狼さんのお気に入り

  狼のヴィクトルと人間の勇利くんのお話です。

  ※設定上、狼たちは、耳と尻尾が生えた人間の姿です。古びた大きな倉庫に住み着いています。

  語部(?)が誰なのか定まってません。

  [newpage]

  「はっ…っはぁ」

  「ゆうり!!逃げないでくれ!!」

  牢から走り出て、どれくらいたったんだろう。

  もう足の裏がボロボロだ。

  呼吸のしすぎで、喉も肺も痛い。

  「くっそ…っ…すばしっこい豚だ」

  諦めたのか、ピタッと荒れ狂った男の足音が止まった。けれど、勇利の足は動いたまま止まらない。

  「はっ…ぁ」

  無我夢中で走った。

  走った先は、深いくて暗い森の奥。

  「はぁ…っ、…ひっ!」

  暗闇から無数の鋭い眼光が光り輝く。

  その中でも1番、目を奪われるくらい輝いていた瞳の主が暗闇からぬっと現れた。

  「人間の男の子かぁ、珍しいね。…」

  「…っ、いや、やぁ…っべない…で…」

  (怯えきった目だ…こんな小さな子がこんな場所まで…)

  狼は勇利の目線に合わせるようにしゃがむ。

  「俺は君の事は食べたりしないよ」

  優しく微笑むと同時に、周りにいた狼達は焦り声を上げた。

  「ヴィクトル!?こいつを放っておいたら、いつ狩られるか…!」

  「そうですよ!今食べちゃった方が後々安心で

  「この子は俺が見る。だからお前らは手を出さないでね」

  「っ…」

  そう言うとヴィクトルは怯えた勇利の頭を撫でる。

  「!?っ…」

  「大丈夫、大丈夫だよ…安心して」

  ビクビクと震えていた勇利の体は次第に力が緩んでいく。そして疲れがどっと押し寄せたのか、ヴィクトルに体を預け寝てしまった。

  「………こんな可愛い子がねぇ…」

  「おいヴィクトル、本当にそんなやつの面倒なんか見れるのかよ」

  「……寝顔、とっても可愛いんだ。見てみる?ユリオ」

  「はぁ?興味ねーよ。…決めたんなら責任持てよな、ジジィ」

  「ふふ、言われなくてもわかっているよ」

  [newpage]

  「びくとる!みてみて、きれいなお花!」

  「ワオ…!勇利と同じくらい可愛いお花だね」

  「ぼ、ぼくは可愛いくなかとよ〜」

  「…あのゆうりって子、すっごい懐いたわね、ヴィクトルに」

  「ヴィクトル様のあんな気が抜けた顔、初めて見たよ」

  「微笑ましいな」

  「勇利、この首輪外さないのかい?」

  「ん、これねぇ、外れないの」

  「え?」

  「僕も頑張って取ろうとしたけど、取れなかったの」

  「…そっか」

  ヴィクトルはぎゅぅっと勇利を抱きしめる。壊れ物のようにそっと優しく。

  「びくとる…?」

  「君はどうして…。こんな、可愛くていい子なのにね…人間は愚かすぎる、許せないよ」

  「…?」

  「あれ?ヴィクトル、勇利はどうしたんだい」

  「寝てしまったよ。人間の子供はすぐ疲れてしまうんだ。…寂しいなあ」

  「ふふ、あの子にぞっこんね。…勇利のあの首輪…」

  「あぁ。もし俺が人間だったら、すぐに勇利を買い取って愛でていたよ。」

  「ヴィクトルならそうすると思うわ」

  [newpage]

  昔、俺は見たことがある。

  人間は人身売買って言っていた。

  仲間を捨てて、報酬を得る行いのことだ。

  何人もの人間が衣を纏わずに、牢屋に入れられていた。太くて重そうな首輪、手首と足首にも付けられていた。

  そこに入れられていた人間たちの顔は、何とも言えない。

  助けの言葉すらも口に出せないくらい、衰退しきっていた。

  「勇利、もっと食べなさい」

  「もう、入らなぃ…んっ」

  「そうそう、いい子ね」

  「ほら、たくさん残しちゃってる」

  「ぁむ…っ、ん、…おなか、いっぱ…っ」

  「うるさいわね、早く食べなさいよ」

  お腹が膨れて眠れなかった夜のこと。

  叔母さんの声が聞こえてきた。

  「…ん、…えぇ、肥えさせてるわ。いい代物になりそうよ、…明日出荷かしら、4時頃に連れて向かうわ。…

  まだ5歳だったから、何の話をしているのか全然わからなかった。

  翌日、目が覚めたら裸になっていた。体には重い鎖で繋がれた首輪、足枷手枷。目の前には鉄でできた柵。

  そして柵の向こう側は、変な目で笑って騒いでいる大勢の人達。

  見るからにお偉いさんばっかりだ。

  「2番!36万で買うぞ!!」

  「3番!!50万!」

  首輪を見ると、僕の番号は2番で。

  でも動く気力とか声を出す力が何故か全然出なかった。

  僕の横に並んでいた様々な年齢層の人達も、僕と同じ状況。

  (あぁ、僕、どうなるんだろ…)

  黒装束を纏った男の人に買われて、僕は大きな屋敷に入れられた。

  高級そうなソファー、シャンデリア。

  カーテンがかかった大きなベッドに僕の体を放り投げた。

  そして、ギラギラとした漆黒の大きな指輪を嵌めて、言った。

  「ゆうりくん。君はとっても可愛らしい」

  一心不乱な瞳。

  「や、め…っ」

  彼の手が僕の体をベタベタと触る。

  「柔らかい肌、綺麗な小豆色の瞳、真っ黒な髪…いい、いいぞ…ふふ、あはは」

  「やだ…っ」

  「私はね、いろんな研究をしてきたよ。首を締めながらセックスしたらどれくらい気持ちいいのか、蝋燭をここに垂らすとどうなってしまうのか…」

  彼は僕の肛門をツンツンとつつく。

  「ぅっ…」

  「でもね、唯一実験できなかったことがあるんだ。素材不足でね。」

  「…っ」

  「でも、もう素材は確保したよ。勇利くん」

  「ひっ…!」

  頬をベロッと舐められる。

  「今日の研究はねぇ、子供の肛門には何個これが入るのか、試してみようか」

  彼の手には何故か鋭い釘がたくさん。

  「子供の痛がる姿って、大人より魅力的だと思うんだよ…ふふ」

  (やばい…死んじゃう…痛いの、やだ)

  逃げなきゃ。逃げなきゃ。逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ。

  彼が拡張道具を探している間、僕は鍵がかけられていなかった扉から全速力で出た。

  「あっ、おい!」

  すぐに追いかけてくる足音が聞こえた。

  (止まるな、まだ死にたくない、やだ、)

  逃げろ───。

  [newpage]

  ー10年後。

  「ねぇ、ヴィクトル」

  「ん?どうしたの勇利」

  「どうして人間の僕を、狼のヴィクトルが拾ってくれたの?」

  「んー、…どうしてだろうね、忘れたよ」

  「やっぱり忘れん坊だね、ヴィクトルは」

  「あ、でも…、勇利を守りたいって思ったんだ、それはよく覚えてる」

  「僕を、守りたい…?」

  「うん、勇利の首輪見た時気づいたよ。あ、逃げてきたんだって…」

  「そうなんだ…」

  「…勇利?どしたの、そんなニヤニヤしちゃって」

  「んーん、なんか嬉しくて…。ありがと、僕を助けてくれて」

  「っ…う、うん」

  (勇利のこの可愛い笑顔、なんか調子狂うなぁ)

  (なんだろう…ヴィクトルのこと考えると胸がきゅってなる…なにこれ。笑顔もれちゃう)

  いつも通り、僕はヴィクトルに抱きしめられ眠りにつこうとした。

  だけど、

  〈ドキドキドキドキドキドキ〉

  鼓動がうるさい。

  (やばい、胸の音ヴィクトルに聞こえちゃうよ〜…)

  「っ…」

  ふとヴィクトルを見ると、気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。

  何故か悔しい気分。

  (でも、なんでこんなに緊張するの…いつもこうしてるじゃないか)

  考えても考えてもわからない。

  この胸の痛みって何。

  「…ヴィクトル、これが恋…なのかな…」

  小声で1人ヴィクトルに語りかける。

  「…僕、わかんないけど…胸が痛いの。…ヴィクトルのこと考えると…」

  僕は一層ぎゅっと抱きしめていた手の力を少しだけ込める。ヴィクトルの体温を更に感じ取れる。

  「スキ…好き、だよ…ヴィクトル、好き」

  一度気づくと好きが溢れて止まらない。心の中も頭もいっぱいいっぱい。

  頭をグリグリとヴィクトルの胸元に押し付ける。

  もっとヴィクトルの存在と体温を感じたくて。

  「大好き…ヴィクトル」

  「っ…勇利」

  「っ!?!?」

  バッと顔を上げてヴィクトルの顔を見た。

  ヴィクトルは顔を赤くしてこちらを見ていた。

  「ヴィ、ヴィクトル、起きてたの…!?」

  「いや、途中で起きた」

  「…どこから?」

  「恋なのかなってところから…」

  「…ぅ、うう…ヴィクトルのばかぁ」

  僕は恥ずかしさのあまり顔を手で覆った。

  「勇利」

  「ごめん、ごめんなさいヴィクトル…あれは全部嘘で…」

  「嘘には聞こえなかったなぁ〜?」

  「ぅ…っ」

  「勇利、手どけて?」

  「やだ」

  「お願い…勇利」

  チラッと指の隙間からヴィクトルを見る。

  すると、ヴィクトルは僕の手をガシッと掴み、広げた。

  その瞬間、ヴィクトルの顔が近づき

  チュッ

  唇が触れ合った。

  「んっ…!?」

  「…勇利、君はとっても魅力的だよ。俺も魅了された1匹だ」

  「…っヴィク、トル…」

  「大好きだ、勇利」

  触れる程度のキスだったけど、それでも嬉しさと恥ずかしさは半端なくて。

  僕の初めてのキス、初めての恋人。

  [newpage]

  ヴィクトルの発情期。

  「んっ、んぅ…いっ」

  「勇利、痛い?」

  「だいじょ、ぶ…んっ…」

  「痛いなら正直に言ってね。すぐに辞めるから」

  「やだ、…辞めちゃやだ」

  「勇利…っ、指増やすよ」

  発情期のはずなのに、凄く丁寧にしてくれる。でもその優しさが、すごくむず痒い、焦れったい。

  「ヴィクトル、早く」

  「でも、勇利を傷つけちゃ

  「いいからっ、…早く、ヴィクトルのほしい…から」

  「っ勇利……、好きな子を傷つけたくないって思ってたけど、やっぱ無理」

  ぐいっと腰を持ち上げられ、ペニスを擦り付けられる。

  「でもやっぱ最初は、欲しがってる勇利をもっと見たいかな」

  「えっ、…?」

  「俺のペニスでどこを擦ってほしいか言ってごらん?」

  「えっ、やっ…なんで!」

  「いいから。言わないと辞めちゃうよ」

  「うっ…僕の、ここに」

  「ここって?」

  「ぼ、僕の…アナルに…っ」

  「どんな?」

  「…グチョグチョの…」

  「どんな風にして欲し

  「もー、うるさいなあ!」

  あーもう、焦れったい!!!!

  「っ?」

  僕はアナルを指で広げるようにして見せた。恥ずかしいけど、仕方ない。

  「僕のグチョグチョなアナルに、ヴィクトルの大きなペニス、入れて?グチャグチャにしてよ」

  「っ!」

  「ヴィーチャ♡」

  「っ!!!!」

  ヴィクトルの大きくて熱いペニスがメリメリと入ってくる。

  「あ、ん…っおおき…!」

  「ゆうり、さっきの反則だよ…っ」

  「あぁっ…!」

  「こんなに興奮した発情期、初めてだ、っ」

  「あっぁ、んっ、ぁっ…ヴィク、ト…っ」

  何度も何度も奥を突かれる。

  「…っ」

  「ヴィク、トル…すき、だいすき、…っ」

  「ゆうり…っ!」

  ズンっと奥を突かれる。お腹まで来てそうなくらい奥。

  「っあ!…っげほっがはっ」

  思わず咳が出てしまう。奥すぎて苦しい。

  「勇利、ごめん…止まらない」

  止まらないピストン。

  ヴィクトルの顔は必死で、尻尾の毛が逆だってる。

  ヴィクトルの滅多に見えない左目が髪の隙間から見える。

  それがすごく幸せで、ヴィクトルと繋がれてることを実感出来る。

  「っん、ぁ…ヴィクト、ル…ぼく、いきそっ」

  「うん、勇利…いって…一緒にいこ」

  次第にスピードが上がっていき、同時に達した。

  ヴィクトルは濃厚な精子を僕の中に出し切った。

  「はぁはぁ、…勇利、抜くね」

  ずるんっとヴィクトルのペニスが抜かれ、トロ〜っと精子が垂れてくる。

  「やだ…」

  「えっ、」

  僕は必死にお尻に手を回した。

  「ヴィクトルのこぼれちゃう…せっかくヴィクトルが出してくれたのに…やだよ」

  「勇利…。大丈夫、また今度出してあげるから」

  「ヴィクトル…」

  チュッ

  あの時とは違う濃厚なキス。

  大好きなヴィクトルと…狼と人間が結ばれてこんな幸せになっても、いいんだろうか。

  神様に怒られないのだろうか。

  不安が過ぎった。

  でもそんな事、すぐに吹っ飛んだ。

  ヴィクトルも幸せそうに顔を緩ませるから。僕もつられて口元が緩んだ。

  多分続く。