ディーラル侵蝕編 第六話 無機質なオハナ

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  服を脱いで湯船に入ったリリルカは尻尾を前に伸ばして膨らませて行く、先の位置にいるオハナ三号は遊魔の通例に習って、遊魔椅子に固定された状態になり、尻尾の腹側の硬い皮が膨張して中央から裂けて透明皮膜が拡がる事によって姿を現す、リリルカはちゃんとダインの思考を意識して、オハナ三号になるべく手を加えずに呑み込んだ時のままの状態で王都まで運んで来たのだ。

  ダイン 「このオハナ達は作られたと話していたんですよね、その上で皆が同じ姿では無かったんですよね?」

  リリルカ 「はい、全員が純粋魔力を持つ処女でしたが容姿は異なってました、ですが全員から同じ雰囲気を感じましたね、三天人より外見が異なっていましたが纏う雰囲気はほぼ変わらなくてちょっと怖かったです」

  ダイン 「遊魔の様に個性を重視しないんでしょうか・・・取り敢えず覚醒を始めて下さい、何も手を加えない状態で話してみたいですから」

  リリルカ 「解りました、先ず呼吸器からの排水を行いますね」

  尻尾カプセルの下部から先が太い触手がオハナ三号へと延びると、口元で先端が二つに割れてマスク状に変化して口と鼻を覆う、その後、規則的な小さな脈動が起こり触手マスクが機能し始めた様だ。

  ダイン 「順調な様ですね、それで花園からはどういった印象を受けましたか?」

  リリルカ 「先ず第一はその巨大さです、ほぼ正三角形四面で構成されて、一面の広さだけでもここ王都内壁内と同じぐらいの広さが有ると思います」

  ダイン 「それは予想以上に大きいですね、一辺の長さが数キロは有るという事ですか、当然階層になっているでしょうから、内部の面積はかなりの物ですね」

  リリルカ 「私の侵入口からオハナ達が居た部屋までは一つのフロアでした、途中の通路には開いた隔壁と思われる所が何ヶ所か有りましたから、かなりの数の部屋があるでしょうね」

  ダイン 「リリルカは見せて良いところだけ見たんでしょうが、何か気になる事は有りましたか?」

  リリルカ 「壁に継ぎ目が有りませんでした、普通部屋なら板の継ぎ目が有ると思うんですが、一面真っ平で金属の様でした」

  ダイン 「私の来た世界ならそういった壁も存在しましたが、この世界では珍しいですね、岩喰いの坑道は岩盤を円形に削って綺麗に作られた所も有りましたが・・・あれは円柱状に掘削して出来た跡ですからね」

  リリルカ 「私の見立てでは、壁の上に何かを塗った物と感じましたが・・・」

  ダイン 「直接聞いた方が早そうですね、そろそろ目醒める頃でしょう」

  リリルカ 「はい、出す準備を始めますね」

  リリルカの言葉に呼応して、尻尾カプセル下部から泡が生じると、それが上部に上がって空気の層が徐々に拡がって行く。

  中のオハナ三号は既に覚醒した様で、表情の無い顔でじっと正面のダインを見つめている、そして水面が首まで下がると触手マスクが剥がれる。

  ダイン 「まだしばらくそのままで居て下さい、寒くは無いですよね」

  ダインの問い掛けオハナ三号は大きく息を吸い込んでから応える。

  オハナ三号 「状態に異常は有りません、むしろ身体が軽く感じます」

  ダイン 「まだ身体の半分は液体に浸かってますので浮力でしょう、リリルカは水が引ければそのままオハナ三号を解放して下さい、一緒にお風呂に入りましょう、後、三号よりオハナⅢ(スリー)にしましょう、三号だとダッチワイフみたいですから」

  遊魔の基礎知識には勿論ダッチワイフの事など含まれていない、それどころか遊魔で一番ダインに近い嗜好を持っている七実でも、このネタは通じ無かっただろう。

  ダインの変な話に二人とも理解が追い付いていない様だが、実はダイン也に第一世界文化の数字を与える事でオハナIIIの反応を試していたりする。

  リリルカ 「スリーとは数の3の事ですよね、ダイン様は多くの数の種類を知ってるんですね」

  ダイン 「まぁ文化圏毎に大抵違いますからね、私の世界は国で文化圏が変わってましたから多くの数え方が有ったんですよ、他にも人の言語では十進法ですが、機械用の語源では二進法や十六進法が使われてましたね」

  ダインはまた言葉でオハナIIIを試してみる、花園が人工知能の類いだという推論もダインの予測には有る、それを確認する為に敢えて自身の世界の知識を披露したのだ、だが、オハナIIIに変化は無い、あくまで第一世界のプログラム言語の話で、この第三世界では全くの別系統の物が使われているのかも知れない。

  ダイン思考 『ディセルトのインプラントは回路の様な構造をしてましたが、オハナIIIは無反応ですね、単に知識を与えられていないだけでしょうか?』

  未だダインには花園勢力に対して警戒感が有る、美味い話は罠だと認識が染み付いてしまっているからだ。

  リリルカ 「ダイン様の話はどれも興味深いです、いつかユーマ共栄国に行ってみたいです」

  ダイン 「それぐらいなら直ぐにでも叶いますよ、異なる世界を越える事は糸口すら有りませんが・・・」

  オハナIII 「我々には不可能じゃ有りません、貴方の持つ力の大元は我々から始まってますから」

  ダインはようやくオハナIIIが釣れた事を喜んだ、それどころかかなり重大な事実が花園に秘められている様で、期待以上の収穫を得たともいえる。

  ダイン 「私の力は第二世界の魔王の力が根源だと聞いていますが・・・」

  オハナIII 「貴方の言う第二世界というのは経由先でしか有りません、他の世界で発掘された存在もこの世界に招聘されています」

  ダイン 「アーキア、リエル、ルーフィンの事ですか?」

  オハナIII 「標的とされていない者もいますが、その通りです、そして貴方が現時点で把握していない人材も複数存在しています、この世界は幹となる世界ですから」

  ダイン 「幹とは木に例えたうえで、始まりの世界と捉えていいという事ですか?」

  オハナIII 「いえ、始まりは他に有ります、この世界は他の世界が生じる幹の位置の世界です」

  ダイン 「なるほど、世界の移動に都合が良いので、この世界が起点となったという事ですか・・・で、単刀直入に伺いますが、何故私が此処に召還されたのでしょうか?」

  オハナIII 「想定以上に核の力を引き出せば目に止まります」

  ダイン 「カクですか、アトミックじゃ無いですよね、遊魔能力という事でしょうけど・・・魔龍は元の身体が核になってましたけど」

  オハナIII 「私の言う核とは貴方の頭に有ります、発想を具現化して創造させる力の事です」

  ダイン 「なるほど、それは知りませんでした、自分の脳など怖くて弄れませんからね、他人の脳は弄ってますけど・・・」

  リリルカ 「遊魔の知識が得られるならダイン様の行為は何でも受け入れられます、ほんの僅かな時間で人智を遥かに越えるモノが得られちゃいますから」

  ダイン 「余り褒めないで下さい、むず痒くなります、私は自分の欲望に正直なだけですから・・・自分好みの牝がいたならより自分好みに磨き上げる、それだけの事ですね」

  オハナIII 「私は貴方の好みに合いましたか?」

  ダイン 「それは勿論です、私は人工生命体という存在が大好きですからね、実在するか解りませんでしたがこうして目の前に現れてくれた、そしてそれを自分のモノに出来るとは・・・もっとも美味しすぎて罠を疑ってますがね」

  オハナIII 「当然の反応です、貴方には特別な価値が有りますから、ですが双方に繁栄が約束されるのなら主導権など些細な問題です、そもそも私は従属する為に作られた存在です」

  ダイン 「個人の意思は無いんですか、ただ存在するだけじゃ面白くは無いでしょう」

  オハナIII 「私自身に願いがあるのかすら解りません、自分を見つめる機会など与えられていませんでしたから、それに幸福の定義すらも知識に有りません」

  ダイン 「本当に人間を応用した生体ユニットの様ですね、私の与えるモノでどうなるか実に興味深い、オハナIIIは上位者から私への贈り物という事ですか」

  この時、リリルカの尻尾は排水を終えて何時でもオハナIIIを解放出来る状態にあり、ダインの意図を汲み取って尻尾カプセルの解放を行うと、延ばしたダインの手がオハナIIIの頬を撫でる。

  ダイン 「滑らかな肌ですね、特別な人種という事なのでしょうか、気になる事は確かめないと行けませんね」

  ダインはオハナIIIの唇を軽く指で押し上げると、顔まで近付けていた剥いた尻尾の先端を口へと埋没させて行く、本来のダインのやり方なら口付けから舌を捻じ込ませて脳を犯して行くのだが、不確定要素の多い存在に対して、何時でも分離が可能な尻尾を使う事で少しでも自身の安全を保とうという魂胆だ。

  そして、オハナIIIは拒む事無く尻尾を受け入れている、見た目こそ余り良い物では無いが、ダインの尻尾はほんのり甘い味なので不快感は無い様だ。

  だが、ダインの尻尾は味の様に甘いモノでは無い、直ぐにオハナIIIの喉奥から鼻腔に侵入して、一番脳に近い所からダインチューブを侵入させて行く、これは舌のモノとほぼ変わらない能力を持っており、尻尾に近い分より多くの堕液が注入出来る。

  これだけの事が行われていても、オハナIIIの表情は変わる事が無い、味覚や痛覚さえ遮断している様で、口が半開きな事を除いて変化という物が無い。

  リリルカ 「変化が無いと面白味が欠けますね、嫌がってくれた方が興奮しますよ」

  ダイン 「リリルカもなかなか遊魔ですね、ですがそれぐらい正直な方が私も楽ですよ、同じ感覚なら二人が一緒に楽しめます」

  リリルカ 「遊魔は変態の方が楽しいって聞きましたから・・・本当ですよね」

  ダイン 「厳密には私と好みが近い方が楽しめるですけどね、まぁオハナIIIの様な無表情だとムキになって過激になっちゃいますから、気をつけないと・・・痛い時はちゃんと痛がって下さいね」

  ダインの言葉を聞いても、オハナIIIは眉をひそめる事すらない、この従順さが実に人工生命体らしい。

  リリルカ 「でも、もう堕液で痛みが麻痺してるんじゃ」

  ダイン 「脳に痛覚は無いって少佐が言ってましたが、私のやる事は明確な医学知識を下地にはしてませんからね、痛覚を麻痺させてはいるんですが・・・」

  リリルカ 「この従順さが返って不気味です、本当に何も感じないんでしょうか」

  リリルカは実力行使に出る様だ、尻尾カプセルの内壁から先端が輪になった触手が生え出すと、オハナIIIの胸へと伸びて先端の輪が解けて左乳首を弾く、輪は人の指の様な動きが可能な様で敏感な部分に刺激を与える事でオハナIIIの変化を導き出す作戦だ。

  リリルカの悪戯行為にオハナIIIは身体をビクンと揺らす、その動きが弾かれた反動だけで無いのは明らかであるが、ダインの尻尾を呑み込んでいるオハナIIIに応える言葉は無い。

  ダイン 「乳首は敏感だという事ですか、なら私もそちらで攻めて見ましょう」

  ダインは口を開くと、二股に別れた舌を延ばしてオハナIIIの両乳首の先端を、それぞれ舐める。

  リリルカ 「先に母乳を堪能するんですね、人の母乳と遊魔の母乳、味が変わっちゃうのは残念です」

  遊魔の母乳はダインの好みが反映されてしまう、だからこそ人の時に出される母乳は貴重な物で、魔進化に立ち合った者が稀に味わう事の出来る珍品でも有る。

  ダインは両手を伸ばして、それぞれの舌先でオハナIIIの胸の感触を確かめている、人間としては小振りな胸でそれほど弾力も無い胸だが、慎ましい胸を肥大化させ牝として成熟させる行為もダインが好む行為でも有る。

  そして、もみ搾られた乳首の先端から、ここの舌先が侵入して行き、無表情なオハナIIIの精乳改造が始まるのであった。

  おまけ

  ラグム・デム 奇妙な山、北部の守護者と呼ばれるモノの正式名称、その正体は衰退した古代高度文明が残した機動要塞である。

  そもそもラグム・デムを生み出した文明自体がアーグル世界で発生したのかも謎で、その正体を確認する為には更に接触が必要だ。

  正四面体の構造は言わばセーフモードで、その本領を発揮するには三面を展開する必要がある、その際、中央以外の三面は同じ構造で状態の維持を担う部分で、ラグム・デムの中枢は中央部になる。

  展開状態の中央部は他三面よりも高く、主要な設備は中央部に集約されている、だが、ラグム・デム自体が巨大である為に、正四面体の一面だけでも、王都ディグランの内壁の中よりも広い、その上、内部は幾層もの階層構造になっている為、王都ディグランの全ての人間を十分に収容する事も可能だ。