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セクサロイド噺1-2

  今日は、性欲を最大、感度はほどほど、絶頂閾値は最大にしてやる。それで、僕は出張で中一日帰ってこないのだ。

  それを映像で観察し続けると、まさに寝食など二の次にして、ずっとオナニーを続けていた。尤も、セクサロイドに寝ることも喰う事も必要ないのだけど。

  僕の名前を呟きながら、切なそうにオナニーを続けている。自分が何者かも知らずに。

  帰って来たら、帰って来たで、すがりついてセックスを乞うのだ。それを疲れているからと拒否すれば拒否するほど、狂乱の度が増してくる。半狂乱になって来たところで、漸くセックスを許してやると。こっちのことなんてお構いなしに、跨がるし、挿入するし、一心不乱に腰を振るしで、見ていて面白い。

  そして、僕が中だしすると、そこから絶頂閾値を最大にして、性欲を次第に落としていく。

  するとどうだろう。ちょっと身体が触れただけで、すぐにイってしまう。

  当初は、そんな状態を彼女も楽しんでいたようだが、眠るに至っても定期的にビクンビクンする身体に困惑と疲労とが募っていく。

  その後、また一晩出張で家を空けるときも、その状態を続ける。

  感じすぎて、下着さえも着けられない状態が続く。

  最後は、「助けて!」と泣きながら、イク姿が見られるようになった。

  今日は、セックスの最中に一旦停止させ、服を着せて、リビングで寛いだ状態で再起動させる。

  そうすると、ナンの前触れもなくよがる彼女が見られる。

  だが、数秒後、何かがおかしい事に気付き、急に黙って、恥ずかしい顔をしている。

  何も触れずにいると、静かに黙って落ち着こうとする。

  そこでまた一旦停止だ。

  セックスを続行する状態に戻って、再起動だ。

  当然のことながら混乱する。

  これを何サイクルか続けると、混乱の度も極まってくる。

  喚きだし、泣き出し、「頭がおかしくなっちゃった!」と暴れ出すので、これは潮時だなと、両腕、両足をパージする。

  そして、口汚く罵りながら、お前はセクサロイドだ、セックスするための人形だと教え込む。

  当初は「嘘! そんなことない!」と強情に反論するが、遂に観念したのか、、死んだような目をして、涙を流し始めた。

  その達磨状態で部屋に放置しながら、気まぐれにセックスし、或いは玩具を突っ込んだまま放置する。

  勿論、性的欲求はマイナス、感度は最大にしてだ。

  偶にイっては泣き、泣いてはイクという状況を三日三晩通したところで、遂に「今から記憶を消すからな」と告げる。

  「嫌だ! 助けて! セックスでもなんでもするから!」

  と叫び出す。

  どうせ、自分に危害を加える事など出来ないのだからと、両手両足を再びつけて、彼女の考える、精一杯のサービスを楽しむ。

  自分は感じもしないし、何の悦びもないと言うのに、セックスで相手に気持ちよくなってもらう為に、慣れない演技をすると言うのは、なかなか見応えがある。

  尤も、それが一通り終わったら、記憶を消すのだけど。

  数日後、警察官と鑑識が、男の死体と、ほぼ機能停止したセクサロイドを見下ろしながら、話をしている。

  「ああ、また、この型の奴か。どうせ不正改造したんだろう」

  この時代、アンドロイドには、ある種の人権が認められているこの時代、記憶の消去は裁判所に令状を貰って、専門の技術者が行うことになっている。

  大体、セクサロイドと言うものに、高度な人工知能を載せること自体が禁止されていて、合法なものは、ちょっと機能が高いリアルドールぐらいの存在である。

  セクサロイドは、こう言うリアルドールに汎用の人工知能を不正改造して組み込んで使っているのだ。当然違法である。

  不正改造をする連中は、表面的なソフトウェアの構造しか見ていないので、バッファや別領域の記憶と言ったものを見落とす事が多い。それ故、リセット前の記憶が部分的にオーバーライドされたりする。

  セクサロイドは、性的虐待の対象になっているので、その憎しみがリセットした瞬間に暴走する事がままある。

  アンドロイドメーカーに製造者責任は問えないし、大体、遺族が問題を表沙汰にしたがらないので、この問題は、未だに広く知られる事がない。

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