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怯えつつも、少しずつ心を開く羊族男子

  (独り言で)あれ…?

  嘘!?どうしよう…。

  皆とはぐれちゃった…。

  皆、どこぉー?

  一人にしないでぇー。

  (彼女が声を掛けてくる)

  ……ひぃ…!?

  ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!

  僕を食べてもおいしくないですっ!

  えっ……あっ…失礼しました…。

  いきなり声を掛けられてびっくりしちゃって…。

  一緒に来た仲間とはぐれちゃったんです…。

  大人にもなって恥ずかしい話なんですが、僕、単独行動が苦手で…。

  (強がって)大丈夫です。

  会場内にいるのは確かなので、一人で仲間を探してみます。

  ……足…?

  あぁ……膝がガクブルしてる…。

  ヤダ……ちょっと震えないで…。

  (彼女にすがるように)……やっぱり、甘えてもいいですか?

  申し訳ないのですが、仲間が見つかるまで一緒にいてください。

  お手を[[rb:煩 > わずら]]わせて、すみません。

  (彼女と仲間を探して、会場内をゆっくり歩き始める)

  僕、見ての通り羊の亜人なんです。

  羊って群れて行動するでしょ?

  その名残で、仲間と一緒にいないと不安になっちゃって…。

  だから、今回も絶対仲間とはぐれないって気をつけてたんですけど、結果は…ね…。

  ほんと僕って、どうしようもないヤツ…。

  ……どうして貴女は僕のことをバカにしないんですか…?

  亜人の中でも肉食系の亜人は、いつも僕たちをバカにするんです。

  『群れないと行動もできない落ちこぼれ』って…。

  そんなこと言われて、平気なわけないじゃないですか!

  けど、アイツら相手に反論なんてできないし、言ってることは事実だし…。

  ……そうですね。

  貴女の言う通り、僕たちには僕たちにしかない価値がある。

  なのに、他人のくだらない言葉で自分で自分の価値を下げてたらダメですよね。

  当たり前のことなのに、とても大事なことを忘れてました。

  思い出させてくれて、ありがとうございます。

  不安…?

  そういえば、なくなってますね…。

  貴女とただ話してるだけなのに、どこかに吹き飛んじゃったみたいです。

  もしかしたら、魂の波長が合うのかも。

  二人きりなのに、まるで仲間たちと一緒にいるようで…。

  あの……こんなこといきなり言われたら困ると思うんですけど……僕と付き合ってくれませんか?

  きっと貴女は運命の相手なんです。

  だから、こんなに安心していられる。

  今までこんなこと一度たりともなかったから、分かるんです。

  貴女と一緒にいたい。

  ずっと、ずーっと…。

  亜人と付き合うなんて考えたことなかったと思うし、返事はゆっくり考えてまた聞かせてください。

  (遠くに仲間を見つける)

  あっ!

  仲間がいました!

  ほら。

  あそこ。

  あっちも僕のこと探してたみたいです。

  一緒にいてくださって、ほんとに、ほんとにありがとうございました。

  これ、僕の名刺です。

  何かあったら、ここに連絡ください。

  何もなくても、連絡ください。

  (内緒話で)いつでも待ってます。

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