イカの若者はシャケ獣人に出会う

  どこかの街、そこは人の姿となったイカタコ達やクラゲなど多くの海洋生物達がいた。

  ここはバンカラ街と呼ばれる街だ。

  街の駅前で3人組?がラジオをやっていた。

  『ほなカイサン!』という掛け声に合わせてラジオは終わってしまった。

  「お疲れ様~」

  そこにイカ人間姿のフォックとタコ人間姿のアストル二人の姿があった。

  「あ、フォックはんお疲れやす」

  「お疲れなのじゃ~」

  「エイ~」

  と、フォックとアストルに挨拶する。

  彼女達(というよりはマンタが一匹いるがメンバーで唯一のオスだ)はバンカラ街を拠点として活動しているユニット『すりみ連合』だ。

  京都弁を話しているハチマキをしたオクタリオンの女性フウカ、アラビアンな衣装をして元気なインクリングで話し方が珍しい女性ウツホ、そしてマンタであるマンタローの3人(というより二人と一匹)だ。

  「そちらも頑張ってるね~フェスも毎回楽しませてもらってるしこっちの俺が世話になったな」

  「おおきに、うちらも3号はんには色々とそれにあんさんにも色々と楽しませてもらっております」

  「そうじゃな~カチコミもできて満足じゃ~」

  「エ~イ(色々大変だけどね)」

  と、3人はそう言う。

  「フォックさんそろそろ」

  「あ、もう戻らないと、そんじゃまたフェスなどあったら遊びに来るね」

  「ばいならなのじゃ~!」

  二人はすりみ連合の三人と別れてバンカラ街のある場所へ。

  [newpage]

  「お待たせ」

  鳥居みたいな大きな門の前にインクリング、しかもフォック同様の姿をした者がいた。

  彼はこの世界のフォックことロゼドラだ、バンカラでナワバリバトルとサーモンランでのバイトをしながらNEWカラストンビ部隊の三号として活動している。

  「あ、魔王の俺とアストルさん来てくれたんだ」

  「はい、今回僕もフォックさんに誘われて」

  アストルはどうやら今回は誘われて一緒に同行していたようだ。

  「コジャケは連れているね」

  「うん、魔王の俺がシャケので色々と調べるなどで連れていくとあったので」

  ひょこっと出てきたのは目がでかい小さい魚、これはコジャケと呼ばれるシャケでありサーモンランでよく見かけるのだがこのコジャケはサーモンランのコジャケとは違って下半身の服は少し黒緑色をしている。

  「ケバインクなどなんでも食べるコジャケとちょいと気になったからね、んじゃ行きましょう」

  と、魔法陣を展開してどこかへと向かった。

  [newpage]

  魔法陣でやってきたのはフォック達が住んでいる屋敷だった、家自体リフォームという形で屋敷へと変貌して隣にはスカルドラゴ団の寮がありそれぞれ練習場所なども完備している。

  「到着っと」

  「前来た時より変わってる」

  ロゼドラは唖然とする、前来た時は家は少し大きい程度だったが大分変わっていたことに驚きを隠せなかった。フォックとアストルの姿が竜人へと戻っていった、世界ごとにその世界に適した姿にしている何かあった時には本来の姿という形で決まっていてそれは蒼剣達も同じである。

  「まあそっちの時間とズレもあるから仕方ないよ」

  「おっ、来たな」

  そこに蒼剣が来てさらに一人の人間を連れてきていた。

  「蒼剣に智月」

  「えっと、その子が確かイカの方のフォックだっけ?」

  と、龍狼とロゼドラは初対面であった。

  「うん。魚介類だけの世界の俺ことロゼドラね」

  「初めましてロゼドラといいます、こっちは俺の相棒のコジャケです」

  と、挨拶をする。

  「よろしくな、んで今回どうするんだ?しかもなんかコジャケというのも連れてきたが?」

  何やら龍狼を連れてきた理由があるようだ。

  「ちょいとお前の身体の調査ので元に戻るのあるじゃん?ある方法使えば爆発でインクが飛び散っても大丈夫みたいでね、それのをやるつもり、ちなみに魚介類世界の俺を連れてきたのも連れてきたコジャケ関連で色々と調べたいことなどでね」

  どうやら龍狼の事で何かをやるつもりでロゼドラとコジャケを連れてきたのもその理由のようだ。

  「なるほどな、んであの姿になるってわけか」

  「そういうこと、とりあえずあの姿になってもらって」

  「あの姿?」

  「今にわかりますよ」

  ロゼドラはなんなのかわからずだが龍狼はパイプがついた筒状の物の帽子を被って咥えてすぐに獣人姿へとなる。

  人間の姿から段々とマズルから鼻が伸びて耳と毛も生えて狼の姿になると想ったらさらに体型が段々と太くなりシャケ特有の鱗などもついていた。

  「!?」

  ロゼドラは姿で何か理解していた。

  「姿変わる間に説明するとね、こいつは諸事情により獣人とさらにそっちの世界でいうシャケの要素を入れた姿となってしまってね、人間に戻れるけどインクを爆発させないと元に戻れなくなっちゃったの」

  「なるほど、俺もコジャケの事で色々と調べているけどそのためだったんだね」

  どうやらロゼドラも理解したのと同時に龍狼の姿も獣人姿とロゼドラの世界でいうサーモンランのオオモノシャケ『バクダン』の姿へと変わっていた。

  「まさかバクダンになるなんて、でも」

  「あ~まあ余程あの頭のボムに触るなどしなければ大丈夫よ、後意識もあるから」

  「フウ~マタコノ姿ニナルトハ」

  カタコトであるがちゃんと普通に喋る龍狼。

  「それに近場でシャケの事を調べられるからコジャケの事やビッグランの事も調べられる参考になるかもしれないし」

  「そうだね、確かにコジャケの事でシャケ達の事を調べていたから魔王の俺がまさかオオモノシャケを隠していたなんて」

  「それはごめんなさい、どうしようか僕達も考えていまして」

  滅多にオオモノシャケを見れるなどロゼドラにとっては初体験にもなる、いつものサーモンランのシャケ達は狂暴で攻撃はするがビックランで迷いこんだコジャケなどのシャケは何故か襲ってこない、龍狼も龍狼の意思があるため意識はある。

  「俺もごめんな、でも調べるのにもってこいのがいるよ」

  と、用意したのはフォックが開発した食用スライム達だ。

  「これは?」

  「食用のスライム、これをあいつの中に入れるというかまあちょいと太らせるんだけどね」

  「オウフッ」

  どうやら食用スライムを龍狼の中に入れるというよりは食用なので食べられる。

  「というわけで、スライム達は智月の中に突入!」

  そうフォックが指示するとスライム達が一斉に龍狼の口の中へと入っていた。

  「ガウフッ!?」

  段々と入っていくうちにバクダンシャケ獣人となった龍狼の腹は段々と膨れていく。

  「すごく入ってるけど大丈夫?」

  「大丈夫、あいつの容量でも入れる程度にはね、コジャケと比べると劣るがコジャケの食べる量ってわからない時があるだろうし」

  心配そうに見るロゼドラだが龍狼自体は膨らむことには何度もやっているため慣れてはいる、またこれはコジャケがどのぐらいの量を食えるのかも調べられる。

  コジャケ自体ロゼドラと行動していて普通のコジャケとは違ってなんでも食べてケバインクいうインクの除去もコジャケがイクラを消費して食べるのもまた気になる点もある。

  「確かにコジャケは色々食べるから食べてもこんな風にはならないけど満腹になる時はなるだろうし何気に太らないのもあるからね」

  「そうね、まあコジャケが特別なのはわかった感じだしっとそろそろかな」

  「ウプッ…ふへへぇ…」

  そうこうしてるうちに龍狼の腹はかなり膨らんでいてオカシラシャケであるヨコヅナみたいな腹へとなってしまいさらに何故か表情も緩やかになっていた。

  「なんか智月さんどうしたんだろう?」

  「あ~気にしないで、膨らんでいることに興奮しちゃってるから大丈夫よ」

  どうやら本人のいつもの癖が出てしまっていたようだ。

  「そろそろね、んじゃほいっと!」

  そこにフォックが何かを龍狼の口に投げ入れる。

  「ンゴッ!?」

  「フォックさん何を?」

  「ちょいとスプラッシュボムを入れたのよ、まあ入れたところであいつインク太りになるけど」

  どうやらスプラッシュボムを入れたようだ。

  「えっ!?でもそうなったら!?」

  ロゼドラがそう言うと龍狼の様子がおかしくなる。

  「ムププ!?」

  腹の中に入ってしまったのか一旦膨らんで萎んでしまったが段々腹が膨れていって今にも爆発しそうだった。

  「フォックさんこれやばいんじゃ!?」

  「待って!?ここで俺が受けたら!?」

  アストルとロゼドラは慌てる、特にロゼドラは違う色のインクを受ければやられてしまうため復活するのに時間がかかってしまう。

  「こういう時のために!」

  そこでフォックは何やら装置を取り出す、そして龍狼の口から大声が響き爆発が起こる。

  「今よ!」

  爆発直前フォックは装置を起動しインクが飛び散ってフォック達にかかろうとしたがその装置がインクを吸収していく、まるで掃除機に吸い取るかのように大量のインクは吸収された。

  「これは!?」

  「キューインキ!?」

  アストルは驚いたがロゼドラだけは何故かフォックの装置のを知っていた。

  「ふう~スペシャルであったキュウインキなかったらやばかったわ」

  と、汗を拭った。

  先ほどフォックが使っていたのはロゼドラのいる世界でいうところのスペシャル『キューインキ』と呼ばれるスペシャルだった。

  キューインキはその名の通りインクを吸収する、そしてその分を自分のインクにして返すいわゆるカウンターみたいなスペシャルであった。

  これにより爆発で来るインクを吸収したのだ、そんな龍狼は爆発の影響で人間姿へと戻っていた。

  「ごほごほ、まさか爆発をそれで防ぐなんて」

  「お前のを風狐君の資料で見てそれでやってみたら案の定ね、これなら元に戻る時に他の人にインクがかからないから大丈夫ね」

  「なるほどね」

  まさかの方法でインク爆発を防いだのであった。そんな様子を見ていたコジャケだが眠たそうにあくびをしていたのであった。

  [newpage]

  「今日はありがとう、おかげで少しシャケの事などわかった気がするよ」

  「それはどうも、まあまた何かある時には俺も力を貸すよ」

  「色々と勉強になりましたしよかったですよ」

  ロゼドラとコジャケは魔法陣の上に乗る、どうやら元の世界に帰るようだ。

  「それじゃあ」

  「またね、シオカラーズの二人とアタリメさんと司令とすりみ連合の三人にもよろしくね~」

  と、魔法陣は光輝きロゼドラとコジャケは元の世界へと帰っていった。

  「さてインクの後処理など色々やらないと、智月も手伝ってね」

  「へいへい」

  「僕も手伝います」

  こうして一人の若者のイカにとって経験になったのであった。