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ポケモンのおちんちん学

  ナゾノクサのような青々した芝生が、傾いた太陽によって赤く燃え上がる。心が燃え上がるは、あちこちを歩く青年ショウタ。彼は好きな子に想いを伝えようと、学校の広告の生徒ばりに制服をきっちり着込んでいた。

  「あー、早く来てくれないかなー」

  

  約束の時間より20分早く来た彼は、頭の中で目まぐるしく告白の言葉を考えていた。その言葉を手に書こうと左手を見れば、白い綿毛が生えだしていた。

  「あっ? 何だこれ!?」

  彼の疑問に答える間もなく、隣り合う指が見えない接着剤で合わさっていく。彼が慌てて右手を見れば、左手よりも変化が進んで爪が青いかぎ爪になっていた。

  彼の川のように流れる黒髪は、次第に雪がつもる白髪へ変わる。顔の半分が青い短毛に包まれ、耳が尖って刃のように伸びていく。せっかくクリーニングに出したばかりの制服も、木の幹のごとく膨れた太ももによってビリビリ裂けていく。磨き上げた靴は青き爪で革切れと化した。

  「どうなってソル?」

  彼は闇夜を切る赤い瞳で、自らの体を確かめる。体中に白毛が充ちて、左の髪が首元にかかるほど伸びている。右耳をさえれば平べったくなっている。額にはパソコンのマウス状の突起がついている。

  「俺、ポケモンになるソル……?」

  彼の意思に反して、アブソル化は止まらない。ひじからムックルよけ似の青い突起が出て制服を引き裂く。ひざの裏からも同じものが出て、四つ足ポケモンにふさわしくななめに折れ曲がる。尻からは右耳の角より大きい刃の角が出てくる。胸元の毛が髪より増えてマフラーのように伸びる。

  これにて、ショウタは二足で立つアブソルと化した。服の残骸が無ければ、誰も彼と気づかないだろう。いや、アブソルの姿を見て逃げていくだろう。

  「ソル―、ソルソル!」

  もう彼の口からはアブソルの言葉しか出ない。彼女に本当の気持ちを伝えられない苛立ちで、周りの布切れを蹴飛ばしていた。

  「ソルソル、ゴプッ!?」

  突然、彼の口から黄色く濁った液体が飛び出す。それは鼻につくアンモニア臭を発していた。彼はそれをおしっこと見なした。おしっこは口から出るものでない。彼は口の中に手を入れようとしたが、手が空気の抜けた風船のようにしぼんでいく。

  青い爪が毛の中に沈み、丸い手になる。腰辺りに血管が浮き出て、何か熱いものを上へ送っている。太ももはマルマイン状になって互いにくっつこうとしている。

  「ピュップピュピュ」

  

  言葉の代わりにおしっこが辺りに飛び散る。彼は助けを求めて歩き出すが、太ももが完全に融合して銅像のように立ちぼうけに。顔が上向きに変わり、角が引っ込んでいく。彼の目に満点の星空が映ったが、一瞬で黄色に染まり視界が狭められていく。彼の目が皮膚上に埋没し、自らがどんな姿に変化しているかわからなくなった。

  視力や体の自由を奪われてかわいそうに思えるが、今の彼が自らの姿を見たら羞恥心で死んでしまうだろう。なぜなら、今の彼は足がついた陰茎なのだ。

  太もも改め睾丸には足がついて、バタバタ動いている。その足は胴体改め肉棒がビクンと直立すると動きを止める。そして、はがねポケモンのごとく光沢のある青い頭からアブソル汁が飛び出す。彼の思考は単純化され、口からそれを出す度に嬉しくなった。もう待ち合わせていた彼女のことなんか覚えいていない。

  両足が抵抗をやめて睾丸に吸収されると、アブチンポはバランスを崩してあおむけに倒れた。三つの足の爪が残っているが、もう二度と動くまい。青頭以外はアブソルらしく毛が密集している。最後まで残った角尻尾は陰茎と睾丸の間に生えいている。

  彼はペニスボディを震わせながら、おしっこを出し続ける。彼のまわりにベトベトンやダストダスが集まり、それをなめ始まる。美しい緑の公園が、汚い黄ばんだトイレへ変わり始めた。

  [newpage]

  ローリが息を切らして待ち合わせ場所にやって来た。彼女は生徒会の仕事が遅くなったのだ。髪の毛を整える時間もなく、ドククラゲの触手みたいに乱れた髪型をしている。

  「ごめん、ショウタ君。まっ、クサ!」

  あまりの悪臭に鼻をつまんで顔を歪める。悪臭を放つポケモンが何かに群がっている。彼女はゴミやヘドロをよけながら、臭いの大元へ近づく。

  そこには、元ショウタのアブチンがおしっこプールの上で浮いていた。もちろん、彼女はそれを彼と思わず、悪趣味な抱き枕と見なした。彼女はそれに近づいて、青頭をそっと持ち上げる。

  「なぁに、これ? うわっ、くっさ!」

  彼女の右手に雄のジュースがかかる。男子トイレの臭さは彼女の吐き気を催すのに十分であった。

  「オエエエ…ところでショウタ君はどこ?」

  アブ棒が答えるかのように白いシャワ-が、清流のようにサラサラ流れた。彼女が試しにそれをなめてみれば、ソーダ水味で病みつきになる。おもちゃを手に入れた子どものように目を輝かせてなめ続ければ、新たな変化が始まった。

  彼女の耳が後ろに伸びて黒ずんでいく。顔に黒い産毛が生え、肌色の面積を減らす。額に黄色いドーナツ型の模様が現れ、青頭を照らし出す。

  「あれ? 私なんか変……」

  彼女の手首にも黒い毛が生え始めていた。アブ液の呪いと感じた彼女は、すぐにアブ口から口を離した。口を近くの水飲み場でゆすぎに行く。公園はすっかり暗闇に包まれていたが、額のライトで場所がわかる。

  「ふぅー。それにしても、あの物体は何なのかな」

  彼女はハンカチで口元をふきながら、アブ棒を見つめる。彼女は初めてそれを見たのに、どこか懐かしい気がしてもどかしかった。再び、それに近づこうとする。

  「ダメだって、ううううう」

  ひざを押さえて歩みを止めれば、鳥肌が立つように黒の産毛が広がっていく。彼女の体を作り変えようと、全身の細胞が走り出している。彼女は蛇行しながら歩き、もふもふミルクメーカーに抱きつく。青亀頭をなめるだけでは飽き足らず、ついに鈴口の中に舌を入れた。

  舌に電気的なしびれが走る。そのしびれは彼女の脳に愛のお菓子を届ける。彼女は瞬く間にアブソルペニスがショウタの成れの果てと理解した。

  「ショウタ君…、こんな姿になっていたのね……」

  彼女の赤い瞳がうるむ。彼女は黒いごま団子に似た鼻を彼の頭につける。ブラッキーなりのキスの“しるし”だ。

  「どうやったら元に戻るブラ」

  彼女はアブ棒のあちこちを揉んだり、なめたりして刺激を送る。だが、アブ棒は白い快楽液を出すだけだ。

  困り果てた彼女は白い液だまりに寝転がって、夜空を見上げる。すっかりブラッキーと化した彼女は、この闇を心地よく感じている。すると、習字の筆先のような尻尾がスカートからはみ出す。

  「ショウタのことは前からすブラブラッキー! ブラブルァ!?」

  大事な告白を前に人間の言葉を失ってしまう。彼女は涙をにわか雨のようにこぼして嗚咽し続ける。荒い呼吸を繰り返す口から唾液が垂れていたが、徐々に色がついて濁り始める。それは臭くなってとめどなく流れていく。

  「ブラァブラ? ブピュッ!」

  彼女の鳴き声は老廃物を吐き出す音へ変わる。口はひょっとこのように尖って小さくなる。両手が縮んで制服の中へ隠れる。両足は太く丸くなって毛が抜けてしわしわになる。彼女の体の表面が黒いゴム状になり、てかり始める。

  ショウタと同じポケモンちんこに変わり始めても、彼女は恐怖を感じなかった。流されるままに両足が金玉、両手が肉棒に吸収されていく。体を動かすことが困難になっている。彼女は最後の力を振り絞って、針の穴の視界でのぞきながら、彼の鈴口と直接キスをかわす。

  両者に驚きの電気信号が走る。精液シャワーを互いにかけあって、笑うように性肉を震わせる。彼女の頭はすでに黒光りの亀頭と化して目が消失していたが、額のドーナツがしきりに点滅していた。

  まとわりつく制服はベトベトン達に食べられて、ただのブラッキー棒に変わる。だが、この今の姿に人間のなごりなど無意味だ。

  つるぷにのブラチンともふもふのアブチンは何度も濃厚なキスをかわすだろう。

  アンモニア臭とマーイーカ臭い愛のジュースをまき散らしながら――。

  (おしまい)

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