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【152】卑猥は卑猥と思うから卑猥なんよ【R18】

  〖張形(はりかた、はりがた)〗

  男女問わず自慰行為、または性交時に使用する道具。

  勃起した男性器を擬したもの。

  つまりはデ〇ルド。大人のオモチャ。

  ・・・おん?

  私いつの間に別時空に迷い込んだん?!

  お貴族様風超絶美女のお口から出てきてはいけないお単語が発せられた気がしたんですけどぉ?!

  カチンと固まった外見とは裏腹に、内心『あばばばば!』とパニックなう!けどワタクシ、はっとしてピーンとキましたわよ!

  ふむ。さては鏡の翻訳機能とやらがおバグりあそばされたか、私の腐りきったお脳が「はりがた」という発音の単語に勝手に卑猥な意味となる漢字を当て嵌めましたわね?

  そうだそうに決まってる!きっと異世界的に別の意味があるに違いねぇ!

  あー良かった。成程納得[[rb:Q.E.D > 証明終了]]!

  自分の中で結論が出たので、内心の動揺を悟られまいと軽く咳払いとかしながら居住まいを正して訊き返した。

  「・・失礼しました。よく聞き取れませんでしたので、もう一度お願いしても?」

  「はい。張形をお使いになられたことがあるか、とお聞きしましたの。ご存じありません?張形とは男性の性器を模った物で、主に自慰行為に使う道具の事ですわ」

  「いや勘違いとちゃうんかいっ!!」

  思わず何もない隣の空間に全力で突っ込む。

  そして心の内は混乱を通り越してもはや恐慌状態。

  えーーっ?!

  てっきり[[rb:美人さん > お姉さま]]は[[rb:卑猥な話 > シモネタ]]はしないものだとっ!てか苦手かとっ!

  いやもう一方的な思い込みだってのはたった今理解しましたケドねっ?!

  でもほら、綺麗な人はキレイなままでいて欲しいというか、絵画的美女であらせられる美人さんには似つかわしくないというか!

  ん?でもある意味ギャップ萌え的な感じがして中々にグッとくるな?

  美女が恥ずかしそうに頬を染めて猥談をする・・というシチュからしか得られない栄養が、この世にはあると思うんです!

  イヤ何言ってんだ私は現在進行形で性癖が歪んでってる感がもうアカンですやんコレ。

  うん?元から歪んでたのが暴かれただけ?

  うっさいわ。ハゲ散らかす呪いかけたろかワレ。

  現実逃避を加速させ架空の観客へといちゃもんを付けたところで、私の挙動不審っぷりを不安に思ったのか、はたまた心配してくれたのか。

  美人さんがおずおずと話しかけて来た。

  「あの・・魔女さま?如何なさいました?」

  「はい?何かありましたか?」

  「え、いえ。何もないのでしたら問題ありませんわ。それで、如何です?張形。ご使用の経験はございまして?」

  おっふ。しまった。

  美人さんの卑猥発言に気を取られ過ぎてナンて返答するか考えて無かったンゴ!

  使った事?普通に有りますがな。

  アレって意外と安いから小遣いの範囲で買えるしね。

  18くらいだったかな?興味本位で。怖かったから小さめのヤツだったけど。

  今でもたまーに使う、かな?

  いやほら。欲求不満でムラムラしてる時に机に向かうとさ、筆が乗ってメッチャ原稿捗るんよ。

  で、描き上げたらスッキリしちゃって結局発散させないまま・・って事が多いんよね。私の場合。

  まぁ時々どうしようもなくエロ脳になった時には色々と致す事も有りますが・・

  って。また現実逃避してたっ!

  だってさ、相手は超絶美人でしかも[[rb:友だち > アド君]]のお身内だよ?

  『うぐぐぅ!なんて答えようっ?!でも不思議道具は使えるようになりたい!なら正直に話すしかねぇよなぁっ!!』

  なんかもう自分でもよう分らん羞恥に内心プルプルで、全身に変な汗を掻きながら絞り出すようにして答えた。

  「い、一応・・アリマス」

  そう伝えたところ、美人さんは「それは重畳」とにっこり微笑んで続ける。

  「先程お飲み頂いたお茶は、魔力の回復を促す効果の高い薬草を濃く煮詰めたものですの。値はそれなりに張りますが、回復効果は保証致しますわ。筆記の魔道具で使用した魔力もある程度回収出来たとはいえ、魔力枯渇で倒れられた以上、飲んでおくに越したことはないかと」

  「な、成程・・」

  「そして、今回の事で魔女さまは筆記の魔道具を使うには魔力保有量が足りない事が判明致しましたわ。魔道具を使えるようになるには、身の内に宿る魔力の量を上げるのが一番確実な方法ですの」

  「な、成程?」

  「ではどのようにして保有量を上げるのか。それには魔力を効率よく消費、回復させるのが良いとされ、女性は魔石を内臓した張形を使った自慰が推奨されております」

  「ナルホド・・」

  「と、申しますのも、身の内に宿す力。魔力保有力は魔力を消費、回復を繰り返すことで拡張されるのですが、絶頂する際に発せられる魔法に変換される前の純粋な魔力を空の魔石に吸収させ消費。回復する際にはその魔力を再度取り込む・・というのが魔力保有力の拡張に効率の良い方法なのですわ」

  ヘー。ソウナンダー。異世界ってフシギがいっぱいダナー。

  我。宇宙猫化なう。

  美人さんの言葉はしっかり聞き取れてるのに、内容が衝撃的過ぎて脳みそが理解するのを拒否るわ~。

  つか、異世界の人に羞恥心ってないのん?

  何度目かの現実逃避に意識が向かいそうになった時、にっこり微笑んだ美人さんが「ここまでお聞きになり、何か疑問や質問はございますか?」と問うた。

  はっと意識が引き戻され、少し慌てながら思いついた疑問を口にする。

  「え?え~と。そうですね・・そちらでは、その。魔力保有力の拡張?は、普通ならいつ頃から始めるものなのでしょうか?」

  「あたくしのように、魔力を日常的かつ多量に使用する機会が多い者は、月の物が始まった頃より始めることが殆どです。同じように男性も精通した頃から開始するそうですが、女性とは方法が異なりますの。また、日常生活で使用する魔力量が足りている方は拡張する必要がないので、方法自体を存じない方もいらっしゃるそうですわ」

  「なる、ほど・・・あの。それなりに若いころから拡張が必要、という事なら・・私は大丈夫なんでしょうか?その・・一定年齢以上は拡張しづらい、とか。苦痛を伴う、とか・・」

  あ、これは異世界転生テンプレでよく聞くやつ!魔力訓練の別バージョンだ!!

  と気付いて、そこから予想した懸念を伝えた。

  ぱちり、と瞬きした美人さんは安心させるように「ご心配には及びませんわ」と言って微笑む。

  「仰るとおり、拡張は肉体がある程度成長した時から始める事が推奨されております。長く続ければ、その分魔力の保有力が増えるのが道理ですので。ですが、魔女さまが使用を希望されている筆記の魔道具は魔道具の中でも必要魔力量の少ない部類になりますわ。少し拡張すれば、使用出来るようになられるかと存じます。更に魔力量が必要な魔道具をご所望されるとなれば、その分拡張はご苦労されるのではないかと・・」

  「あ、それは無いです。今のところは、ですが」

  「それならば現時点では何の問題もありませんわ。もし更なる拡張が必要になった時には、別の方法も併用すればよろしいのですから」

  「え、併用できる方法があるんですか?それはどのような・・」

  笑みを深めた美人さんは、少しだけ広げた扇で口元を隠し、心持ちゆっくりと答えた。

  「その方法とは、先程のお茶を―「あ、分かりました当分はナシの方向で!」」

  あの毒みたいな味のお茶は暫くノーセンキューです!てか二度と御免だわ!

  けどなー!なんっか後々飲まざるを得ない状況に陥りそうな予感がすんだよなーっ!

  失礼にも美人さんの言葉に被せる形で話をぶった切り内心モダモダしていたが、当の美人さんは「ほほほ」と気にした様子もなく上品に笑って続ける。

  「必要となれば何時でも申し付けてくださいませ。すぐにご用意いたしますわ」

  「あ~・・まぁ。その時になったら、よろしくお願いします?」

  「ふふ。承りましたわ」

  そう言って、気安い雰囲気で笑う美人さんなのだった。

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