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雲一つない青い空の下、うーんと悩むような声がした。
「はて……もう少し掛かりそうかなぁ」
ぺたぺたとサンダルで地面を鳴らしていたのは蛙の獣人だった。背に大きめのリュックを背負い、所々汚れた半ズボンと前開きのシャツを開けて頭を横に傾げている。手に持っている紙は地図のようだ。それを見ながら周りをきょろきょろと見回していた。
少し歩くと視界が開け、目の前には平原が広がる。所々岩が突き出ていたり木や花が見えて良い景色だった。
「おー出た出た。迷ってしまったかと思ったわい」
森の中の道を歩き続け数十分。ようやく遠くの方にぼんやりと見える町を見てほっと安堵する蛙。くるくると地図を丸めると背中のリュックに差し込み町を目指していた。大きな欠伸をすると出っ張ったお腹をさすり、気分が良さそうに見える。
そんな蛙の耳が何かの音を捉えた。
「ん?」
「ぶもぉ!」
荒い鼻息とどすんどすんと響く足音。そちらに目を向けると驚いた顔で足を止める。
「わっ!な、何でこんな所にミノタウロスが!?」
驚愕して見た先には頭から肩に掛けて、そして腰から下にもっさりと獣毛が生えた大きなミノタウロスがいたのだ。少し興奮しているのかふんふんと鼻から息を吐きだし、呼吸を荒くしている。汗を流してどうしようと蛙は考え、気づかれないよう遠回りしてこの場所を去ろうとする。
「……何でこんな所に。あいつらはもっと遠い場所に生息してるんじゃ……」
やれやれと息を吐くと横目でちらりと様子を伺った。
「ぶもぉぉ!」
「げっ!」
その瞬間ミノタウロスはだっだっと地面を蹴飛ばして走ってきたのだ。蛙は慌ててその場から走り出す。こそこそしていたつもりだがどうやら目が合ってしまったらしい。ぼてぼてと走る蛙に一直線に向かってくる。
後方を確認するともう目の前だった。動きの速いミノタウロスはその場で飛び跳ねると落下と共に拳を突き出す。
ドゴン!
「ひぃぃ!」
間一髪ジャンプで避けた蛙は衝撃で地面に尻もちをついた。打った地面を見ればそこがへこみひびが入っているのが分かる。ごくりと唾を飲み込むと急いでリュックを下ろした。そうこうしている内にミノタウロスはすぐさま向きを変える。
蛙はばっとその場から飛び跳ねて間合いを取る。両手で構えるも少し足が震えている。ミノタウロスは一度地面に両手をつくとまるで猛牛のように走り込んできた。近づき片手で潰そうとしてくる瞬間蛙は横へ避ける。
「くっ!」
すぐさまその場から飛び跳ねるとミノタウロスの顔に向かって思い切り拳を突き出した。
「うらぁ!」
ベシ!
「ぶも?」
見事に命中する拳。しかしミノタウロスは蛙を見ると頬を軽く撫でる。まるで叩かれた痛みを和らげるような仕草だった。その表情は良く分からず何かが当たっただけという感じだ。そんなミノタウロスを見て驚くと何度も何度も拳を繰り出した。
ベシベシベシ!
「ぶもも!」
ミノタウロスは笑っていた。その場から離れると蛙は少し息が荒くなる。表情はかなり険しい。
「わしのパンチが効かんだと……ならば!」
ぐっと足に力を入れるとその場を思い切り蹴る。蛙特有の脚力で宙高く舞い上がった。流石のミノタウロスもこれには驚き空を見上げる。
「くらえぇぇ!」
重力によって急降下する蛙はその体をぐるんと回す。回転を利用して速度を上げると片足でミノタウロスの顔を蹴り飛ばしたのだ。
ドゴォ!
「ぶもぉっ!」
流石のミノタウロスもこれにはダメージが入ったようで数歩後退りした。鼻先を両手で押さえ、確認すると血が付いている。蛙はよしと笑う。しかし次の瞬間には表情が一変していた。思い切り蹴られたミノタウロスは激怒し顔を真っ赤にして襲い掛かって来たのだ。その速さは先程とは比べ物にならない。慌てて逃げようとする蛙。気付いた時にはすぐそばまで迫っていた。両手を広げ上から押し潰すように倒れてくる。
「ちょ、ま、待ってくれぇ!」
ドォォ!
思わず頭を抱えて防御姿勢を取る蛙。しかし振動はくるものの体に直接何かされたわけでもない事に気付く。ゆっくりと目を開けると周りが影となっていて上を見上げるとミノタウロスが目を輝かせて見下ろしていた。
「あ、あの……」
瞬間ばしっと両手で腰を掴む。そのまま米俵のように肩に担ぐと歩き出したのだ。慌てふためきバタバタと暴れる蛙。しかし担がれた体勢では大した抵抗も出来ずぺしぺしと体を叩いた所で何の効果も与えられなかった。
いったいどこへ連れて行こうというのか。すると道から外れた場所に大きな岩が三つほど突き出ている場所があった。森側の方が開けていて周りを隠すように岩同士隙間なくくっ付いている。天井にも広く大きな岩が塞ぐように乗っかっていた。その中へミノタウロスは入ると蛙を乱暴に地面に下した。いててと尻を摩りながら周りを見ると木の棒や肉の骨が落ちている。どうやらここをミノタウロスは住処としているらしい。目の前のミノタウロス以外完全に岩で塞がれていて逃げ道がない。冷や汗をだらだら流しながらへへへと苦笑いを浮かべる。
「ゆ、許してくれない……かな?」
「ぶも」
顔を横に振るミノタウロス。どかどかと入ってくると蛙に近寄った。
く、食われる……!!
そう思った蛙は思わず目をぎゅっと瞑る。しかし蛙が思っているような行動はしなかったのだ。不意に体を触られると乱暴にシャツを剥ぎ取ろうとする。驚いて目を見るととミノタウロスは赤い顔でニヤニヤと笑っていたのだ。
―――――――――――――――――――――――……
「や、やめ……!止めてくれぇ!」
赤ら顔で叫ぶ蛙。力が強いミノタウロスに組み敷かれると両手でびりびりと服を破かれてしまう。ばっと使えなくなったシャツを取り上げると放り投げ、両手で蛙の脂肪のついた胸を揉む。いきなり触られ胸を揉まれた蛙はびくりと体を跳ねさせて顔を横に振った。しかしその嫌がる仕草はミノタウロスをさらに興奮させるだけだった。
「か、勘弁してくれぇ!わしは雄だって!こんな雌みたいな……んひぃ!?」
見ればミノタウロスが大きく口を開けて胸にしゃぶりついていた。蛙は種族的に乳首というものは無いのだが、それでも胸を揉まれしゃぶられる事には感じるらしく、更に顔を赤くするとはぁはぁと息を荒くして悶えていた。何度も足をばたつかせ、手で頭を退かそうとするのだが蛙の力では全く動かすことが出来ない。その間にもちゅうちゅうと吸われ、だんだんと蛙の力が抜けていく。
「はぁ……な、なんだってこんな事……」
困惑する蛙に口を離したミノタウロスは不気味に笑う。今度は口に指をやると無理矢理開かせ、その中に舌を入れたのだ。
「んんっ!」
大きめな蛙の口の中に舌を突っ込み、上も下もどこもかしこも舐めまわしていく。その内蛙の舌を見つけるとそこに自分の唾液を流していった。吐き出したかったが頭を押さえられていて口も合わさっている為何もできない。嫌悪感に苛まれながら蛙は恐怖に屈してそれを飲み込むしかなかった。
ごくんと最後に大きく飲み込むと満足したのか口を離す。そして無理矢理口に指を突っ込むと蛙の舌を引っ張った。
「はひぃ!はへへふへぇ!」
閉じれない口ではまともに喋ることも出来ず、長く伸びた蛙の舌を口に持ってきては先をぱくりと咥える。そのままちゅうと吸い出したのだ。唾液を直接吸われ、舌をしゃぶられるという初めての感触にぶるぶると身震いを起こす。慣れない刺激に蛙は涙目になって終わりが来るのを待った。
ようやく離してくれた時には舌がひりひりしてしまっていた。そんな蛙のことなどお構いなしにミノタウロスは体を起こす。次いで蛙のズボンに手をやると落ちないよう縛る紐を解き下ろしてくる。パンツと一緒に脱がされるとそれも放り投げてしまった。完全に生まれたままの姿の蛙は真っ赤になりながら股間を手で隠す。
「も、もう止めてくれぇ!こんな……耐えられんよぉ」
泣き叫ぶ蛙を無視して蛙の手を引きはがすとおずおずと近づきミノタウロスは自分の股間を弄った。いったい何をしているのかと様子を見続けているとふさふさした股間から徐々にその姿を現していく。
「ひっ!」
赤黒くビクンビクンと怒張するミノタウロスの一物。太い血管を浮き出させて鈴口の先から先走りを流していた。ミノタウロスはにやりと笑うと思い切り蛙の上に覆い被さる。事を察して蛙は逃げようと思ったが時すでに遅し、上に重たいミノタウロスが居ては身動きが出来なかった。
股間部分に熱く震える感触がする。それはちょうど蛙の縦割れの部分にあった。
そして次の瞬間ミノタウロスは一気に腰を落とす。
ズブッ!
「んがぁぁぁ!!」
辺りに蛙の叫びが轟いた。縦割れの中にミノタウロスの太い一物が突き刺さったのだ。それは肉をぐいぐいと押しのけ根元近くまで入り込む。奥の奥で蛙の一物とぶつかり、それでも無理に入れて来ようとする。痛みでぶるぶる泣きながら蛙は苦しがっていた。
はぁぁと深く息を吐くとミノタウロスは腰を上下に動かし始める。
ズチュッヌチュッ!
「あっ!くぅ!あ、あぁ!」
柔らかい中を擦られ、感じる部分を刺激されて蛙は喘ぐしか出来なかった。痛みはあるがそれでも敏感な部分を擦られて少なからず快感を感じていた。しかしそれ以上に蛙はまるで雌のように扱われることに酷く傷ついていたのだ。それもこんなミノタウロスみたいな魔物に。
ぐいぐいと腰を押し付け、回すように突き入れたりひたすら激しく奥まで突いたりミノタウロスは欲望のままに蛙を犯した。地面に手をついて押しつぶさん程に蛙に伸し掛かる。ただでさえ苦しいのに行為によってさらに呼吸がし辛くなる。蛙は泣きながらひたすらミノタウロスを抱きしめるしかなかった。今でも縦割れの中は肉で埋め尽くされていて押し込まれる度にだらりと粘つく液体が漏れ出てくる。上下に擦ると泡立ち、ミノタウロスの股間との間には透明な糸が出来ていた。
刺激から徐々に蛙の一物は硬くなる。しかしすでにミノタウロスの一物がいっぱいにまで入っていて出てこれない。ずんずんと突かれて亀頭がぶつかっては擦られ、周りのヒダはミノタウロスの熱や硬さを感じる。それらが快感となって蛙はいつしか甘く息を吐いていた。細目になってだらしなく舌を零し、はぁはぁと喘いでいる。
突然動きが速くなる。荒々しさに気付くとそろそろ果てそうだと分かった。同じく蛙も限界を感じ、切羽詰まってくる。
「ぶもっぶもおおおおお!!!」
「あぁぁイクッ!イッてしまうぅぅぅ!」
ゴポッゴポッゴポッ!
ぶるぶると震えるミノタウロスと蛙。二人は同時に果てると体を硬くした。当然縦割れには精液が溢れ、収まる事が無くごぽごぽと湧き出るように漏れ出ていた。暫くして腰を離すとぬちゃりと音を立てる。ようやく体が解放されるが疲れと余韻で動ける状態ではなかった。
その場に胡坐を掻くミノタウロスは蛙の両手を片手で掴むとそのまま持ち上げてくる。宙に浮く蛙はその股間からだらだらと精液を垂れ流していた。
「はぁ……はぁ……も、許してくれぇ……わしぁこんな事……」
―――――――――――――――――――――――……
ふとミノタウロスの奥を見る。誰かがこっそり覗いているのが分かった。顔だけひょっこり出して様子を伺っている。真っ黒な顔のそれと目が合うと何やら手を動かしている。拳を握ってまるで殴るような動作だ。いったい何を表してるのか、しかし蛙はもう藁にもすがる思いだった。それが助けの合図だと願ってこくこくと頷く。ミノタウロスはまだ気づいていない。
どさっと地面に落とされる。ミノタウロスは蛙の両足を持つと今度は縦割れの後ろに一物を持ってくる。絶望した顔で諦めたその瞬間、がさりと音が鳴った。
「ぶも?」
気づいたミノタウロスは後ろを見た。
「うらぁぁ!」
ドゴッッ!
「ぶもあぁぁ!」
大きい音を立てると岩にぶつかるミノタウロス。それを見て呆気に取られていたが誰かに手を取られて引っ張られていった。そのまま外に放り投げられる。草の上にどさっと落ちるとその上からズボンとパンツが飛んできた。
「そこに居ろ!」
叫んだのは先程の黒い顔をした奴だった。見ればシャツを着ているが袖が無くランニングシャツのようだった。腕やふさふさした尻尾から黒い狼族だということが窺い知れた。蛙は少し後退りするときょろきょろ見回し、ここに連れて行かれる前に置いたリュックを見つけるとその場所へ走って戻っていった。
「ぶもぉ!」
せっかくのお楽しみを台無しにされたミノタウロスは怒り出し、その黒狼に向かっていく。両手で構えるとミノタウロスの拳一つ一つを的確に躱し、その間に腹や顔、腕に確実に拳を入れていく。それは蛙のような柔らかいパンチではなく、重みがあるしっかりとした攻撃だった。
流石にミノタウロスも何度も攻撃を食らうと少しよろけ後退る。その隙を突いて身を屈めると懐に入り込み、思い切り拳を打ち上げた。軽く宙に浮き上がると間髪入れず連続で拳を突く。その速さと強さに徐々に持ち上がっていき、頃合いを見て地面に倒れながら脇腹に蹴りを入れる。どごっと思い切り蹴られた牛はそのまま横に吹っ飛ぶと地面にうつ伏せに倒れた。黒狼は姿勢を正すと走り出し、ジャンプをすると片足を上げて落下からの踵落としを食らわす。
ドスッ!
「ぶもおおおおおおお!!」
悲鳴が周りに轟くと仰け反りながらぴくぴくと痙攣し、やがて気を失ったようにその場で動かなくなった。黒狼は確認すると白目を剥き泡を吹いているのが分かった。ふぅと息を吐くと離れた場所で蛙が手を振っている。それを見た黒狼はたったっと走って近づいて行った……。
「いやぁ助かったよ」
「どういたしましてだな」
あの後蛙はリュックを背負うと二人で歩き出す。まさかあんな目に合うなんてと赤ら顔で照れ隠しに頭を掻いた。体は持っていたタオルで念入りに拭いた。勿論その間は黒狼には後ろを向いてもらっていた。
「この辺も物騒になったなぁ。まさかミノタウロスがいるなんてな。俺が前いた時にはいなかったのに……。ところであんた何でこんな所に?」
興味ありそうに聞いて来る黒狼に蛙は自分の事を話した。
「ワシはあちこちを旅しているんだよ。自分磨きの旅だ」
「自分磨き?」
「あぁ、ワシはもっともっと強くなって蛙族一の格闘家になりたいんだ」
蛙は身振り手振りで話した。自分の集落は呑気な雰囲気で穏やかな空気に包まれている。喧嘩などもたまにあるがそれでもすぐに仲直り、平和そのものだった。そんな中で過ごしていたこの蛙も同じように平凡な毎日をのほほんと満喫していたが、ある時旅人がやってきてその格闘術を見せて貰ったという。素早い動き、正確な挙動、格好良い姿。そのどれもが新鮮に映り、一発で格闘術の虜になったそうだ。そして蛙はいつしかわしもこんな風に格好良く手足を動かしたいと思い、格闘家になる道を選んだ。もともと種族柄戦闘は好まない方だがそれでも旅をして戦っている内に誰かと戦闘するということに対して興奮するようになった。負けた後の悔しさ、勝った後の爽快感。あれは集落で暮らしていたら絶対に味わえないものだったと鼻息を荒くして語っていた。
「なるほどねぇ。まぁ分からないでもないけど。でもあんな姿を晒してたら強い格闘家にはなれないんじゃないかなぁ?」
「うっそ、それは……」
痛い所を突かれてたじたじな蛙。実は蛙自身は自分の事を強いと思っていた。一生懸命勉強して頑張って強くなってきたと。しかし結果は負ける一方、下手すればあんな風に体を迫られることもあった。今までは何とか逃げて来れたが……。
「へー、初めてミノタウロスに突っ込まれて感じていたと……」
「か、感じてなどおらんわい!わ、話題を変えないか?」
「エロ蛙!」
「ちがーう!」
真っ赤になって反論する蛙に大爆笑する黒狼。今度は蛙が黒狼に聞く。
「ん、俺か?俺はあの遠くに見える町出身なんだ。少し前にぶらぶら暇つぶしに外に出て、それで帰ろうと思って帰宅中。旅って程でもないし、まぁ軽い近くの町巡りだな」
そこでふと思い出した。先程の戦闘だ。遠くながらもしっかり見えていた蛙には黒狼の戦いがとても格好良く見えたのだ。鋭い拳や足さばき。自分が求める格闘のそれを行っていたのだ。思わずその事を聞くと黒狼は両手を組んで頭に手を添えた。
「俺は別に格闘一本でやってる訳じゃないしなぁ。どっちかっていうとナイフの方が得意だし」
そう言ってぽんぽんと腰を叩く。見ればそこには鞘とナイフがあり、ベルトが腰に巻き付いていた。蛙は思わず苦笑いだった。こっちの方が得意だというのに格闘であの強さ。はははと乾いた笑いしか出なかった。
ではどうやってあんなに強くなれるのか?蛙は近道を探すように聞いてみる。しかし黒狼の答えはとても単純な物だった。
「毎日練習じゃねぇかな?物殴ったり蹴ったりしてさ。後は筋トレとか。そうすれば力も付くし、力も付けば動きも速くなるし」
今まで気づかなかったが、見れば黒狼の体はとても筋肉質だった。見せてくれたが大胸筋はそれなりに盛り上がり、腹筋も割れている。三角筋や上腕二頭筋、大腿四頭筋等々太く逞しい。それを見て思わず自分の腹に手を当てる。そこには筋肉とは程遠い出っ張った腹があった。確かにこれでは動きも遅いし力も上手く出せないのは当然の事である。
「っていうかさ、蛙さんよ。あんたらは確か筋肉つきにくい種族じゃなかったか?何人か見てきたがやっぱり同じように腹も出てたし、そういった連中はどっちかって言うと槍とか棒のある程度距離を保てる武器を使ってたぞ」
どこかおっとりしていて腹が出やすい蛙の種族は戦うにしても格闘は好まなかった。それは自分自身が力もあまり強くなく遅いと分かっているからである。わざわざ接近して危険に陥るよりは槍や棒などといった武器を用いるのが当たり前だった。遠心力である程度力が無くても威力を出せる、先が尖っていれば少ない力で十分ダメージを与えられるからである。しかしこの蛙はあえてそれを選ばなかった。自分自身でも良く分かっているが、それでも格闘を止めずにはいられなかったのである。一種のプライドが他の武器を使う事を拒んでいた。
黒狼もそれを聞いてやれやれと肩をすくめた。そこで黒狼ははっとした。
「じゃぁその長い舌を使えばいいじゃないか。別にもともとある物だし外から持って戦うとかじゃないだろ?」
「駄目だ駄目だ!そんなの卑怯だ!例えよく伸びて有利になるとしてもこの舌は武器にはしない!わしは格闘一本だ!」
「……あらら」
無駄に頑固な蛙にお手上げな黒狼だった。
一緒になって歩いているとだんだんと日が暮れてくる。流石に今日中には着きそうもないし夜は冷えるからここら辺で野宿にしようということになった。蛙は自分のリュックから簡易なテントを取り出す。それを二人で作業し狭いながらもテントが完成したのだった。中には小さいランプも付いていて黒狼も悪くないと頷いていた。
助けてもらった礼も込めてと蛙は干し肉と果物を取り出す。黒狼に手渡すとありがとうと言って二人で食べ始めた。歩き疲れてからか、食事もそこそこに横になる。蛙はランプの灯を消すとテントは暗闇に包まれたのだ。
「な、なぁ黒狼さんよ。そんなにくっ付かんでも……」
「仕方ないだろ狭いんだから」
蛙の後ろにぴったりくっつく黒狼はわざとらしく股間を擦りつける。蛙が呆れた声で止めるよう言うが何故か楽しそうな黒狼はへへへと笑うだけだった。
「なぁ蛙さんよ。ちょっと手伝ってくれねぇかな?」
「う、むぅ……。わしは別にそういう気は……」
「ふーん、あんなに犯されて喘いでよがって気持ち良さそうにしてたのになぁ?雌蛙はプライドが高いんだなぁ?それとも恩を仇で返す――」
「わ、分かった!分かったから言うんじゃない!」
ほとほと困り果てるが仕方なしと蛙は反対側を向く。暗くて分かり辛いがシルエットと感触を頼りに手で黒狼の体を探る。下半身はすでにパンツまで脱いで準備万端だった。
―――――――――――――――――――――――……
手で一物を掴む。中々に大きく熱いそれは扱くと先走りを流す。感じているのか黒狼は小さく声を漏らす。蛙の顔に熱い息がかかり変な気分にさせていった。
「はぁ……いいぜ。いいけどよ、もう少しサービスしてくれねぇかな」
「な、なにをしろって言うんだい?悪いが……その、中は嫌だぞ」
「分かってるって」
徐に立ち上がると黒狼は蛙の反対方向を向いて寝っ転がった。蛙の顔の前に黒狼の一物が迫る。察した蛙はうぅと小さく唸りつつも目を瞑り口を開いた。黒狼の目の前には蛙の縦割れがあり、片手でその場所を弄る。
「んひぃ!」
「いいだろう?少し位。どうせならお互い気持ち良くなろうぜ」
言い終わるとすぐに縦割れにマズルを当て、舌を伸ばす。中を探るように動かし、ヒダや体液を拭い取っては飲み込んでいく。その感触に耐えながら蛙も口の中に一物を入れる。長い舌でぐるぐると巻き付けるとそのまま口の中で前後に舌を動かした。
「っぷは!こ、これはヤバイな……こんなの、は……初めてだ……ぐあぁぁ!」
耐え難い刺激と快感に縦割れの事も忘れてひたすら悶える黒狼。蛙の股間に顔を押し付けると我慢するように震えていた。
チュプッチュプッチュプッ
「んぶ……ゲホ、んん」
黒狼の雄の味に悪戦苦闘する蛙。当然ながら慣れている訳でもない為顔が歪んだ。しかし助けてもらったということが頭にありここまでしたら後は同じかと思うと奉仕を止めることはしなかった。口の中に味が広がり、先走りを拭っては飲み込んでいく。舌をまるで蛇のように動かして一物全体を這いずり回る。
「あぁやばっ!そ、それはまずい……で、出ちまうぅぅ!」
ビュルルルッ!
背中を丸めると蛙の口の中へと精を放出する。それをぎゅっと目を瞑りながらも必死で蛙は飲み込んでいった。暫く舌で擦り出なくなると舌を離して口から出す。はぁはぁと息も絶え絶えな黒狼は一度起きると向きを変えて蛙の顔に自分の顔を持っていく。
「ありがとな、凄く気持ち良かったわ……」
「れ、礼だからな……んん」
自然と口を開いてキスをする。そこに言葉は無くただ貪るように舌を絡め合った。互いに満足すると抱きしめ合って瞼を閉じたのだった。
―――――――――――――――――――――――……
「よぉし到着っとー」
あれから二日夜を超えて次の日の昼頃、二人は町へと到着した。蛙はやっとちゃんとした所で休めると心から安堵する。そんな蛙をにやにやと見る黒狼。視線に気づくと赤ら顔で目を逸らした。
とりあえずと蛙は宿の場所を聞くことにした。
「それなら俺が案内するよ。ついてきな」
やたら元気な黒狼は蛙を先導する。その間に町の事を少し聞いた。あまり大きい町ではないが武器防具屋も道具屋もあるし公園もある。それなりに見て回れば楽しめるんじゃないかと言われ、ほぉと蛙は興味が湧く。案内されるままついていくがそこはどう見ても宿屋ではなかった。町の角にある家とその横の小屋。中からは牛のような鳴き声が聞こえる。
「まぁ焦るなって。ここの牛乳はめちゃくちゃ美味いんだぜ。生絞りの特濃だ」
小屋の中で白いランニングシャツを来た人に声を掛ける黒狼。
「あぁ?」
「う、うわぁ……」
小屋から出てきたのは何とも怖そうな顔の牛獣人だった目付きは鋭く肩に入れ墨がある牛はどこかのマフィアなのではと思わせる。だがその顔は黒狼を見るとみるみる柔らかく明るくなった。
「おぉお前帰って来たのか」
「っへへ。おっさん、いつもの牛乳くれよ。あ、おっさんのじゃねぇぞ」
「だぁから、いつも言ってんだろうが。俺からは乳は出ねぇって」
二人の会話からこの二人は前からの知り合いで仲が良い事が分かった。その穏やかな雰囲気に胸を撫で下ろすと蛙は牛を見守る。少しすると瓶を二つ持って戻って来た。
「ほらよ、そっちの蛙さんの分もな」
「あ、ありがとうございます」
「おいおいそんな硬くなるなって。こんな顔だが別に何もしねぇぞ」
「そうそう、顔は怖いが思ったより良い奴だからよ」
そう言う黒狼に怖いは余計だと怒る牛。ハハハと笑うと貰った牛乳をごくごくと飲み込んでいった。喉を通る度にとても濃い味が胃袋へ流れる。それに少し暖かくて今まさに絞ってきたのが分かった。
ぷはぁと口を離すと礼を言って瓶を返す。牛は蛙の嬉しそうな顔に思わずにっこりと笑った。
「な?美味いだろ?このおっさんの下のミルクも入ってるぜ」
「ばっ!お、お前な!変な噂立つから止めろって!」
真っ赤になって怒る牛。わははと笑う二人に呆れるとさっさと向こうへ行ってこいと追い出されてしまった。だが遠くで手を振る辺り怒ってはいないようだ。二人の関係が少し羨ましいと蛙は思った。
ようやく宿につく。蛙は礼を言うとそれじゃぁなと黒狼は離れていった。中に入ると山羊の宿主が居て泊まりたいことを伝えると鍵を渡してくれる。蛙は受け取ると一番奥の部屋に入り扉を閉めた。
「っは~。ようやくゆっくりできるわい」
リュックを下ろすとベッドに上がり横になる。天井を見ると少しぼぉっとしていた。頭にあるのは先程の黒狼だった。思い返すはミノタウロスとの戦闘。あんな風に自分は強くなれるのだろうか?今まで旅をしてきたがいつも負けてばかりだった蛙には少し焦りが生じていた。このまま集落に帰ってもきっと馬鹿にされる、やっぱり無理だったと言われる。それだけは絶対に嫌だ。蛙は首を振ると起き上がった。リュックからいくらか小銭を取ると部屋を出る。
椅子に座って本を読んでいる宿主に近づくと話しかけた。
「あ、あのぉすみません。この宿の場所を黒い狼に教わったんですけども……その狼がどこら辺に住んでるとか、分かりますかね?」
「黒い狼?っていうと、あのスケベな奴のことかな」
どうやら彼はスケベで少し有名なようだ。だが聞いてみるとそこまで嫌われてはいない様子だった。下ネタをよく言ってくるが、この宿の屋根が雨漏りしていた時も補修を手伝ったらしい。
「彼はこの町に住んでるのは確かなんだが、神出鬼没でね。それでいてどこに住んでるかは分からないんだ」
「……というと?」
山羊が言うには町のあちこちをふらふらしているらしい。夜でも歩き回ったりしてどこかにちゃんとした家を持っていないんじゃないかと言っていた。頭にホームレスなのかと思い浮かんだが、それはすぐに消し去る事にした。
礼を言うと蛙は外に出る。あの黒狼にもう一度会おうと思っていたのだった。せめて少しだけでもいいから教えてもらおうと。このまま闇雲にやっても上手く行かないだろうし、それならちゃんと実力のある黒狼に習おうと思ったのだ。
しかし探せど探せど一向に見つからない。町の人に聞いたりもしてみたがどこにもいないのだ。そんなに大きな町でもないし誰か一人くらいは見かけても良いのではと思うのだが、まるで消えてしまったように居なくなってしまった。
空はだんだんと暗くなり気づけば真っ暗になってしまった。道を歩く人も数が減り、街頭が空しく道を照らすだけだった。
結局一度も見つけることが出来ずとぼとぼ歩いて宿を目指す。その途中で朝来た牛小屋の前にいることが分かった。まだ小屋は明かりがついていて中であの牛獣人が何かをしている。気配に気づいたのか牛は外を見ると蛙を見つけ目が合った。作業を中断すると蛙の方へと歩いて行く。
「おぉお前さんはあいつと一緒にいた奴か。どうした?」
気さくに話しかけて笑顔を見せるが蛙の顔は晴れなかった。何かを察した牛はこっち来いよと敷地内に入れ、牛小屋の奥の方の壁に二人で凭れかかった。何かあるなら話を聞くぞと言われ、どうしたもんかと思ったが蛙は話すことにする。
「あぁ~あいつはまぁ中々見つからないだろうな。この町のどこかにはいるんだろうが、自分の住んでる場所を絶対教えたがらないんだ。この俺にもな」
断固として拒否をするのだという。いったい何故……?
「あいつがまだ小さい頃を知っているんだがな、今のあいつには家族はいないんだよ」
「え……」
驚いた蛙は言葉を失った。あまり他に言うなよ?と言われこくんと頷くと話を続ける。
「昔な、まだ小さい頃あいつの家に賊が入ったんだよ。金目の物を出せって。当然怖くなったあいつはすぐに親の元へ逃げた。家にいたのは父親だけだったが、その父親がな?あいつを突き出したんだよ。この子供をやるから助けてくれって」
まさか!と信じられない顔をする蛙。牛は当然の反応だろうなと溜息をついた。
「あぁ、自分の命欲しさに大事な息子を渡そうとしたんだ。確かに子供をそういう関係の奴らに売ればかなりの金になるかも知れない、だがそんな面倒な事は賊は望んでなかったようでな。子供……あいつを蹴り飛ばしたんだ。壁にぶつかりゲホゲホと咳き込むあいつ。それを見ても父親は自分だけは助けくれと言っていた。子供ながらにあいつの目にはそれがしっかり焼き付いていたようだ。結局、金は盗まれ父親は殺された。子供に興味が無かったのかあいつにはそれ以上は何もしなかったようだ。母親も、こんな事があってか帰って来なくて今は何処にいるのか分からない……。全部あいつが聞かせてくれたんだ。俺にはってな」
驚愕し何も言えない蛙の肩をぽんと叩く。牛は、あいつが楽しそうに笑ってるの見れて嬉しかったんだ、どういう関係か知らないが仲良くしてやってくれよ?と言ってきた。なぜ牛はあの黒狼にそんなにかまうのだろうか?心情を察してか少し赤くなって話した。
「まぁ子供の頃そういう事があってな、泣きじゃくるあいつを見て放ってはおけなかったんだ。町の連中はそんな見ず知らずの子供を養う余裕もないだろうし。独り身の俺は話し相手も欲しかったからそいつを自分の家に上げたんだ。少し位はと思ってたが、何だかよ……だんだんと情が移ってきちまって。気付けばデカくなるまで一緒にいた。んで、もう迷惑はかけられないと勝手に出て行っちまったんだ。だけどあぁやってたまに顔出してくれて俺をおちょくってくれんのさ。それがなんだか楽しみでもあってな。まぁ本当は一緒にいてやりたいんだが……俺を父親とは思ってはくれないようだ。そう思うともっと迷惑掛かるから今の関係でいてくれってよ」
へへへと笑うとこっ恥ずかしい話しちまったなと笑っていた。その優しさに感激すると蛙は意識する前に自分の事を話していたのだった。強くなる為に黒狼に格闘を教えてもらおうとしていたと。自分の人生でほぼ負ける事が決定していて、独学では強くなれないと。だから何としてでも見つけて、集落の仲間に馬鹿にされないようにしなければと急ぐように言っていた。情けないと蛙は赤くなっていたが感心したように牛は頷いた。
「凄いこった。俺には真似できんな。だけどよ、そんなに焦ることか?」
「……で、でも」
「まぁ、そんだけ負け続けたら気持ちも分かるが、焦った所で上手くいく保証なんてないんだぞ?ゆっくりやれば必ず上手くいくって訳でもないが、どうせだったらしっかり考えて冷静になってやった方が確率は上だと思うぞ?焦ると頭ん中の考えがブレちまうしよ、ちゃんとした判断も出来ず後悔するかもしれない。それだったらよく考えてやった方が例え失敗しても納得は出来るだろうさ。ちゃんと自分で考えて行った結果なのだから仕方ないってな。でないと後で、何であんなことしちまったんだってそんな事ばっかり考えちまうだろ?確かにあいつは強いみたいだが、だからと言ってあんたが今すぐ強くならなきゃいけない訳じゃない、そうだろう?なら、いつかは俺もって思ってゆっくりやればいいのさ」
「……う、牛さん」
「ん?おわ!な、何泣いてんだ!?俺酷い事言っちまったか?」
牛の言葉を貰った蛙はぼろぼろと泣いていた。先程の言葉が深く突き刺さり、それと共に砕けちった部分を優しく直してくれたのだ。牛の言う事は正しい。今まで集落の仲間にもどうせ無駄だと思われ飛び出してみればやはり無駄で。いつしか強くはなれないのではと諦めの気持ちがどこかにあった。それを牛はいとも簡単に丁寧に拭ってくれたのだ。今の蛙にはもう焦りは無かった。時間は掛かるかも知れない、もっともっとかかるかも知れない、それでも人のペースというものがある。誰しもが同じ個体ではないのだから違ってくるのは当然だ。なら自分自身のやり方でペースを掴めばいい、何もそんながむしゃらになって無理をする必要はないのだ。
気づいた時には牛に抱き着いていた。ありがとうありがとうと言ってぐすぐすと鼻を鳴らす。牛は困ったなぁと苦笑しながらも蛙の頭を撫でていた。どこか満更でもないようだ。そのまま少しの間蛙に胸を貸していた。
「すみませんなんだか……」
「いやいいって。気持ちが落ち着いたんならな」
牛はどこか嬉しそうだった。それを見て蛙も自然と笑顔になる。なんて素敵な人なのだろう、今日は良い日だ。晴れていくような気持ちにはははと声を漏らす。
「そういや何でお前さん服着てないんだ?」
「え?あ"っ!」
今更になって蛙は自分が上半身裸という事に気が付いた。いや、もしかしたら少しは気にしたのかもしれない、しかし町の中では同じように服を着ずに歩いている人もいた。だから別に大丈夫だろうと大して気にしてなかったのだ。だがよくよく考えてみればその人は結構な筋肉質だった。だから見栄えある体は着なくても様になっていた。しかしだ、蛙の腹や胸は脂肪がついて膨らんでいる。だらしない姿を今まで晒していたと分かった途端蛙の顔は真っ赤になった。そしてそこを指摘されて頭にここに来るまでの行為の事を思い出してしまう。
「い、いやこれは……」
「なんだぁ?どこかでしっぽりかぁ?」
慌てて違うんですと首を横に振った。しっぽりというよりずっぽりと入れられた事を思い出し、嘘をつく必要もなく誤解されないようにとこの町に来る前の事を話していた。途中ではっとしたが半ばやけくそ気味に説明すると途中で牛に止められる。
「も、もういいって!その……言い辛い事をありがとよ」
目を逸らし顔を真っ赤にする牛。いつの間にか両手を股に持っていき片膝を立ててその部分を隠している。不思議な顔で牛を見ると目が合い、あちゃぁと手の平を額に当てた。
「そのぉよ、魔物とやったって話……。あぁあれだ、雄同士ってなわけだが、俺もずっと一人だったしよ、まぁ男たるもの当然性欲も溜まるわけだがぁ……まぁ一人でするばかりなんだわ。そんな所にお前さんのそういう話を聞いちまうとよ、いっくら男だからって言われてもぉ……その……お、おっ勃っちまうっていうか……」
しどろもどろに話す牛に蛙はきょとんとしていたが、赤い顔のまま牛に問いかける。
「あ、あの……ワシで良ければ協力しますぞ?」
その言葉に何ぃ?と蛙を見る。こんなわしに話を聞かせてくれた、助言をくれた、おかげで心が救われたようだったと。その礼がしたいのだと言っていた。こんな事が礼になるのか分からないが、牛さんが満足するならわしも満足だと。
牛は待て待てと制止を掛ける。気持ちは有難いが嫌々じゃないのか?と尋ねる。お礼を返すという意味で仕方なく奉仕する、そんな牛ににこやかな顔で首を横に振った。
「もしも気持ち悪いとかで嫌なら勿論拒否してくれて構いませんわい」
「あ~……うー、まぁその、なんだ……」
牛はちらりと蛙を見た。
「た……頼むわ」
―――――――――――――――――――――――……
「んぶ……はぁ、んん」
牛小屋の後ろ、影となる誰にも分らないだろうその部分に二人はいた。蛙は石の壁に寄りかかり、その前で牛が壁に手をついて二人でキスをしていたのだ。顔を少し逸らし、互いにぴったりとくっ付け合いながら舌を絡める。
「んんっ」
牛の口の中に舌を入れるとぐるりと奥の方から全て巻き付けて擦る。少し顔を歪ませながらも牛は蛙の行為に身を任せた。擦られる度に唾液が舌全体から分泌し、蛙はそれを余すことなく拭っていく。蛙の舌からも唾液が溢れ、あっという間に二人の口は唾液でいっぱいになった。それをごくごくと飲みながら貪るように何度も深く顔を押し付ける。くちゅっくちゅっと粘質な音が当たりに優しく響く。
ゆっくりと舌を離すと互いの顔が離れ、だらりと唾液の糸が出来た。
「はぁ……こ、こんなキス初めてだ」
「お気に召しましたかな?」
「へへ、こんな歳でここまで緊張するとは思わなかったな」
ぎこちなく笑うと照れ隠しに頭を掻く牛。笑顔で返すと蛙は屈み、牛のズボンとパンツを一緒にずり下す。途端に周りに牛の股間付近の蒸れた臭いが充満する。それに気づいた牛はせめて風呂に入ってからの方がと蛙に言うのだが、大丈夫ですよとそれを止めた。
片手で一物を掴むと鼻先を根元に押し当てる。流石に外で作業をしていて汗を沢山掻いたこの部分はにおいがきつかった。汗と、この牛の雄特有のにおい。だが蛙は軽く咳き込むだけですぐに慣れ、それで気分を高めると口を開く。
両方の玉を口にいっぺんに入れると舌を伸ばし、根元に吸い付きながら口の中では舌を縦横無尽に動かした。舌を玉に巻き付けながら全て埋め尽くし、ぐにぐにと揉むように擦っては舐めていく。蛙の口にしょっぱいような味が広がり、においと共にそれを享受していく。中を動かしたり玉の真ん中をひたすら舐めたり。根元から伸びている皺の部分を伸ばし綺麗に舐め上げ、下の方に沿わすとべろべろと持ち上げながら舐めまわす。どれもこれも舌だけで行い、その肉質で熱くうねる舌の感触に牛は身震いした。
「や、やべぇなこりゃ……ま、まるで触手そのものだ。こんなのぁ……ま、漫画の世界だけだと思ってたがぁ、玉だけなのに気持ち良すぎて……腰が砕けそうだ……はぁ、くぅぅ……」
ぼたぼたと額から汗を流し、まだ一物には触れていないのにも関わらず牛は切羽詰まってくる。それを察した蛙は一度玉から口を離すと綺麗に唾液を拭い取った。
「ん……はぁ。次はこっちを……」
「あ、ありがとよ。だがぁ俺はすぐイッちまうかも知れないぞ?さっきだってかなり危なかったし……」
「ははは、わしの舌で気持ち良くなってくだされ」
大きく口を開けると舌を伸ばし一物にぐるぐると巻き付けていく。そのままゆっくりと回すように擦り上げ、舌先で亀頭をべろべろと舐めまわす。
「おぉ!がぁ!はぁはぁ!ま、待ってくれ!お前さんそれは……くぅぅ!」
拳を握って頭を垂れる牛。壁に両手をついているが完全に膝が笑っていた。手で支えていないとそのまま倒れてしまいそうな程であり、目をぎゅっと瞑って快感に耐えている。そんな牛をお構いなく奉仕する蛙。牛の一物は濃い味がし、歳を取っていると思わせるような染み込んだ味を蛙に与えた。思ったよりも気にならないらしく、血管の浮き出たでこぼこする竿や雁、海綿体のすべすべした所全てを堪能している。それはまるで牛の言ったように触手に飲み込まれた感覚だった。舌は根元まで唾液にたっぷり塗れ、熱く柔らかい感触。その舌が根元から巻き付けられてぐるんぐるんと擦り舐められているのだ。牛は尻尾をぶんぶんと振り体の震えも大きくなる。
「がぁっ!はぁぁ!」
大きな嬌声が上がり口と鼻から荒く息を吐く。ぼたぼたと口から唾液が垂れて止めることが出来ない。既に何度か我慢できず出しているがこれでも良く持った方だ。
「がっくそ!も……で、出ちまう……あぁ!あ"あぁぁぁぁ!!!!」
ビュルッビュルルルッッ!
ぐいっと背を仰け反ると盛大に射精をする牛。がくがく震えながら出していると蛙は嫌な顔せずそれを飲んでいった。ごくりごくりと音を立てて喉に通すと射精中も舌を離さず擦り続ける。舌先で鈴口を舐めまわし、口のあちこちに精液をまき散らす。
ようやく射精が終わると全てを綺麗にしてから口を離し、口の中の精液を堪能する。最初から最後まで味が濃く粘度も高い。まさに雄と思わせる精液にどこか満足気な蛙だった。
「はぁ……はぁ……」
「げほ、どうでしたかな?」
「か、蛙さんよ……あんたなんてことしてくれたんだ。これじゃぁもう……一人でやったって満足出来なくなっちまったよ」
牛の言葉にすみませんと苦笑する。そこで蛙は牛の股間に気が付いた。先程あんなに沢山吐き出したのにまだその一物は硬く勃起を続けていたのだ。気付かれた牛は顔を逸らすと何も言わずぽりぽりと角を掻く。そんな牛に可愛さを感じつつ近づいて牛を押し倒す。
「どうしますかね?」
「……その、まぁ……お前さんが嫌じゃなければ……」
「ははは、了解しました」
蛙はズボンをゆっくりと降ろしていく。顔だけ起こして見ていると蛙は全裸になったようだ。そのまま牛のズボンとパンツを下ろし切ると互いに裸になる。夜の外、こんな誰も分からない影の場所で男二人で真っ裸になる、それが二人の興奮をさらに高くしていった。
蛙は牛の腰の上に跨ると自分の手で縦割れを広げる。牛の目線丁度にあり、奥の方までしっかり見ることが出来た。
「あ、すみません……その、町に来る前にしっかりタオルで拭いたんですがね……」
縦割れの中は少し白濁の液体が残っていた。きっとミノタウロスの精液が少し残ってしまっていたのだろう。慌てた蛙だが牛はむしろそれが逆に興奮を煽り、今すぐにでも突っ込みたくなる。
「か、蛙さん……我慢できないって。そのまんまでいいからよぉ……つ、貫かせてくれ」
「……分かりました。ワシを……抱いてくだされ」
ズブブ……
「んあぁぁ!」
ゆっくりと腰を下ろすとその内部へと侵入させる。少しして完全入ると蛙の股間がぴたりと牛の股間にくっついた。すでに縦割れからは色々と混じった液体が漏れだし牛の玉へと流れていく。二人は互いの感触にぶるりと震えるとあられもない声を吐き出した。
「あぁぁ……な、なんてこった……はぁ。ヌメって締め付けて……おかしくなっちまいそうだ」
「お、大きいですわい牛さん……う、動きますぞ」
「ま、待ってくれ!あ、あぁぁぁ!」
牛の胸に手を置くとゆっくりと体を上下させる。ぬぷぬぷと音が鳴る度に泡立っては液体が溜まり横へと流れていった。中のヒダや熱、奥にある蛙の一物と擦れ合う刺激に牛は身悶えし我慢も忘れて声を荒げる。余程気持ち良いのだろう目も口も半開きだった。はぁはぁと息を吐き力を抜くと蛙の縦割れを堪能する。蛙も蛙で中で太く熱い一物が自分のヒダを擦っている刺激に赤い顔で嬌声を上げた。上下や前後と色々な方向に動かしては互いに刺激を貪り合う。
牛はその内蛙の胸を両手で掴む。
「あぅ、う……牛さん」
「はぁはぁ、どうせならもっと楽しもうじゃないか」
ぐにぐにと女性の胸のように優しく柔く揉む。それが気持ちいいのか蛙は艶のある声で色っぽく体を震わせた。途中から牛も腰を振り出し、辺りには雄臭さが溢れかえる。
「もう……くぅ……」
不意に牛は起き上がると蛙を抱きしめながらゆっくり前に倒し横にさせる。四つん這いになると地面に手をついて軽くキスをした。
「う、牛さん?」
「はぁはぁ、この先あるかわかんないんだ。今だけはこの俺に最高をくれねえかな、蛙さんよ」
言い終わるとずんと思い切り腰を落とす。その衝撃で蛙は甲高い嬌声を上げると牛は激しく腰を振り出したのだ。
ジュボッジュボッジュボッ!
「あっあっあっ!」
「はぁはぁはぁ!やばすぎる……ぐあぁぁ!き、気持ち良い!頭がぶっ壊れそうだ!はぁはぁ!」
少々乱暴になった牛はひたすら抉るように奥を掘り続けた。根元まで突き入れるとさらに入れようとして行き止まりの奥の肉を押していく。すると蛙の一物の根元に擦れ、そこに広がる無数のヒダが亀頭を包む。じょりじょりと擦れる度に牛はびくんびくんと体を震わせながらそれでも快感欲しさに出し入れをつづけた。
しかしこれ程の刺激をそう長く耐えられる訳もなく、牛はすぐにでもその時が来てしまう。
「あぁ!あ!駄目だ我慢が出来ねぇ!イク!イクイク……あぁ出る!あぁぁぁぁぁ!!!」
「わ、わしも!あぁイッちまうよぉ!んああぁぁぁぁ!!」
ゴポッゴポッゴポッゴポッ!
ずんと体を押し付けるとまるで潰すかのように力を込めて奥で射精をする。ごぽごぽ音を立てながら入口へと逆流する精液はぶぴゅっと飛び出て牛と蛙の股間を汚した。そのあまりの多さに一物も玉も全てが白く塗れ、蛙の太腿や尻の方へと被害を拡大していった。数秒間互いに抱きしめ合うとゆっくり引き抜く。ぬちゃりと音がすると縦割れからは沢山の精液の糸が伸びていた。
「はぁ……はぁ……」
息も絶え絶えな二人は視線を絡め、互いに何も言わずに顔を近づけてキスをした。その後で再びぎゅっと抱きしめ合うとお互いの心音を聞きながら余韻に浸る。
「か、蛙さんよ……凄く良かったわ……。もうやみつきになっちまったぜ俺は。こんなの……忘れられないって」
「ははは……ふぅ。わしも凄く良かったですわい。その……」
蛙は牛の瞳を赤い顔で見た。
「い、いつかまた……いいですかな?」
「へっへへ。あぁ、お前さんがしてくれるなら俺は大歓迎だ」
最後に短くキスをして終わりにしたのだった。
―――――――――――――――――――――――……
何とか落ち着いた二人はその場から退くと、牛は家に上がって風呂に入っていけと蛙に伝えた。まだ牛はもう少しだけ牛小屋で作業するから、好きに入っていっていいぞと。遠慮する蛙の肩を掴むと向きを変えてそっと押した。苦笑しつつもありがとうと礼を言うと蛙は牛の家にお邪魔したのだ。
シャー
「成り行きでエッチしてしまったが……うぅむ。わしは案外いける口なのかねぇ」
シャワーを浴びながら一人呟く。旅の途中で体を狙われることはあったが、男同士ということに対してあまり嫌悪感を持っていなかった。勿論付き合ったり行為をするのは女性の方がいいと思っているようだが、それでも蛙の中では男同士で行為をするのも悪くないのかもしれないと思い始めていた。流石に無理矢理は嫌らしいが……。
しっかり体を洗い、中の液体を全て洗い流すと風呂場から出て用意されていたタオルで拭く。横を見ると自分のズボンの他にランニングシャツが置いてあった。ここに来た時には無かったが……はて?
持って家から出ると牛が作業を中断して近寄って来た。
「おぉ来たか。それよ、お前さんにやるよ。裸でいるのは恥ずかしいだろ?その、気持ち良くしてくれたお礼だ」
「い、いいんですかね?」
「おぉよ!ただぁ俺のお古だからぁ、においとか汚れとかあるぞ?」
蛙は一度笑うと早速着てみる。大柄な牛のシャツは蛙の出っ張ったお腹でも余裕が少しあり丁度良かった。牛もうんうんと頷くと途中で蛙はシャツを嗅ぐ。真っ赤になって止めてくれと慌てる牛に素敵な良いにおいがしますよ?とからかうと真っ赤になってそっぽを向いてしまった。
「それじゃぁそろそろ行きますわい」
「あぁ。あいつに会ったらまた俺の所に顔出すよう言ってくれ。勿論お前さんも歓迎だ。まぁなんだ……どういう結果になるか分からんが仲良くしてやってくれ」
「こちらこそ、お二人さんには色々良い思い出を作ってもらいました。また……お会いしましょう」
お互いに頭を下げると蛙は歩きだす。街頭の下、蛙の顔はとても明るいものだった。
宿に帰り、宿主に一度頭を下げると借りている自分の部屋へ。電気もつけずにベッドに上がると天井を見続けた。あの黒狼は家族がいない。賊に入られ家族に裏切られ、無くした。それでも優しい牛の獣人に育てられ、今なおあんな風に仲良くやっている。
「世の中には良い人もいっぱいいるものだなぁ……」
行為の倦怠感が今になって蛙を襲った。ふぁぁと大きな欠伸をすると体に布団を掛ける。ここに居ない牛や黒狼におやすみなさいと言うと静かに瞼を閉じたのだった。
次の日になって蛙は宿の外に出ると驚いた顔をした。
「お、お主……」
「よぉ蛙さんよ。元気してたか?」
目の前にいたのはあの黒狼だったのだ。へへへと笑って腕組みをしている。昨日さんざん探して見つからなかったのにいったいどこにいたのか?こうもあっさりと目の前に現れるとがっかりしてしまう。蛙の心情を知らない黒狼はきょとんとした顔で見ていた。
しかし見つかったのだからそれはもういい。蛙は一度宿の中に一緒に来てくれと言うと黒狼を招いた。それに続いていく黒狼。一緒に部屋に入るとばたんと扉を閉めた。
さて……と蛙は息を吐く。どこから話し始めようか?
「昨日なんだがね?わしはお主を探していたんだよ」
「俺を?何で」
事のあらましを話す。黒狼の実力を見て蛙はそのコツなどのアドバイスを……と言いかけて首を振り正直に色々教わりたいと話した。それはたった一度のこの場限りではないことを意味した。しかし見つからなく夜に牛の家に立ち寄り、そこで黒狼の事を聞いたと。
話を聞いた黒狼は驚いた顔をしていた。自分の過去を知っているのかとあのへらへら顔から急に真面目な顔になる。その違いに少し驚くがこくん頷くとはぁぁと溜息をついて額に手の平を当てた。
「……そうかよ。ったくあのおっさんめ。勝手に話しやがって」
「ち、違うんだ!わしが興味ありそうな事を言ったから!あの人は悪くは――」
「分かってるって。別に悪いとは言ってないだろ?」
どこか諦めたように苦笑する。先程の少し怖い雰囲気は無くなった為にほっと安堵した。それならばと黒狼は話を続ける。
「こんな変な奴で得体のしれない俺なんだぞ?危ないと思わないのか?」
その言葉に首を横に振る。もう一度危ない目から助けてもらったし、色々聞いて黒狼は悪い奴ではないと分かっていると。少しスケベだがそんな所も可愛らしいものだと言うと頬を染めてそっぽを向き耳を掻いた。それが何となく牛の仕草と被り、心の中で血は繋がらずとも似てくるものなのだなと一人でうんうんと頷いた。
しかし黒狼はうーんと唸る。
「俺教えるったって何も出来ねぇよ。好き勝手やってきてこんな状態だし、あ!ナイフの扱いなら多少は教えられるぜ?」
「格闘にするわい」
「……ちぇー」
得意な方を教えられない事に不満げな顔をしたが、少し考えるとやれやれと肩を上げた。ただし俺が下手くそで何一つ分からなくても俺のせいにするなよと黒狼が言うとこくんと頷く。
「分かった。だけどよ、それはもう少し後にしてくれないか?」
黒狼は実は……と話し出す。それは仕事の話だった。
「この町には酒場があるんだけどよ、そこに仕事の依頼の紙が貼られた掲示板があるんだ。そこに色々な仕事があって、皆自分のその時の気分でやっていくんだ。俺も例に洩れずだな。少し手持ちの金が少なくなったから仕事をしようと思ってるんだ」
それを聞くと蛙はならば是非わしにも手伝わせてくれと言ってきた。いきなりで驚いたが蛙はお礼も兼ねてだと言う。二人でやれば速く片付くだろうしそれだけ楽に終わらせられるって。しかし自分が稼ぎたいが為に働くのに手伝うだなんてと渋る。いいからいいからと蛙がまじまじ見ると、完了した際のお金は俺が全部貰うからなと言ってきた。蛙は初めからそのつもりだったと言うとお手上げであり、分かったというしかなかったのだ。
色々決まって二人は宿に出る。黒狼に案内されると酒場に着いた。中に入るとまだ朝だがそれなりに人が居る。既に仕事を終えたのかビールジョッキを片手に騒いでいる者がいた。他にも何人か居ては掲示板を見たりうろうろしていた。
「ん?あぁ君か」
「よ!マスター」
カウンターでジョッキを拭いていたのは馬獣人だった。綺麗に整った服装で黄色く長い髪を縛っている。やはり黒狼の事は知っているようで笑顔で話していた。その内蛙の方を向くと初めましてと礼儀正しく挨拶をしてくる為蛙もそれに答える。
「何しに来たんだ?言っておくが……こっちには入ってくるんじゃないぞ。君はいつも私のその……」
言い澱む馬に蛙ははてなを浮かべる。
「今日はからかいに来たんじゃないって。でもマスター俺に股間触られるの満更でもなさそ――」
「そ、そんな訳ないだろう!」
蛙を見て慌ててそんな事ないですからね?と念を押してくる。はははと笑いながら分かりましたと言うと馬は真っ赤になってぶつぶつ文句を言っていた。黒狼はそっと蛙に「中々可愛い奴だろ?」と耳打ちし、蛙も思わずこくんと頷いた。
少し遊んだ後は横にある掲示板に行く。今はあまり枚数が無く、その紙の内容も荷物運びや片づけの手伝い、掃除をしてくれだのさらには子供のような字で遊んでと書かれていた。しかし一枚だけ、妙に綺麗な字で、山賊退治と書かれていた。その下に詳細が書かれていて、この町に来る道の途中で山賊が出没するという事を書いてあった。二人は顔を見合わせると黒狼がそれを手に取る。
「これやるのかい?」
「少し話を聞いてみよう」
紙を持って馬の所に行くとこの仕事について聞いてみた。
「あぁ……それは私が書いたんだよ。いやね、結構前からこういう被害は合ったんだ。だけど数こそ少なかった。それで、最近は全然そういう被害も聞かなくなって恐らく誰かが退治でもしてくれたかどこかへ行ったかだろうと思って安心してたんだ。だけどこの前また現れたって聞いてね。しかも連日だ。今日はまだ被害を聞いていないが……昨日もあってもう一週間連続だ。小さな町ではあるが行商人や旅の者も来てくれる。だけどここに来る道でそんな事があったら誰もこの町に立ち寄らなくなるし変な噂も流されるかもしれない。町の人も困ってるし見かねて私が依頼書を書いたんだよ。本当は私が退治出来ればいいのだが、君みたいに腕っぷしがある訳でもないだろう?でもだからと言って山賊退治だなんて危ない事頼める訳もないし、恥ずかしいが誰かが紙を見て何とかしてくれないかと待っていたんだよ」
二人とも初耳だった。蛙と黒狼がこの場所へ来る時にはそういう被害には合わなかった為考えもしていなかった。ただ運が良かったのか、それとも黒狼を見て襲わなかったのか……とにかく今はそういう被害が続いていて困ってるという事だった。
馬も退治してくれれば報酬はたっぷり出すという。だが無茶はしないでくれよと言っていた。強制ではないし怪我をしたら心配だからと話す。
「どうするんだね?」
「皆困ってるって言うんじゃなぁ。他に当てもないし……俺がやるよ」
その言葉に嬉しがる馬。君なら大丈夫だろうと。しかし心配なのは黒狼だった。これを聞いても蛙はまだ手伝うつもりだったのだ。二人は一度酒場を出ると外で歩きながら話す。
「なぁ蛙さんよ、本当にやるのか?俺は別に自分の事だしいいんだけどよぉ。あんたの方が心配だぜ」
「大丈夫だって。なに、足を引っ張ったりしないよう頑張るから」
ほとほと呆れた黒狼はもう言わないと言って了解したのだ。その後、二人は準備をして紙に書いてあったよく被害にあう場所へと向かった。
確認しながら道を歩いていると町から大分離れていた。道の両方は鬱蒼とした森となっている。
「ここら辺みたいだ」
紙にバツ印で被害にあった場所が記されていた。全く同じではないが大体の被害はここら周辺だった。山賊退治と言ってもどうするか、蛙は黒狼に聞くと驚く答えが待っていた。
「どうするって。ここで襲ってくるのを待つんだよ」
「えぇ!?さ、探したりしないのかね?」
「探すって言ったってこんな森じゃどこを探していいか分からないし、適当にやっても見つからないだろ?それに森の中で襲われたら視界も悪いし動き辛いし。だったら襲ってきたのを返り討ちにした方が楽じゃないか?」
黒狼が言っていることはもっともだった。うぅむと唸るが他に手段も見つからず蛙も分かったというしかなかった。
近くの草むらの上に腰を下ろすと襲ってくるのを待つ。気を抜かないようにしつつ周りをきょろきょろ見回すが変化は特に見られない。焦っても仕方ないしと黒狼が後ろに手をついたその時だった。がさりと音がしてはっと二人でそちらを向く。しかし出てきたのはただの鳥だった。空中に優雅に羽ばたく姿を見てほっと胸を撫で下ろす。
「何だか心臓に悪いわい……」
「ははは、そうだな――」
ガサッ!
突然大きな音がした。振り向く間もなく蛙は肩を掴まれ引きずられていく。はっとして黒狼が立ち上がるとすぐさまその何かにナイフを手に持って攻撃をしようとした。
「おっと待ちな。こいつがどうなってもいいのか?」
「う、うぅ……」
蛙は立たされると喉元に大きめのナイフを当てられる。そこに居たのは猪獣人だった。それも一人じゃない。気付けば周りにもう二人いて蛙と黒狼を囲んでいる。
「っち」
「す、すまん……足手まといにはならんつもりだったのに」
悲しそうに呟く蛙に猪達はニヤリと笑うとポケットから何かを取り出す。即座に黒狼は構えるがそれは攻撃用の物ではなかった。地面に思い切り叩きつけるとそこからもくもくと煙が立ち上る。
「こ、これは!?」
あっという間に視界がゼロになり、ゲホゲホと咳をする黒狼。しまったとにおいを嗅ごうとするがそれをすると煙が入り、呼吸も苦しい。足音も聞こえず何とかその煙の外へ出ようと走り出す。しかし向かった方向が悪かったのか、太い木の幹に頭をぶつけてしまいふらふらとその場に倒れてしまったのだ。
「おら!こっちにこい!」
「ひぃ!」
猪三人に連れられる蛙。手は後ろ手に縛られ、首にロープを巻かれて引っ張られていた。まるで罪人が処刑台に行くような姿であり、表情もそれだった。
蛙は酷く自分を責め立てていた。わしがいたばっかりに……わしのせいだ……全てわしがいけないんだ……。自虐の言葉が止まらず涙が出そうになる。あの黒狼は大丈夫だろうか、頭にはそればかりが思い浮かぶ。
暫く歩いた後に連れてこられた場所は洞窟だった。中を見ると所々壁にランタンが掛けられて周りを橙色に染めている。連れられるまま中に入り、垂れ下がるカーテンを何度かくぐるとやがて止まる。
「ボス!こんな奴がいましたぜ!」
猪の一人が声を上げるとうむと答えた。目の前には他の猪よりも大きい猪の獣人が座っていた。ズボンは穿いているが上半身は裸であり、腹が出ているが腕や首は太く逞しい。首には青い玉のネックレスをしている。鋭い目付きが怖い印象を持たせ、威圧感がある姿だった。
一瞬で蛙は怖くなる。恐怖心にがたがたと体を震わせた。
「すんませんボス。もう一人居たんですがそっちは少し出来そうで面倒になりそうだったので」
「あぁ構わん。しかし何も持ってなさそうだなぁ?」
手下の一人が体を弄る。言われた通り蛙は金になりそうなものは何一つ持っていなかったのだ。ポケットには少しの傷薬と小さめの菓子パンだけ。そもそもずっとその場にいず来なければ一度帰るつもりだった為にあれもこれもは持ってきてなかったのだ。
「しけてんなぁお前!ったく、捕まえるんじゃ無かったぜ」
げしっと後ろから蹴られて頭を地面にぶつける。下から見る猪のボスはとてもとても恐ろしい物だった。言葉も出せず立ち上がる事すらできないでいると猪のボスは近寄って頭を掴み立たす。
「蛙族が何でこんな所をうろうろしているんだ?」
「そ、それはその……旅の者でして……」
「ほぉ?どういう理由でだ」
そ、それは……と言い渋るが後ろでさっさと答えろと急かす。ぎろりと光る眼を見て思わず蛙は自分の事をそのまま喋ってしまったのだ。
「蛙族一の格闘家?なるほど、それは面白い」
猪は近くにあるナイフを取るとロープを切った。いきなりの行動に子分はその場に立ち尽くす。
「いいだろう、俺様と勝負しろ。もしお前が勝ては見逃してやる」
「え?」
驚く蛙に猪のボスはにんまりと笑った。
「だが、お前がもう戦えない程に傷付き、負けを認めたら……お前の事は俺達が好きにさせてもらうぞ。聞けば……蛙は色々女とは比べ物にならないと聞くからな」
ぞっとする蛙。頭の中に負けた自分の姿を思い浮かべ、思わず蛙はその場から逃げ出した。しかし出口には当然ながら子分の猪が守っていて捕まると蹴られて戻される。
どうしようどうしようと一生懸命考えるが打開策が見つからない。こんな大きな猪勝てるわけがない、力もありそうだし……きっとボコボコにされてしまう!
「どうした?やらないのか?」
「う……あ……」
拳をぎゅっと握るともう自棄になっていた。黒狼の事を思い出して現状少しでも役に立ちたかったのだ。ここで傷を負わせれば後の戦闘が楽になる。少しでも、ほんの少しでも……。そう思って思い切り飛び込んだ。
近くに行くと拳を繰り出し、思い切り蹴りを放つ。しかし見かけによらず猪のボスは動きが素早く攻撃が当たらない。冷静にと心で呟くと一度距離を取り、得意のジャンプで撹乱するように飛び跳ねる。頃合いを見て蛙は空中から重力に任せて蹴りを放つ。
バシッ!
「なっ!?うわぁ!」
しかしその蹴りは読まれていたのかあっさり防がれ、足首を持つと地面に思い切り叩きつけた。その後も離さずばんばんと壁にぶつけ、思い切り投げ飛ばした後に走ってきては蛙をその出っ張った腹で圧し潰す。だが攻撃は止まず片手で頭を壁に押し付けると顔や腹や足をひたすら殴っていった。
十数分だろうか。それは戦いというにはあまりに一方的で悲惨な物だった。
蛙はすでに息も絶え絶えで体中痣だらけ、口から血を垂らしぜぇぜぇと横になって息をしていた。それを見下ろす猪達。情けないだの格好悪いだの言いたい放題言って馬鹿にしている。そんな蛙に近づく猪のボスは頭を掴むと持ち上げた。
「……どうする?」
「げほげほ、う……うぅ」
恐怖心がいっぱいにまで溜まった蛙は当たり前のように参りましたと言った。それを聞いた瞬間猪のボスは蛙を担ぐとこいつを連れていくと子分達に伝えた。後はいつも通り見張りをしておけと。どすどす歩く猪のボスはカーテンを退けてさらに奥の部屋へと移った。そこには床に藁があり、どこから仕入れてきたのかベッドまで置いてある。そのベッドにどさりと蛙と投げた。
「もうお前は俺様の物だ。逃げられるとは思うんじゃないぞ?」
「た、助けて……」
「がはは!その内逃げるのが嫌になるさ!なぁに……たっぷり可愛がってやるよ……」
―――――――――――――――――――――――……
「んんっん、っぷは!止めてく……ん!」
ボスは蛙に覆い被さるとマズルを合わせ舌を突っ込んでいく。上下左右色々な場所へ動かしては舌でべろべろと舐めまわす。蛙の舌を掴むとその表面や裏までも舐めまわし蛙の唾液を拭い取って飲み込む。逆にボスも蛙の舌を伝わらせて喉へと唾液を流し込んだ。涙目になりつつも力では敵わないことが分かっている為に我慢して飲み込んでいく。喉を通るとゲホゲホと咳き込み嫌悪感を露にした。
満足したのか顔を離すと一度立ち蛙の胸に近くに座る。両手で蛙の胸を掴むと揉みながら横に押した。
「おい蛙。舌をここに出せ」
少し躊躇したが言われた通りに舌を出す。胸の谷間に置くとその上に一物を乗せて脂肪のついた胸で挟み込む。そのままボスは腰を振り、柔らかな胸の感触とネバついた舌の熱さを楽しむ。ずんずんと動かす度に粘質な音がぬちゃりと洞窟内に反響する。
「へっへ、気持ち良いぜ……。便利なもんだなぁ蛙の舌ってのは」
舌を通じてボスの一物の味が蛙の口に広がる。しょっぱく雄特有の味とにおいに思わず咳き込みそうになる。涙を流しながら嫌だ止めてくれと言うのだがそれも上手く言葉にならない。なったとしてもきっと止めはしないのだが。
「っはぁ!これだけでもイッちまいそうだが……せっかくだ。俺様の雄汁をくれてやるよ」
ぱっと手を離すとそのまま後退りして蛙の下半身へと移る。片手で縦割れを開くと容赦なくその中へと太く熱い一物を突き刺した。
ズブッ!
「んひあぁぁ!」
「こりゃすげぇ!女とは比べ物にならねぇ……ぐぉぉ!はぁ!」
すぐに虜になったボスは激しく腰を上下に振る。根元まで突き入れるとぬちゃっぬちゃっと音がして周りに液体が飛沫となって飛んでいった。腰を離す度に長く粘着質な糸が出来る。既に縦割れの周りはびちょびちょになっていた。ボスは蛙の口に指を突っ込むと舌を引き出す。その長い舌の先をぱくっと口で咥えるとちゅうちゅうと吸い出した。そのまま途中の部分を手で掴むとごしごしと一物を扱くように擦る。ヌメる舌は摩擦が無く滑りが良い。しかしこんな事をされたことがない蛙は色々な刺激や味に気が狂いそうになっていた。唾液が舌から分泌し蛙の体を汚していく。
「ひあぁ!あ!あぁ!はへへ!ほはへふ!ほはへふぅ!」
「んんっ!はぁ!いいぜ!楽しいぜ!こりゃいい玩具を手に入れたもんだ!」
そう言うと再び舌をしゃぶりながら胸を揉み、腰を速くする。無理矢理犯されているのだが蛙も場所が場所だけに徐々に快感を感じ始め、息が荒くなっていき嬌声を上げる。それを聞いたボスはニヤリと笑うと掘り進めるようにして腰を突きだした。
「んんひあぁぁ!」
「ほら!イッちまえよ!俺に掘られて出しちまえ雌蛙!」
深く入れられると蛙の一物と擦れ合う。既に蛙は中で勃起していて擦れる度に体を震わせた。脈打つ一物と自分の縦割れ内部のヒダで包まれ、蛙は大きくびくんと跳ねると声を荒げる。
「あぁぁ駄目だイッちまう!止めてくれぇぇ!」
ビュルッビュルッビュルッ!
蛙は叫ぶとベッドのシーツを掴みながら縦割れの中で精液を吐き出した。小刻みに痙攣をしながら射精の余韻に浸かる。しかしボスは止まってはくれなかった。
「おぉすげぇ。熱い雄汁が溢れてくるぜ。がはは面白れぇぞ。おらどうだ?どうだ!」
「あぁ!あっ!止め……ぐぅ!も、出たのに……あぁぁ!」
射精後の敏感な所を刺激されて痛みさえ感じそうになる。そんな苦しむ蛙をボスはとても楽しそうに眺めていた。真っ赤な顔で歯をむき出しにし、蛙の体に体中からの汗を垂らしていく。そろそろ限界なようで表情も険しくなり焦りを感じるものになった。
「はぁはぁはぁ!イクぞ!種付けだ!中に出してやるからな……イクッ!ぐぉおおおおお!!」
ゴポッゴポッゴポッ!
ずんと差し込むと蛙を押しつぶしながら縦割れの中に射精をした。出す度にごぽごぽ音が鳴り結合部から溢れ出ていく。蛙は熱い液体の感触に体を震わせながら泣いていた。こんな山賊の奴らに無理矢理犯されて中に出されるだなんて……。プライドが傷つけられて涙が止まらなくなっていた。
はぁはぁと荒い息を吐きながら腰を上げる。ぬぷりと音がすると精液がごぽっと噴き出てきた。
「もう完全に雌だな。いいぜ、俺の女にしてやるよ」
「い、嫌だぁ……止めてくれよぉ……」
「っへ!そそるぜその表情。だが今は休憩だ。その間他の奴に可愛がってもらえ」
ボスは動けない蛙を担ぐとカーテンを開けて出て行く。まだ終わらないのか……この後は子分達に……。蛙は完全に気落ちしショックで暴れる事さえできなくなっていた。
―――――――――――――――――――――――……
「っ!こ、ここは……?」
ふと目を覚ましたのは黒狼だった。いったい何が起こったのか頭をさすりながら立ち上がり思い出そうとする。ゆっくりとだが徐々に鮮明になっていく記憶。それと共に顔が歪み額に汗を掻いていった。
「山賊の奴ら……!助けなくちゃ。だけど、においも足跡も分からねぇ。くそ!」
手がかりがないことに苛立つとどうすればと悩む。しかしいくら考えても方法が思いつかなかった。こんな場所でどうやって……?その内黒狼は苛立って叫ぶと森の中へと入っていく。何もせずじっとするよりも闇雲でも探した方がいいと考えたのだ。鬱蒼と生い茂る木々を避けながら歩くが、場所が場所だけに歩き辛い。時折蔦や木の枝に引っかかっては転びそうになる。本当に見つけられるのかだんだんと不安になる黒狼はどこか心細い気持ちになった。
俺のせいだ……あの時止めておけば、いや……俺なんかに出会ったから……。
黒狼は自虐的になっていた。こうなったのは自分のせいだと。賊に入られて一人になって、牛獣人に育ててもらったが本人は迷惑を掛けたと思っている。そして今度は蛙にも……。自分の不幸体質を呪い、こんな事になるなら誰とも会わない方がいいのではと思えてくる。俺は迷惑を掛けてばかりだ……一人呟くと涙目になった。
―――――――――――――――――――――――……
「んぶ!ん!はぁ!んん!」
一方蛙は今まさに犯されている最中だった。あの後猪のボスは見張りの子分の元へ行くとどさりと蛙を地面に落としたのだ。俺様は少し出かけてくるから帰ってくるまでお前達で遊んでいいぞと言っていた。それを聞いた子分達は喜び、すぐにでも興奮しだしたのだ。
一人が上半身を起こさせるとズボンを脱いでその口に突っ込む。他の二人も横に並び、蛙の目の前には三人の一物があった。両手と舌を使って順番に奉仕していく。当然嫌なのだが数でも力量でも勝てない蛙はこれしか助かる方法が無いと思っていた。涙を流しながらひたすら雄の汚い部分を綺麗に舐めていく。
「しっかり味わえよ?俺のちんぽをよ」
蛙の舌を掴むと自分の一物にぐるぐると巻き付ける。そして舌の上から掴むと道具のようにぐちゅぐちゅと扱きだしたのだ。その感触に猪はぶるりと震えて口から涎を垂らす。半目になった顔は恍惚状態だとすぐに分かった。他の猪はその顔を見てずるいずるいと変わるよう急かす。
「ま、待てって!これは気持ち良すぎて……やべ、イクッ!」
ビュルルルッ!
体を丸めると蛙の口目掛けて射精をする猪。あっという間に顔は精液で塗れ、口の中に精液が溜っていった。猪はまるで雑巾のように乱暴に舌で一物を綺麗に拭うと間髪入れず他の猪が舌を掴んで巻き付ける。そして同じように扱きだす。
「がぁぁ!なんだこれ、気持ち良すぎるぜ!うはぁぁすげぇぇ」
げへへと下種な笑いを浮かべると行為に没頭する。蛙はすでに考えるのを止め、目が虚ろになってきていた。舌がぴりぴりと痺れだし味がだんだんと分からなくなる。それでも手で扱くのを止めず涙を流し続けていた。
―――――――――――――――――――――――……
あれから何時間経っただろうか。はぁはぁと木の幹に寄りかかる黒狼。空を見上げるとすでに橙色になっていた。もう少ししたら暗くなるだろう。そしたら見つけるのはさらに困難になる。そんな状態での救出など不可能だ。焦り切羽詰まってくる黒狼は息を荒げていた。目をぎゅっと瞑ると両手で頭を叩く。
「くそ!くそ!俺は……俺は!」
なぜこんな事になったのだろう。俺は誰かを愛してはいけないのだろうか。手間のかかる餓鬼なのは分かっている。それでも甘えたい時はある。だけどそうすることでこんな事になるなら……どうせ俺は親にすら愛されていないんだ。俺を愛してくれる奴なんて……。
地面に膝をつく黒狼。ぐすぐすと鼻を鳴らしながら涙を流した。誰も助けなど来ないこの状況で何かに縋ることも出来ず、ただただ自分を罵倒し続けた。いっそのこと死んでしまった方がいいのではとさえ思えてくる。この世に生まれるの間違ったのかとさえ……。
「誰か……俺を……」
その時何かの音が耳に入って来た。いったい何の音だと泣くのを止めるとゆっくりとその音へと近づく。徐々に音ははっきりとしそれが粘着質な音だと分かった。それと共に雄特有のあのにおいもしだす。思わず顔を歪めるとついにその場所を発見した。
「あっ!」
―――――――――――――――――――――――……
「しっかり締め付けろおら!」
「はぁやばい……蕩けそうだぁ」
黒狼の目の前にいたのは蛙と猪三人だった。あの山賊と捕まった蛙だ。しかし黒狼は喜びよりも目の前の光景が衝撃的過ぎて放心状態となっていた。少しして我に返るとすぐさまバレないように太い木を見つけて隠れる。横からちらちら覗きながら黒狼は機会を窺っていた。
「ゲホゲホ!も、飲めない……止めてくれぇ」
「うるせぇ!俺達が満足するまで終わらねぇぞ」
横になる猪の上に座る蛙。その下では猪の一物が肛門を貫きぐちょぐちょと白い液体を流していた。そして蛙の大きな腹や胸に抱き着く猪がいる。その猪は蛙の縦割れに一物を突き刺していたのだ。その横で猪は蛙の口に一物をしゃぶらせている。一人で三人に奉仕し犯されていたのだ。
黒狼は目を見開いてみる。しかし助けには行けなかった。その行為を見て顔を真っ赤にし、駄目だと思いつつも股間は立派に山を作っている。耳を塞ぎ目を閉じても聞こえてくる音。こんな時なのに体は勝手に動いていつの間にか股間を晒している。そして勃起した一物を掴むと見ながら静かに手で扱く。はぁはぁと息が荒くなり今はもう目の前の行為に夢中になっていた。
「おらイクぞ!ぐおお!」
三人がそれぞれ果てて射精をする。口に肛門に縦割れ。入りきらない精液がごばっと溢れだして蛙を汚していった。暫くだし続け終わると猪が入れ替わる。
「もぉ嫌だぁ!頼む止めてくれぇ!」
無様に泣きながら助けを乞う蛙を笑う猪。当然許される訳もなく違う猪の上に仰向けに横にされた。再び肛門に一物が侵入するとぐぶぐぶと動き出す。その感触に短く嬌声を上げる蛙。さらに蛙の上にもう一人乗ると縦割れに一物を入れていく。サンドイッチのように上と下から挟まれ、上下で穴を貫かれていた。これだけでもかなり苦しいのにさらにはもう一人が蛙の顔の上に跨ぐ。そのまま口に一物を無理矢理入れていったのだ。
「んお!ん!んん!」
乱暴にあらゆる所を刺激され、泣きながらだんだんと目が閉じていく。それは諦めの意思とも読み取れた。早く助けなければと思う黒狼だがどうしても手が止まらないのだ。現状の光景を見てそれで扱くことで性的快感をとても感じている。はぁはぁと涎を垂らしながら凝視していたのだった。
黒狼の前で猪達が果てる。一つの塊となって震えびくびく痙攣をしていた。蛙は顔や股間周りがヌルヌルに汚されて、蛙の意識もだんだんと遠のいていくのが分かる。流石に不味いと思った黒狼はごくりと生唾を飲むと猪達が退くのを待った。今の黒狼は冷静だった。猪が果てる時、一緒になって果てたからだ。
もそもそと動きながら猪達は地面にへばって横になる。大分長い事行為をしていたのだろう息も絶え絶えだった。今がチャンスだとばかりに片手にナイフを持つとその場から走り出した。
「んぁ?なんだ?」
「うぉぉぉ!」
猪は黒狼を見て驚く。すぐさま行動に移ろうとするのだが疲労が凄まじく上手く動けない。その間にも黒狼は近づき、一人の猪を切りつける。
ザシュッ!
「ぐあぁぁぁ!」
鼻先を切られ悶える猪。黒狼は目を細めるとぐっとナイフを握りしめた。それはまるで決心したかのような鋭き目だった。
「やめ……ぐあぁ!
動けない事をいい事に一人一人確実に仕留める。自分でナイフは得意と言っていただけあってその動きに無駄は無かった。そして狙うべき場所も的確だ。ほんの少しの狂いもせず猪の心臓をナイフで貫いていた。
全てが終わるのに十分もかからなかった。気付けば周りには血だらけの猪が倒れているだけ。いきなりの事に蛙は訳が分からず放心していたが、黒狼を見ると我に返った。
「あ、あぁ……わしぁ」
「すまん蛙さんよ、俺のせいで……」
「……い、いいんだ。それよりも」
蛙は気怠そうに立ち上がると黒狼に説明した。ここにはまだ一人、猪のボスがいると。今は外出中でいないがその内戻ってくるだろうと。それを聞いた黒狼はならすぐにここから離れようというのだが蛙は首を横に振った。
「わしが囮になる」
「え!?」
「わしは……弱い。それにすでにその、犯された後だ。どういう行動をとるか分からんがわしなら危険はないと思うだろう。それに奴の注意も引ける。お主は陰に隠れて様子を窺っていてくれ……わしにはそれしか協力できんから」
「で、でも……」
「頼む。少し位役に立たせてくれ」
にこりと笑うと頷く蛙。涙が出そうになるのを我慢すると分かったと言ってその場から離れたのだった。
その場に待機する事1時間。じっと様子を窺い帰ってくるのを待つ。するとがさがさと音を立てながら猪のボスが帰って来たのだ。目の前の血だらけで死んでいる猪を見ると少し驚くがすぐさま元に戻った。
「お前がやったのか?」
「い、いや違う……わしはその、犯されて気絶していて……気が付いたらこんな事に……」
猪のボスは周りをきょろきょろ見るが大して興味が無さそうに歩き出す。死体の猪の足を踏みつけて蛙を掴むと洞窟内へと入っていった。黒狼は遠く見えなくなると入口に近づいていく。
「……あいつ、自分の仲間が殺されて何も思わないのか」
胸糞悪くなった黒狼は顔が歪む。こんな奴と一緒にいたらあの蛙もいずれ殺される。そう思うと胸がざわついた。だが焦ってはだめだ。チャンスを待つんだ。深呼吸するとゆっくりと洞窟の中へ入っていった。
慎重に壁に手をつきながら歩き、垂れ下がるカーテンの隙間から中を覗く。一番広い場所に出たがここには居なかった。その横にさらに奥へと続く穴がありカーテンが垂れている。そこから声が漏れていた。きっとあそこにいる。足音を立てないようにその場所に近づいて隙間から覗いた。
「あっあっ!ぐぅ!」
「はぁはぁ!」
二人はベッドの上で行為の真っ最中だった。猪のボスが蛙の上に乗っかり縦割れに突っ込んでいたのだ。顔が赤くなる黒狼。だがぶんぶんと顔を振るとぐっとナイフを握った。
「あ?誰だ」
「しま……っ!」
突然振り返る猪のボス。そこで黒狼を見つけると面倒そうに立ち上がり、近くに立てかけていた斧を手に取った。
「お前が外の奴らをやったのか。っち、俺様の楽しみを邪魔しやがって」
勢いよく振りかぶると黒狼に向かって走りだす。ばっとその場から離れると広い洞窟内で様子を窺った。カーテンを切り裂き中から猪のボスが出てくる。黒狼の頭一つ分の大きさだった。両手で斧を握りしめると黒狼に近づいていく。その速さは黒狼が思ってるよりも随分速い。
「おらぁ!」
「うっくっ!」
ばっばっと攻撃を避ける黒狼。しかし猪のボスの動きはまるで慣れているかのようであった。隙を突いて黒狼も攻撃するのだが、躱されたり斧で受け止められてしまう。互いに攻防が続き時間だけが経っていく。二人は間合いを取るとはぁはぁと息を荒くしていた。
先に動いたのは黒狼だった。この猪は速いと分かっている為それ以上の動きを出そうと努力する。しかし疲労が溜まり思うように攻撃が定まらずやはり体には当たらない。そして不運にも地面の盛り上がった土に足を取られてしまった。
「おわっ!」
「うらぁぁ!」
頭上に掲げられる斧。今のままでは避けきれない。そう悟った黒狼は思わず両腕で防御姿勢を取る。
「死ねぇぇ!!」
その時だった。奥の部屋から蛙が飛び出し、近づくと大きく口を開いて舌を伸ばす。ぐるんと手と斧に巻き付けると舌をぴんと張った。
「て、てめぇ!」
「ぐぐ……」
黒狼ははっとしてその場から立ち上がるとナイフを握りしめた。
「やめ、止めろぉぉ!」
「うぉぉぉ!」
ドスッ!!
「ぐああああああ!」
雄たけびを上げるとそのまま口から血を流して後ろに倒れる猪のボス。どすんと洞窟が揺れるような振動が起きた。二人ははぁはぁと呼吸を荒くしながら見つめ合う。
「あ、ありがとうな。おかげで命拾いした」
「ははは、わしも協力できて良かったよ」
「……だけどその舌は使わないんじゃ?」
「あ!い、今のは仕方なかったんだ!なし!なし!」
「ははは」
一笑いが起きるとほっと胸を撫で下ろす。全てが終わり緊張も解れると二人はとりあえずここから出ようと話したのだった。
あれから数分後。蛙と黒狼は町へと戻った。黒狼が酒場に入り馬に退治したことを話すと驚きながら喜んでくれた。そして報酬も上乗せして黒狼に渡したのだった。蛙は一応体は拭いたがそれでも気になるらしく外で待っていた。
「やぁ、終わったかい?」
「あぁもう大丈夫だ。ほら、こんなに」
金がいっぱい詰まった袋を見せるとはははと笑う。この後どうしようかと尋ねるととりあえず牛獣人の所へ行こうとなった。それに頷くと二人で横に並んで歩く。どこか黒狼は嬉しそうに笑っていた。
「ん?」
「おーい、おっさん」
呼ばれて牛小屋から出てくる牛獣人。二人を見ると笑顔になった。黒狼は少し家に入れてくれと話す。当然のように牛は入ってくれと言っていた。その際に牛も少し休むかと独り言を言って三人で中に入る。
バタン
「おっさん風呂湧いてる?」
「ん?あぁ朝俺が入ったから――」
「げーおっさんの残り湯かよー」
「嫌なら入るの禁止」
「う、嘘だって!じゃぁ入ろうぜ!」
蛙の手を掴むとさっさと脱衣所へと向かう。その様子を微笑ましく牛は見ていた。
黒狼達は服を脱ぐと早速風呂場に入る。シャワーで体を流し、スポンジを泡立てると互いに体を洗っていく。まずは黒狼が蛙の背中を洗っていた。少し赤くなっているが蛙はとても嬉しそうだった。しかし黒狼の表情はすぐれない。鏡でそれを見ると気になって蛙は聞いてみる。
「どうしたんだね?」
「あ、いや……」
「何かあるなら話してくれんかい?」
蛙の優しい言葉にうんと頷く。そして黒狼がこれまでに思っていたことを話したのだ。あの場所で、戦う前の蛙を探していた時の時の事だ。山賊に捕まってしまった蛙を見て自分を酷く憎んだと。俺に会わなければこんな酷く辛い目に合うことも無かったのにと。少しずつ声が小さくなっていく。
「……俺のせいだよな。あんたがその、あんまり強くないってのは分かってたのに、それでも断り切れなくて……なら俺が守らなきゃって思ったけど、結局蛙さんは捕まっちまってよ、憎まれても仕方ないんだ。俺は、あのおっさんにも育ててもらったけど全然恩返し出来てないし、子供の頃は色々喧嘩とかして迷惑掛けた。父親も……俺がいたから殺されたんだ。俺は人に迷惑かけてばかりだ。俺さえいなければ、こんな事にはならなかった。父親も母親と幸せに暮らせただろうし、おっさんも俺の面倒を見る手間も無かったし。蛙のあんただって……俺がいなければ山賊に捕まる事も無かったんだ……俺が悪いんだ……俺が」
ぼろぼろと泣きながら話す黒狼。蛙は振り返るとぽんと頭に手を置いて撫でる。
「か、蛙さん……」
「だがぁ、お主がいなければわしは最初のミノタウロスから抜け出せなかっただろうし、牛のあのお方とも知り合えなかった。この町の事も分からないままだっただろうしなぁ?わしはお主が居て良かったと思っとるよ。出会えて良かったと。そんなに自分を責めるもんじゃないだろう、わしを助けてくれたじゃないか。本当ならあそこで見捨てても良かったのにお主は来てくれた、探してくれた。それが嬉しかったよ。わしは……本当に君に会えてよかった」
「で、でも……」
「素直になってな?そんな複雑に考えなさんな」
ぎゅっと抱きしめると震え出す黒狼。思い切り泣き叫ぶと蛙を抱きしめた。その黒狼の背中を優しく撫でる。
「俺……誰にも必要にされてないと思ってた……」
「うんうん」
「自分の事が嫌いで、俺なんか居なければいいと思ってた!」
「うんうん」
「俺……俺どうしよう」
「ゆっくり考えればいいさ。わしもいる。全て今決める必要はないんだって。わしも言われて気が付いた」
「え……?」
「今度はわしが言う番だな」
一度体を離すと恥ずかしそうに笑う蛙。
「一緒に……いてくれんか?」
「……うん。俺も一緒に居たい」
互いに目を瞑ると口をつける。ゆっくり、それはとても優しいキスだった。
黒狼が落ち着き、蛙は体を洗うと今度は蛙が黒狼を洗っている。先程の事があってか少し緊張気味な黒狼。
「……それで、わしに色々教えてくれるって言ったじゃないかね?」
「あ、あぁ」
「色々考えたんだよ。わしは旅の途中だし、ここに居るのもそんなに長くないだろう。勿論いる間は教えてもらうが、また旅に出る時が来たらいったん中断しようってなぁ」
蛙は話をつづけた。わしの事忘れんでくれよ?と笑いながら話すが黒狼はそれに答えない。俯き、何かを考えているようだった。それに気づくとどうしたのかと尋ねる。
「……だったらさ、俺が蛙さんの旅について行けばいいんじゃないかな」
「え?え!?いやしかし――」
「勿論嫌ならいいんだ。この町にも俺の居る場所はあるし。ただ、素直な気持ちとして、あんたと一緒に旅してみたいって思ったんだ。今思った。俺、この町から遠く離れた事なくてさ……全然知らないんだ。だから一緒に見て回りたいんだ。その途中で俺が教えられることは教えるから。あ!そうだ!蛙の集落見てみたい!あんたの家とかさ!だ、駄目かな?」
それを聞いてぱっと顔が明るくなる。後ろから抱きしめるとありがとう嬉しいよと喜んでいた。顔をすりすりと擦りつけて愛情表現を示すと恥ずかしそうに止めろよーとじゃれ合う。まるで親子のようにも見える光景だった。
浴槽の中、互いに納得した上で判断し、決めるとこくんと頷いた。そうなるとと蛙は少し考え、黒狼の事を師匠と呼んでいた。
「し、師匠……」
「ははは、師匠よろしくな」
「何かくすぐったい……。よ、よろしく。その……蛙さん」
「うんうん」
蛙の前で寄りかかる黒狼ぎゅっと抱きしめると風呂を満足していたのだった。
その後風呂から出ると牛が夕食を用意してくれていた。それを皆で食べながら話す。今後の事を牛に話すと驚くが黒狼がそれでいいならと納得してくれた。少し寂しくなるなーと笑う牛にまた戻ってくるからという。そしてその時に待っててくれな、父さんといった黒狼に大層驚いていた。
「俺の事を……と、父さん!?」
「だって今まで面倒見てくれたしさ。俺の親父はもう……だからおっさんが俺の父親だなって思って。あ、あんまりつっかかるなよ恥ずかしいな!」
「……俺の事を父さんと……うぅ!」
「わっちょ!」
思い切り抱き着こうとする牛を手で押し返す黒狼。恥ずかしいから止めろよと言うのだが牛はありがとうもっと呼んでくれと甘えていた。そんな二人をはははと笑いながら見る蛙。血は繋がっていなくても二人は立派な家族であり、父と子なのだろうと蛙思いうんうんと頷くと食事をしていた。
「た、食べてないで助けてくれよぉ」
「息子よぉぉ!」
「わはははは!」
バタン
夕食を終えた二人は寝室に来ていた。昼間の事もあってか疲れもあり眠気が二人を襲う。電気もつけずにそのままベッドに上がると二人向き合いながら横になった。その時黒狼の顔が赤くなる。
「な……なぁ蛙さんよ」
「ん?なんだい師匠」
「その……」
言い澱み最後まで言わず黒狼は蛙の腹に腰を摺り寄せる。ぐいぐいと擦りつけると蛙はやれやれと息を吐いた。
「したいのかね?」
「……したい」
「はは、エッチな師匠だなぁ」
「う……ぅ、ここまでエッチになるのはあんただけだって」
二人は目を閉じてキスをした。
―――――――――――――――――――――――……
暗い部屋の中、部屋に木霊する吐息と粘った水音。くぐもった声は響き雄のにおいが充満していく。
「んぶ……はぁ、んん」
黒狼はがっつくように片手で蛙の頭を押さえながら貪っていた。蛙の口の中全てを舐めまわし、唾液欲しさに口の中までマズルを突っ込む。そのまま舌を見つけるとぱくりと咥えじゅるじゅると吸い取る。未だ慣れない感触に蛙は顔を少し歪めるが、それは決して嫌ではなかった。しっかりと黒狼を抱きしめて唾液が欲しくて頭を押し付ける。ぐちゅりぐちゅりと泡立ち、唾液が口の端から漏れていく。
やがて満足すると黒狼は口を離して両手で胸を揉む。同時に首筋や胸の谷間、脇の下までも舐めまわしていった。今となっては蛙もそれに身を任せる。はぁはぁと口から熱い息を出してはせがむように切ない声を上げていた。そして黒狼はそれに答える。
やがて黒狼は全裸になる。次いで蛙も全裸にすると黒狼は蛙の股間に顔を持っていった。
「へぇ……蛙のちんこってこんななんだ」
「う、ぅ……なんだか恥ずかしいわい」
顔を真っ赤にして頭に手を置く蛙。縦割れからはしっかりと勃起した一物が顔を出していた。先から根元まで赤黒い色をしていて他の獣人とは少し違う。形は同じなのだが黒狼のように皮は無く、握ればつるつるとした感触だった。
黒狼は軽く握ると上下に擦る。既に体液で塗れていてべたっと手がヌメった。扱かれる度に蛙は小さくあ、あ、と嬌声を上げる。黒狼と目が合うと逸らしてしまい、恥じらって口を閉じては声を我慢する。そんな仕草が可愛く見えた黒狼は、はははと笑うと一物をぱくりと咥えた。
「んあぁ!」
いきなりの熱い感触に体を震わせた。ここまでずっと入れられてばっかりだった為、黒狼の口の中の刺激が新鮮で多大な快感を蛙に送る。じゅぼじゅぼと上下に擦られて舌で撫でられると目をギュっと瞑りシーツを掴んだ。
「はぁ!くぅ……き、気持ち良い……」
徐々に汗を掻いて行き自らも腰を少し振るようになる。今となっては我慢せず欲望に正直になった蛙。黒狼の頭に手を置くとずいずいと腰を押し付けた。その動きに合わせて何度も口で扱き、鈴口から漏れ出る先走りを拭って飲み込んでいく。っと同時に縦割れにも指を差し込んだ。奥の方まで突っ込むと根元やヒダを指で擦る。
「あぅ!そ、そんな風にされてしまうと……で、出てしまうよ!あぁ!」
蛙の言葉を無視してさらに激しく動かしていく。少しずつ限界が近づき蛙はぐっと我慢した。しかしそれを察してか、黒狼は根元にマズルとくっ付けると飲み込むかのようにちゅうちゅうと吸い上げる。口の中の舌の動きもより激しいものとなった。
「あぁ!だ、駄目だって!口に……でちゃ……あぁ!イクッ!もうイクゥゥゥ!!」
ドプッドプッドプッ!
びくんと震えると背を仰け反らせて口の中へと射精した。黒狼は嫌な顔せずそれをごくごくと飲み込んでいく。やはり慣れていないのか時折ごふっと咳をするがそれでも吐き出さず全てを飲み込もうと努力する。やがて収まると飛び散った精液全てを拭い取り、綺麗にしてから口を離した。
「っぷはぁ……これが精液の味かぁ。なんか不味いな」
「はぁはぁ、そ、そりゃぁそんなものを美味いと飲む奴はおらんて」
「本当かぁ?あんたは結構いける口なんじゃないのか?」
黒狼がからかうとぶーぶーと頬を膨らませて怒る。しかしそれを笑うと黒狼は蛙の両足を持ち上げた。最初こそ驚いたが蛙は察して自分の足を掴む。その表情は少し緊張気味だった。赤い顔で横を向いて黒狼を見ないようにしている。
「中々エロイ色してるなぁ。こんなヒクヒクしてるし」
「た、頼む師匠……そんなからかわないでくれぇ」
その震える声にどきんと胸を高鳴らせるとごくりと生唾を飲んだ。今の蛙がとても扇情的でどんどん興奮を煽っていく。今この状況ならその興奮を抑える必要もないと判断し、鼻息を荒くすると蛙の肛門に齧り付くように顔を寄せた。そのまま舌をぐいぐいと押し付け強引に中へと入れていく。
「んひぁぁ!」
さんざん犯された蛙だがそれでもこの場所の刺激は慣れなかった。奥に侵入する度に我慢できず声が出てしまい、顔をぶんぶんと振っては快感を逃がそうとする。しかし中で舌が前後し、同時に一物も扱かれて蛙は身悶えしてばかりだった。
ちゅぷりと離れると次は指を入れていく。ずぶぶと中に入れると苦しそうな声を出し、慣れるまで待つ。頃合いを見てゆっくり前後し、蛙の肛門を広げていったのだ。
「そろそろ入れるぜ蛙さんよ」
「う、うむ……優しくしてくれな」
ぱっくりと開いた肛門からはだらだらと腸液が漏れる。そこに一物を当てるとふぅと息を吐きながらゆっくりと中へ挿入していった。
ズブブ……
「ぐぅぅ……」
「はぁ!す、すげぇ……!縦割れも気持ち良かったけど、締め付けはこっちの方が……はぁ!ヒダが、肉が俺のちんこを包んで……んんあぁぁ!」
パンパンパン!
理性が吹き飛んだ黒狼はすぐにでも激しく腰を振り始めた。根元まで深く差し込むと玉が尻に当たりびちゃびちゃと音を出しながら周りに液体を飛ばしていく。蛙の腹に乗り体を抱きしめながら欲望のままに掘り進めた。蛙もぎゅっと抱きしめ、自分と黒狼の腹に挟まれて擦られる一物の快感に酔い始める。今となってはあまり痛みもなくただただ直接的な鋭い快感の虜となっていた。
不意に体を起こすと舌を出すよう指示をする。それに従ってべろんと舌を出すと黒狼は蛙の一物に舌を巻きつけた。
「ひゃぁ!は、はっへふへぇ!」
「えへへ、これ凄い気持ち良いんじゃないかな?」
ずんずんと腰を押し付けながら同時に蛙の舌で蛙の一物を扱く。上も下も刺激されると蛙は涙を流しながら顔を振った。こんなの耐えられない、わしが壊れてしまう、そんな事を言いたいのだが言葉にならず、涎をまき散らしながら狂いそうな快感を受け入れるしかなかった。きっと黒狼はわざとやっているのだろう、ワシを苛めたいのだろうか?そんな風にさえ思ってしまうが、黒狼に少し位意地悪されるのもあまり嫌がってはいないようだった。
「はぁはぁ!やべぇい、イキそう……」
「ふあぁぁ!ほうはへぇぇぇぇぇ!!」
ビュルッ!ビュルルルルッッ!
先に果てたのは蛙だった。自分の肉質な舌に巻かれてあまりに気持ち良すぎて我慢できなかったのだ。相当気持ち良いのだろうその量はいつもより多く、自分の腹や顔まで届くと精液で汚していく。果てた事によりきゅっとしまった肛門に黒狼は体を震わせた。
「あ"っぐぅ!そ、そんなに絞めつけられたら……!あぁ出る!出るっ出ちまう!がぁぁあああああ!!」
ゴプッゴプッゴプッ!
ばっと蛙と抱きしめると最後に一物を突き入れて奥の奥で射精をする。体が震え恍惚な顔をしながら射精の快感に酔いしれる。その間蛙は抱きしめ続け、軽く腰を振ってさらなる快感を与えていた。その度に黒狼はあぁあぁとまるでおかしくなった機械のように同じ言葉を吐き続けていた。
やがてそれが収まるとゆっくり顔を上げる。まだ下は繋がったままだ。
「さ、最高だった……」
「わしもだ……時に師匠。行為は初めてかな?」
聞かれると真っ赤になって小さくそうだと言った。つまり黒狼は童貞だったのだ。蛙は黒狼の初めてを貰えて何だか嬉しくなったと話す。それと共にぎゅっと抱きしめると自分の肩に顔を乗せた。
「……わし、すっかり男の魅力にはまってしまったようだ。いや……君の魅力にかな。わしはきっと、君が好きなんだ」
「あ、あんた……」
「へへへ、恥ずかしいな……これからもずっと、一緒にいて欲しいんだ。お願い出来るかな?」
それは蛙の精一杯の告白だった。黒狼は察するとやはり恥ずかしそうにうんと答えた。一言ありがとうというと蛙は顔を持って口を寄せる。そのままキスをし、もう一度舌を絡め合うと二人は繋がったまま眠っていったのだった。
―――――――――――――――――――――――……
「よいしょっと」
翌朝、二人は早めに起きて風呂に入り念入りに体を洗うと旅に出る身支度をしていた。蛙的にはもっとこの町に居ても良かったのだが、黒狼が早く旅に出たいと言ったのだ。一緒に色々な場所を巡り、色々な思い出を作りたいと。嬉しくなった蛙はうんうんと喜んで頷き、すぐにでも色々準備を始めていた。
二人とも背中には大きなリュックを背負っている。服やタオル、食料など旅に必要な物を纏めると準備が整ったようだ。
「気を付けろよお二人さん。それと、たまには帰って来いよ?」
「分かってるって!父さんは心配性だなぁ」
「あ、当たり前だろ!お前はその……俺の息子なんだし」
そっぽを向きながら赤い顔で角を掻く牛。その姿にはははと笑うと蛙は心からのお礼を述べた。
「本当にお世話になりましたわい。お主が居なかったらきっと色々後悔してましたわ。恩にきます」
「よせやいこそばゆい。これで俺達はもう知り合い……いや親友となった訳だしよ、それにあんたとは――」
「わぁ待って!」
途端にじとっとした目で見てくる黒狼。蛙は何の事やらととぼけてそっぽを向いた。
「それじゃぁ行ってくる。また二人で帰ってくるからさ!行ってきます!」
「あぁ、行ってらっしゃい!」
二人で手を振ると牛と別れて歩き出した。
蛙と黒狼。それぞれの表情は今までで一番明るく見えた。空は雲一つない快晴、鳥が歌いながら二人を祝福するように優雅に飛んでいた。
「なぁ、手……繋がないか?」
「ん?は、恥ずかしいんだが」
そういう蛙の手を無理矢理掴むと指を絡めてぎゅっと握る。やれやれと笑うとへへへと調子の良い笑顔で笑っていた。
こうして二人は町から旅立ったのだ。道中色々な危険似合い、助け合い時にそういう行為をしながら絆を深めていき、蛙と黒狼は後にその名が知れ渡る程の有名な格闘コンビとなるのだが、今の二人は知る由もなかった……。
完
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