【J-14】トップは僕/俺だ! サンプル【関けも9】
[chapter:プロローグ]
「逃げるんじゃないかと思ってたよ」
「バカ、誰が逃げるかっつの」
テーブルシティ、夜明け前の学園都市に、二匹のポケモンが現れる。一匹は、背に立派な翼を生やした黄土色のポケモン。少し丸みのあるフォルムと顔つきで、普段ならば親しみやすさを覚える顔つきであるが、今だけは素早さが下がってしまいそうな恐ろしい顔をしていた。もう一匹は、ジェット機のようなヒレを持つ群青色のポケモン。スラっとしておりクールに見えるが、彼もまたしかめっ面を浮かべており、小さなポケモンたちが尻尾を巻いて逃げ出しそうな雰囲気を醸し出す。その二匹のポケモンは露骨に敵意を表していた。
「じゃあ……」
「おう、付き合ってやるよ」
神妙な面持ち。まだ冬であると主張するかのような冷たい風が肌を突き刺す。周りの者を威圧させる一触即発の空気、戦いの火ぶたが今まさに切って落とされようとしていることを実感させられる。彼らは互いに目を合わせて、高らかに勝負の始まりを宣言した。
「「デートバトルを!」」
そう、これから始まるのは、二匹のドラゴンタイプによる、プライドをかけたデートバトルである。
***
きっかけは、今日の昼頃。その日も変わらず、パルデアでは嵐が起こっていた。今最もバトルが盛んに行われているこの地方にて、例の彼らはあいも変わらずメラメラと闘志を燃やしていた。
「僕が最強なんだ! 君よりも遥かにここで結果を残してるんだから、当然でしょ!」
「いーや、長らくいろんな地域でトップレベルの活躍をしてる俺の方が最強だね」
そう、天候は晴れで、穏やかなポケモン用カフェの一角。彼らは言論の嵐を巻き起こしている。他の客のことなど知ったことかと、二匹は言葉の鍔迫り合いをしていた。
「ラファルはいつも過去のことばっか! 大事なのは今、そしてこの先なのにさ!」
「はーん、確かにそれはそうだな。なら、尚更ヴェンより俺が強くなっちまうな? ほら、テラスタルが使えない別地域のルールで戦うってなったら、また俺の方が活躍するのは目に見えてるぜ?」
「それ、今は結果で勝ててないことの言い訳だよね~? それこそテラスタルほどじゃないかもだけど、次の地方も僕が結構活躍できるルールかもしれないよね?」
「希望的観測だろ。テラスタルが無いとこおりタイプ技大変だぞ?」
「君だってこおり苦手じゃん!」
「俺は速いし固いからいいんだよ!」
「僕だってとくせい《マルチスケイル》だし! 絶対一回は耐えるし!」
いや、どんぐりの背比べと表現した方が適切か。彼らは、それぞれカイリューのヴェンと、ガブリアスのラファル。グルグルとドラゴンらしい唸り声をあげており、その音は嵐そのもの。しかし、あまりに稚拙な上、いつもここで喧嘩しているから、近くにいるポケモンはまたやってるよと止めようともしない。どんな間抜けな犬ポケモンだろうと、食ってか
かろうとはしないだろう。
「アンタら、いつまでうるさく喚いてるんだい」
とは言え、店員は対応しなくてはならず、毎度その白羽の矢が立つのがこのチルタリスだ。疎ましそうな表情をする彼女を見るや否や、彼らは自身の正当性を主張し始めた。
「アマネさん! だってラファルが僕より結果残してないのに、自分が最強だって言い張るんだよ! 身の程知らずにも程があるでしょ!」
「うるせぇな、俺は今まで結果残してたからいいの! 絶対テラスタルがなかったら俺の方が強いしな!」
「あ、つまりそれってさ今のルールだったら僕の方が強い、ってことでしょ? 素直じゃないんだからさ〜」
「はぁ〜? そんなわけないだろ、最強のポケモンと言えば俺なんだからな」
「それは僕!」
「いいや、俺!」
「はいはい、分かったから」
彼らの鳴き声を聞き流し、はぁ、とため息をつくアマネと呼ばれたポケモン。彼女もコレに何度も何度も付き合わされており、呆れを態度に出さないようにするには無理難題が過ぎる。だが、それゆえに簡単な対処法も学習していた。
「じゃあ、いつも通りバトルコート貸したげるから。そこでちゃちゃっとケリつけてきなさい」
その言葉をかけると、まるで全部忘れたかのように二匹はパァッと表情を変える。さながら水を得た魚のごとく、イキイキとした表情を浮かべるのだ。
「えぇっ、いいの! ありがと、アマネさん!」
「恩に着るぜ、アマネさん! ヴェン、今日は俺が完膚なきまでに叩き潰してやる!」
「いいや、僕が勝つもん! ラファルなんて、ちょちょいのちょいだもん!」
「なんだとぉ!」
「喋ってないで早く行く! もうバトルコート貸したげないよ!」
「……はい」
「……おう」
ピシャリ、と《ハイパーボイス》の如く鋭い声をぶつけられ、荒くれ者達は首を垂れる。バトルには秀でているはずの彼らなのに、ここでの力関係は彼女の方が上なのだ。さっきまで元気だった二匹は黙りこくり、すごすごとバトルコートへと向かった。
とぼとぼとした足取りでバトルコートに入る二匹だったが、バトルポジションに着くと途端に空気が変わる。どこかぼんやりとしていたはずの顔つきが急に鋭くなり、軽く準備運動をしている様子にすら圧があった。
「始めるよ」
「言われなくとも」
静かに言葉を交わした二匹は、真っ先に《つるぎのまい》と《りゅうのまい》を発動する。低次元の口喧嘩からは想像もできない、熾烈な睨み合いからバトルは始まる。相手の動き出しを窺い、一手間違えたら一瞬で刈り取られそうな、そんな緊張感が張りつめる。その中で、カイリューはゆっくりと笑みを浮かべた。
「ねぇ、ラファル。ホントは君のことカッコいいと思ってるんだよ」
唐突に、バトル中に相手を褒め称えるヴェン。怪訝そうな表情で牙は剥き出しているが、声色には少し喜びの色が混じっていた。
「なんだよ、やっと俺のカッコよさ分かったかよ?」
「だからさ、もっとその舞、見せてほしいな♡」
「……っ!」
そんなわざとらしい甘えた言葉と同時に、拍手のように手をたたく。急いで目を逸らそうとしたが、もう間に合わない。あえなく《アンコール》を受けてしまった。
「アハハ、カッコいい、カッコいいよ! もっと無様に踊り狂って、よ……⁉」
言おうとした言葉を止めて、いや止めさせられて、ヴェンは目を見開く。その場で《つるぎのまい》を続けているはずの相手が、気付かぬうちに爪を自分の喉に突きつけ、目の前に立っていたのだ。したり顔を浮かべて、ガブリアスはその爪を下ろした。
「よし、今回は俺の勝ちだな」
「メ、《メンタルハーブ》……!」
いつもの持ち物と違う、戦法を一点読みした対策。ヴェンの戦略によっては全く役に立たないことだってあり得る、まさに今回勝つためだけの戦法。それに、ヴェンは目くじらを立てた。
「そ、そんな持ち物、絶対実戦じゃ使わないじゃん!」
「ヴェン、俺たちがやってるのはタイマンだぞ。一回の読み合いで決着がつくんだ。だったら一度だけでも虚をつくことがどれだけ強いか分かるだろ?」
「そうだけど、そうじゃないって言うか……」
卑劣、とするには真っ当。更には強いとは絶対に言えない戦法に虚をつかれて負けて、恥ずかしさと悔しさが混ざった様子で、地団駄を踏んでいた。そんな彼をみて、ラファルはフッと笑った。
「それほど、俺はお前とのバトルにいつも本気なんだけど」
思わずヴェンは目を見開く。少し嬉しそうに笑いながら顔を上げると、彼の笑みが目に入る。だがそれは、想像していた笑みとは違ったようだ。
「……その顔絶対おちょくってる時のやつじゃんか!」
どうやらその態度はヴェンの《げきりん》に触れてしまったようだ。怒りの表情に一変し、思わず思いっきりパンチが飛び出す。油断していたラファルは《ノーガード》。防御することもできず、効果抜群の一撃が急所に当たったようだ。
「うぐっ⁉」
「あっ……やっ、ちゃった」
ふらり、と倒れていく勝者と、ひきつった顔で立っている敗者。まるで逆転した状況に、大慌てでラファルを背負って彼のトレーナーの下へと向かった。
「全く、力加減へたくそかよ」
トレーナーから《げんきのかたまり》をもらい、《ひんし》状態から目覚めたラファルは、身体を揺らして汚れを払い、悪態をつく。流れでラファルたちのピクニックにお邪魔しているヴェンは反論も思い浮かばず、口をへの字にしながら、どうも虫の居どころが悪そうにしていた。
「あー、えぇーっと、その……」
「なんだ、照れてないで早く言えよ」
「照れてない!」
照れてるのは間違いないだろ、と追撃を仕掛け、ヴェンは一層不貞腐れる。そのままぷい、とそっぽを向いてしまった。
「むー、もういい!」
「もういいって何が」
もういいったらもういいの、とぐずるヴェン。先ほどまで機嫌良く煽っていたが、実際に拗ねられると困るもので、偉そうにため息をついていた。かくいうラファルもすぐに癇癪を起こし、ヴェンやトレーナーに迷惑をかけることも少なくないはずだが、賢い人間でも都合の悪いことは忘れやすいものだ。ましてやこのポケモンが覚えているはずがあろうか。とにかく、自業自得な振る舞いのツケを払う時が来たようだ。
「はいはい、俺が悪かった俺が悪かった。また今度改めて勝負しような」
顔は不機嫌そうにしているが、言葉だけはそう言ってなだめようとするラファル。しかしそれだけで、ヴェンの視線は少し戻ってくる。いつも彼らは喧嘩をしていたが、次の勝負の約束をすると、途端に機嫌を取り戻すことも常だった。また次の瞬間にはわいのわいのと煽り合いを始めることも少なくない。それが彼らのお約束だったのだ。
「じゃ、さ」
ゆっくりと話し始めるヴェン。ラファルは安心した様子で次のお約束を待っていた。
「その、デート、しようよ」
「はいはい、のぞむところ……へ?」
そんなお約束に頷いたつもりだったラファルは、目を丸くした。珍しく彼らの間に流れる静寂。気まずさまで覚えるそれに、ヴェンは慌てて手をブンブンと横に振った。
「いっ、いや、君とデートしたい訳じゃないよ? あくまでデート勝負だよ、デート勝負。ラファルは絶対経験少なそうだから、勝てそうだなーって」
「バカにしてるだろお前!」
「うん! そりゃもちろん!」
ニコッと笑いながら憎まれ口を叩かれ、ぐうの音も出ないラファル。今よりも成績を残していた時からそういう色事を絶ってバトルに明け暮れていたのだ、そんな経験は一切合切ありはしなかった。こんな風に馬鹿にされるぐらいなら一度くらいデートに付き合っておけば良かった、と悪態をつくが、それすら嘲笑われることしかできなかった。
「てかお前さ、さっきは実戦では役立たないだのどうのとか言っといて、絶対役立たない勝負を提案すんなよ!」
「それはそれ! とにかく、勝負しないの、するの!」
なんだ怒っているのか、と聞くと怒ってない、とまた怒声を浴びせられる。やけに顔を赤くしているヴェンに少し首を傾げながらも、どうも結論は出なかったようだ。呆れた様子でありながらも、首を縦に振っていた。
「まぁ、変わったルールでも勝って全部俺の方が上手ってこと、証明してやるか」
「……えへへ、よし! 明日は僕、明後日は君の番。せっかくだから朝早くからやろう。場所は、テーブルシティの長い階段前集合で!」
取り敢えず、いつも通り勝負の申し出を受け、その予定を取り付ける。現時点ではまだ、彼にとっていつもと少し違う日常にしかなり得ないだろうとしか感じていないのだ。それ故に、口を震わせている大きな小心者に、ついぞ気づくことがなかった。
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[chapter:濡れ場サンプル1(カイリュー→ガブリアス)]
「それじゃ、やるよ」
「早く、済ませろよ」
そんな跳ね除けるような態度を取られても、ヴェンは一歩一歩近づく。一向に視線を合わされることはなくとも構わぬ様子で。目の前で跪き、そのまま、ラファルの股に口付けをした。
「ふっ……⁉」
目を瞑り、ビクッと身体が跳ねる。あのカイリューの手よりも柔らかい、肉厚な舌。それが、ラファルの敏感な部分をちろりと掠める。
「くっ、ぐうっ……」
その刺激に、容赦なくラファルの身体は生殖を始めんと反応し始める。嫌がっていても身体は震え、そして舐められている縦筋が、ゆっくりと大きく開いていく。
「ま、まず、勃つ……!」
もう、顔を逸らしている余裕などないようだ。目をぎゅっと瞑り、自然と正面を向いてしまう。身体は丸まり、堪えるように全身が力む。
「ふあっ……ああっ!」
されど、その我慢の効果は無いようだ。ずるっ、と縦割れから長い長い分身が顔を出す。ピンクみのある赤が、威圧感を覚えさせるトゲトゲしたドラゴンの身体を彩る。ポケモンによっては、グロテスクだとか、さらに怖さが増したとか、そう言った感想を抱きかねない風貌だった。
「良かった。ラファル、気持ち良さそうで」
しかし、ヴェンはそれを見て逆に喜び、逸物を躊躇いなく舐める。恐怖なぞ全く覚えていない、彼から見えるのは親愛の感情ばかりだ。
「えへへ、嬉しいな。僕のフェラで、感じてくれるの」
「あ、あぁ……」
にへ、と心底嬉しそうな笑み。ラファルが感じていることを揶揄うわけでもなく、ただ喜んだ様子の表情。そんな彼を見て、拒絶していたはずのラファルが頷かされている。
「ね。もっと、君を味合わせて」
声は真面目なトーンではあるものの、性欲に蕩けた表情と合わさると妖艶に聞こえてしまう。そんな彼にあてられてか、心配そうな表情を浮かべつつもまた頷いてしまう。ありがと、と一言告げて、そのままラファルの竿をパクリと飲み込んだ。
***
「ラファルっ、ラファルぅっ!」
「ひっ、ああっ!」
《さめはだ》で傷つくことなど微塵も気にしてないように、力強く抱きしめて腰を打ちつける。乱暴な攻め、というより暴走しているかのような攻め。それにラファルは、甲高い
鳴き声、まるで雌のような悦びの声を漏らしてしまっていた。
「やめ、ろ……いあっ、くあっ!」
制止の声が聞こえなかったのか、無我夢中に、ラファルのナカを掻き混ぜる。パンッ、パンッと響く乾いた音。我慢
しようと、歯を食いしばり、ベッドシーツに爪を突き立てる。
「ラファル、すきっ、すきっ!」
「うあ、ヴェン……っ、俺、はぁ……!」
しかしどんなに我慢しようと無駄だった。ラファルのモノは主張を強くするばかり。快楽を自覚してるにも関わらず、そのように我慢しても竿を大きくさせる結果しか産まない。段々と身体で隠せないような大きさになっていき、さらにはシーツと擦れるようになってしまい、直接的な刺激まで感じてしまう。
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[chapter:濡れ場サンプル2(ガブリアス→カイリュー)]
「んあぁ……⁉ そこ、舐めるのは、ばっちぃ……」
「いいんだよ、お前のそこならいくらだって舐めてやれる」
まぁでもいい味はしねぇな、と言いながらアグレッシブに舐める。蛇のように中で蠢かせ、湿り気を与える。
「ひう、ひゅう……! な、なんか、変になっちゃいそ……!」
「いいぜ、変になっても。俺は全部まとめて愛してやる」
「も、もうっ! 調子がいいことばっか言って、なんか、なんか……」
そこまで言って、手で顔を覆い隠すヴェン。ラファルは、そんな彼を問い詰めた。
「なんか、どうしたんだ?」
「う、うるさいっ! とにかく、責任、とってよ……」
「責任って、どう取ればいい?」
質問攻めにされて困っているところをニタニタと見守るラファル。全く顔を合わせることができないような状態で、珍しく初々しさが目立つ様子に、相当ご機嫌なようだ。暫くもじもじとしていたヴェンだったが、その次にラファルを
見つめた視線は、覚悟を決めた目つきだった。
「きっ、君のを、ここに、ください……」
上目遣いで懇願するヴェンは、甚く扇情的。思わずごく、とラファルは固唾を飲んでしまう。暫く何も言えないまま
硬直した後に、ラファルはため息をついた。
「……はぁ、なんか負けた気分だな」
「なっ、なんかいった……?」
「何も言ってねぇよ」
***
「んっ、んぅ……」
「どうだ、いけるか?」
「えと、いけるって、言うか……」
煮え切らない答えに首をかしげると、ラファルのお腹に触れる温かいモノ。ラファルは大層機嫌をよくして、爪でそっとそれを撫でる。嬉しそうに、愛おしそうに。なぞるようにそれを撫でていた。
「へへ、お前の、俺の腹に当たってる。俺で、興奮してくれてるんだよな?」
「あたり、まえだよ……!」
少し拗ねた様子で答えるヴェン。興奮していることを至極当然とするかの様子に、ラファルは感極まったような表情をしていた。
「じゃあ、そろそろ……俺も、遠慮しなくていいよなっ」
「んっ……! すごっ、深いっ!」
突き刺すように、腰をグイっとねじ込む。まだ腰の動きは早くないが、自身の存在を強調するように、これがお前の中にあるんだと示すかのように、グイと押し込む。その最中に、ラファルがとある場所をついたとき、ヴェンは一際艶やかな声をあげた。
「ひゃ、そこっ! きもち、きもちいっ!」
「だろ、きもちいだろ! 俺も、さいっこうにきもちいい!」
ヴェンがようやく感じ始めたのをきっかけに、ラファルは腰の動きを強く、速くした。
「いいぜ、もっと、もっと! お前を、感じさせてくれっ!」
勢いをつけて、腰を動かす。自分自身も気持ちよくなれるように、先端が締められるように大きなストロークで動かす。そのたびにヴェンの快楽の証から液が零れ、ラファルへ好色と愛慕が綯い交ぜになった目つきをしていた。