鍵っ子シークレットタイム

  学年……2年

  氏名……目黒 隼人

  種族……黒豹獣人

  所属……帰宅部

  進路希望……進学か就職……

  進学……特になし……勉強する気にもならない。

  就職……未定……今更何を手に職を付ければ良いのか。

  特にない場合……理由を述べよ……か。いまいちこれと言った明確な理由が思いつかない。

  「は〜い。書き終わった奴から提出してくれ、書けなかった奴は期限内にまでに俺に提出するように〜」

  *****

  「はぁ〜……」

  ほぼ誰もいなくなった夕暮れ時の教室で、頬杖を突きながらぼんやりと外を眺める。日が傾きかけた夕陽の下で元気そうな運動部の連中を尻目にあくびを吐く。ただでさえ退屈な授業な後にあれだけ動ける体力があるものだと思いながら流石は獣人である

  かく言う俺も獣人だし、体力もあれくらいは出せるものの……。

  「なんか違うんだよなぁ……」

  あれも青春の一つなんだろうかと、すぐに視線を机に戻す。そこにあるのはお昼頃からずっと変化の現れていない一枚の紙。

  いきなり進路と聞かれても、特にこれと言った明確な未来のビジョンの浮かんでいない自分は、そこから先が分からない。

  なるべく早く決めろと周りは急かすのに、将来の決め方なんて、誰も教えくれないのにな……。

  「おっす、お待たせ」

  やって来たのは深緑の鱗を持つ竜人。一応幼馴染の曽田竜也。比較的無口な俺と対照的に口数がめちゃくちゃ多く、誰とでも親しくなれるヒト。かく言う俺も親しくなったその一人だ。

  「随分時間かかったな?」

  「ああ〜なんか俺、成績やばいって言われた」

  「……そうか」

  「そうかって淡白っ!なあ友達が困ってるんだからなんか助けて!」

  竜也はいつも……ではないにしろ、ちゃらんぽらんな性格で勉強を疎かにしがちだ。地頭や理解力は悪くないのだからちゃんと勉強すればいいのにと思う。

  鬱陶しく俺の頭を抱えながら寄りかかって助けを懇願する。

  「分かった、分かった……じゃあまたお前の家でしばらくは勉強会だ。それでいいな?」

  「わぁ、ありがとうクロちゃん!やっぱ持つべきものは友達、いやクロちゃんだな」

  「(全く、調子のいいやつ)」

  [newpage]

  無口な俺と、おしゃべりな竜也。小学校の頃から何かと意気投合して、高校の今に至るまで家族ぐるみでの付き合いというのもあって、今日まで過ごして来た。

  お互い両親が共働きで、夜遅くまで一人ぼっちというのもあったかな。

  何はともあれ相手の遠慮なんてとっくの昔に置いてきたというくらいの仲なのだ。

  「んで、今日はどっちで過ごす?」

  「俺ん家!この間のステージの続きしようぜ、あれからボスが強くてよ」

  「その前に勉強だ。今期の期末テストまで間に合わせるぞ」

  「うぅ、分かってるよ。……でもさ、勉強終わったら……ご褒美、いいよな?」

  「もちろん……約束、だからな」

  竜也の言う“ご褒美”。それは大っぴらに誰にも言えるような代物でもなくて、俺たちを強く結びつける秘密の行事。

  それはかつては自分から言い出したことなのに、今は竜也の方に指導権を握られていた。

  俺の家と、竜也の家はどちらも両親が共働きで明るい時間帯にあまり家にいる時間が少なかった。

  小学生が家に一人で一晩過ごすのも心細く。両親がいない日は互いの家同士で泊まり合いをすることが習慣になっていった。

  互いの両親も納得してくれているし、その時に備えて晩御飯の作り置きもしてもらっている。

  竜也の家に着くなりリビングの食卓に筆記用具なり参考書やノートを置き勉強会を始める。

  「……それで、この公式を当てはめれば見えてくるだろ」

  「あぁなるほど!前々から気にはなってたけどこう言うことだったのか」

  本当かどうかは怪しいが、竜也自身は理解力はある方だから一旦理解してしまえばあとはとんとん拍子に進んでいく。自分から勉強しないのが欠点だが。

  「すげぇ、この解き方をしてるだけでこんな古文書みたいな問題がすらすら解けてく〜」

  「まあ例外はあるがな。まあでもお前なら問題ないだろ」

  「ありがと。けどクロちゃんって教え方相変わらず上手いよね。将来先生とかになれそー」

  先生、か。考えたこともなかったが、それもいいのかもしれない。まあ生徒が竜也みたいな問題児だったら……それもいいのかもしれない。

  「……ん、もうこんな時間か。今日はここまでにしとこう。明日は休みだが根詰めすぎるのも良くないしな」

  「よっしゃ〜やっと終わった」

  「お疲れ様。このあとはどうする?この間の続きするか?」

  「もちろん!よろしく頼むぜ、相棒」

  「そ、れ、と……」

  「ん?」

  「今日さ、母さん明け方まで帰ってこないって。父さんも単身赴任中だし……」

  「だからさ、今日の“ご褒美”は目一杯出来るんだぜ?」

  「そうか……」

  その言葉を聞いた途端、体が熱くなるのを感じた。

  それが分かって竜也の方も途中から俺に対して徐々によそよそしい素振りを見せ始める。

  今日は俺たち二人っきり。今日は俺たち二人っきり。

  そんな事実が、俺たちの心を揺さぶらせるのだった。

  そんな俺の反応を見た竜也は妙に色っぽい目で俺のことを見てくる。そしてピッタリと肩を寄せて俺の下腹部の膨らみを優しく揉む。

  それだけで年頃の男子高校生の分身は、期待を求め血が集まって隆起していく。

  今日は長い夜になりそうだ。

  曽田家のお風呂を借り、バスタオル体を拭きながら、今夜の竜也に与える“ご褒美”を用意するために準備を進める。

  何を隠そうその“ご褒美”の正体は竜也との……セックスなのだ。

  始めは単なる好奇心と偶然だった。

  なにしろお互いの家を泊まり合いする日々。隠し事や性癖なんてのもバレるのも時間の問題だった。

  それでも驚きだったのが、俺と竜也は両想いだったということ。

  それからは時間を見つけては竜也へのご褒美という名目で、秘密の情事が始まるのだ。

  「来たな」

  竜也の部屋に戻ると、竜也も裸でベットの上で待機していた。

  幼い頃から見慣れた深緑色の竜鱗に覆われた肉体。毛皮で覆われている俺と違って、光に反射するほどツルツルと質感にすべすべした感触。

  「んっ….あぁ……」

  実際に触ってみると、指先越しにこいつの鱗肌の感触が伝わって来る。

  竜也はビクビクしながら嬌声を挙げる。さっきまでなんてことのない会話を繰り広げていた幼馴染のこんな痴態を目の当たりにして自分も興奮してくる。

  「(あ〜む……)」

  竜也の胸から臍にかけての白い部分の蛇腹。その丁度盛り上がっている、人体で言うところの乳房を口に含み、甘噛みする。当然乳は出ないが、出るものはしっかりと出る。

  「はぁ……っ!くろちゃ….はやとぉ……」

  物欲しそうな目で。男同士でこんなことをしているのに、こいつはこの先のことを所望してる。俺もだ。

  好きな人がこんなザマしているのを見て、黙っているほどの俺ではない。

  すっかり蕩けきった竜也の下腹部のもう一つの穴に、人差し指を近づけて。

  「あぅ……はや、と……」

  竜也の股間の一筋のスリット。そこにはすでに勃起している竜也の逸物が。

  俺は逸物の根元にある小さな穴に人差し指を差し込む。

  そこは竜人種の進化の過程で不要になった総排泄膣。要は排泄口なのだが、人型に進化した時に本来の機能は失われたが、今の形態でもそこは神経がたくさん通っているため敏感に感じる。

  そうして数分ほど攻め続けていると。

  「あぁっ、指だけじゃやだ。クロちゃんの、隼人のチンポが欲しい!

  俺のスリットん中を隼人のチンポでぐちゃぐちゃにかき混ぜて欲しい!」

  情けない声で俺に犯してくれと懇願する。俺はそんなこいつの姿が堪らなく愛おしい。

  普段おちゃらけていてお調子者な表の顔とは裏腹に、性欲に飲み込まれればあっという間に淫乱になる。こんな姿を知っているのは俺だけ、こいつをどうするかも俺の気分次第……俺は今、言葉で言い表せないような感情を秘めている。

  「分かった。挿れるぞ」

  「早くぅ……」

  指を引き抜けば、排泄にしか使われないはずの秘所が真っ赤に熟れた雄を挿れる為の器官と化す。指の快感が忘れられずヒクヒク脈動し、蠢いて埋める存在を待っている。

  俺はガチガチに勃起したゴムを付けた逸物をソコへと当てがい腰を動かす。

  「はぁっチンポ、隼人のチンポ来たぁん!」

  「くっ、相変わらず締め付けてきやがる……!」

  逸物が出入り口を通過した途端内部の肉壁が俺の逸物を掴んで離さず、捕食者のように獲物を肉壁で挟んだり離したりしながら獲物の触感を楽しんでいる。

  無論俺も楽しまされていて、逸物が肉壁に弄ばれる度に物言えない快感が襲ってくる。

  こいつのペースに飲まれまいと奮闘する、しかし抵抗虚しく奥へ進めば進むほどねっとりとした温かい内部により俺の必死の抵抗も焼け石に水にしかならない。

  「はあ、はぁ、隼人ぉ……気持ちいいぜ……!もっと、突き入れても、いいぜ……あぁっ!」

  いつもいつも人の気を振り回しては最後にはケロッとして笑っていて、それでも周りの人が助けてくれると信じてる。俺もそんなこいつをついつい助けてしまう馬鹿の一人。

  「甘くぅ……見やがって……!」

  でも好きになっちまった。愛してしまったから。いつまでもコイツのそばにいたいって、素直には言えない。だから。

  「そんなに俺のチンポが、いいのかよ⁉︎こんなにガバガバにスリットマンコ広げて一丁前に鳴いてよぉ……」

  「オラオラ!どうなんだぁ⁉︎こんなにチンポで気持ちよくなりたくてマンコゆるゆるになってるお前は雄なのかぁ⁉︎」

  「はぁうぅ……!ごめんよクロちゃん。ぼ、僕はぁ……!」

  「はぁ、はぁ。言え!お前はぁ!俺の、なんだっ!」

  穴の内部が急にぎゅうぅっと狭まって、竜也がどこかもじもじして……。

  「雌です!僕はクロちゃんのおチンポなしじゃ生きられない竜の風上にも置けない雌だからぁ……!」

  「よく言った!ナカに射精すぞ、ちゃんと孕めよ!」

  「うぅんんんーーーっ!!!」

  「っはぁぁぁ〜〜〜」

  ドクンドクンと、下腹部の逸物が雌を孕ませようと一生懸命に種を解き放っている。

  この感覚は日々の鬱憤ではなく、表には出せない竜也への色々な感情が含まれている気がした。

  「はぁ……ありがとうクロちゃん。大好きだよ……」

  「ああ。ああ……」

  俺たちの夜はまだ、終わらない。

  この部屋、この時間でなら思う存分……こいつと、一緒に……。

  [newpage]

  「おっ、やっと出すのか。提出期限ギリギリだぞ」

  「遅れてしまってすみません。では……」

  「待て。お前には言っておくべきことが山ほどある。大体お前は……」

  ふと端を見れば、あいつと視線が合ってニコリと微笑み手を振る。

  これからもあいつを中心に自分の世界が回っていくことを想って、溜息を吐いた。

  学年……2年

  氏名……目黒 隼人

  種族……黒豹獣人

  所属……帰宅部

  進路希望……進学

  教師になりたい。ある友達のようなバカを増やさない為に。