タヌキへと堕ちる者たち

  「ねえ、引き返そうよ。あんなこと言われたからって無茶したら危ないよ」

  森の中を歩く影が2つ。片方は臆病な少年であり、片方は勇敢な少女であった。彼らは夏休み最後の思い出として数人で肝試しをしていたのだが、グループのガキ大将から煽られ、囃し立てられ――本来のルートから外れた森の奥へと向かって勇気を示そうとしていたのだ。

  「あんた、あんなこと言われて悔しくないの!? 肝っ玉が小さいとか言われてさ!」

  「だって、事実だし――」

  「うるさい! あんたも私も、肝っ玉が大きいことを証明するのよ!」

  怒りのままに森を進む少女と、そんな少女に怯え止め切れない少年。そんな彼らの他愛無い会話を、まさか曲解して叶えようとする存在がいるとは思いもしなかっただろう。

  「玉がデカくなりたいのか?」

  少年と少女は、自分たち以外の声がしたことに驚きを隠せなかった。この森には今、自分たち以外いないはずなのに。そう思って恐る恐る声がした方向に振り向くと――そこには、恰幅の良い人とタヌキを混ぜ合わせたような、そんな生物が立っていた。

  「ば、化け物っ!」

  慌てて少年は逃げようとするが、金縛りにあったかのように身体が動かせなくなってしまった。少女は近くの木の枝を持って殴りかかろうとするが、こちらも突然動けなくなってしまう。

  「化け物、まあ確かにワシは化けダヌキじゃが。そんなに怯えなくても良いじゃろう。ワシはお主らにいい物を授けようとしておるというのに」

  そう言って、化けダヌキは少年と少女に近づき、その獣の手を股間にポンと置いた。見知らぬ化け物に股間を触られ嫌悪感を感じたとき、身体がまた動かせるようになったと気付いた彼らは逃げようとして――股間にぶら下がった何かの重量によって転び、倒れてしまった。

  「む、何故逃げようとするんじゃ。デカい玉が欲しいと言っておったから付けてやったのに。それに、そんなデカいものをぶら下げて走ると危ないじゃろうが」

  彼らは言葉の意味が分からず、股間を見る。するとそこには、目の前にいる化けダヌキと同じような――メロンくらいはある――大きさを持った金玉が鎮座していた。さらに、少女には豆粒ほどの小さな男性器もおまけで付いていた。

  「嫌あああああ!! 戻して! 男の子のおちんちんなんていらない!」

  「ボクの、ボクの金玉が、おちんちんより大きくなっちゃった」

  変わり果てた股間を見て泣き喚く少年少女。化けダヌキは希望を叶えてやったのに何故泣くのじゃ、としばらくの間思案して――何かを閃いたかのような顔をすると、倒れた彼らに近づいて大きくなった金玉に再度触れた。

  「そうか、ワシの配慮が足らんかった。そりゃあデカい玉があれば盛大に出したいと思うわな」

  何を勘違いしたのか、ズレたことを言う化けダヌキ。その言葉の意味を分からない彼らは、ただ喚き散らして抵抗する。だが、変化はもう既に訪れていた。

  「なにこれ、おちんちんが熱くなってる!」

  「おしっこが、おしっこが出ちゃいそう!」

  彼らは何とかして起き上がり、必死に男性器を押さえつける。しかし、触れてしまったことが刺激となり、放出を早めてしまう結果となってしまった。

  「嫌あ! おちんちんからおしっこ出しちゃう!」

  「こんなところでおしっこ漏らしたくないよおおお!」

  彼らは同時に性器から精液を放出する。どれだけ押さえつけても絶え間なく放出され、その度に大きな快楽を得る。精通も、二次性徴も経験していない彼らには耐え切れないほどの快楽の波に、彼らは意識を手放してしまった。

  「ホッホ。楽しんでくれたようで何よりじゃ。どれ、もっと悦ばせてやるとするかな」

  そう言って、化けダヌキは不思議な力で彼らを宙に浮かべると、そのまま煙と共に何処かへ消えてしまった。森の中には精液だまりしか残らず、それ以外の痕跡は残されていなかった。

  [newpage]

  「ここは、どこ?」

  目覚めた少女は、見たことも無い洞窟の中に1人だけ取り残されていた。歩こうとするが、相変わらず金玉が邪魔で上手く動けない。

  「きゃあっ、うう、夢じゃないなんて」

  少女は動けず、周りに人がいる気配も無い。手持ち無沙汰となった彼女は、ふと元々の股間があるのかどうかが気になってしまった。重い金玉を何とか片手で持ち上げ、もう片方の手でその下を触る。

  「あれ、私のおしっこするところ、もしかしてある?」

  そう言って金玉の下にあった女性器を触れていると、元の彼女のモノとは違い大きくその入り口が開くことに気が付いた。

  「あ、なんか指が入って、気持ちいい、でも気持ち良くなったらまたっ――」

  彼女が気が付いたときにはもう遅かった。刺激を受け勃起した男性器から再度大量の精液を放出してしまう。そして、大量に精液を出し終わった時、彼女は違和感に気が付いた。

  「あれ、何だかお腹が膨らんで――これじゃあの化け物みたい」

  だらしなく太ってしまったかのような大きさになったお腹を見て、彼女は触ってみる。すると、性器に触れたときと同じような快楽が全身を駆け巡り、さらに精液を放出してしまう。際限の無い快楽にまた意識が飛びそうになるが、何かが近づいてくる足音が聞こえ正気に戻る。

  「おお、もう始めとったんか。それじゃあ準備は万端じゃろうし、ほれ、一緒に楽しむといい」

  化けダヌキがそう言って後ろから連れてきたのは、彼女と同じくらいの背丈をした子化けダヌキだった。少女は一瞬身構えるが、身に着けていたシャツに見覚えがあった。大きく引き伸ばされてはいたが、あれは少年が着ていたシャツだ。つまり。

  「坊主はタヌキになれて嬉しいと言っておったよ。それで、お主にも早く一緒になってほしいと言ってな。こうして連れてきたというわけじゃよ」

  少女は絶叫しそうになるが、代わりに口から出たのは嬌声だった。少年が最早大人のソレと化した男性器を、少女の女性器へと挿入したのだ。女性器から得られる快楽と、交尾により揺れる金玉から得られる快楽。2つの快楽を同時に受け、お互いに弁が壊れたかのように射精をし続ける。

  「キュオオオオン♡」

  「キュオ♡ キュオオ♡」

  射精をすればするほど、彼女は化けダヌキへと変わり、彼は更に興奮し行為を激しくする。そうして辺り一面が精液の海となる頃には、巨大な性器と金玉を持った雄化けダヌキと、小さな性器と巨大な金玉を持った雌化けダヌキだけが洞窟の中で快楽を貪っていた。

  「悦んでもらったようで何よりじゃ。さて、あれが終わったらワシも混ぜてもらうことにするかの」

  全ての元凶である化けダヌキは、自分の勘違いに気づかぬまま満足そうな表情を浮かべて闇の中へ消えていった。

  [newpage]

  『行方不明になったのは、■■町の〇学生、■■君と■■ちゃんで、警察は彼らの行方を捜索しています。話によりますと、彼らが最後に目撃されたのは肝試しをしていた時であり、捜索範囲はその近辺に絞って行われ――』

  俺があいつらを煽ったせいで、あいつらが行方不明になって3日。なんでこうなってしまったのだろうと後悔に押しつぶされそうだった。昼でも夜でも、そのことが気になって何にも手を付けられない。思い悩んで、警察が捜索している森に近づいたとき、警察が監視していない隙間があることに気が付いて、ついあいつらを探しに森に入ってしまった。

  ふと、少女の声が聞こえたような気がした。なんだ、警察も捜査が下手だな。見つけて、謝って、また日常に戻ろう。そう思って、声の方に近づいた。そして――俺は、化け物に囲まれてしまった。

  「うふふ、あんたがきっかけで素晴らしい身体になれたから。そのお礼がしたかったの♡」

  6つの金玉に押しつぶされ、苦しいはずなのに、臭いはずなのに、なんだかちんちんが固くなっちゃって――俺は、白いおしっこが止まらなくなっちゃった。

  「ようこそ、タヌキの世界へ♡」

  ――行方不明者が増え、被害が拡大していくのはまた、別のお話。