とある月明かりが映える小高い丘の上。
そこには一匹のポケモンが座りながら月を眺めていた。
そのポケモンは暗闇では見えにくい色をしており、ぼんやりと妖しく輝くリングを持つポケモン、ブラッキーだ。
彼は何を思うのか、それとも何も考えないのか、ただただ月を眺めている。
虫のさざめきや風のそよぐ音が響き渡る。
とても趣がある情景だが、そのような時間は長くは続かなかった。
その静寂を打破する一匹のポケモンが現れる。
「やっぱりここにいた!」
「ニャヒートか……」
ニャヒートと呼ばれたそのポケモンは首元にある炎の鈴をリンと鳴らしブラッキーの隣へ座り込む。
「……なぜオレの隣に座る。お前が来ると暑さが増すだろ」
「いいじゃん、別に。減るもんじゃないでしょ」
ブラッキーはため息を一つ吐き、少しだけニャヒートとは距離をとる。
ニャヒートはブラッキーのように月を眺め、目を輝かせていた。
「ブラッキーって、月が出てる日はいつも眺めてるよね。飽きない?」
「……全然。オレだって思いを馳せたい時もあるんだよ」
ニャヒートは「ふーん」と鼻で息を吐き出すように言うと、何かを思いついたのか笑みを浮かべる。
「あ、もしかして……好きなヒトにどう告白しようかとか、振られちゃって落ち込んでるとか……そういう系?」
「いや違うから。……そういうお前はどうなんだよ。今日コクるって言ってたけど」
ブラッキーは流れで聞いただけだが、ニャヒートは分かりやすくドンヨリと気持ちが沈んでいた。
先程の元気が嘘のようだ。
「いや……あの…………ごめん」
ブラッキーは気まずくなり咄嗟に謝る。
それからしばらく、二匹の間には沈黙が流れ出した。
静寂が好きなブラッキーだが、この静寂は中々に重苦しく好きになれない。
「……その子、もう好きなヒト……いるんだって。だから……秒殺」
「そ……そっか……」
こんな時になんて言葉をかけていいか分からないブラッキーはこの一言しか出てこなかった。
「……いいもん、オレにはブラッキーがいるし。……ブラッキー、慰めてぇ〜」
ニャヒートは前足でブラッキーの肩を掴むように抱き着くと、ブラッキーはその重みで体勢が斜めに傾いた。
「やめろニャヒート……暑っ苦しい」
とは言いつつもニャヒートの気持ちも理解しているブラッキーは押しのけたり離したりせず、なされるがままだった。
それを分かってるからかニャヒートは激しめのスキンシップを取っていた。
しかし、ブラッキーには他にも気になることがあるようで。
「……あとニャヒート、お前……雄臭い。……さっきまでヤッてたろ」
「……やっぱりバレた?……ブラッキーが来るまで向こうの茂みで……ちょっとね」
ニャヒートの指す場所には数本の木と植え込みが生い茂っており、その中へ入ると見つかりにくくなる。
その為、昼間は子どもたちがかくれんぼをして遊んでるのを見ることが出来る。
「………もう少しで出そうな時にブラッキーを見付けて……手伝ってもらおうかな……なんて」
「はぁ?……なんでそうなる……それくらい一人で……」
「……一人でやろうとは……思ったよ。でも……失恋が悲しくて……ホントはそんな気持ちを忘れたくてしてただけなのに……」
「……わかったよ。仕方ないから手伝うよ。思い出させたオレも悪かったし」
先程の発言に少なからず責任を感じていたブラッキーは渋々ニャヒートの行為を了承した。
その言葉を聞いたニャヒートはニンマリと笑みを浮かべ、ブラッキーに力強く抱き着いた。
「やっぱり優しい〜!そんなブラくん大好き!」
「ちょ、離れろ……あとブラくん言うな」
抱き着いた勢いのままニャヒートはブラッキーを押し倒す。
そうなると必然的にブラッキーは仰向けの体勢にされてしまう。
「じゃあ……遠慮なくしちゃうね……?」
ニャヒートはブラッキーに質問を投げ掛けたようだが、ブラッキーは答えずニャヒートの顔を見続けている。
そして、ニャヒートの大きくなったピンク色のソレがブラッキーのアナルへ触れた時、ブラッキーは思い出した。
「あっ……!ちょま……っ!待て待て待て待て!」
「え……ブラッキー?ど、どうしたの?」
いきなりブラッキーから発せられた声に驚いたニャヒートは動きを止め、残念そうな表情でブラッキーの顔を覗き込む。
「やっぱりオレとじゃ……嫌だった?」
「いや、違くて。ニャヒートとするのは別にいいんだけど、お前のそれ…………トゲ付いてるだろ」
ブラッキーが示した所には大きくしたまま行き場を失ったニャヒートの肉棒があった。
そのニャヒートのソレはブラッキーの言う通りトゲが複数付いており、見るからに硬そうなものだった。
本来それは雌との交尾の際、抜く時に腟内部を傷付け刺激して妊娠を促すものなのだが
雄同士の行為ではただただ痛いだけの存在だ。
「お前のソレ……昔入れられてすごい痛い思いをしたことがあったのを思い出した」
昔……それはブラッキーがイーブイでニャヒートがニャビーだった頃のこと。
まだ年端もいかない彼らは行為自体の知識はなく、面白半分、見様見真似で行為に及んでいた。
彼らからしてみれば“ごっこ遊び”同然だった。
いざ行為が始まると、ニャビーが攻めの姿勢で挿入を始める。
挿入する分にはすんなりと入ってくれたのだが、ソレを抜こうとすると何かが引っ掛かり動かなくなる。
ニャビーがそれを無理に引き抜いてしまい、イーブイは劈くような悲鳴をあげる。
肛門からは出血が見られ、その痛さでイーブイはしばらく蹲り泣いてしまい、涙と血が止まらなかっまらしい。
今はもう痛みも傷も無くなり、平然としていられるのだが、あの痛みを思い出したブラッキーは恐怖を感じてしまっていた。
「……あれからしばらく、座ることはおろか歩くことさえままならなかったんだよ」
「あ…………あの時は、ごめん……」
ニャヒートもその時のイーブイの表情を思い出したようで、挿入を躊躇した。
「……じゃあ、どうしよう……」
ニャヒートのその落ち込んだ表情と声のトーンを見兼ねたブラッキーはある提案を出す。
「なら……今度はニャヒートが仰向けに寝てくれ。……オレが入れるから」
突然の言葉に驚くニャヒートは目を丸くしてブラッキーを見ていた。
「……?どうした?やらないのか?」
「あ、いや……ブラッキーからそんな事言い出すなんて、珍しいな〜……と思って」
「う……うるさい。ほら、早く仰向けにならないとオレはもうやめるぞ」
先程の発言が恥ずかしくなってきたブラッキーは気を紛らわすように起き上がり、ニャヒートの両肩を両前足で押す。
そしてニャヒートはブラッキーに促されるまま仰向けの体勢になった。
その際、互いに顔を見合わせる形になったのだが、開始前から妙に恥ずかしくなったのかブラッキーは目を逸らす。
「……そ、それじゃあ……入れる……ぞ?」
ニャヒートは小さく頷いた。
先程までの元気はどこへ行ったのか、急にしおらしくなっている。
ブラッキーはニャヒートのアナルへ自身のモノを当てがうとニャヒートの体はピクンと小さく震えた。
ニャヒートの顔を見ると目を固く瞑り、力を込めているのが見て分かる。
「……ニャヒート、怖いか?……力を抜いてくれ。そうすれば痛くないから……」
ブラッキーはニャヒートの耳元で呟くように言うとニャヒートから小さな声が聞こえ、表情が少しずつ柔らかくなっていく。
「じゃあ……入れるよ。……少しずつ」
ブラッキーは先端から少しずつ、ゆっくりと挿入を試みた。
まだ先だけなのだが、今までに感じたことの無いような感情が二匹を襲う。
『……すご、ニャヒートの中……絡み付いてきて……自分でするより格段に……』
「ブラッキー……もっと奥まで……お願い」
「あ……あぁ」
感じたことの無いような快楽に浸っており、動きが止まってしまっていたようだ。
ニャヒートの言葉で我に返るブラッキーは
『先っぽだけで満足してちゃいけないよな』と思い再び挿入を続ける。
「はぁ……どう、だ……ニャヒート。気持ち……いいか?」
「……ん!……うん、ブラッキー……もっと、強く……」
もっと強く……大丈夫かな……
ブラッキーはいろいろと考えてしまう性格のようで、初めてなのに強くしてしまって傷でも付いたらどうしよう……など悪い方に悪い方に物事を考え込んでしまっていた。
しかし、ニャヒートの虚ろになった瞳に見つめられたブラッキーは全ての考えが吹き飛んでしまったようだ。
「ニャヒート……本当にいいん……だな?」
「うん…………お願い」
ブラッキーは唾を一つ飲み込み、これからする行為を想像して高揚してしまったのか息を少し荒らげていた。
そしてブラッキーは入れる力を徐々に強めていく。
奥へと押しやる度にニャヒートから喘ぎ声が聞こえ、それが更にブラッキーを興奮させるようだ。
普段のニャヒートからは絶対に聞くことのないような声。
そう思うとブラッキーはもっと聞いてみたい欲が強くなり、腰を動かし続けていた。
奥まで到達した頃にはニャヒートのトゲ棒は最大まで大きく、硬くなっていた。
精液を出したくてウズウズしているかのように小刻みに震えていた。
「ニャヒート…………出そうなの……か?」
ニャヒートから返答がない。
今受けている快楽を必死に感じているようだ。
『ニャヒートの……抜かれた時は痛かったけど、触ることは……できる、かもな』
ブラッキーはニャヒートのいじらしく震えている棒を空いている前足で掴んでみた。
すると、ニャヒートの体全体が大きく震えた。
「ニャヒート、もう限界なんだよな……なら、出しちゃえ」
一言ニャヒートに言うと、ブラッキーはソレを掴んでいる手を少しずつ上下に動かし始める。
時々先端に刺激を与えながら。
「……っ!ブラ……待って、ダメダメ!そ、そんなことしちゃ……すぐ出ちゃっ……!ん……にゃあぁぁぁぁっっ!!」
ニャヒートの大きな声と共にニャヒートのモノからは白濁色の精液が大量に溢れ出した。
その液体は仰向けになっているニャヒートの腹部や顔を白く染め上げていた。
「ニャヒート……たくさん出したな。……次はオレも」
そう言いながらブラッキーは腰の動きを徐々に早めていく。
出したばかりでニャヒートの体は敏感になっているのか、突かれる度にニャヒートから声が漏れてくる。
その声を聞く度にブラッキーの興奮度は更に上昇していくようで、腰のピストン運動を更に早めていく。
そして興奮度が最大まで高まった頃にブラッキーは絶頂を迎える。
「ニャヒート……オレも、出るっ……!……ぅぐっ!」
くぐもった様な鈍い声がブラッキーから発せられるのとほぼ同時にブラッキーのソレからは勢いよく精液が飛び出していく。
今までに感じたことの無い気持ち、今まで以上の射精量にブラッキーは驚きつつ、快楽に身を寄せていた。
そして全てを出し切ったと思われる頃にブラッキーはソレを引き抜く。
ゴポッ という水が溢れ出るような音を立てながら引き抜かれ、ニャヒートの肛門からは白い液体が止めどなく溢れていた。
二匹は行為で相当疲れたようで肩で息をしている。
その表情は……ブラッキーは満足そうだが、ニャヒートは若干不満があるようだ。
「……ブラッキーの、バカ」
「え……え?に、ニャヒート……どうした?」
なぜ怒られたのか分からず困惑するブラッキー。
先程の無茶な動きがいけなかったのか など思考を巡らせていた。
「待ってって……言ったのに。ホントはオレ……ブラッキーと一緒に……イきたかったのに……」
「あ……その考えは……なかった。……ごめん」
ブラッキーの「ごめん」を聞いたニャヒートは再び元気を取り戻したようで、またいつもの笑顔に戻っていた。
「まぁ……出しちゃったものは仕方ないよね。第二ラウンドをやればいいだけだし!」
「…………は?」
第二ラウンド……その言葉を聞いた時のブラッキーは思考停止をしていた。
彼はいったい何を言っているんだろう……と。
「まさか、一回出しただけでバテた……なんて言わないよね?」
「え……ま、またヤるのか?」
「大丈夫!今度はブラッキーが仰向けになって!」
何が大丈夫なのか分からない。
ブラッキーは思考が追いつかず、混乱していた。
そうこうしてる間にも話は進んでいき、ブラッキーはニャヒートに押し倒され、仰向けになっていた。
「……ニャヒート、まさかソレをオレに入れる気じゃ……」
ブラッキーには凶器とも思えるトゲ付き棒が元気を取り戻したかのように再び大きく、そそり勃っていた。
「大丈夫だよ、オレのコレは使わない。この体勢からでもブラッキーの……オレの中に入れることが出来るでしょ?」
そうかもしれない。しかし、四足にはそれは難しいかもしれない。そう思っていたブラッキーだったが
ニャヒートはその課題を難なくこなしてしまう。
「ブラ……ッキーの……挿入……った……!」
突然襲ってきた感覚にブラッキーは耐えるように顔を強ばらせ、力を込めて自分の下に敷かれる土を無意識に握り締めていた。
ニャヒートの行った体位は 騎乗位 というやつだ。
「ブラッキー……今度はオレが……動くよ」
ニャヒートは両前足をブラッキーの横の地面に付け、腰を上下に動かし始めた。
慣れない体勢で動きはぎこちないが、必死に動かしていく。
「ブラッキー、オレので……気持ち良くなって……くれてる?」
ふとニャヒートは質問を投げかける為にブラッキーの顔を見てみた。
いつもクールなブラッキーなのだが、この時だけは普段は見せないエロくて可愛らしい表情にニャヒートは見蕩れていた。
『ブラッキー……カッコイイと思ってたけど……こんなカワイイ一面もあるんだ……』
そのブラッキーの表情に堪らずニャヒートはブラッキーの頬を一舐めする。
するとブラッキーはピクンッと体を震わせた。
「な……舐め、る……な」
いつものブラッキーから発せられたとは思えないほど弱々しい声。
その声でニャヒートの興奮のボルテージは上がっていく。
「ブラッキー……ブラ……ッキー……っ!」
名前を呼ぶ度にブラッキーと繋がっているんだ……という実感が持てるようで、
何度も何度もブラッキーの名前を呼びながら行為に及んでいた。
二匹の皮膚を打ち付けるような音が辺りに響き、月明かりだけが照らす静寂な闇夜を切り裂いていた。
「ニャヒート……オレ……もうっ……」
「うん……わかってる。今度は……一緒に……っ!」
ニャヒートは腰の動きを早める。
やがて、二匹はお互いに目を固く瞑り、力を込め始める。
限界の合図らしい。
「ぶらっきぃぃぃ……っ!」
「……んぐぅ……っ!」
出す時の合図ととれる声が聞こえると二匹は同時に射精をする。
ニャヒートの液体は仰向けブラッキーの黒い体毛を白く染め上げ、ブラッキーの液体は再びニャヒートの体内へ注がれる。
そのままニャヒートは疲れたのか、崩れるようにブラッキーの上へ倒れ込んだ。
その表情は満足そうな笑みだ。
「ニャヒート……重いって」
それから数分の時が経ち、空も徐々に明るんで来ている。
ブラッキーは相当疲れたのか、地面に[[rb:俯 > うつぶ]]せで突っ伏していた。
それにひきかえ、ニャヒートは二回も[[rb:行 > おこな]]ったというのに元気そうだ。
「……まだ少し出し足りないかも……ねぇ、ブラッキー。あともう一回……」
「悪い、ニャヒート……オレ、もう限界……」
「……そっか。ごめんね。……あと、ありがとう。オレの……ワガママに付き合ってくれて」
ニャヒートでも……そんなこと思うこともあるんだ。
そう思いながらブラッキーは突っ伏した状態で横目でニャヒートの顔を覗き込んだ。
そのニャヒートの表情は優しい笑みで満ちていた。
「何を今更……今に始まったことじゃないでしょ」
疲れ果て重くなった体を気力で起こし、ブラッキーはその場にペタリと座り込む。
「それに……さ、オレも…………結構楽しかった……し」
「ブラッキー…………その……また今度……一緒に……」
ニャヒートはそれだけ呟き、恥じらいからなのか耳を垂らし[[rb:俯 > うつむ]]き[[rb:外方 > そっぽ]]を向いてしまう。
そんなニャヒートの姿を見たブラッキーは息を吐くように一つ笑い
「しょうが、ないな…………また今度……な」
その言葉を聞いたニャヒートは笑顔で振り返り、ブラッキーに思い切り抱き着いた。
その拍子にブラッキーは先程より強めに押し倒されてしまった。
あれから数日後。
ブラッキーはいつものように小高い丘の上で月を眺めていた。
月明かりと虫のさざめきが聞こえる閑静な場所だ。
しかし、その静寂をあるポケモンが打破してくる。
「おーい、ブラッキー!」
ブラッキーは耳を軽くピクッと動かし、声のする方を見てみた。
そこにはニャヒートが息を切らしながら走ってきていた。
「ニャヒート……どうしたんだ?……そんなに慌てて」
「はぁ、はぁ……き、聞いてよ、ブラッキー……」
ニャヒートは荒れた息を整えるように深呼吸をして伝えたい事をブラッキーに告げる。
「あのさ、オレ……さっき……告白されちゃったんだ」
「……へぇ、よかったじゃん」
普通に喜ばしいことで祝福の言葉を言うつもりのブラッキーだったが、こういう言葉しか浮かばなかった。
しかし、どことなく寂しくも感じる ブラッキーだった。
だが、ニャヒートの次の言葉でブラッキーの寂しさは驚愕に変わる。
「……でも、断っちゃったんだ」
「…………は?」
いつも誰よりも彼女を早く作りたいと言っていたニャヒートが告白を断った。
どんな心境なのかとブラッキーは訝しげな表情でニャヒートを見る。
「だって……オレにはもう…………好きなヒトがいるから」
そう言うとニャヒートはブラッキーに体を擦り付ける。
いきなりの事で戸惑うブラッキーだったが、ニャヒートの言動を見て察した。
「お前……それって……」
ニャヒートは優しく微笑みながらブラッキーの耳元で
「ねぇ…………これから一緒に……しよ?」
と呟いた。
二匹の夜はまだまだこれから、始まったばかりだ。
Fin.