とある本丸の審神者の部屋、そこで南泉一文字はジッと前を見据えていた。
彼の目の前には十二単姿の女性が一人、白い髪の中から出している白い毛に包まれた三角耳を動かしては手に持った扇で口元を隠し笑っている。
「お前・・・一体何者だニャ!?」
「我は名も無き老猫、ここの娘に危なき所を救ってもらったが故に礼をしに参ったのじゃ。夜伽という礼をな。」
「ふざけるニャ!」
声を荒げ女性・・・化け猫に斬りかかる南泉一文字、しかし化け猫が扇を軽く振ると南泉一文字の刀や装束などが全て塵となって消滅してしまった。
「ニャ!?」
「無粋な真似をするでない、我はただ礼をしに来たのだぞ。猫が好きなあの娘にな。それとも・・・貴様が我の礼の代わりとなってくれるか?」
南泉一文字を少しいらだった様子で見つめる化け猫、再度扇を南泉一文字に向けまた動かすと今度は南泉一文字の身体に奇妙な感覚が走りだした。
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「あ・・・が・・・や・・・めろぉ・・・。」
身体を押さえ苦悶する南泉一文字、身体中がビクンビクンと痙攣するのに合わせて南泉一文字の肉体はシュルルと小さくなっていく。
またその肉体の縮小に合わせて南泉一文字の肌という肌に金色に毛が生えていくとその毛はみるみる南泉一文字を包み込んでいき、手足の爪が鋭くなっていくと手の平足の裏には柔らかな肉球が出来ていき毛に包まれた耳は頭のてっぺんへと移動、形を変えると三角形の猫の耳と化してしまう。
「は・・・ニャ・・・ニャ~・・・。」
口から出てくる猫の声、顔が前に突き出しながら形を変えて猫の顔へと変わっていくと尻には長い尻尾が生え身体の震えに合わせて動く動く。
そして股に生える一物が形を変え棘を生やし猫の一物となると南泉一文字の姿は一匹の猫となってしまい、
「ほっほっほ、実に愛い姿じゃのう。」
化け猫がそう言い笑うと南泉一文字はウニャーニャーゴと鳴き声を上げ今度は化け猫に直接飛び掛かる。
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「なんじゃなんじゃ、せっかく愛い猫にしてやったというのに不満かえ?ならば今度はこうしてやろう。」
飛び掛かる南泉一文字を避けながらそう言い再度扇を振るう化け猫、するとまた飛び掛からんとする南泉一文字の身体中から力が失われるとともに身体中がふっくら膨らみだした。
ウニャー!
やめろと言っているのだろうか大きく鳴く南泉一文字、黄色き輝くその目がより輝くなると顔はデフォルメされて可愛さを全面的に出した顔へと変わっていき毛並みは更にフカフカモフモフになっていく。
また股にある猫の一物は小さくなって消失、動いていた尻尾は垂れてピクリともしなくなり鳴き声を出していた口は閉じたまま開かなくなる。
そして少しすると南泉一文字は猫から猫の形をしたぬいぐるみと化してしまい、
「これでどうじゃ?それならば文句はなかろうて。」
化け猫はそう言うと動く事も声を上げる事も出来ない南泉一文字を同意したと考え姿を消し、
(ふざけるニャ!元に戻せ!元に戻せニャー!)
南泉一文字は出す事が出来ない叫びを上げる。
すると、
ガチャリ
という音ともに部屋の扉が開き主である女審神者が入って来た。
「ん?・・・わぁ、可愛い~!」
その女審神者は南泉一文字に気がつくと彼を拾い上げベッドに入り、南泉一文字をギューッと抱きしめてはそのままスヤスヤと眠りについてしまう。
(・・・ど・・・どうすれば・・・。)
動こうにも動けない、助けを呼ぼうにも呼べないこの状況下・・・南泉一文字は内心ドキドキしながらただジッとする事しか出来なかった。