サンプル -06- 繁殖診断

  国のために、アルファのために役に立てること。

  それは"子を宿せない"と分かってしまったその日から。

  僕にとっての、紛れもない"救い"なんだ―――――

  僕が務める、検診センターの。

  その――重要度検査室。

  白を基調とした壁面、飾り気のない無機質な床。

  デスクの上には、PCとモニターと。

  何枚かのカルテと―――今まさに。

  検査中のアルファの生体情報がリアルタイムで映し出されている。

  部屋の中央には、ベッドが一台だけ。

  一般的な医療ベッドとは違って。

  "性行為時の衝撃"を想定して設計された特注品だ。

  マットの柔軟性や耐久、角度などが整えられている。

  ―――そんなベッドの上で。

  僕はいま、俯せで横たわって完全に脱力していた。

  膝を曲げて立たせ、尻を突き出し。

  膣口を差し出すように角度を調整する。

  けれどそれ以上はできない。

  重力に引かれたように胸と頬はマットに沈んで。

  ただ一つの目的のために。

  僕はいま、この身体を差し出している―――

  「おっ……んっ、ふっ……♡」

  ピッ、ピッ、ピッーーー……

  僕の、突き出した下半身へと。

  規則正しく押し寄せる衝撃とともに――視界端に映るモニターには。

  いくつかの項目が更新されていて。

  【被検体No.7121-A】

  ・心拍数:132/分

  ・血圧:156/96

  ・射精回数:2

  ・勃起硬度:4(維持)

  ・―――……

  ・――…

  :

  :

  まるで誰かの睡眠データのように。

  客観的な数値が並んでいる。

  だがそのすべては"ベッドの上で"計測された情報だ。

  「……は、ん……っ、ふ……っ♡」

  ぬぢゅっ、ドちゅっ♡ぶしゅっ、ブちゅっ♡

  「…っ、お、んっ、ふ、ふん…っ!」

  ――低く、野太い声。

  それは快楽の声というよりも本能に従っただけの単純なもの。

  まるで。

  ポンプのようにくみ上げられた吐息代わりに漏れ出た音。

  その正体は。

  2メートルを優に超える巨体を持つ、中年のオーク族のアルファで。

  肩幅だけで俺の背中がすっぽり隠れてしまうほどの厚み。

  爆発的な筋肉の塊と、重厚に重なる脂肪。

  とくに腰回りは一段と分厚く。

  大きな臀部と、それを支える強靭な大腿筋は。

  まるで"獣"そのもの。

  そんな圧倒的に巨大な体躯が、いま。

  ベッドの上で脱力する僕の後ろから。

  そこに立ったままの姿勢で――

  黙々と工業機械のように腰を動かしている。

  「……っ、ふ……ん……」

  ドちゅっ、ぶぼっ、ドごっ、ドちゅんっ♡

  後方位・生体挿入検査姿勢。

  世俗的に言えば――

  立ちバック、とでもいうんだろうか。

  『っ、ぁ、は……っ、んぐっ♡』

  ぬぼっ、ぶちゅっ♡

  なんとも濁った水音。

  拳ほどもある大きな手が僕の腰骨を左右から鷲掴みにして。

  立ったままの姿勢で――

  彼自身の腰の高さに僕の尻を合わせながら。

  僕の下半身目掛けて――強靭な腰肉を振りたくる。

  その腰振りのパワーたるや。

  ベッドの端を掴んでいなければ落ちそうなほど。

  俯せでいる僕の背後から。

  ――バこっ、バこんっ♡と無遠慮に突き上げてきて。

  逃げられる余地などない。

  けれど、無論、僕はこの体勢を受け入れ――

  むしろ自然に背中を反らせて。

  雄膣を押し出すようにしてあげる。

  ――作業。義務。役割。

  この行為に、情はないんだ。

  ただ、彼の"繫殖力"を診断してあげるべく――

  僕はこの体を使ってもらうだけ。

  中年オーク族の彼も、僕も。

  お互いに名前さえ知らない。

  ただの番号と、検査対象としての役職。

  けれどそれが普通の事。

  「んっ、ふっ……ふんっ、ふん"っ!!」

  ゴン、ゴン、とぶつかる肉の音。

  段々と腰の打ち込みが深くなり、膣奥にぶつかる感触が鋭くなって。

  すでに出された精液の残滓がさらに奥へと追いやられてくると。

  そのたびに。

  モニターに表示された数値が小さく変化して。

  ベッドのすぐ脇の、モニター端末。

  その画面上にアラートが表示される―――……

  【※ 射精予兆検出:準備を推奨します】

  僕は微かに呼吸を整え、内側の筋肉を引き締める。

  受け止め、保持し、正確にデータを記録するために──

  その一連の動作はもう習慣のように手慣れたもの。

  ―――その僕の微弱な変化に反応して。

  「……く、出るっ……っ!!」

  ドちゅん……―――ぶぼっ♡ドぼっ、ドびゅるるるるるっ♡

  ぶぼぼっ、びゅっぶびゅっ♡

  びゅるるるっ、びゅびゅるるるるぅぅ―――……♡

  雄膣の奥で爆ぜたような圧とともに。

  滾った白濁が洪水のようにぶちまけられて――

  熱い衝撃が膣壁にぶつかってくる。

  生体情報モニターには"3"という数字がカウントアップされ。

  同時に。

  このベッド上にあるあらゆる情報が自動計測され始める。

  ・心拍数:144/分

  ・累計挿入時間経過:47分14秒

  ・射精回数:3

  ・射精量:6.7ml(予測基準値を上回っています)

  ・保持時間:記録中

  ・―――……

  ・――…

  :

  :

  カメラ、音波系、あらゆる機械が。

  僕の雄膣のナカに吐き出された命の重さを――正確に記録していき。

  僕はそれを誇りと共に受け止める。

  これが、僕の日常なんだ―――

  ―――――

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