルの一室に部屋を取り、食事の後に一回戦。そこで自分との相性が良いと判断したら、自宅へと招待する。そういう段取りをとっていた。

  なにせ丸山、普段と違い、一度スイッチが入ってしまうと、真正の雌豚へと成り果ててしまうのだ。乳首も開発されて肥大し、尿道さえも開発済み。尻穴は、相手の大きさに合わせて締め付け具合を変えられる自在さ。腕二本など簡単に飲み込んでしまう。

  [pixivimage:73122782-2]

  [newpage]

  一見、穏やかな老紳士が、いざプレイとなれば、相手のイチモツを飲み込んでよがり狂うのだ。それだけで、引いてしまう相手も少なくない。それ故に、一回ホテルでプレイして、引かない相手を選んで自宅に招待していたのだった。

  [pixivimage:73122782-3]

  [newpage]

  ・

  ・

  ・

  敷地の奥の一角....少し小高い場所にそれはあった。小屋の中には様々な道具が設置してあり、どんなプレイにも対処可能である。真正Mの丸山としては、それらを全て使ってくれる相手を探しているのだが、教師という立場上、そうそう危険も犯せない。

  仕方なく小屋のベランダ....外から見えるか見えないかの場所である....にて、アナニーを始めた。梁型を突っ込み、乳首を自分で弄り....そうした様がひょっとしたら外から見られているかもしれない。という、スリルが心を高ぶらせる。本当は相手が欲しい所だが、今日は尽く知り合いには断られてしまった。

  ああ....若いむっちりとした肉体に自分の躰を滅茶苦茶にされたい。そんな事を思いながら、喘ぎ声を漏らし、躰から様々な液体を垂れ流しながら自慰に励んでいる丸山には、後ろから迫ってくる人影など気が付き様もなかった。

  [pixivimage:73122782-4]

  手が白い布を持って背後から伸びると、そのまま丸山の口を塞ぐ。慌てて抵抗する丸山。一見贅肉ばかりの様に見えるが、その内側には凄まじいまでの筋肉が潜んでいる。並の相手なら一瞬で振りほどける筈だった。しかし....

  四方から伸びる四本の手は、丸山をベランダのデッキチェアにがっしりと押し付けて、微塵も動く事を許さない。そうこうしているうちに、丸山の意識は、布に染み込まされた薬品により、奪われていった.....

  ・

  ・

  ・

  意識が徐々に覚醒していく....

  『ああ.....あれはなんだったんだろうなぁ...』

  そう思い、目をしばたかせるが.....視界は黒いままだ。目を擦ろうとして、腕を....後ろ手で、まるで動かない。一体、何が?....立ち上がろうとしても、脚も.....パニックになり、暴れるが、まるでびくともしない。助けを呼ぼうにも、口にも布が詰め込まれていて、呻き声も出ない。ひとしきり試みた後、どうにもならない事だけが判り、暴れるのを止めた。何よりも、どうやら厳重に縛られているらしく、まるでびくともしない。そこに

  「どうやらお目覚めの様だなぁ....」

  聞いた事の無い声と共に手がうなじの方にまわると、目隠しが解かれていく。焦点が合わない目で見えたのは、窓の無い小さな灯りだけがある薄暗い地下牢の様な場所で、全裸で緊縛・猿轡されている自分の、対面の大きな鏡に映った姿だった。股間も厳重に縛められ、陰嚢が鬱血して紫色になり、尿道にも太い金属棒が差し込まれていた。尻穴には感触からして、床に設置された相当な太さの張り型が差し込まれているのだろう。首にはごつい皮首輪が嵌められていて、天井から自分の首を吊り上げていた。正座した膝関節の内側に頑丈な金属棒が通されていて、床の留め金にしっかりと固定されていた。これでは動き様がない....

  自分の今の姿をしっかりと確認させた後、男....虎獣人が続けた。

  「困った事をしてくれたねぇ、丸山さん」

  『何を?』そう思う丸山に、虎が続ける。

  「あの大会は失敗してくれないと困るんだよ。今の商工会の会長に恥をかいてもらうつもりだったんだから。それをアンタは....まさか、会長派だとは思って無かったからノーマークだったんだよねぇ。で、うまく相撲大会を開催しちまった」

  「で、とあるお方が赤っ恥をかく事になっちまってさ。俺らはアンタには何の恨みもないんだけど、どうにも引っ込みがつかない事になっちまってさ。で、アンタには赤っ恥をかいた上で、社会的に死んでもらう事になったんだ。まあしかし、案外アンタには良いことかもしれないぜ。何せ、これから奴隷として、言葉も通じない外国で一生を過ごすっていうのはさ」

  奴隷!?

  そんな、一体、なんで?

  丸山の頭の中の思考がぐるぐると渦を巻いて、混乱する。ただ、一つだけ....自分の躰は、今のこの状況に興奮して竿が勃起している事だけは判った.....

  [newpage]

  ・

  ・

  ・

  「ん.....んぅ..........ん....」

  丸山は必死に藻掻いていた。仄暗い地下牢の様な、どことも知れない場所にて、対面の鏡に映る、全裸に剥かれてスキ無く厳重に縛められた躰を揺すり、微かに漏れる苦悶の呻きを漏らしながら.....

  あの虎男の言葉に衝撃を受け、くらくらとする頭に、その後の言葉が染み込んできた。暫くは調教を受けさせ、その痴態を動画に収める事。暫く行方不明のまま調教を続け、騒ぎになり始めた所で、警察にタレコミをする予定である事。いわく

  『丸山は、校長という立場でありながら変態性癖の持ち主であり、それを示す証拠が敷地内に作られた施設にある事。今回の失踪はその事に関係した事である事』と....

  無論、そこには丸山達は居らず、裁判所から許可を得て立ち入り調査をした警察は、丸山の変態性癖を示す施設の数々を見つけ、調教中の痴態を記録したSDカードを見つけるであろう事。

  同じタイミングにて、痴態を記録した動画の一部を流出させると同時に『ある噂』が流れる。

  『丸山は単なる変態性癖の持ち主というだけでなく、小児性愛者であり、相撲に熱心だったのは、その立場を利用してむっちりとした身体つきの男児の裸と裸がぶつかり合うのを見て興奮する為であったのだ』と.....

  無論、この噂は根も葉もないデマである。若い子を好む丸山ではあるが、相撲に対する情熱は本物であり、一度たりとも教え子に手を出した事は無い。

  それに丸山の性癖は完全な被虐嗜好であり、子供達を弄ぶ様な物でもない。

  しかし....校長の変態性癖が警察の手によって確かめられた直後に流されるこのデマは致命的な物となるだろう。世間では変態性癖の細かな違いなど気にはしない。一度『変態校長』のレッテルが貼られた丸山の名誉回復は、ほぼ不可能であろう。

  そうして恥辱に塗れた丸山は逃げ出すように国外へと逃亡した....と見せかける。実際には、丸山の自尊心の根幹である『教育者としての自分』『相撲への情熱』が崩れ去っていくのを、ネットで、TVで、丸山自身に確かめさせる事で、丸山の心を壊し、モノ....誰かの所有物である奴隷へと作り変えて、国外の好事家に売り払う。というのが、あの虎達の計画であった。

  何故そんな事を最初に話すのかと言えば、もはや丸山がその計画を知った所で止める手段など無く、此処で無力に囚われたまま、自分が一生をかけて築き上げてきた物が瓦解していくのを眺めさせて、より一層の無力感に陥らせる為と説明された。

  くらくらとした頭でぼうっと聞いていた丸山だったが、話を終えた虎男が立ち去って、この地下牢に一人残されている内に、虎男の言葉が徐々に頭の中に入ってきた。

  『これから、自分の築いて来た物が全て壊されてしまう。そして、自分自身は釈明の機会すら与えられずに外国に売り飛ばされて、一生を終えてしまう』のだと....

  その事が、頭に、胸に、染み込んでくる。猿轡で塞がれた口から出たのはくぐもった嗚咽だった。

  「んぅ........んぅ......んぅぅ......!!」

  『どうして....どうして、こんなー!!!!』

  ただ親切心で、何よりも相撲大会の中止で悲しい顔をする子供達を見たくなかったから....たったそれだけの事なのになんで....なんで.....

  目にうっすらと涙が浮かんだ。正面を見れば、涙でぼやけたものの、対面の鏡に映る自身の惨めな姿が顕になる。

  正座座りをさせられ全身を緊縛され、微塵も動けぬように固く固定された姿.....

  後ろ手に捩じ上げられて背中で縛り上げられた手首は、天井から伸びる吊り縄で、喉を締め上げるごつい皮首輪と一緒に首と手首を天井へと引っ張り上げる。

  胸の周りの、二の腕と肘に掛けられた縄が微かな腕の動きも締め付けてくる。

  正座した脚の太腿の付け根と足首が縄で固く縛められて、膝立ちも出来ない。

  膝関節の裏に通された頑丈な金属棒は、両端をコンクリの床から突き出た留め具に鎖で固く固定されて、膝頭も僅かにずらす事も許されない。

  床から生えた極太のディルドが尻穴にがっしりと嵌まり込み、尻を僅かにずらす事も出来ず、尻に掛けられた縄が、ディルドの根本に付けられたフックに掛けられて、尻を床へと押し付ける。

  手足の指先さえ、細引きで結ばれ、指を開く事も出来ない。

  全身を覆う縄が、要所要所....敏感な股下、豊満な胸肉、下腹部に食い込んで、僅かな身じろぎに縄を擦れさせて、苦痛を与えてくる。

  [pixivimage:73122782-5]

  もしも、これが、自分が望んだ相手からの仕打ちならば、これほど心踊る光景は無いだろう。この数年間、否、この性癖を自覚した20歳前からの数十年間、自分に『愛情』をもって、この様に扱ってくれる相手を探し続け、一人悶々とし、自らの躰を開発してきたのだから。

  しかし....自分が好意を寄せた、若いむっちりとした躰つきの、男色の男達は、自分のあまりにも強烈な被虐性癖について来られず、その殆どが2~3回の付き合いで疎遠になってしまっていた。最近は、

  『せめて躰だけでも重ねたい』と....そうした性癖をなるべく抑え込んで付き合う様になり、その結果、漸く何人かの男性と数年間越しの付き合いを続ける事が出来る様になった。

  そうした彼らを『愛おしい』とは思う。しかし、心から渇望するのは、自分の剥き出しの被虐嗜好を受け止めて、さらなる過酷な仕打ちを与えてくれる相手だった。『愛情』を持って...

  今、自分は『愛情』からではなく、『嘲り』によって、この様な仕打ちを受けており、その相手は自分を破滅させようとしているのだ。こんな酷い話があるだろうか?

  緊縛された全身も、食い込む猿轡も、股間を緊縛する縄も、尿道に深く突き刺さった太い尿道カテーテルも、酷く惨めに見えた。

  これから、自分は何も出来ぬままに罠に嵌められて、社会的にも、肉体的にも破滅していくのを黙って見ている事しか出来ぬのだと.....

  そんな惨め極まりない心境にもかかわらず、雄竿が勃起しているのが、悲しかった。躰が縄の擦れに反応して、興奮で体温が上がり、躰の所々に卑猥な汗を滲ませ、尿道カテーテルの脇から我慢汁がちょろちょろと漏れ出る事が恥ずかしかった。

  そんな恥ずかしさを打ち消す為に、兎に角、躰のあちこちに力を入れて、少しでも縄が緩まないかと、必死に抵抗を試みる。しかし....動く程に縄が躰に食い込んでいき、手首が吊り上がり、首がしまって呼吸が苦しくなり、下半身の動きは、深く尻穴に突き刺さったディルドの先端....前立腺を刺激する。前から突き刺さる尿道カテーテルも同様だった。動けば動くだけ、深く入り込み、そして....時折、「ブーン」という音と共に先端から不規則な振動と電気刺激が加えられるのだった。

  全くもって無駄な、丸山の『独り相撲』は、縄を緩めるどころか、却って締め付けを許す事になり、疲れと首輪の息苦しさと体温上昇、それによる意識のせん妄により、却って躰がいやらしく反応するのを許してしまう事となってしまった。

  苦しげに猿轡越しに漏らす呼気には色っぽい響きが混じり、雄竿は最初よりも固く高く起立し、我慢汁を垂れ流し、全身から滲み出る汗は奇妙な色香を感じさせた。そんな姿を『惨め』だと思おうとしても、幾ら力を入れても解けぬ拘束の数々に対する無力感、疲れによる朦朧とした意識、なによりも自分の躰は、これが『気持ち良い』事だと感じ始めているのを否定できない事.....それが少しづつ丸山の理性を崩していく。

  『どうにも出来ないのならば、むしろ喜んで(奴隷へと)堕ちていくのを受け入れた方が良いのでは』と.....

  ........

  ......

  ....

  実の所を言えば、丸山は一人で此処に残された訳では無かった。鏡はマジックミラーとなっていて、そこで虎男は丸山の今までの様子をつぶさに観察していたのだった。

  最初から、意思の押しつけを行えば、却って反抗心を育てる事になる。それを虎男の長年の経験が教えていた。だから、最初は何もしない。何もしないで、一人抵抗を続けさせて、それらが『無駄』である事を実感させる。そうして自分から理性を手放していくのに合わせて、こちらの意図....即ち『奴隷』であり、自由意志など無く『誰かの所有物』である事を刷り込んでいくのだ。

  正直、気絶させた後、丸山の躰を調べた虎男は呆れ返った。躰だけを見れば、もう『奴隷』として完成していると言っても過言ではない。むしろこっち側の人間である。それが、未だに社会的に成功し、秘密の『飼い主』さえいないというのは、非常に不自然に思えた。

  恐らくは、教育者としての....そう、より正確に言うならば、相撲の指導者としての自尊心が丸山を向こう側に押し留めているのではないかと。

  ならば.....心の拠り所である相撲を取り上げる。その上で、自尊心を失い、躰に正直に反応する様になるであろう丸山を仕込む。虎男はそう方針を立てていた。

  しかし、いきなり取り上げては、心が壊れきった『ガラクタ(廃人)』が出来上がるだけである。相撲を奪いながら、その代りの拠り所として、奴隷の喜びを教えていかなければならない。

  今、丸山は抵抗に疲れて、徐々に今の快楽を受け入れ始めている。そう判断した虎男は、裏手に回ってゆっくりと丸山の背中から近づいていく.....対面の鏡、マジックミラーには更にもう一つ仕掛けがしてあり、虎男が近づいてくるのを隠していた。そうして...手にした一条鞭で、股間を軽くパシリと叩く。

  「ん.....」

  『んう!!』

  悲鳴も猿轡で押し殺され、僅かな呻き声しかだせない丸山に、虎男は

  「ずいぶんと一人で楽しんでいたみたいだなぁ.....寂しかったろう。これから『御主人様』がいる生活って奴をたっぷりと教えてやる。きっと気に入るぜ」

  一条鞭が丸山の躰を叩く乾いた音と、漏れる呻き声が牢の中で延々と続くのだった......

  [newpage]

  虎男....今は「石崎」と名乗っている男は、鍛え上げられた精悍な体に、黒革の陰部だけを隠した下着....その下には丸山の物にも劣らない、否、それ以上の巨根が隠れている事がシルエットから容易に想像できた。

  丸山の目が石崎の股間に釘付けになる。

  『あんな物で自分の内側を抉ってくれたら....』

  そんな事を想像して呼気が荒くなり、顔が赤くなる。しかしながら、今、丸山は囚われの身。自身の希望を述べる事はおろか、悲鳴さえ上げられない。自分の指先一つさえ自由にならない身であった。そして、石崎の言う事を信じるならば、これから自分は社会的にも肉体的にも破滅する運命が待ち受けるのみであった。

  そんな絶望的な心境にも関わらず、体が縄拘束の締め上げに根を上げて、徐々にそれを『快楽』として受け入れ始めている事が悲しくもあり、悔しくもあった。せめて表情だけでも反抗的な態度を取ろうと涙目で石崎を見上げる形でキッと睨む。しかし.....

  「良いねぇ、その顔....そそるねぇ」

  実際、対面の鏡....マジックミラー越しに丸山を観察していた石崎は、丸山が縄への抵抗に疲れて徐々に快楽に飲まれそうになって、口元が緩んで涎を零す姿を何度か観察していた。石崎が丸山に与えた縄と言葉による遅効性の『毒』は、丸山の理性を徐々に削って言っているのが見て取れた。それをそのまま見ているだけでも、石崎には唆られる光景だった。

  こうして目の前に現れた石崎に対して、ありったけの自制心をかき集めて反抗的な表情を作ろうとする姿も、健気で可愛く感じた。

  最初から諦めてしまう様な性根の持ち主は、『商品』として仕上げる際に手が掛からない反面、あまり良い出来のモノにはならないし、石崎自身もそうした者はつまらない。こんな、どうにもならないと判っている状況でも、反抗しようとする心の持ち主を仕上げるのが楽しいのだ。

  ニィっと邪悪な笑みを浮かべると、腰に下げた一条鞭を右手で持ち上げる。丸山の顔に恐れとも、期待とも、何とも言い難い表情が浮かぶ。丸山自身は、自分自身の手で躰を此処まで『仕上げ』てはいたが、誰かに本格的な調教を受ける事は無かったと、調査記録を読んで知っていた。恐らくは....自分自身がそうされる事を何度も夢想しながら、この躰を作って来たのだろう。しかし、丸山が好み追いかけてきた若い雄達にはその条件を叶える者は居なかった。

  そういう意味では、丸山の心は本当の『調教』という物に対して処女と言っても差し支えないだろう。今、丸山の心は『破滅への恐れ』と『長年の宿願が叶う』という相反する心が交差して、呼気が再び荒くなり、顔が赤くなっていた。その太ましい緊縛された躰に

  「パシーン!!」

  乾いた鞭の音が鳴り響いた。丸山の顔がより赤くなっていく。初めての鞭に驚きの表情を浮かべて.....石崎は更に大きく振りかぶって、鞭の先端をその腹に叩きつけた。再び大きな乾いた音が響いた。

  ・

  ・

  ・

  何度も何度も鞭が叩きつけられ、その度に大きな音と共に、丸山の躰に衝撃が走る。しかし....そのインパクトに反して、痛みはそれほどでも無かった。それはこの鞭がその様に作られている所為である。音と衝撃で『鞭で滅多打ちされている』という気分を盛り上げ、その状況に酔わせるのが目的である。鞭で打たれる事は『苦痛』ではなく『快楽』なのだと。そうして全身を滅多打ちされた丸山は、初体験の鞭打ちに気分がアガってしまい、呼気が興奮で乱れ、顔と言わず全身が興奮で赤みが差し、全身からジワリと汗を滲ませていた。打たれる事に興奮する事を隠せなくなっていた。

  しかし、本番はむしろこれからである。石崎は一条鞭の持ち手に、親指を添わせる。そして思いっきり股間....太い尿道カテーテルが刺さったままの巨根に鞭を打ち付けた。

  「ん..!」

  『んぐぁ!!』

  丸山の息が止まる。今までの大きく派手な鞭打ち音に加えて、鈍い....確かに肉を打ち据える重い音が響いた。石崎が持ち手に親指を添えた事で、分散されていた力が逃げなくなっていたのだ。力は直接に丸山の股間を直撃し、鋭い痛みを与えたのだった。

  丸山が首を項垂れて、呼気を乱す。不意打ちとも言える痛みで涙ぐむ。その様子を楽しみながら、石崎は持ち手から親指を外すと、先程までと同様の鞭打ちを再開する。やがて、丸山の顔が再び上気した所で、親指を添えて、今度はピアスの嵌った乳首へと....

  再び丸山の呼吸が止まり、顔が歪む。しかし、石崎は何事も無かったかの様に鞭打ちを再開する。そうして、不意打ちの鋭い痛みと、痛痒い刺激を織り交ぜられながら、鞭打ちが続けられていった......

  ・

  ・

  ・

  丸山の白い体毛の躰に何本もの赤い筋が走っていた。痛みを与える打ち方をした跡だ。胸、下腹部、内腿、雄竿、尻、頬....敏感な箇所に容赦なく鋭い鞭打ちが加えられていた。しかし...通常の鞭打ちに交じる鋭い鞭打ち。それらに対して、丸山の反応が変わっていた。悲鳴の様な呻き声が確かに猿轡から漏れる。しかし.....そのくぐもった呻きには明らかに『色』が混じっていた。顔が緩み、猿轡から涎がこぼれ落ちていた。熱に浮かされた様に上気した顔は、苦痛ではなく....快楽に歪んでいた。むしろ、鋭い打ちをせがむ様な目で石崎を見上げていた。しかし石崎はそんな視線に気がつかないフリをして、今までどおりの鞭打ちを繰り返した。

  ・

  ・

  ・

  顔も躰も上気してうす赤く染まり、興奮による汗でびっしょりと自身の躰だけでなく、周囲の床も濡らしていた。太い尿道カテーテルが刺さったままの太い竿から我慢汁がだらしなく垂れ流されていた。表情が弛緩し、猿轡の隙間から涎が垂れ流され、虚ろな目からも涙が、鼻から鼻水が垂れ流されていた。恍惚とした表情のまま、丸山は意識を失っていた。

  「まあ、今日はこんなもんだろう」

  石崎は満足げに微笑んだ。これは想像以上にいい素材に巡り会えたかもしれない。もう丸山は苦痛と快楽の区別が曖昧になってしまった。どんどん責めを過酷にしていっても問題ないだろう。学生相撲で鍛えた躰は、想像以上に頑健らしい。

  丸山の躰の隅々まで調べた石崎は、縄を丁寧に縛り直すと、部屋を後にした....

  [newpage]

  目が醒めた.......

  躰が所々、ズキズキする。

  雄竿、胸肉、下腹部、尻、内腿....その痛みが、昨日の事が夢では無い事を教えてくれる。初めての『調教』。全身を鞭で滅多打ちしている様に見えて、刺激を与える鞭打ちと苦痛を与える鞭を巧みに織り交ぜた、こちらが油断する隙を与えない手法。そうして『刺激』と『苦痛』を混ぜられて打たれていく内に『苦痛』が心地良いアクセントの様に感じる様になってしまっていた。『心地よい』と感じ、自らソレを望む様になってしまっていた。もはや興奮し餌をねだる飼い犬の様になってしまっていた事を隠そうとすらしなかった。

  自分がこれから、どんな酷い目に遭わされるのか、あの虎男....石崎の口から聞いたというのに.....

  自分が生涯上げて築き上げてきた『教育者としての自分』も『相撲の名指導者』という社会的立場を破壊して、恥辱に塗れさせた後、自分自身を言葉も通じない異国へ、肉奴隷として売り払い、誰も自分が何処で生き、何処で死んだかを知らせぬまま、野垂れ死にさせようとしている。と、教えられたのにだ。

  だが....丸山は天井の鏡に映る自分の、白い体毛のそこかしこに赤い筋が浮かぶ姿をボンヤリと眺めながら思う。本当は、自分はコレを望んでいたのではないのか?男色系SNSにて、出会う相手に自身の強すぎる被虐嗜好を明らかにしていたのは、この躰を滅茶苦茶に弄んでくれる相手を探しての事では無かったのか?大抵の相手が引いてしまって、3回目以降は会えない事が殆どだったにも関わらず、それを止められなかったのは、彼らの口から自分の渇望する相手....『御主人様』との出会いを妄想していたからではないか?たまらずに一人で躰を弄り倒して、この様な躰に自ら作り上げたのも、その為では無かったのか?

  本当は、今のこの状況こそ、自分が望んだモノではないのか?全ての社会的地位を剥奪され、所有物-奴隷として『御主人様』に所有されて、モノとして一生を終える事が.....

  そんな考えに囚われ始めてしまう。丸山は物腰柔らかい紳士だが、ある面においては非常に強情だ。相撲への情熱....そこからも、丸山の強情さの一端を垣間見る事が出来る。嘗ては有力選手だった学生時代。角界入りを期待されていた頃に試合で負った傷による選手生命の断絶。普通なら、全く相撲に関わらない生き方を選択しそうなものだが、丸山にはそう出来なかった。

  『相撲への情熱』....抑える事の出来ぬ熱き思いが、指導者としての道を歩ませた。相撲道場が無い土地へ赴任させられたら、一から相撲道場を、倶楽部を、立ち上げる程に。

  そうして名指導者として知られる様になった丸山だったが、必ず『一歩引いて』いる事を忘れなかった。あくまでも主役は、相撲をする子供達・選手達。自分はその為の手伝いをしているに過ぎないのだと。

  だからこそ、今、自分がこの様な目に遭っている原因....地元の商工会の内紛により、相撲大会が中止になりそうとの話を聞きつけて、代わりの会場提供を申し出たのだった。

  『相撲をする子供達が悲しむ顔』を見たくないから.....

  今でも、その事に関して後悔はしていない。いやむしろ.....そんな事に子供達を巻き込もうとした今回の黒幕に怒りを感じていた。もはや手中に落ちてしまった自分に出来る事は殆ど無いだろう。しかし....対面する事があるならば、命乞いなどせずに、その顔にツバを吐きかけてやろうとさえ思っていた。それほどに相撲をこんな事に巻き込んだ事に怒りを覚えていた。しかし.....

  石崎の手による初の『調教』はとても甘美で、刺激的で、抗えない、巧みな物だった。途中から、自ら『視線』でおねだりしてしまった事も覚えていた。自分の人生観の根底を揺さぶられる様な経験だった。石崎に『飼われたい』.....そう思わせる程に。

  だから、胸の中で、生来の反骨心と、奴隷願望がぶつかり合っていた。せめて一太刀反撃を....否、このまま何も考えずに堕ちてしまおうと....

  そんな葛藤を、ボンヤリと天井の鏡に映る自分の姿を見ながらしていて、漸く違和感に気がついた。

  『天井.....?』

  自分の姿勢で天井が見える筈が....と、天井の大鏡に映る自分の姿をしげしげと覗きん込んだ。今、自分の体は、上半身はそのままに緊縛されたまま、背中を下に倒されており、脚が太腿付け根と足首を固く結ばれた状態で、左右に大きく開脚させられており、左右に開かれた膝頭の裏側....膝関節には、各々の脚を左右に引っ張る縄が通されていて、その先端は、コンクリ床から突き出した金属製の留め具に固く結わえられていた。

  足首と足指は、縄を掛けられて、腰縄で引っ張りあげられており、踵と尻がぴったりとくっつけられていた。

  腰の下には柔らかい布....枕の様な物が入れられていて、腰が幾分高く持ち上げられており、その御蔭で出来た背中の隙間のおかげか、背中で縛められている手首の圧迫感はそれほどには感じなかった。

  自分の首を締める皮首輪は床の留め金に南京錠で留められており、肘と腰に掛けられた縄も、コンクリ床の留め金に結ばれて上半身は全く動かせなかった。下半身も先程述べた通りで、動かせる状態ではない。猿轡から音が微かに漏れる。

  「ん.....ん.....」

  『今度は、一体、何を....』

  わざわざ拘束姿勢を変えて同じ事(鞭打ち)を繰り返すとも思えなかった。あの虎....石崎がそんな手抜きをするとは思えなかった。

  『何をされてしまうんだろう.....』

  不安と期待が胸の中で交差する。何一つ反撃出来ないという『もどかしさ』と、『堕とされていく』自分という2つの感情が、ぐるぐると回って心拍数を上げる。呼気が少し乱れる。鏡に映される自分の躰が、興奮で湯気を上げている様に見えてきてしまう。反抗心と調教を待ち望む感情、羞恥心と淫乱を望む心が胸の中でぶつかり合って、胸がドキドキしてくる。

  『悔しい』『気持ちよくして欲しい』

  『怖い』『楽しみ』

  実際に虎男....石崎がいつもの全裸に巨根だけを革袋で隠した淫乱な姿で覗き込んできた時、丸山の躰は汗でじんわりと床を濡らしていた.....

  「よう! 昨日は随分と楽しんでくれたみてぇだな。やっぱり、自分で躰を開発しきっちまう変態には、嬉しくてしかたなかったろう。今日も、たっぷりと楽しませてやるからよ」

  その言葉に、丸山がキッと目を向ける。しかし石崎にとってはその仕草もまた、丸山を『可愛い奴』と思わせる一因なのであるが....

  石崎は腰から下げた革袋から赤い棒の様な物を取り出して、丸山にもよく見える様に顔に近づけた。それは蝋燭だった。丸山の目が蝋燭を凝視して、ゴクリとツバを飲み込んだ。

  石崎は蝋燭に火を点けると、身動きならない丸山の躰の上に差し出した。ゆっくりと蝋燭が傾けられ、紅い雫が下腹部に落ちた。

  「ん..!」

  『ひぃ!!』

  初めての蝋燭責めに過剰に反応してしまう。その姿が初々しく、石崎がニィっと肉食獣の笑みを浮かべる。熱いロウが落ちる度にビクンと躰を震わせるが、微塵も躰は動かせない。

  下腹部を中心に、乳首、内腿、喉、顔へとロウが垂らされ、その度に躰を震わせるが、その様子に反して、股間....太い尿道カテーテルが刺さったままの巨根は萎えるどころか、いきり立っていた。石崎が満足気に笑みを漏らす。石崎は複数本の蝋燭を取り出すと、天井から吊り下げられていた蝋燭立てに蝋燭を立て、火を点けた。その場所はちょうど敏感な箇所....内腿、下腹部、両乳首、脇の下、顎、そして雄竿にロウが垂れる位置に吊り下げられていた。

  全ての蝋燭立てを設置して火を点けると、石崎は

  「今日はちょいと用事があってな。まあ、お前なら一人でも楽しめるだろう?」

  ニィっと獰猛な笑みを浮かべると、その場から立ち去った。ポタポタとロウが垂れる度に、丸山は躰をビクリと震わせて、呻き声を漏らした....

  ・

  ・

  ・

  石崎が戻ってきた頃、蝋燭は全て溶け落ちており、丸山の白い躰はロウで固まっていた。まるでできの悪いオブジェの様に。石崎が注意深くロウを引き剥がしていくと、またしても弛緩した表情のまま、様々な体液を垂れ流して気を失っている丸山の姿がそこにあった。巨根も一層いきり立ち、我慢汁が垂れ流されていた。

  念の為に麻酔薬を嗅がせて、急に意識を取り戻さない様に注意を払ってから、丸山を縛めから解き放つと、隣に設置してあるバス・シャワー室へと運ぶ。そこに設置された防水ベッドに横たえるとそこで丁寧にロウを剥がし、躰の隅々まで丁寧にブラシで洗っていく。

  健康維持の為、尻から浣腸剤を注入し、大腸の中身が出る前に便器に座らせて、反射動作で排便をするのに任せて暫く放置し、出きったと思われた所で、シャワーで尻周りを洗浄する。

  そうしてから、今度は乾燥BOXに放り込んで一時間。丸山の躰から水気を蒸発させてから、意識の無い丸山の口を開いてスポーツドリンクと栄養剤を複数注ぎ込んだ。

  しっかり嚥下したのを確認してから、再び『調教室』へと意識の無い丸山の躰を運び込むと、前日と同様の正座座りで厳重に緊縛し、猿轡を締めた。隅々まで確認し終えると、

  「じゃあ、また明日な....」

  石崎は何事も無かったかの様に部屋を後にした。『商品』として仕上げると請け負った以上、些かも手抜きをするつもりは、石崎には無かった。

  [newpage]

  「ん.....」

  『ん..ふぅ..』

  徐々に微睡みから意識が覚醒していく。厳重に嵌められた猿轡からは、あくびの代わりに溜息の様な呻きが漏れる。

  目をパシパシと瞬く。徐々に焦点の合わない瞳に、周囲の光景がボンヤリと写り込んでいく。窓の無い、薄暗い灯りが一つあるだけの土牢の様な部屋。その中に自分は.....

  そして違和感に気づく。いつも正面を向けば、それが正面の壁であれ、天井であれ、大きな一枚鏡が自分がどの様に緊縛拘束されているのを映し出していた。しかし今は....

  天井に設置されているのは大きな液晶ディスプレイだった。50インチはあるのでは無いだろうか。何分割かにされて表示されており、各々の画面の中で、丸山の正面....天井に吊り下げてあるカメラからの映像が一番大きく表示されていた。

  丸山は、部屋の四方の天井隅から伸びたワイヤーで吊るされたハンモックの様な吊り下げ台の上に躰を載せられていた。後ろ手に手首を縛める縄は上半身をくまなく覆い、上半身の動きを完全に封じていた。二の腕と肘を縛める縄は腕の僅かな動きも許さなかった。そして、食い込んだ縄から零れ落ちる様にはみ出た贅肉は、弾力のあるいやらしい丸みを帯びて、胸・腹・下腹部・腿の付け根から飛び出していた。

  下半身は比較的自由であったが、両足首を縛める縄が丸山の脚を左右に強い力で牽引して、大きく開かせて、股間を無防備の丸裸の状態に晒していた。試しに脚に力を込めてみたが、びくともしなかった。

  ハンモックの素材は伸縮性のある頑丈な透明ビニールの様な素材らしく、恐らくは床に設置されているであろうカメラが、丸山が背中ではどの様に縛められているのかを赤裸々に映し出していた。正面からの画像同様、背面でもくまなく縄で縛められている事が、モニターに映し出されている小画面の一つから判った。

  小画面の一つに着目すれば、無防備な股間の様子が詳細に映し出されている。陰嚢を細引きで固く縛められ、竿の根本も固く結ばれた痛々しい姿。太い金属棒が尿道に刺さっているのも見える。尻穴からは、腸液がひたひたと漏れながら、直腸に詰め込まれたソフトボール大の金属製アナルプラグが数個程飛び出していた。先端は恐らく、ディルド形状の物が最奥....前立腺を圧迫しているのが腹の重苦しい感じから察せられた。尿道に刺さった金属棒も、先端が大きく膨らんで前から前立腺を圧迫しているのが感触から判る。

  胸を写す画面には、開発され発達しきった乳首....大きな穴が開けられた其処にワイヤーが通されて、天井から乳首を強く引っ張り上げていた。その為か、縄からはみ出た『雄っぱい』は他の部位よりも大きく膨らむように縄の外で膨らんでいた。

  [pixivimage:73122782-6]

  全身のありとあらゆる『恥部』が画面に詳細に映し出されていた。順々に大写しになるソレを見て、丸山は

  「ん....んん.....」

  『はぁぁ....はぁぁ....』

  思わず熱い吐息を猿轡越しに漏らしてしまう。『今度はどんな事をされてしまうのだろう?』そんな期待が胸の動悸を早めさせ、興奮で躰が暑くなりそこかしこから発汗し、熱っぽい気持ちが視線を歪め、自分の躰が更に卑猥になって瞳に映し出される。呼気が荒く短くなり、縄拘束による皮膚の擦れも、下腹部を膨張させている重い金属製の特大アナルプラグの膨満感も、尿道を圧迫する太い金属棒も....それらがもたらす『苦痛』が『快楽』へと変換され始める。股間の、一度も正しく使われた事の無い巨竿が血管を浮き出させて大きく長く膨張し始める。やがて、金属棒をほぼ先端まで飲み込んでしまった所で、丸山の、今でも僅かに残っている理性が

  「ん...!」

  『な、何やっとるんだ!』

  と丸山の精神が完全に『堕ちて』しまう事に歯止めをかける。食い入るように画面を見つめていた目をそらそうと、首を.....動かそうとしたが、呼吸を妨げない程度でしっかりと首に食い込んでいるごつい黒革の首輪がそれを阻む。丸山は仕方なく....快感と羞恥心と屈辱で、顔を真っ赤に染めて、なんとか目を閉じた。恥ずかしさと悔しさで僅かに涙が零れた。

  「ん....」

  『くそぅ....』

  なんとか自分の目に焼き付いた現在の卑猥な姿から意識を逸らそうと、他の事を考えようとしたが、思い出せるのは、ここに来てからの事ばかりだった....

  ・

  ・

  ・

  ここに来て何日目なのか?正直、丸山には判らない。辛うじて覚えているのが、恐らく初めての蝋燭調教をされたのが、ここに来て2日目の事ではないか?という事だった。宙に吊り下げられた燭台から全身のそこかしこに降り注ぐ熱いロウの刺激に過敏に反応して躰を震わせていた丸山だったが、徐々に慣れてきたのと、生来の被虐嗜好から、ロウの熱い雫が垂れるのを待ち望む様になるのに、さほどの時間はかからなかった。モーターで揺れを制御された燭台が均等に、しかし敏感な部分を特に重点的に狙って赤く熱いロウを垂らしてくる。真っ白な躰が赤く染まっていく姿が天井の大鏡に写ってとてもいやらしく感じた。熱い雫も、他に刺激が与えられない状態では、徐々に甘美な刺激へと変わっていく。あの虎男....石崎が居ない事もそれに拍車を掛けた。変に意地など張らずに、表情をだらしなく緩めきって、涎その他の体液を垂れ流しながら、全身を赤くロウに染められていった。途中から顔にもかかる様になったが、気にならなかった。むしろ嬉しかった。そうして目から下の顔を含んだ全身が熱く赤いロウで染められていく姿を見て、多幸感に包まれながら、丸山の感受できる快感を超えてしまった所で、丸山の意識はショートした。後は、躰のみが熱いロウが垂れる度にビクリと蠢いて体中の穴から体液を垂れ流すだけの、真っ赤な原生動物と化した生き物が残されたのだった。

  自分の全身が真っ赤なロウに染まった所までの記憶はあり、それは、とても気持ちよかった事も覚えている。しかし、丸山にとって、まさにそれこそが『屈辱』だった。石崎が居ないからと気を許して、あの刺激に溺れてしまった事は、敗北だと感じていた。そして次こそは、最後まで『堕ちない』事を誓ったのだった。もっとも....それは毎回叶わぬ事だったのだが。

  再び目を覚ました時、再び正座縛りで緊縛されている自分を、正面の鏡の中に見出した。全身を覆っていた真っ赤なロウは綺麗に取り除かれ、ここに来た当初の、真っ白な毛並みの自分が居た。縛られ方は1日目と全く同じ、厳重な物だった。

  後ろ手に捩じ上げられて背中で縛り上げられた手首は、天井から伸びる吊り縄で、喉を締め上げるごつい皮首輪と一緒に首と手首を天井へと引っ張り上げる。

  胸の周りの、二の腕と肘に掛けられた縄が微かな腕の動きも締め付けてくる。

  正座した脚の太腿の付け根と足首が縄で固く縛められて、膝立ちも出来ない。

  膝関節の裏に通された頑丈な金属棒は、両端をコンクリの床から突き出た留め具に鎖で固く固定されて、膝頭も僅かにずらす事も許されない。

  床から生えた極太のディルドが尻穴にがっしりと嵌まり込み、尻を僅かにずらす事も出来ず、尻に掛けられた縄が、ディルドの根本に付けられたフックに掛けられて、尻を床へと押し付ける。

  手足の指先さえ、細引きで結ばれ、指を開く事も出来ない。

  全身を覆う縄が、要所要所....敏感な股下、豊満な胸肉、下腹部に食い込んで、僅かな身じろぎに縄を擦れさせて、苦痛....否、今は『快楽』を与えてくる。

  ぎっちりと拘束された姿、締め付ける縄の圧力、縄が皮膚を擦る感触....どれもが『快感』として伝わってくる。何もされていないのに、動悸が早まり、躰が暑くなり、汗が滲み、熱にうなされた様に気持ちがぼうっと心地良い熱さに包まれ、股間がそそり立ち、我慢汁が尿道に刺さった金属棒の隙間から漏れ流れ落ちて股間と床を汚し....弛緩した顔、その顎と猿轡の隙間から涎が漏れる。僅かに残った理性が必死に

  「ん.....」

  『しっかりしろ!』

  と叱りつけるが、躰は言う事を聞いてくれない。情けなさで涙が浮かぶ。それを

  「まだ始めてもいねえのに、随分とお楽しみじゃねえか」

  近づく気配さえ悟らせずに虎男....石崎が優しげな手付きで、浮かんだ涙を拭う。その言葉に丸山がありったけの意地をかき集めてキッと睨む。その顔を見てニィと笑い

  「良いねぇ、その顔。そうでなくっちゃなぁ」

  子供を褒める様に頭を優しく撫でてくる。それが丸山には、ことさら屈辱に感じられた。しかし言葉さえ封じられた丸山には悪態をつく事さえ出来ない。悔しさで涙がまた流れ落ちた。それを見ながら石崎が

  「さて、始めるかねぇ」

  全身を叩く一条鞭の打撃。派手な衝撃と音の割には痛みは軽い。時折、ムチの柄に親指を添えた本物の痛みを伴う『不意打ち』が交じる事も変わらない。違うのは丸山の方。痛みは痛みとして確かに感じていた。やはり雄竿や乳首を『不意打ち』されれば、思わず息が止まり、涙が漏れる。しかしそれ以上に「気持ちいい」と感じる事を否定するのは、もう無理だった。いくら石崎相手に意地を張ろうとしても、躰の正直な反応は隠せない。痛みが疾走る度に、雄竿が固く大きく血管を浮き出させてそそり立ち、我慢汁を漏らす。快感で顔が緩み涎が垂れ流されるのを止められない。全身が発汗して湯気が昇る。揺れ動く感情にくらくらしながら

  「ん....ん.....」

  『くそう...くそう....』

  と猿轡の下で呟き続けながらも、心も『快楽』に侵食されていく事を止められない。そうして全身を叩かれまくった躰は湯気を上げ、様々な体液を垂れ流していた。

  「ん.ん.ん...」

  『はぁ..はぁ..はぁ..』

  肩で息をする丸山の、尿道に刺された金属棒の先端に透明なチューブが繋がれ、その先が目盛りの付いた大きな計量カップに落とされる。

  石崎が左手に正体不明のリモコンのボタンを握り、右手でおおきく振りかぶって丸山の雄竿を痛打した。と、同時に左手のリモコンのボタンを押し込んだ。凄まじい刺激が丸山の股間を、その奥の前立腺を襲った。物理的な鞭による痛み、それに加えて尿道の金属棒と尻穴奥のディルドには、リモコンで振動と電気刺激を与える仕掛けが組み込まれていた。それらが同時に丸山を襲った。

  「!!!!!!!!!!」

  ガクガクと全身を震わせ、猿轡の隙間から泡を吹きながら、尿道に差した金属棒から白濁液を凄まじい勢いで噴射した。大量の精液が大きな計量カップに注がれた。辛うじて意識を保ったまま、丸山はその光景を見ていた。意識が朦朧としていた。石崎が満足そうに見やると、再び全身を鞭で叩き始めた。暫くして躰が少し回復したかと思った所で、再度

  「!!!!!!!!」

  二度目とは言え、そう簡単になれるモノではない。せめて気絶すまいと必死に堪えた。計量カップに精液が大量に注がれる。そしてまた全身を叩き始める石崎.....

  ............

  ........

  ....

  なんとか丸山は意識を失う事だけは耐えた。しかし4回目以降は、意識が朦朧としてどれだけヤラれたのか、覚えてなかった。満タンになった計量カップ....2リットルの精液で溢れたそれを石崎が嬉しそうに抱え上げた所までは覚えていた。その後、疲れなのか、精神が限界を迎えたのか、意識がぷっつりと途絶えた。

  ・

  ・

  ・

  その後も、意識が目覚めると、様々な責めが続いた。一日同じ責めが続いているのか、数日続いているのか、丸山には判断がつかなかった。

  手足を背中でまとめられた海老縛りで吊るされて、鞭打ちや電気刺激を受けた事もある。喉奥を虎男....石崎の巨根で突かれ、舌で奉仕し続けた事もあった。今、尻穴に突っ込まれている巨大なアナルプラグを突っ込まれ、腹にかかった縄の締め付けによる外側からの圧迫と、アナルプラグによる内側からの圧迫による膨満感で苦しんでいる所を、一気に全てを引き抜かれて快感で何度も失神した。その頃から、何回目とか何日目とかといった事を気にかける余裕は失われていった。石崎から「一週間」と言われても「一ヶ月」と言われても、それを信じるより他無かった。しかし石崎からは、それさえも教えてもらえなかった。外から全く明かりが入らないこの部屋では、昼も夜も判らなかった。

  時間経過を教えてくれるのは、自分の躰....もはや苦痛を苦痛と感じず、快楽を貪ろうとする様に鞭打ちや蝋燭や電気刺激を喜び、歓喜して体液を垂れ流す、変わっていく躰だけしかなかった。心も摩耗して言っているのは判っていたが、どれだけ摩耗したかなど、自分に判る筈もない。ただ、最後まで意地を張ろうとする気持ちを捨てないという『決意』だけは保ち続けていた。もっとも....調教が始まってしまえば、心さえ、石崎の掌の上で良いように転がされる事も丸山には判っていたが。

  ・

  ・

  ・

  目をつぶったのは失敗だったかもしれないと、丸山は思った。思い返されるのは、ここに来てからの調教の事ばかり。それも、最終的に石崎に『躰』が屈服してしまった記憶ばかりだ。却って躰が熱く火照ってしまった。耳元で

  「よう。相変わらず一人で楽しんでいるよなぁ」

  石崎の声だ。なんとか意思の力をかき集めて、目を開いて睨みつける。石崎が

  「本当に可愛いよなぁ、お前」

  頭を撫でられる。『くそう....』丸山はまだ悔しさを感じるあたり、精神は丸山自身が思うより、石崎の予想よりも頑強で頑固なのかもしれない。もっとも、それは石崎をより喜ばせるだけなのだが.....

  背中から正面に回った石崎は

  「調教は今日は中止だ。お前の躰がどれだけ出来上がったか、色々と確かめたくてな」

  そう言うと、両手を丸山の躰を弄り、揉み始めた。乳首を口で舐め、揉み、尻や内股や陰嚢、雄竿も巧みな指さばきと舌で、純粋な快楽が与えられる。

  その事が丸山の心の防壁を崩す。今までは苦痛を快楽に感じるように躰を変えられていった。確かに苦痛....鞭打ちや電気刺激や蝋燭を快楽に感じるが、逆に慣れも生じた。同じ事をされても、それに溺れない自信があった。しかし....今、丸山の躰は純粋な快楽に晒されていた。巧みな刺激が素直に躰に受け止められ、躰が熱く火照る。猿轡が取り去られ、マズルを深く噛み合わせたディープキスが施される。暫くして

  「ぷっはぁ!」

  猿轡が取られる事があるならば、悪態の限りを尽くしてやろうと決意していた丸山の口から漏れたのは、息を求める声と、嬌声だった。

  「あ....あ..あぁぁぁ!!!」

  純粋な快感で、意識が飛びそうだった。石崎が

  「ふふ。いちいち初だねぇ。こんな躰なのに、まともに遊んだ事がねぇのか? それとも今までつまらねえ男ばかりにあたったか? 今日は『本当の男』って奴を教えてやるよ」

  部屋の中で丸山の嬌声が響き続けた....

  ............

  ........

  ....

  丸山は意識を失う度に、石崎に意識を戻されて、躰に純粋な快感を与えられ続けた。終わり頃、宙に吊られた丸山の尻穴からは、石崎の子種が滴り落ち、だらしなく開いた口から涎が、雄竿からは薄くなった精液が、目から涙が、鼻から鼻水が垂れ流され、発汗した汗で湯気がたちのぼっていた。石崎が呟いた。

  「こりゃあ、本当に逸材かもなぁ。仕上げるのが楽しみだ」

  そう言って、優しく頭を撫でてやるのだった。

  [newpage]

  「ん.....」

  『くぅ..ぅぅ..』

  厳重に嵌められた猿轡からは、本来の苦悶の呻きが押し殺されて、微かな溜息の様な呻きが漏れる。

  正面に据えられた50インチのモニターには自身の今の姿が、様々な角度のカメラから撮影した映像により、ありありと映し出されていた。

  後ろ手に捩じ上げられて背中で縛り上げられた手首は、天井から伸びる吊り縄が、喉を締め上げるごつい皮首輪と一緒に首と手首を天井へと引っ張り上げていた。

  其処から結ばれた縄は上半身をくまなく覆い、上半身の動きを完全に封じていた。二の腕と肘を縛める縄は腕の僅かな動きも許さなかった。そして、食い込んだ縄から零れ落ちる様にはみ出た贅肉は、弾力のあるいやらしい丸みを帯びて、胸・腹・下腹部・腿の付け根から飛び出していた。

  そして下半身....下から突き上げる三角木馬の先端は、老白熊の肥え過ぎた躰の内股にしっかりと食い込み、尻・股・陰嚢にも食い込んで肥え過ぎの老白熊-丸山の躰を痛めつける。両脚は太腿の付け根と足首が縄でがっちりと結ばれて閉じられ、三角木馬の左右別れた膝頭の裏には縄が通されて、重い錘が吊るされていた。

  唯でさえ三角木馬の上は不安定極まりないのに、更に正座緊縛の如く縄で脚を折り曲げられて閉じられた、無理な体勢。

  丸山は、手首を背中に捩じ上げて天井より引き上げる吊り縄。自分の首を締め付けるごつい皮首輪を天井から吊るす吊り縄。両方の膝頭から吊るされた錘。三角木馬に触れる内腿。それらで微妙なバランスを取りながら、なんとか、これ以上、三角木馬の先端が自分の躰に食い込まない様に、猿轡の下で歯を食いしばりながら、耐えていた。

  内腿の三角木馬を押さえつける力を緩めれば....躰が下に沈み、三角木馬の先端が更に躰に食い込み、尻・股・陰嚢に更に食い込んで痛めつける。手首が更に捩じ上げられる。首輪が更に絞まって呼吸を困難にする。吊り縄は全身を縛める縄を引っ張る様に掛けられていて、胸・腹・下腹部・腿の付け根を更に締め付ける。

  [pixivimage:73122782-7]

  『これ以上、躰を下に沈ませる訳にはいかない』

  その思いで、目を閉じ必死に脂汗を流しながら、内腿に力を入れて三角木馬を挟み込んでいた。しかし....唯でさえ不安定な三角木馬の上で無理な体勢を取らされているのだ。躰がゆらゆらと揺れ動き、脂汗でぬめった内腿は徐々に滑り、膝頭に吊り下げた錘が更に躰を不安定にする。

  今とて、三角木馬が股下に食い込む痛みがある。躰が下に下がる事で起きる苦しみも既にある。手首の捩じ上げ。首輪の喉絞め。全身の縄のさらなる食い込み。

  それらを堪えた上で、これ以上三角木馬に食い込むのを、無理な体勢で、内腿に掛けられる力だけでこらえているのだ。最早、SMプレイという概念を超えた苛烈な責め苦(拷問)であった。

  しかし....苦しい只中の筈の丸山の躰は、そうではないようだった。

  細引きで固く縛められた陰嚢と巨竿の根本。巨竿は血管を浮き上がらせながら肥大して、尿道に差し込まれた太い金属の筒を先端近くまで飲み込み、筒からは我慢汁が絶え間なく垂れ流されていた。

  黒く肥大し穴を開けられ錘を吊るされた乳首。更にぷっくりと膨らんで立ち上がり、錘を揺らしていた。

  目を閉じ、必死に今の状況に耐える苦悶の表情を浮かべている顔。しかし、顔が赤いのは与えられる苦しみの為だけではないようだった。時折弛緩して、苦しげに、しかし色が混ざった苦悶の呻き声の様な吐息を漏らす。

  その呼吸は、苦しげだが、何処か色っぽさと切なさが混じっていた。

  全身が発汗して、白い躰が薄桜色に染まっているのも、苦しさだけでは無いように見える。

  そう....丸山は、この仕打ちに対して間違いなく『快楽』を感じていた。抵抗のしようもなく受け入れるしか無い仕打ちの数々。そんな仕打ちに翻弄されるだけの自分。

  そう考えるだけでも、生来の被虐嗜好が刺激されて、股ぐらが熱くなってしまう。

  一見乱暴なだけに見えるこれまでの『調教』。しかし注意深く組まれたそれは、丸山が『快楽』と感じる苦痛の限界値を、巧みに押し上げていた。

  そして尻穴奥と尿道奥に仕掛けられた電気振動子。時折振動し、電気を流し、丸山の前立腺を前後から押し潰す様に刺激する。特に尻穴に収納された腕の太さ程もあるディルドは、三角木馬の先端が尻を介して暴力的な力で押し込んできた為に、刺激は一層強く感じられた。

  こうして『苦痛』を苦痛と感じる閾値を上げ、苦痛の最中に快楽を時折与え、丸山に次の調教内容を予想させない、巧みに仕込まれた調教は、丸山の生来の被虐嗜好を引き出し、身も心も変容させて、苦痛を快楽と感じる雌豚肉奴隷へと仕上げていった。

  だが、それでも、今までの丸山ならば、生来の頑固さで、なんとか理性を保とうとしていただろう。躰の変化に戸惑いつつながらも、なんとか心だけでも抵抗を試みたであろう。しかし....今、丸山は心の拠り所を失っていた。

  ............

  ........

  ....

  昨日、この姿勢にされたまま、あの中年虎-石崎が眼の前の50インチモニターに映し出したのは、丸山の自宅に家宅捜索に入る警察のTV中継だった。

  そして時を同じくしてネットにリークされる『変態校長-丸山』の虚偽情報。とある掲示板に書き込まれたそれは、丸山が少年を好む男色の弑虐嗜好の変態であり、相撲指導に熱心だったのは、『獲物』となる少年を見つける為だったと....

  そして警察の記者会見。ネットに流れている情報に関して記者が質問すれば、言葉を濁す警察幹部の姿。ネットに広がる『少年を食い物にしてきた変態校長』のデマ。

  警察が明確に否定しない事が決定的となり、ネットに丸山の虚偽情報が出回る。そしてニュース映像で流れる丸山の校長解任の知らせ。

  それらを編集して1時間ほどの映像にまとめた物を、丸山は見せつけられたのだった。

  丸山の目から涙が流れ落ちる。止めようとしても止まらない。最初からこうするのだと教えられ、覚悟を決めていたつもりでも、その衝撃は丸山自身の予想を遥かに超えて、心を崩していく。嗚咽さえ上げられないなか、呆然と繰り返される画面を涙を流して見つめるだけであった。

  暫くして....正直どれだけの時間そうしていたのか丸山には判らない。石崎に頬を張られて、多少我に返った丸山。石崎が

  「判ったか? もう、これでお前に帰る所なんて日本にはねえんだよ。なにせ全国中継で、変態校長だって宣伝されちまったんだからなぁ。後は、立派な雌豚肉奴隷に仕上がって、行儀よくして、良い飼い主に買われるくらいしかな」

  そう言うと、丸山を支えていた縄を外していき、両膝に錘を吊り下げ、今の姿勢にすると、画面を、丸山の全身を映すカメラに切り替えて、部屋から消えたのだった。

  ............

  ........

  ....

  悔しいとか、怒りとか、そんな事を表情に出す余裕は無かった。ぽっかりと心に大きな穴が空いた様な....そんな気持ちだった。縋る物が欲しかった。なんでも良いから.....

  其処に、三角木馬責めの『苦痛』が快楽として入り込んできたのだった。何も考えたくなかった。躰の反射動作で、これ以上、三角木馬の先端が尻に食い込む苦痛を拒絶しようとしたが、無駄に体力を浪費するだけだった。それでも、丸山の心の奥底の最後の頑固な部分が『完全屈服』を拒否して、抵抗した。しかし、ジリジリと食い込んでくる先端が、それらが無駄である事を教えてくる。

  無駄な抵抗をしている....それ自体が『気持ち良い』事の様に思えた。そんな宙ぶらりんな心持ちのまま、丸山はずっと耐えていたのだった。躰が苦痛を『快楽』として受け入れている事を、はっきりと認識しながら.....

  ............

  ........

  ....

  どれだけ耐えていたのか、丸山には判らない。唯、躰が下に沈み込んでいき、尻に木馬の先端がキツく食い込み、体全体を縛る縄が全身を締め付け、手首が更に捩じ上げられ、陰嚢が痛み、首が絞まって呼吸が困難になる中で、表情を緩ませ涎を垂れ流し、全身から汗を噴き出させ、興奮で白い躰が薄桜色に染まり、多幸感に包まれながら、前立腺への電気刺激と、尿道奥を前から抑えていた『何か』が消えた事で、一気に射精欲が高まって凄まじい勢いで精液を噴出させながら、体の力が抜け、視界が白くなっていった事だけは覚えていた。

  ・

  ・

  ・

  次に目が覚めると、全裸で皮首輪をされ、鎖で杭に繋がれ、手首と足首に鎖で繋がった革手錠をされた自分の姿を認識した。なんとなく立ち上がろうとして、ハンブラーという陰嚢と膝裏をつなぐ器具で陰嚢を引っ張られて、四つん這いにしか慣れない事も認識した。

  石崎が目の前に居た。ペット用の餌皿が二つ出された。一つには水が。もう一つには残飯にザーメンが掛けてあった。石崎が口を開く

  「さあ、今日からこれがお前の飯だ。さっさと食え」

  何も言わずに丸山-だった物の残骸は、餌皿にむしゃぶりつき、顔をザーメンでだらけにしながら残飯を口だけで貪り食った。ただ、何も考えずに。

  この後、どんな『苦痛(快楽)』が与えられるのか、それだけが楽しみで、特に言われる事もなく、四つん這いで、まさに雌犬の様にハァハァと興奮しながら、石崎を嬉しそうに見上げていた。しかし....石崎は優しく頭を撫でて

  「今日はお休みだ。躰を休めておけ」

  そうして再び部屋から消えた。丸山は失語症になったかの様に、くぅーん、くぅーんと犬の様な悲しげな鳴き声を上げていたが、やがて今までの疲れが一気に出たのか、そのまま座り込んで寝てしまった。

  別室のカメラで丸山を監視していた石崎が呟く。

  「あのフェイク映像、相当効いたみたいだな。もう抵抗する気力も残ってねぇか」

  丸山に見せたのは、こういう用途に使う為に作られた偽物の映像だった。信憑性を持たせる為に、この地元で入手可能な映像を合成した物だった。

  実際には、丸山は石崎のクライアントが手を回して、書面上は長期の「研修」に参加している事になっており、後2週間は、行方不明騒ぎは起きないように工作していた。

  実際に事が起きた時、どの様な騒ぎになるのか、予想はできても、不測の事態という物は必ずといっていいほど起きる物である。そうなったら、こちらでは事態のコントロールなど不可能だ。だから、丸山にはあの様な話を聞かせたものの、実際には、丸山は静かに「行方不明」になってもらうつもりでいた。要は本人がそう思い込めばいいだけの話である。イタズラにコントロール不能な要素を巻き込むつもりは毛頭ない。

  丸山の寝姿をカメラ越しに見ながら呟く。

  「もっと意地を見せてくれるかとおもったんだが、拍子抜けだなぁ....」

  まあ、ある意味、順調とも言えた。このまま仕上げて、後は売り先を探すだけ。そう思っていた矢先に、それは起きた。

  大した事ではない。平和な表情で寝ている丸山の顔が、急に悔しそうな顔をして涙を流したのだ。口元が動いていた。読心術を心得ている石崎は唇の動きで言葉を読んだ

  『ちくしょう.....ちくしょう』と.....

  石崎はニヤリと笑うと

  「コイツはやっぱり売り物にするには、勿体ねぇや」

  スマホを取り出すと、クライアントの連絡先に電話をかける。相手先の秘書に

  「ああ、ちょっと、この爺さんの処遇に関して相談したい事があるんだが....会って話したいんだが、都合つくかい?」

  [newpage]

  「それで、いつ仕掛けるんだ?」

  「?」

  とある高級料亭の一室にて、今回のクライアント....58歳の灰顎髭を蓄えたでっぷりと肥えた猪・早川誠司(はやかわせいじ)が、酒の為だけでは無いのだろう。顔を興奮で赤らめて期待を込めて聞いて来た。この地で不動産業を営んでおり、先頃、海外からの資本導入を成功させ、大規模なリゾート開発を着手させる事に成功した『やり手』と見なされている。

  この地の商工会の次期会長の筆頭候補である。

  長らく商工会の会長を務めてきた70歳の龍人・葉山清兵衛(はやませいべえ)は、この地の老舗旅館を経営する人望厚き人物。面倒見も良く、人柄も温厚である。

  対して早川は独善的であり、下の者からの意見に耳を貸さず、理由に関わらず『自分の気に入らない事をした』人物を手段を問わずに徹底的に攻撃する....それも自分の弑虐嗜好を満たす為に楽しみながら....無論、公にしない程度の頭は持ち合わせているが、この地での「公然の秘密」であった。

  上記理由により、葉山は早川に会長の座を譲る事なく、二人の水面下での対立は続いていた。

  せめて本質は兎も角も、会長に相応しい様に振る舞う事を覚えるのを期待してもいたのだが、その思惑は完全に期待外れに終わった。他に適切と思われる人物が出てくる事も期待したのだが、人格面等では問題ないのだが、早川の存在を理由に辞退する者が殆どだった。「自分には早川を抑える事が出来ない」と。

  そうして10年の月日が流れ、葉山も70歳....自身の経営する老舗旅館の経営権は息子に譲っており、息子の大輔(だいすけ)は時代にマッチした感覚で経営をリニューアルする事に成功していた。新規の客も呼び込めており、ニューリーダーと目する者達も居る。

  しかし、なにぶん、まだ『若手』である。早川と対峙できるだけの存在感を示せている訳ではない。

  まして、早川達が去年合意に漕ぎ着けた海外資本との提携....大規模リゾート開発という『成果』を前にしては、次の会長を早川に譲らざるえない状況であった。

  そんな時に起きたのが、件の「子供相撲大会」の会場問題であった。最早、次が早川の時代である事が決定的になったと思われているこの時期に、現会長....早川が主催の相撲大会で恥をかかせてやろうと、普段から相撲大会の会場となっている民営のスポーツ施設の経営者に圧力をかけたのだ。葉山の力の凋落を示す絶好の機会だと、舌舐めずりして事の成り行きを見ていた所に、運悪く出てきてしまったのが丸山校長だった。丸山校長の助力により、子供相撲大会は滞りなく行われ、葉山に恥をかかせるという早川の当初の目論見は頓挫してしまったのだった。

  早川は荒れた。絶対の自信を持って、無力な葉山を嘲笑ってやろうと待ち構えていたのに、それが思わぬ人物からの援助により、崩れてしまったのだ。そしてこの一件で、自分が思っている程に周囲には自分の意に沿う人間が少ない事....表立って表明してないが、葉山の『隠れ信者』とでも言うべき者達が数多く居る。そう思い込んでしまった。

  無論、実際には、早川の誇大妄想....この地の全てが自分の意に沿って動く....が幻想であり、そんな事とは無縁に生きる者達が少なからず居る事が示されただけなのだが。

  しかし、早川はそうは考えなかった。まだ『葉山の隠れ信者』が沢山居る。叩き潰さなくてはならないと。見せしめに、徹底的に惨めに叩き潰さなくてはという強迫観念に取り憑かれてしまった。そして、様々なツテを頼って、虎男-石崎という男の存在に辿り着いたのだった。

  丸山を惨めな敗残者にし、見せしめにして、二度とこの様な事を起こす気が『葉山の隠れ信者』から消え去るようにしなくてはと。

  経営者としては、普段の冷静な時には、それなりに手腕を発揮している丸山だが、一旦感情が高ぶると、周囲の意見も聞かず、聞かされた物事も自分に都合良く解釈してしまう危うさがあった。

  丸山の件に関しても、丸山本人には「全国区で「変態校長」というレッテルを貼られて最早、肉奴隷として生きる他無い」と思い込ませて調教する。しかし、実際には静かに「行方不明」になってもらう。その事を、この件を引き受ける前に、窓口となった男-早川の秘書には明確に伝えていた。実際にその様な騒ぎを引き起こせば、警察も無能では無い。事の一部でも露見すれば、今度はこちらが追われる立場になりかねない事も含めて。

  ....だが、どうやら早川の秘書は、その事の説明に失敗した様だった。

  石崎の再度の説明....早川本人を目の前にしての、極力、わかり易く、丁寧な、警察介入の危険性を指摘した説明を聞いていた早川が激高し始めた。顔を真っ赤にして、ブルブルと震え始め、最後には立ち上がって

  「話にならん!!!!」

  と上から怒鳴りつけた。虎男-石崎が努めて穏やかに....正直、石崎にはこの程度の相手など、怖くもなんともない。もっと危ない相手も相手にしてきたのだ。この程度の恫喝で怯んでいたら、それこそ話にならない....声を掛ける。

  「まあ、落ち着きなさいよ。実際、あの爺さんが社会復帰出来ないのは、間違いないんだ。それ以上、どうするつもりだ?」

  早川が口から泡を飛ばして

  「知れた事!!! あの男に変態校長のレッテルを貼って、全国に流して、晒し者にしてやる!! 二度とあんな男が出て来ない様に見せしめにする為にな!!」

  「おいおい。自分達が何やっているのか、判っているか? 公的捜査機関が動く様な事を漏らしでもしたら、今度はこっちが、公権力に潰される立場に立たされるんだぞ?」

  早川が更に激高して

  「やかましい!!! もういい!! あの男をこっちに渡せ!! 後は儂があの男に直々に引導を渡してやるわ!!!」

  石崎は無表情で立ち上がると

  「今日はもう、お開きだな」

  そうして部屋を後にした。早川の怒声を背中で聞きながら。ただ、去り際に早川の秘書の一人である狼-山内とすれ違う際に、素早くメモを握らされた。トイレで素早くメモを確認すると、そこには

  「尾行に気をつけられたし。追手を巻いた後、XXX-XXXX-XXXXに連絡されたし。会わせたい方が居ます」

  ............

  ........

  ....

  料亭にタクシーを呼んでもらい、近くの駅で下ろしてもらう。後ろから付けてきた車から数人の男が降りるのを確認すると、駅ビルへと入る。エレベーターと階段で不規則に階を行き来してから、反対方向の電車のホームに降りる。来た電車に乗り込むフリをして、結局乗らずに駅を出ると、近くに居たタクシーを拾って、大きな街道に向かってもらう。賑やかな通りに出た所で、近くのレンタカー屋で下ろしてもらうと、予めタクシー内で予約していた車を素早く借り受け、直ぐに出発して隣町へ。途中、一本橋を渡ってから直ぐに横道に隠れ、尾行車が無い事を確認する。

  丸山の監禁場所へと向かう途中で電話に連絡が入る。ハンズフリーで運転しながら答えれば、相棒-兎の宮崎からで、早川がこちらの為に用意したアジトに数人の男達が踏み込んだ事が監視カメラに映されたとの事だった。どうやら、尾行に失敗した事に気が付き、丸山の身柄を抑えようと男達....早川の手の者だろう。を踏み込ませたらしい。

  が、宮崎に其処を使用している様に工作してもらっていたが、実際には全然別の場所に丸山は監禁されていた。初めてのクライアントを全面的に信用する程、石崎達は不用心では無い。実際、早川達が用意した場所は、人気の無い場所の廃屋に近い一軒家を辛うじて住める様に修理した物だった。確かに人気が無い分、調教を見られる心配も無いだろうが、そんな所を車で行き来していたら、却って目立ってしまう。

  枝を隠すには森の中。人を隠すには不特定多数の人間が出入りしていても怪しまれない場所。とある町の駅前の駅前の寂れた雑居ビル....その地下二階に丸山は監禁されていた。丁度通りの外れで監視カメラからも外れている。管理も年数回、大家が見に来る程度。借りてくれれば御の字とばかりに、借りる際に大した身元確認の書類提出も求められなかった。もっとも、石崎は完璧な書類を用意していたが。

  ビルに戻った石崎は、宮崎に状況を確認する。どうやらこちらは全く気が付かれてない。一方、石崎も、早川との会談の内容を伝える。宮崎が溜息をつきながら

  「こりゃあ完全な契約違反。取引は中止だねぇ。まあ、前金で半分もらっているから赤字にはならんけど。ま、後はあの爺さんの売り先探すくらいかねぇ」

  「ああ、それなんだけどな。実はあの爺さん、俺が飼おうかと思っているんだが」

  それを聞いた宮崎が、顔を引きつらせて半笑いしながら

  「あちゃー....ひょっとして『惚れちゃった』?」

  「ああ、惚れた。あの爺さん、何処ぞの馬の骨ともわからん輩に売り払うなんて勿体無い事出来ん。俺が買う。ちゃんと金は払う。だから....」

  宮崎が手をひらひらさせながら

  「判った、判った。こちらも取り分ちゃんと貰えるなら文句無いよ。ただ....」

  おどけている様に見えるが、目は笑っていない。

  「ああ、判っている。ちゃんと『後始末』はつけないとな....」

  違法もいい所、手間もかかるこんな仕事だからこそ、この仕事のルール....互いの『信用』を前提とした取引は厳格に適用される。それを破った者には非常に厳しいペナルティが課される事になる。でなければ、こんな仕事は成り立たない。いつも使っている仲介業者を介していない直接の依頼受付なので『ペナルティ(報復)』を行う責任は石崎達が負う事になるのが、少々厄介なのだが、それでもこの件を放置すれば、今後の仕事に差し障りが出てくる。舐められない為には、こうしたあからさまなルール違反を起こしたクライアントには、それ相応の報いを受けてもらうつもりだった。その為には....

  石崎は秘書の内山から受け取ったメモに書いてあった電話番号に電話をかける。柔和な感じの声が向こうから聞こえてくる。

  「石崎さんですか? 実は....私は早川清彦(はやかわきよひこ)、早川誠司(はやかわせいじ)の弟です。実は....内密に是非、会ってお話したいのですが。ええ、貴方が指定される場所に私と内山が出向きます」

  「判った。念の為言っておくが、少しでも妙な動きがあったら、会うのは中止だ」

  「判ってます。貴方達にも損では無い話だという事は保証します」

  「判った。後で場所と日時を指定するから、其処にあんたと内山っていう狼の二人だけで来るんだ。判ったな?」

  石崎は電話を切った。

  ・

  ・

  ・

  会談場所....既に室内に監視カメラを仕掛けた、とあるビジネスホテル一室に、先日会った内山という狼と、少し小柄な壮年の猪が入ってくるのを、外に止めた車の中で確かめる。周りの監視カメラをハッキングしているので周囲も確認済み。どうやら本当に二人だけの様である。それを確認すると、宮崎に周囲の監視を任せたまま、石崎だけがホテルに入っていく。

  ............

  ........

  ....

  ドアを開ければ部屋の奥で二人が立ち上がる。頭を軽く下げてから、猪が自己紹介を始める。

  「私が早川清彦(はやかわきよひこ)、早川誠司(はやかわせいじ)の弟です。父(故人)の愛人の子です。この男は秘書の内山です。私の為に、兄との連絡役をしてもらっています。大丈夫です。兄にはこの事は一切漏れていません」

  「先日は誠司様の件で大変失礼致しました。普段は清彦様と誠司様の連絡役をしております」

  石崎が

  「まあ、座ってくれ。早速だが、本題に入ってくれないか」

  三人が着席すると、清彦が口を開く。

  「失礼ながら、貴方の事に関して少しだけ調べさせてもらいました。警察には全くのノーマークの方である事。そして、石崎というのは本名では無いという事も。後、貴方方が行っているビジネスの概要に関しては、あくまでも噂話をかき集めての推測という形ですが、把握させてもらっています」

  ふぅっと溜息をついて

  「其処まで判っているなら話が早い。で、俺に話というのは?」

  「貴方が身柄を抑えている丸山氏....彼を『買い戻す』事は可能ですか?」

  「と、言うと?」

  清彦は溜息をつきながら

  「丸山さんは、兄の思い込みによるとばっちりを受けた、唯の被害者です。あの人を貴方から買い戻して、元の生活....校長先生として戻してあげたいのです」

  石崎も息を静かに吐きながら

  「それは....簡単じゃあねぇな。今、あの爺さんは『商品』として仕上げの段階だ。元の生活に戻してやるには、それなりの手間がな....それに、大丈夫なのか? 仮に戻せたとしても、あんたの兄貴が黙っちゃいないんじゃないか?」

  不意に遠い目をすると

  「ええ、確かに。ですが、もう兄は....実は今まで、経営判断の実質的な部分は私の部署である営業二課が行ってきたんです。兄は長子なので、社長をしておりますが、正直....」

  「それで? いい加減、兄貴の影でいる事が嫌になって自分が社長にってか?」

  「兄が勝手をしなければ、私は表に出るつもりはありませんでしたよ。ですが、今回の外資の話は....これは、あまりにも酷すぎた。これでは、今、あの地で商売している人達の殆どが不利益を被る事になるでしょう。ウチにしても、外資....あの悪名高いギャレスグループの事実上の子会社になってしまうでしょうね」

  石崎が目を細めて

  「ギャレス? あの『囲い込み』で悪名高い?」

  「ええ...」

  溜息と共に頷いた。ギャレスグループ....世界各地に統合型リゾート施設を作って儲けている財閥だ。その特徴はズバリ『囲い込み』....宿泊客を満足させる施設を全て敷地内に建設して、表に出なくても、宿泊客が満足するようにしてしまう。つまり、客が使う全ての金はギャレスグループが回収してしまい、地元の他企業には一切お金が落ちない仕組みだ。

  「しかし....今回のリゾート開発の話、一言もギャレスの名前は....」

  「ペーパーカンパニーで偽装してますが、実態はギャレスの100%出資会社です。しかも兄はこの契約を結ぶために、殆どこちらの経営権を譲り渡してしまう様な契約を結ぼうとしているのですよ」

  石崎が意外そうに

  「ん? 結ぼうと? じゃあ、まだ本契約には.....」

  「ええ、兄も相当焦っていたんでしょうね。実際にはまだ口約束の段階です。恐らく、成果を喧伝して、なし崩し的に本契約まで漕ぎ着けようとしたんでしょうね」

  「てぇ事は.....」

  「ええ、この数ヶ月間、大人しくしているフリをして、反撃の準備をしてきました。最大の大株主である義母....まあ、兄の実母ですが、兄の味方はしない事を約束してもらいました。姉には保有株の委託状を貰ってます。それで今回の話と合わせて役員の殆どを味方につける事が出来ました。今度、緊急役員会を開いて兄を社長から解任します。暫く副社長に代役を務めて貰った後、次の株主総会で、兄の息子を社長に立てます」

  「あんたはどうするんだよ?」

  清彦は苦笑しながら

  「私が表の顔....社長にならない事が、義母が兄に味方しない条件なのですよ。それに、兄の息子は、兄と違って勘が良いし、変なプライドも無い。きっといい社長になりますよ」

  「そうか.....」

  暫く熟考した石崎は

  「元の契約どおり、残りの金額を払って貰えればいい。後、俺があの爺さんと一緒に生活できるように、俺の身分を保証してくれ。暫くは俺がつきっきりになる必要があるからな」

  「判りました。では、その様に....」

  ・

  ・

  ・

  その後、この地で起きたゴタゴタを特に詳しく説明はしない。

  ただ、例の大型リゾート開発の話はギャレスグループの名前が明るみになった事で大きなスキャンダルとなり、連日報道される事となった。早川誠司(はやかわせいじ)は地元での信用を全く失ってしまい、商工会で吊るし上げられ、予定通り早川不動産の緊急役員会で社長を解任された。失意の内に、誠司は誰にも行き先を告げずに行方をくらました。

  一方、石崎は、監禁場所である雑居ビルの地下室で、丸山を正気に戻す作業を行っていた。ある程度の目処が付いた段階で、丸山を家に戻した。石崎は、翻訳業を生業としているフリーの人間として(実際、仕事上、海外との取引が多かったので、語学は強い)丸山の家に居候する事となった。時折、早川不動産が契約に関する翻訳の仕事を頼む事で、社会的な信用を担保した。そうして丸山と同居しながら、丸山が元の生活に戻れるように、丸山の精神を徐々に正常な方向に戻していった。

  ・

  ・

  ・

  一ヶ月後、田舎道をのんびり歩く二つの影があった。一人は大柄な老白熊....丸山校長だ。もう一人は筋肉質な中年虎....石崎だ。丸山が口を開く。

  「な、いい所じゃろう?」

  サングラスをかけた石崎は少し落ち着かない様子で

  「ああ、まあな....」

  頷く。そして

  「どうだ。もう、ぼーっとする事は無いか?」

  「ああ、お陰様でな。昨日も普通に校長の仕事をこなしてきたよ」

  「ならいい....」

  [pixivimage:73122782-8]

  今度は丸山が

  「なあ....お前さん、これから、どうするつもりなんじゃ?」

  「さてなあ....正直、生活する為に仕事する必要は無いんだよな。もう一生分の金は稼いじまったしな。あんたの世話してこれから過ごすのも悪かないかな。ま、あんたが嫌じゃなけりゃあな」

  丸山が顔を赤らめて

  「いや、それはむしろ儂がお願いしたいというか.....」

  石崎によって開発されてしまった丸山の被虐嗜好は、最早、石崎が定期的に『調教』を施す事でしか満たすしかなくなっていた。丸山自身、長年夢見てきた、自分の被虐願望を完璧に満たしてくれる石崎という『主人』と別れる事など問題外だった。もう若い子などに興味を唆られる事もなかった。ただ、石崎が居てさえくれれば.....

  顔を赤らめる丸山を見ながら

  『本当にご主人様に似ているよなぁ...』

  石崎はまだ丸山に自身の人生を語っていなかった。若い頃、人身売買組織に捕まり、肉奴隷として調教を受けて売られた事を。そして売られた先で、表向き執事として働きながら、夜は肉奴隷として奉仕していた事を。だが、主人が老境に差し掛かると、段々と被虐を好むようになり、立場が逆転して、夜は主人を調教するようになった事。その主人が無くなった時、身寄りが殆ど居なかった主人が、自分に相当額の遺産を残してくれた為、働かなくても生きていけるようになった事。しかし....もう一度、主人の様な太り肉の肉奴隷に会いたいが為に、あの仕事をするようになった事を。

  二人は様々な思いを抱えながら、のんびり田舎道を歩いていった。

  ・

  ・

  ・

  何処とも判らない、窓が無いので昼とも夜とも判らない、とある薄暗い明かりがあるだけの床と天井と壁にコンクリが打ってあるだけの部屋にて....

  部屋の中央にて茶色の毛玉がもぞもぞと蠢いていた。

  正座座りをさせられ、全身を緊縛された茶色の毛玉。

  口には詰め物をされた上から猿轡を噛まされて、呻き声一つ上げる事が出来ない。口元から伸びた立派な牙も、却って惨めさを引き立てていた。

  立派に蓄えた灰顎髭に細引きが結ばれて錘が吊るされて、顎の皮膚が引っ張られる。

  後ろ手に捩じ上げられて背中で縛り上げられた手首は、天井から伸びる吊り縄で引っ張り上げられて、更に手首を締め上げる。

  首に嵌められたごつい皮首輪も、天井から首を締める様に吊り上げる。

  胸周りの、二の腕と肘に掛けられた縄が微かな腕の動きも締め付けてくる。

  正座した脚の太腿の付け根と足首が縄で固く縛められて、膝立ちも出来ない。

  膝関節の裏に通された頑丈な金属棒は、両端をコンクリの床から突き出た留め具に鎖で固く固定されて、膝頭も僅かにずらす事も許されない。

  手足の指先さえ、細引きで結ばれ、指を開く事も出来ない。

  全身を覆う縄が、要所要所....敏感な脇の下や股下、豊満な胸肉、下腹部に食い込んで、僅かな身じろぎに縄を擦れさせて、苦痛を与えてくる。

  正面の鏡に映る自分の姿が、一層惨めさを強くするが、最早、そんな事を思う余裕もない。必死に躰を動かさない様に堪える疲労で汗びっしょりとなり、膝下に汗の水たまりを作り、湯気を上げていた。

  そう、此処に今、拘束されているのは、行方不明となった早川誠司だった。どうして此処に居るのか、早川にも判らない。

  ただ『責任をとってもらう』という言葉と共に....昨日なされた事を思い出して恐怖がこみ上げてくる。心臓がバクバクと脈打ち、脂汗が更に流れ、目が涙で霞む。そうして震えている誠司の背後に....

  「よお、元気そうだなぁ」

  と後ろから顔を覗き込んでくる。恐怖の為か、顔がよく見えない。見えるのは楽しそうに舌舐めずりするニィと吊り上がった赤く大きな口と舌。楽しそうに

  「さあ、今日も楽しませてやるからな」

  「ん....」

  『ヒィ!!!』

  厳重な猿轡から漏れるのは悲鳴の代わりに、かすれた息の音のみ。我知らず、誠司は小便を膝下の汗溜まりに漏らしていた.....

PRPR