元勇者は悩み、そして受け入れる

  快感に溺れないこと…あの黒い奴に俺は言われた。

  魔王のせいで体質が太りやすくなったりと迷惑なものだ。

  でも…

  あの時から俺は竜人となって変わってしまった。

  牢屋で魔物達に料理を普通に出され抵抗はあったが腹が鳴って身体だけは正直だった、俺は無我夢中で食った、もちろんおかわりもした、しかし食べていくうちに俺は太る快感などを覚えてしまった、それからだ、俺が太る事に快感を覚えているのは。

  そして魔王に召喚された俺は正気に戻った時にはすごく太っていた…魔王にモフモフされる屈辱と魔王言うたびに脂肪をつけられるという呪いというおまけを……。

  結局俺は勇者としてあいつと戦ったのに何もできず勝てなかった、今でもあいつは強かった。

  …俺はなんのためにここにいるんだろうな……

  [newpage]

  フォックの家

  「あら?蒼剣の姿がないわね」

  蒼剣の姿がなく気になったフォック

  「まあ場所は魔力探査すればわかるし、さて、色々と作業してから探すか」

  と、作業へと入っていった。

  [newpage]

  一方

  「……」

  蒼剣はどこかの森にいた。

  「……」

  ただ無言のまま森を歩きだす。

  「ヒュー…この山には結構食えるもんがあるんだな…おっ!ワラビだ!これ持ってこ…んっ?蒼剣じゃないか…?」

  「ん?お前誰だっけ?」

  そこに風狐が山で食えるものを採っていた。そこに蒼剣と出くわす。

  「あー、こうして面と向かって話すの始めてかな…?初めまして!僕は智月 龍狼の相棒の…風狐だよ!宜しくな?」

  「智月ってもしかしてま…じゃなかったフォックを引きずっていったあの狼の奴のか?」

  バルーンムーンウルフで少し会ったがこうして面と向かって話したことはなかったあの時は受付を風狐はしていたのだ。

  「あー…あの時は君らの歓迎会の準備のために相棒がフォック引きずってたからな…そうだね!」

  「あ!お前確か受付の!?」

  ようやく思い出したようだった、あの時バルーンムーンウルフに入社する時に受付にいたのが彼…風狐であった。

  「そうだよ!あの時はちょっと忙しかったから、あんな形に成っちゃったんだけど…大丈夫だったか?」

  「大丈夫じゃねぇ…イラッとする」

  大丈夫と心配されたが機嫌悪く風狐を睨みつける。

  「あー…それは済まなかったな…」

  機嫌を損なったと感じたらしく、少し反省をして風狐は頭をかく…

  「はあ~魔王のせいであいつが余計な事をんぐっ!?」

  禁句を言ってしまい呪いが発動、少し腹が膨れる。魔王であるフォックの禁句によって蒼剣は脂肪を加えられるという呪いをつけられてしまっているのだ。

  「んっ?どうかしたのか?」

  「なんでもねぇよ!」

  蒼剣のその様子に気になった風狐がそう聞く、しかしなんでもないと怒り混じりに一言言いさらに機嫌が悪くなってしまう。

  「えぇ、その…」

  「別になんでもねぇ!なんでもねぇからな!」

  と、呪いの事を隠しなんでもないと言い切る、なんで機嫌が悪くなっていってるのか分からない風狐は良い淀んでしまう。

  「…なぁ、そんなに意地はって何か隠そうとしてると、いずれか爆発すると思うぞ…この僕で良かったなら…少し話を聞くよ?」

  蒼剣の不振すぎるその発言に、風狐は近くにあった切り株に座ってからそう言ってきた。

  「……」

  確かに風狐の言う通り、いずれバレてしまう事にもなる。彼が信用できるかわからない、戸惑いもある蒼剣。

  「わかったよ…ただちょいと長くなるし俺の腹が大変になるがな……」

  「おっ…話してくれるんだね?」

  [newpage]

  蒼剣は覚悟を決めて色々話した。自分がフォックを倒すためにきた勇者だったこと、そのフォックが魔王だったこと、敗北して竜人になったことなどこれまでの経緯を話した。ただその分呪いにより太ってしまう点もあったが蒼剣は風狐に全てを話した。

  「というわけだ…ったくお前のせいだからな!また太っちまったし」

  と、自分の腹をつまむ。

  「ははっ…いやぁ、色々とあったみたいだね!」

  そう言って蒼剣の肩をポンッと叩く。

  「あ~後であいつに何しでかされるのやら…あいつ魔王言うのんぐっ…なんか嫌だったしな、理由も話してくれねぇし」

  再び腹が膨らむ。

  「レイリュウが居ただろ?彼からフォックに関すること聞いてみれば良いんじゃないか?」

  そう言って蒼剣のお腹を見て、『凄い呪いだなぁ…』と思っていた。

  「あの幽霊に聞くのもな…あいつ確か元は悪い奴だと聞かされてちょいとためらいがあるし」

  実はフォックからレイリュウの事を聞かされているためかレイリュウの過去ので蒼剣自身聞くのをためらっていた。ましてや元は悪い事しているためか元勇者としての血が騒いているがフォックに止められているため手を出していない。

  「…そういや、そういう事書かれてたな…」

  風狐が、レイリュウのバルーンムーンウルフへの申請書の事を思い出しながらそう呟いた。

  「だからあいつの事聞くのもなと…それにあいつのせいで////くっ////腹触ったらまた快感が////」

  腹をむにむにしたことで快感が再び蒼剣をおそう。

  「けど、色々とあって彼、更正してるんだろ…っと、おやおや…」

  「んへへ////」

  蒼剣が快感に溺れてしまう。

  「それっ!」

  コンッ!と音と共に、蒼剣の頭を小突く。

  「いてっ!あ~またやっちまった…あの黒い奴に色々言われてくそっ!どうも快感が余計…ま…あいつのせいで!」

  痛みで正気に戻りやってしまったと後悔してしまう、入社の時言われたとある者の一言などを思い出して苛立ちが出てくる。

  「成る程ねぇ~…もし良かったら、その快感を抑えるようにしてやろうか?」

  蒼剣のその様子を見ていた風狐がそんな事を言ってきた。

  「そんな事できるのか?」

  「…少し君の身体を調べることになるけど…構わないか?」

  蒼剣の顔を見てそう言った。

  「わかった、やってくれよ」

  蒼剣は承諾した。

  「それじゃあ…」

  そう言ってから風狐が気体になり始めた。

  「お前狐じゃなかったのかよ!?」

  風狐が気体になったことに蒼剣は驚き口が空いている蒼剣の方へ…気体となった風狐が入ってきた。

  「んぐっ!?」

  蒼剣に気体の風狐が身体の中へ侵入する。蒼剣の中に気体の風狐が入る中で、こんな声が聞こえる。

  『僕は風を操る狐の精霊なんだぜ?これぐらいどうって事ないよ?』

  「うおっ!?どこからか声が!?」

  風狐の声がどこからか聞こえ驚きまくる。

  『君の中から喋ってるんだよ…っと、かなりの呪いを受けてんだな?』

  その声が聞こえる中でも、気体の風狐はドンドン蒼剣の中に入ってゆく。

  「あいつにとっては禁句なんだよ、だから俺も極力言わないようにしてんだよ」

  悪態をつきながら風狐に説明した。

  『成る程ねぇ…と、全身入りきれた』

  その声と共に蒼剣の膨らんだお腹が揺れる。

  「はあ~とりあえず入ってそれでどう調べるんだ?」

  呆れながらもどう調べるのか聞く。

  『呪い関連は下手に手ぇ出したら、こっちまでおっ被りそうだからなぁ…おっ、これが快感のやつだな…?』

  「見つけたのか?」

  風狐が何かを見つけたようだ。

  『あぁ…かなり強く出来上がっちゃっているなぁ…こりゃ少し荒療治しないといけねぇかな?』

  お腹からその声が響いているような感じを受ける蒼剣。

  「えっ!?荒治療って何をするつもりなんだ!?」

  何やら嫌な予感がすると蒼剣は察した。

  『あー、蒼剣…ちょっと苦しいと思うかもしんねぇけどこれ我慢したら快感を抑える事が出来るんだ…どうする?』

  風狐の提案に蒼剣は。

  「う…あ~もうやるならやってくれ!」

  悟を決めて蒼剣は風狐に半ばヤケクソ気味な発言に風狐は。

  『了解…踏ん張れよ!』

  その声が響いた瞬間!蒼剣の身体という身体に快感が湧き出るように感じた。

  「あひゃああああああああああ!!!!////」

  これまでにない快感が蒼剣を襲い思わず倒れこむ様に横になる蒼剣ではあるが。

  『このっ!手荒い事やってたからこの快感になったのか!このやろ!』

  風狐のその声が聞こえる度にビクンッ!ビクンッ!と身体が勝手に跳ねあがる。

  「んあっ!////んひゃ!?ひゃめてくれ~////うひゃっ!!?////」

  ボヨンボヨンと腹が揺れまくり快感が何度も来る。快感の影響で言葉に多少の呂律が回らないからかその声を聞いてる筈の風狐にはまるで聞こえず。

  『こいつっ!大人しくしろっての!』

  何かを押し込んでいる感じな風狐の声が聞こえる。

  「うひゃっ!?////んへへ////」

  ビクンビクンと身体を跳ね上がらせながら快感に溺れてしまう蒼剣…そんな大変な目に合いまくっている中でフォックの方はというと…?

  [newpage]

  「あら?なんか風属性の魔力を感じるわね」

  魔力を感じてその場所へと向かっていた。

  「マスター、その魔力もしかしたら…」

  「おそらく風狐君だろうね、なんだろう、蒼剣のも感じるわ」

  同時に蒼剣の反応も感じていた。

  「だ、大丈夫なんでしょうか…?」

  蒼剣も居る事が分かると、風狐の事が心配になるレイリュウ。

  「大丈夫でしょ、風狐君の魔力でなんかやってそうだし」

  と、魔力の感知した場所へと飛んでいく。

  「だと良いんですけどね…!」

  フォックの後を追うようにレイリュウも飛んでいく。

  『…もおぉ~!この野郎!いい加減に怒ったぞ!?確たる上は…!』

  蒼剣が未だ快感に痺れているにも関わらず、何かと格闘中であった風狐がそんな言葉をあげた瞬間…ブシュウウウウウウウゥ!と音をたてながら、お腹が膨らみ出した。

  「んがふっ!!!?////(は、腹が!!!?////)」

  快感にしたっていた蒼剣は腹が膨らみ出したことで正気に戻り苦しみ出す。

  膨らみ出すお腹にウンウンしていた蒼剣は自分が浮かび上がっていることに気がつく。

  「んぶっ!?////(う、浮かんでる!!?////」

  ふわふわと浮かんで飛んでいってしまいそうになる…そう感じた蒼剣は咄嗟に何処かに捕まった。

  「んぷっ!(マジでこれはやべぇ////早くしてくれ~!!////)」

  …ギシッ、ギシッ…とお腹から音がなり始めてきた…。

  「んぐっ!////(は、腹が!////)」

  破裂してしまうという心配が蒼剣を不安にさせ、膨らんでゆく不安にどうにかなりそうなその時…。

  『ふうぅ…ようやく終わった!』

  その声が聞こえると共に膨らむのが止まった。

  「うぷっ!////(と、止まった…ってかおいお前なんとかしろこの状況!////)」

  と、心の中で風狐に訴えかけていく。

  『…って、あぁごめん!ちょいと封じ込めてる最中で膨らませてしまったね…っと、ちょい我慢してよ?』

  その声が聞こえると同時に…。

  「ゴエエエエエエエエエエエエエエエップ!!!!ゴオオオオオオオオオオオオオオオオップ!!!!!」

  おくびがかなり出されていき、その影響で蒼剣が飛びまくる。

  「ぐえぇっぷ!!!!!!うげっ!?って飛んでる!!!?」

  おくびが出た分かなり吹っ飛んでいき止まらない。

  そのおくびが出てくるなかで…。

  「よっと!」

  風狐が気体から実体へと戻って地面に降りる。

  「おい狐!!!マジでなんとか止めてくれ!!!」

  おくびが収まってきたがその勢いで飛ぶのが止まらない。

  「そんなもん、そんなに飛んでってたら…っと、来たな?」

  その声が聞こえたかと思ったら、飛んでいた浮遊感が収まってゆくのが感じ始める。

  「お?収まった…」

  其処で気がつく…おくびが飛んでってたら今いるのは…空中であったのだ。

  「って落ちる!!!?

  そのまま地面へと真っ逆さまに落ちていこうとする。

  そんな彼に…。

  「よっ、と!」

  ドサッ!と地面から器用に蒼剣をナイスキャッチした。

  「うおっ!?」

  咄嗟の事で驚く。

  「お疲れ蒼剣、ちょいと大変だったけど…何とか快感を抑える事が出来たよ!」

  「ほんとだ…」

  快感が抑えられたのを実感した。すると。

  「んっ!?んべっ!」

  何かが蒼剣から吐き出される、吐き出されたのは何やら蒼色の玉だった。

  「なんだこれは?」

  吐き出された物に気になっていた。

  「おっと…そいつは君の中にあった快感の塊だよ。きちんと回収できてなかった様だね?」

  「これが!?」

  こんな塊が自分の中にあったなんてと蒼剣は驚く。

  「そう!それ、何かに付けて使ったら多分一定時間快感になって動けない事になると思うよ?」

  「なるほどな、あ、俺の身体元に戻ったな」

  その声を聞いてるなかで蒼剣は自分のお腹が普通に生活して居るときの厚さになってることに気づく、先ほどのおくびなどで体型は元に戻っていた。

  「さっきのでカロリー消費したんだね…おっ?」

  「あっ、マスター!蒼剣です!」

  「あらここにいたのね」

  「ま…じゃなかったフォック、それに幽霊お前も」

  同時にフォックとレイリュウが駆け付けた。

  「あっ、風狐さん…大丈夫でしたか?」

  「あ~、ちょいとあったけど概ね大丈夫だったよ!」

  「は、はい?」

  「何していたの?」

  気になったフォックは風狐に聞いてくる。

  「あぁ、実はな…」

  風狐が説明する中、蒼剣は自分のお腹のそっと触っていた。

  「(快感はねぇ…でもなんだかスッキリしたような気がする)」

  快感は抑えられてスッキリした表情をしていた。

  「あー、蒼剣さん、どうされましたか?」

  少し今までと違う蒼剣の様子を見てそう言った。

  「いや、ちょいとスッキリしただけだ」

  と、レイリュウにそう言い返した。

  「えっ!?はあ~本当はあまりバラしたくないけど風狐君、この事は他言無用で、この事が色々知れ渡ったら大変だし世界的にもね」

  と、自分の正体などフォックは色々と風狐に説明した。

  「…い、意外な経歴持ち!?」

  「さ、左様ですか…」

  そのとんでもない事にその声をあげていた。レイリュウは溜息をしながら呟いた。

  「まあ俺の過去はレイリュウには説明したがまあこいつもいるしどうしてなのか説明するか、蒼剣には話さないといけないだろうからな」

  「心して聞こう…」

  「は、はい!」

  「……」

  仕方ないと思いながらフォックは皆に説明する。自分が好きで魔王になったわけではないこと、蒼剣があまりにも勇者としてダメだったのも考え自分なりに魔王を辞めるための事など全て話した。

  [newpage]

  「そうだったのか…だから俺をこうしたりなど」

  「あー、確かに…蒼剣の中に入って調べてたんだけど…何か酷いことやってた形跡見つけたな…」

  蒼剣は自分の行いなど自分がこうなった理由を理解し、風狐は蒼剣の快感さがかなり手強かったのをそれを聞いて理解できた。

  「なんか悪かったな…ま…じゃないフォック、俺、お前を勘違いしてた」

  と、蒼剣はフォックに謝った。

  「おっ…これは」

  「雨降って地固まる…って奴でしょうか?」

  「言っても今のお前では理解できないと思ったから言わなかった、こっちもごめんな、だからこそちゃんと理解できたうえでお前に言う機会を考えていたけど風狐君のおかげでなんとかなってよかったわ」

  フォックも蒼剣に謝りながら貢献した風狐に感謝する。

  「ふふっ…良かったですね、フォックさん?」

  そう言ってにっこりと笑顔を見せる。

  「えぇ、でも俺が魔王というのは世間にはばらさないようにしてくれれば手を出すつもりはないから、この事を話していいのは信頼できる者にと決めてあるから風狐君もこの事は内密にね?」

  と、魔王であることはバラさないようにと風狐に言って聞かせた。

  「はいよ…っと、蒼剣、今の自分が出来ること、知りたくねぇかい?」

  「俺にできること?知りたい、勇者じゃなくなった俺にできることなら!」

  風狐の言葉に蒼剣は頷いた。

  「ふふっ…それじゃあ!」

  「あの、風狐さん…それを使ってどうするんですか?」

  懐から扇を取り出してきた風狐に怪訝な顔を浮かべるレイリュウ。

  「扇だけどどうするの?」

  フォックもどうするのか聞いてきた。

  「こうすんのさ…天風術、風船(かぜぶね)!」ブオオォン!

  扇を広げて振るった瞬間、風が吹きあがった。

  「んおっ!?」

  風で態勢が崩れそうになり、驚いて口を空けていた蒼剣の口に大風が入り込んできた。

  「んぐっ!?」

  風が蒼剣の中に入り腹が段々と膨らんでいく。

  「んぷっ!!?////(腹がまた…気持ちいい…快感はあるが悪くねぇ…!)」

  風が蒼剣の中に入ってゆき、お腹が膨らみ出すも…今までの様な快感の波が来なかった…まぁ、一応快感はあったがそれで溺れることはなかったのであるれ以前に受け入れたようになっていった。

  「んん////」

  「ふふ、どうやら解決してよかったようね、あたしの出る幕はなさそうね」

  受け入れた蒼剣は膨らむことに堪能し、フォックは解決したことに安堵する。…その後、風狐と蒼剣との良い仲が出来てるのを知り、龍狼が変な手回しをされてしまうことに…二人はまだ知る由もなかった。

  [newpage]

  俺は色々と悩んでいた…でも今はその悩みはなくなった。あいつがどうして魔王であったのかなど理由も知った。

  そして俺にできることは……。

  誰かを喜ばせる……俺が膨らむ姿や俺の腹が太っていても癒しを与えること。

  もう俺は迷わないけどいつか魔王、お前を超える日を!